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1 国立大学法人の借入・債券発行による資金調達制度の概要

(1)制度概要

1長期借入金及び債券による資金調達の目的

 国立大学法人が行うことができる長期借入金の借入れ及び債券の発行(以下「長期借入金等」という。)については、従来、国立大学法人法施行令(平成15年政令第478号)第8条において、附属病院整備事業及び大学等移転事業がその対象とされていた。しかしながら、国立大学法人の自主的な教育研究環境の整備充実の取組みを支援するため、平成17年12月に、長期借入金等の対象について、土地の取得、施設の設置若しくは整備又は設備の設置(以下「土地の取得等」という。)を追加する改正が行われた。
 改正の具体的内容は以下のとおりである。

  • (a)一定の収入が見込まれる施設の用に供される土地の取得等であって、当該土地、施設又は設備を用いて行われる業務に係る収入をもって、当該土地の取得等に係る長期借入金等を償還できる見込みがあるもの。

 具体的な対象としては、下記のようなものがある。

  • 入居者からの寄宿料を償還財源とした学生寄宿舎の整備
  • 入居者からの宿舎料を償還財源とした職員宿舎や外国人研究者の宿泊施設等の整備
  • 診療報酬を償還財源とした動物病院の整備
  • 施設使用料を償還財源としたインキュベーション施設、ベンチャービジネスラボラトリー等(産学連携施設)の整備
  • (b)業務の実施に必要な土地の取得等であって長期借入金等により一括して取得することが、国の補助金等により段階的に取得する場合に比して相当程度有利と認められるもの(筑波大学、奈良先端科学技術大学院大学、高エネルギー加速器研究機構)。

 資金調達手段としては長期借入金、債券発行のいずれもが認められており、各々、民間金融機関、民間金融市場が資金調達先として想定されている。

2償還原資と認められるもの

 国立大学法人が行う業務は、当然、国立大学法人法第22条第1項に規定する業務の範囲内であることが必要であり、長期借入金等により調達した土地、施設又は設備を用いて行われる業務は、当然にその範囲内であることが必要である。したがって、例えば当該業務として整備した建物を学生寮として使用するほか、単なる一般のマンションとして売買又は賃貸することについては、国立大学法人の業務の範囲外であるため、認められない。
 長期借入金等をする国立大学法人は、毎事業年度、長期借入金等の償還計画を立てて、文部科学大臣の認可を受けなくてはならない(国立大学法人法第34条)。その際の償還原資は、調達した資金によって取得又は整備する土地、施設又は設備を用いて行われる業務に係る収入でなくてはならない。

3償還原資で償還できない場合の処理

 長期借入金等による資金調達を行った国立大学法人は、自らの責任において、金融機関や投資家に対して、債務を返済する義務を負っている。したがって、認可対象業務の収入が不足する等の要因により、計画どおりに償還を行うことができなくなった場合には、各国立大学法人においてその償還財源を確保する必要がある。
 なお、発行された債券の債権者は、当該債券を発行した国立大学法人の財産について、民法の一般先取特権に次ぐ優先弁済を受ける権利を有する(国立大学法人法第33条4項5項)。

(2)制度利用上の留意点

 当該土地、施設又は設備を用いて行われる業務に係る収入をもって充当すべき経費は、長期借入金等の償還経費のほか、合理的に考えて当該業務に必要と思われる経費も含まれる。例えば寄宿舎の場合には、管理人費や共有部分の光熱水費、修繕費なども含まれる。また、民間と国立大学法人が資金を出し合う合築に類するものとして、例えば民間の寄付と寄宿料を財源として寄宿舎を整備することも考えられる。ただしその場合には、国立大学法人の財務状況を健全に保つべく償還原資を限定した国立大学法人法施行令第8条第3号の趣旨に鑑み、寄付金を長期借入金等の償還財源とすることは認められていない。

-- 登録:平成21年以前 --