国立大学法人・大学共同利用機関法人の第1期中期目標期間の業務の実績に関する評価について

 平成23年5月24日
国立大学法人評価委員会
委員長  村松 岐夫

1.国立大学法人評価委員会は、この度、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第1期中期目標期間の評価を行いました。
    この評価は、各法人が行う教育研究の特性や運営の自主性・自律性に配慮しつつ、中期目標の達成状況について、法人側の自己点検・評価に基づき、平成20年度に実施した平成16~19年度評価における評価結果を変更する必要性の確認を基本として実施したものです。
    なお、本評価制度は、各法人間の相対比較をするものではないことに留意する必要があります。

2.各法人では、学長・機構長のリーダーシップを発揮するために法人の一体的な運営体制が確立され、経営戦略を策定し、それぞれの個性や特色を活かして教育研究活動等に取り組んでいることを高く評価します。
   教育研究では、特色を活かしたカリキュラム改革、競争的経費等を活用した研究推進や研究成果の継承・発展、地域の産業・医療等支援、産学連携の強化、学生に視点を置いた就学支援活動等で優れた点が認められます。業務運営では、人事評価結果を処遇反映する取組の導入が大きく進んでいるほか、戦略的な資源配分の実施、男女共同参画の推進、共同調達の実施、環境へ配慮した取組等で成果が認められます。

3.今回の評価結果では、9割以上の法人が中期目標の達成状況が「非常に優れている」、「良好」及び「おおむね良好」となっています。また、平成16~19年度評価結果と比較すると、「非常に優れている」法人は20法人から32法人に増加し、「不十分である」法人は11法人から6法人へ減少しています。
   このことから、多くの法人では、評価を通じて、運営の改善に結びつけるサイクルが有効に機能しつつあると認められます。
   ただし、これまで課題として指摘された事項に対して十分な対応がなされていない事例も一部には見られるほか、特に研究費の不正使用が行われていたことについては、再発防止に向けた取組の徹底が求められます。
   今後、各法人では、引き続き、着実な自己点検・評価を実施し、第2期中期目標の達成に向けて、教育研究の質の向上や業務運営の改善を図るとともに、さらなる改革を実現されることが期待されます。

4.これまで、国の財政事情を受け、法人運営の基盤的経費である運営費交付金の削減が続いた結果、各法人を取り巻く環境は一層厳しさを増していました。そのような中で、各法人ではマネジメント改革により経費の削減を図り、経営の効率を高め、外部資金の獲得に努めながら教育研究等に取り組んでいることは評価すべきです。
   一方、急速に進む社会や産業界のグローバル化の中で、社会の発展を支える重要な要素の一つである教育研究機能について、法人の個性・特色に配慮しながら、その国際競争力の一層の向上に努める必要があります。
   今後の教育研究の質の維持向上のためには、各法人においては一層の努力や積極的な教育情報の公表が求められます。  
 何より、今後の教育研究の発展のためには、大学改革の推進とともに、公的資金の充実が不可欠であり、この機会に改めて関係各位に強く協力を求めたいと思います。

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高等教育局国立大学法人支援課国立大学法人評価委員会室

(高等教育局国立大学法人支援課国立大学法人評価委員会室)

-- 登録:平成23年05月 --