国立大学法人・大学共同利用機関法人の平成18年度に係る業務の実績に関する評価について

平成19年10月5日
国立大学法人評価委員会
委員長 野依 良治

 国立大学法人評価委員会は、この度、国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下、「法人」)の平成18年度に係る業務の実績に関する評価(以下、「年度評価」)を行いました。
 今回の年度評価は、法人化後3回目の評価であり、中期目標期間の前半を終えた時点の評価となります。当委員会においては、各法人の教育研究の特性や法人運営の自主性・自律性に配慮しつつ、各法人の中期計画の平成18年度における実施状況について、総合的に評価を行いました。

 評価にあたっては、昨年度と同様、当委員会が平成16年10月に決定した「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の各年度の終了時の評価に係る実施要領」(平成18年2月及び平成19年1月一部改正)に従い、各法人から提出された業務実績報告書を基に、平成18年度における各法人の中期計画の進捗状況について、法人側の自己評価や年度計画の設定の妥当性も含めて検証しました。その際、財務諸表等も活用するほか、法人として最小限取り組むべき事項を各法人共通の観点として取り上げています。
 なお、評価結果は、あくまでも各法人が設定した中期計画に対するものであり、法人間を相対比較するものではないことを引き続き強調しておきます。

 当委員会としては、昨年度と同様、各法人における業務運営や財務内容の改善・充実等の取組を中心に、特筆すべき取組については積極的に評価を行い、課題を有する事項については、次年度以降改善すべき点として指摘しました。また、今回は、評価方法等の改善の観点から、附属病院に関する評価の充実等の改善・充実を図りました。国立大学法人評価の実施方法等については、これまで必要に応じて改善・充実を図ってきており、今後ともその努力をしていく所存です。

 さらに、昨年度と同様、当委員会として、各法人の中期計画の進捗状況に係る年度評価とは別に、法人化を契機とする改革に向けた取組の状況に関して、「国立大学法人・大学共同利用機関法人の改革推進状況(平成18年度)」を取りまとめておりますので、参考にしていただければと思います。

 平成18年度の状況については、いずれの法人においても、法人化を契機として導入された運営・経営体制が定着してきており、各法人が置かれた環境等に応じてそれぞれ必要な見直しを行いつつ、学長等のリーダーシップの下、法人化のメリットを活かした機動的・戦略的な法人運営に努力されていることを高く評価します。

 また、多くの法人においては、昨年度の評価結果を積極的に業務の改善に役立てておられ、当委員会による評価を活用した改善システムが一応有効に機能していると認められますが、一方で、中期目標に対応する年度計画を設定できていない法人や、計画の進捗状況を適切に把握・分析できていない法人も一部に見られました。
 中期計画を着実に実施するためには、法人において、年度計画を適切に設定するとともに、各年度の進捗状況を正確に把握・分析することが重要となります。いよいよ、中期目標の達成に向けた仕上げの時期が近づいてきており、来年度は、平成19年度までの4年間の業務実績に係る評価を予定しており、その中で教育研究等の質の向上に係る大学評価・学位授与機構による評価が実施されることとなります。
 国の逼迫した財政状況を受け、法人の運営財源である運営費交付金が削減され、各法人を取り巻く環境は厳しさを増しているところですが、引き続き、中期目標の達成に十分留意し適切に計画を設定するとともに、その進捗状況を正確に把握・分析し、中期目標の達成に向けた運営の改善に確実に結び付けていくよう一層の取組を期待します。

-- 登録:平成21年以前 --