文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針について(通知)

27文科高第849号
平成27年12月9日

大学又は高等専門学校を設置する各地方公共団体の長
各国立大学法人の長
各公立大学法人の長
文部科学大臣所轄各学校法人理事長
大学を設置する各学校設置会社の代表取締役      殿
各大学共同利用機関法人機構長
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長
独立行政法人日本学生支援機構理事長


文部科学省高等教育局長
常盤  豊
(印影印刷)

文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針について(通知)


このたび,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号。以下「法」という。)附則第5条第1項の規定に基づき,同法第11条の規定の例により,「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(平成27年文部科学省告示第180号。以下「本指針」という。)【別添1】を策定し,平成28年4月1日から適用することとしました。
本指針の高等教育分野に関する概要及び留意事項については,下記のとおりです。
高等教育分野においては,学校法人及び構造改革特別区域法第12条第1項に規定する学校設置会社(以下「学校法人等」という。)が本指針の対象となることから,本指針に基づいて適切に対応いただくようお願いします。
なお,初等中等教育段階の学校を設置する学校法人及び高等専門学校においては,本指針に記載の初等中等教育分野の留意点等についても御参照いただくようお願いします。
国立大学,公立大学,国立高等専門学校,公立高等専門学校,大学共同利用機関は本指針の直接の対象ではありませんが,法に適切に対応するための参考としていただくようお願いします。
また,日本学生支援機構においては,本指針の内容を踏まえ,大学等における障害学生支援の充実に資する事業の推進に努めていただくようお願いします。


<1> 本指針の概要
第1 趣旨
1 法の制定の経緯
法は,障害者基本法(昭和45年法律第84号)の差別の禁止の基本原則を具体化するものであり,全ての国民が,障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け,障害者差別の解消を推進することを目的とすること。

2 法の基本的な考え方
(1)法の対象となる障害者は,障害者基本法第2条第1号に規定する障害者,すなわち,身体障害,知的障害,精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって,障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものであり,いわゆる障害者手帳の所持者に限られないこと。難病に起因する障害は心身の機能の障害に含まれ,高次脳機能障害は精神障害に含まれること。
(2)法は,日常生活及び社会生活全般に係る分野を広く対象としていること。ただし,事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については,障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)の定めるところによることから,対応指針の対象外となること。なお,同法において,雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)が定められたことを認識し,厚生労働大臣が定める各指針を踏まえて適切に対処することが求められることに留意すること。

3 本指針の位置付け
本指針は,法第11条第1項の規定に基づき,また,障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定。以下「基本方針」という。)【別添2】に即して,法第8条に規定する事項に関し,文部科学省が所管する分野における事業者(以下「関係事業者」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めたものであること。
事業者とは,商業その他の事業を行う者(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。),すなわち,目的の営利・非営利,個人・法人の別を問わず,同種の行為を反復継続する意思をもって行う者であり,個人事業者や対価を得ない無報酬の事業を行う者,学校法人,宗教法人,非営利事業を行う社会福祉法人及び特定非営利活動法人を含むこと。

4 留意点
本指針で「望ましい」と記載している内容は,関係事業者がそれに従わない場合であっても,法に反すると判断されることはないが,障害者基本法の基本的な理念及び法の目的を踏まえ,できるだけ取り組むことが望まれることを意味すること。
関係事業者における取組は,本指針を参考にして自主的に行われることが期待されるが,関係事業者が法に反した取扱いを繰り返し,自主的な改善を期待することが困難である場合などは,法第12条の規定により,文部科学大臣は,特に必要があると認められるときは,関係事業者に対し,報告を求め,又は助言,指導若しくは勧告をすることができることとされていること。
こうした行政措置に至る事案を未然に防止するため,文部科学大臣は,関係事業者に対して,本指針に係る十分な情報提供を行うとともに,第5のとおり,相談窓口を設置すること。

第2 不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方
1 不当な差別的取扱い
(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方
 関係事業者は,その事業を行うに当たり,障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより,障害者の権利利益を侵害してはならないこと。
ア 法が禁止する障害者の権利利益の侵害とは,障害者に対して,正当な理由なく,障害を理由として,財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する,障害者でない者に対しては付さない条件を付すことなどによる権利利益の侵害であること。
なお,障害者の事実上の平等を促進し,又は達成するために必要な特別の措置は,法第8条第1項に規定する不当な差別的取扱い(以下単に「不当な差別的取扱い」という。)ではないこと。
イ 障害者を障害者でない者より優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)や,後述する合理的配慮の提供による障害者でない者との異なる取扱い,合理的配慮を提供等するために必要な範囲で,プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは,不当な差別的取扱いには当たらないこと。

(2)正当な理由の判断の視点
正当な理由に相当するのは,その取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり,その目的に照らしてやむを得ない場合であること。関係事業者は,正当な理由に相当するか否かについて,個別の事案ごとに,障害者,関係事業者,第三者の権利利益の観点から,具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要であること。個別の事案ごとに具体的場面や状況に応じた検討を行うことなく,一般的・抽象的な理由に基づいて障害者を不利に扱うことは,法の趣旨を損なうため,適当ではないこと。
関係事業者は,個別の事案ごとに具体的な検討を行った上で正当な理由があると判断した場合には,障害者にその理由を説明するものとし,理解を得るよう努めることが望ましいこと。

(3)不当な差別的取扱いの具体例
不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は別添1の別紙1(以下「別紙1」という。)のとおりであること。
なお,不当な差別的取扱いに相当するか否かについては,個別の事案ごとに判断されることとなり,別紙1の具体例は,正当な理由が存在しないことを前提としていること,さらに,それらはあくまでも例示であり,記載されている具体例だけに限られるものではないことに留意する必要があること。

2 合理的配慮
(1)合理的配慮の基本的な考え方
関係事業者は,その事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)をするように努めなければならないこと。
ア 合理的配慮は,事業者の事業の目的・内容・機能に照らし,必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること,障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること及び事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要があること。
イ 合理的配慮は,障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり,多様かつ個別性の高いものであり,当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ,社会的障壁の除去のための手段及び方法について,2(2)で示す過重な負担の基本的な考え方に掲げた要素を考慮し,代替措置の選択も含め,双方の建設的対話による相互理解を通じて,必要かつ合理的な範囲で,柔軟に対応がなされるものであること。
なお,合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合,障害者との関係性が長期にわたる場合等には,後述する環境の整備に取り組むことを積極的に検討することが望ましいこと。
ウ 意思の表明に当たっては,具体的場面において,社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか,障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられ,本人の意思の表明が困難な場合には,コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むこと。
なお,意思の表明が困難な障害者がコミュニケーションを支援する者を伴っておらず,本人の意思の表明も支援者が本人を補佐して行う意思の表明も困難であることなどにより,意思の表明がない場合であっても,当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合には,法の趣旨に鑑み,当該障害者に対して適切と思われる配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど,自主的な取組に努めることが望ましいこと。
エ 合理的配慮は,事前に行われる建築物のバリアフリー化,介助者や日常生活・学習活動などの支援を行う支援員等の人的支援,情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として,個々の障害者に対して,その状況に応じて個別に実施される措置であり,各場面における環境の整備の状況により,合理的配慮の内容は異なることとなること。また,障害の状態等が変化することもあるため,特に,障害者との関係性が長期にわたる場合等には,提供する合理的配慮について,適宜,見直しを行うことが重要であること。
オ 介助者や支援員等の人的支援に関しては,障害者本人との人間関係や信頼関係の構築・維持が重要であるため,これらの関係も考慮した支援のための環境整備にも留意することが望ましいこと。また,支援機器の活用により,障害者と関係事業者双方の負担が軽減されることも多くあることから,支援機器の適切な活用についても配慮することが望ましいこと。
カ 同種の事業が行政機関等と事業者の双方で行われる場合には,事業の類似性を踏まえつつ,事業主体の違いも考慮した上での対応に努めることが望ましいこと。

(2)過重な負担の基本的な考え方
過重な負担については,関係事業者において,個別の事案ごとに,以下の要素等を考慮し,具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要であること。個別の事案ごとに具体的場面や状況に応じた検討を行うことなく,一般的・抽象的な理由に基づいて過重な負担に当たると判断することは,法の趣旨を損なうため,適当ではないこと。過重な負担に当たると判断した場合には,障害者にその理由を説明するものとし,理解を得るよう努めることが望ましいこと。
1 事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)
2 実現可能性の程度(物理的・技術的制約,人的・体制上の制約)
3 費用・負担の程度
4 事務・事業規模
5 財政・財務状況

(3)合理的配慮の具体例
合理的配慮の具体例は別紙1のとおりであること。
掲載した具体例については,過重な負担が存在しないこと,事業者に強制する性格のものではないこと,さらに,これらはあくまでも例示であり,記載されている具体例に限られるものではないことに留意する必要があること。

第3 関係事業者における相談体制の整備
関係事業者においては,障害者,その家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため,既存の一般の利用者等からの相談窓口等の活用や窓口の開設により相談窓口を整備することが重要であること。また,ホームページ等を活用し,相談窓口等に関する情報を周知することや,障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段や情報提供手段を用意して対応することが望ましいこと。なお,ホームページによる周知に際しては,視覚障害者,聴覚障害者等の情報アクセシビリティに配慮することが望ましいこと。
また,実際の相談事例については,プライバシーに配慮しつつ順次蓄積し,以後の合理的配慮の提供等に活用することが望ましいこと。

第4 関係事業者における研修・啓発
関係事業者は,障害者に対して適切に対応し,また,障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため,研修等を通じて,法の趣旨の普及を図るとともに,障害に関する理解の促進を図ることが重要であること。
特に高等教育分野においては,教職員の理解の在り方や指導の姿勢が学生に大きく影響することに十分留意し,外部からは気付きにくいこともある難病等をはじめとした病弱(身体虚弱を含む。),発達障害,高次脳機能障害等の理解,学生の間で不当な差別的取扱いが行われている場合の適切な対応方法等も含め,研修・啓発を行うことが望ましいこと。
研修・啓発においては,文部科学省や独立行政法人等が提供する各種情報を活用することが効果的であること(独立行政法人日本学生支援機構が作成する「大学等における障害のある学生への支援・配慮事例」,「教職員のための障害学生修学支援ガイド」等)。また,研修・啓発の内容によっては,医療,保健,福祉等の関係機関や障害者関係団体と連携して実施することも効果的であること。

第5 文部科学省所管事業分野に係る相談窓口
生涯学習・社会教育分野 生涯学習政策局生涯学習推進課及び同局社会教育課
初等中等教育分野 初等中等教育局特別支援教育課
高等教育分野 高等教育局学生・留学生課
科学技術・学術分野 科学技術・学術所管部局事業所管各課室
スポーツ分野 スポーツ庁健康スポーツ課
文化芸術分野 文化庁文化所管部局事業所管各課室

第6 分野別の留意点(別添1の別紙2)について
1 学校教育分野の総論
学校教育分野においては,障害者の権利に関する条約(以下「権利条約」という。)第24条,障害者基本法第4条第1項及び第16条第1項,教育基本法(平成18年法律第120号)第4条第2項等の規定も踏まえて,既に取組が進められており,合理的配慮等の考え方も,文部科学省高等教育局長決定により開催された「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」が平成24年12月に取りまとめた「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」等により示されていること。

2 高等教育段階
(1)合理的配慮に関する留意点
障害のある学生に対する合理的配慮の提供については,大学等(大学及び高等専門学校をいう。以下同じ。)が個々の学生の状態・特性等に応じて提供するものであり,多様かつ個別性が高いものである。合理的配慮を提供するに当たり,大学等が指針とすべき考え方を項目別に以下のように整理した。ここで示すもの以外は合理的配慮として提供する必要がないというものではなく,個々の学生の障害の状態・特性や教育的ニーズ等に応じて配慮されることが望まれること。
1 機会の確保:障害を理由に修学を断念することがないよう,修学機会を確保すること,また,高い教養と専門的能力を培えるよう,教育の質を維持すること。
2 情報公開:障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し,大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すこと。
3 決定過程:権利の主体が学生本人にあることを踏まえ,学生本人の要望に基づいた調整を行うこと。
4 教育方法等:情報保障,コミュニケーション上の配慮,公平な試験,成績評価などにおける配慮を行うこと。
5 支援体制:大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めること。
6 施設・設備:安全かつ円滑に学生生活を送れるよう,バリアフリー化に配慮すること。

(2)合理的配慮の具体例
別紙1のほか,独立行政法人日本学生支援機構が作成する「大学等における障害のある学生への支援・配慮事例」や「教職員のための障害学生修学支援ガイド」も参考とすることが効果的であること。
なお,これらに示されているもの以外は提供する必要がないということではなく,一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されることが望ましいこと。

(3)相談体制の整備に関する留意点
大学等の学長(校長を含む。以下同じ。)は,リーダーシップを発揮し,大学等全体として,学生から相談を受けた時の体制整備を含む次のような支援体制を確保することが重要であること。
ア 担当部署の設置及び適切な人的配置
支援体制を整備するに当たり,必要に応じ,障害のある学生の支援を専門に行う担当部署の設置及び適切な人的配置(専門性のある専任教職員,コーディネーター,相談員,手話通訳等の専門技術を有する支援者等)を行うほか,学内(学生相談に関する部署・施設,保健管理に関する部署・施設,学習支援に関する部署・施設,障害に関する様々な専門性を持つ教職員)との役割を明確にした上で,関係部署・施設との連携を図ること。
なお,障害のある学生の所属学部や学科,担当教職員により提供する支援の内容が著しく異なるなどの状況が発生した場合は,学長及び障害のある学生の支援を専門に行う担当部署を中心に,これらの事案の内容を十分に確認した上で,必要な調整を図り,更に再発防止のための措置を講じることが望ましいこと。
また,障害のある学生と大学等との間で提供する合理的配慮の内容の決定が困難な場合は,第三者的視点に立ち調整を行う組織が必要となるため,このような組織を学内に設置することが望ましいこと。
これらの調整の結果,なお合意形成が難しい場合は,大学等の設置者である学校法人等が,法的知見を有する専門家等の助言を得るなどしつつ,法の趣旨に即して適切に対応することが必要であること。
イ 外部資源の活用
障害は多岐にわたり,各大学等内の資源のみでは十分な対応が困難な場合があることから,必要に応じ,学外(地方公共団体,NPO,他の大学等,特別支援学校など)の教育資源の活用や障害者関係団体,医療,福祉,労働関係機関等との連携についても検討すること。
ウ 周囲の学生の支援者としての活用
障害のある学生の日常的な支援には,多数の人材が必要となる場合が多いことから,周囲の学生を支援者として活用することも一つの方法であること。
一方で,これらの学生の支援者としての活用に当たっては,一部の学生に過度な負担が掛かることや支援に携わる学生と障害のある学生の人間関係に問題が生じる場合があることから,これらに十分留意するとともに,障害の知識や対応方法,守秘義務の徹底等,事前に十分な研修を行い,支援の質を担保した上で実施することが重要であること。

(4)学生・教職員の理解促進・意識啓発を図るための配慮
障害のある学生からの様々な相談は,必ずしも担当部署に対して行われるとは限らず,障害のある学生の身近にいる学生や教職員に対して行われることも多いと考えられる。それらに適切に対応するためには,障害により日常生活や学習場面において様々な困難が生じることについて,周囲の学生や教職員が理解していることが望ましく,その理解促進・意識啓発を図ることが重要であること。

(5)情報公開
各大学等は,障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し,大学等全体としての受入れ姿勢・方針を明確に示すことが重要であること。
また,各大学等が明確にすべき受入れ姿勢・方針は,入学試験における障害のある受験者への配慮の内容,大学構内のバリアフリーの状況,入学後の支援内容・支援体制(支援に関する窓口の設置状況,授業や試験等における支援体制,教材の保障等),受入れ実績(入学者数,在学者数,卒業・修了者数,就職者数等)など,可能な限り具体的に明示することが望ましく,それらの情報をホームページ等に掲載するなど,広く情報を公開することが重要であること。なお,ホームページ等に掲載する情報は,障害のある者が利用できるように情報アクセシビリティに配慮することが望まれること。

<2> 留意事項
本指針における関係事業者に当たる学校法人等は,次の点に留意しつつ,法に適切に対応することが必要であること。
(1)合理的配慮の提供(本指針第2の2及び別紙2「学校教育分野」の3(1))
ア 対話による合意形成
合理的配慮は,一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じ,学校法人等及び本人により,合意形成を図った上で提供すること。
イ 合理的配慮の柔軟な見直し
合理的配慮は,その障害のある学生が十分な教育が受けられるために提供できているかという観点から評価することが重要であり,合理的配慮の合意形成後も,学生一人一人の適応の状況等を勘案しながら,合理的配慮の内容を柔軟に見直すことができることを,学校法人等及び本人との間で共通理解とすること。

(2)相談体制の整備(本指針第3及び別紙2「学校教育分野」の3(3))
大学等の学長は,本人からの相談に組織的かつ迅速に対応する体制を整備すること。
学校法人等は,各大学等における必要な環境の整備に努めるとともに,このような学内体制を用いてもなお合意形成が難しい場合は,法的知見を有する専門家等の助言を得るなどしつつ,法の趣旨に即して適切に対応すること。また,相談窓口や相談を受け付けた後の手続の流れについて,あらかじめ周知し,本人が相談体制を利用しやすい環境作りに努めること。
 
(参考:関係資料の掲載URL)    
○「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm
○「大学等における障害のある学生への支援・配慮事例」(独立行政法人日本学生支援機構)
http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/2014jirei_top.html
○「教職員のための障害学生修学支援ガイド」(独立行政法人日本学生支援機構)
http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/guide/top.html
○「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329295.htm


【本件連絡先】
文部科学省高等教育局
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
(本通知について)
高等教育企画課法規係 
電話:03-5253-4111(内線)2482
FAX:03-6734-3385
E-mail:koutou@mext.go.jp
(本通知のうち本指針の内容について)
学生・留学生課厚生係
電話:03-5253-4111(内線)2519
FAX:03-6734-3391
E-mail:gakushi@mext.go.jp

お問合せ先

高等教育局学生・留学生課

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-- 登録:平成29年02月 --