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内部規則の総点検・見直しにおける留意事項

平成27年1月15日
文部科学省高等教育局

  各大学からの内部規則の改正案等に関する個別の御相談の状況等を踏まえて、内部規則等の総点検・見直しにおいて、特に留意すべき点をお知らせいたします。下記を御参考にしていただき、引き続き、改正法の施行期日である平成27年4月1日までに、必要な内部規則等の総点検・見直しが完了するよう、御検討をお願いいたします。

【学校教育法関係】

1.学長が、校務全般に関する最終決定権を有していることが、適切に担保されていない場合が見られます。

 学校教育法第92条第3項では、「学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する」と定められています。本項は、学長が校務に関する最終的な決定権を有するとともに、所属職員に対して指揮命令権を有することであると解されており、各大学においては、こうした学長の権限が適切に担保されるように、学内規程を整備することが求められます。
 この点、学生の入学や懲戒などの個別の事項について、「学生の入学については、~学長が決定する」「学生の懲戒については、~学長が定める」等の規定が設けられていることをもって、学長に校務の決定権があるとの御説明をされている大学もありますが、法律上、学長は校務全般についての決定権を有していますので、上記のように個別に規定されていない事柄を含めて、校務全般について、学長の決定権が適切に担保されていることが必要です。

2.学長と学部長の関係が、正確に理解されていない場合が見られます。

 学校教育法第92条第5項は、「学部長は、学部に関する校務をつかさどる」と規定しています。この規定は、学部長が、学部の校務について、学部段階における決定権を有学校教育法第92条第5項は、「学部長は、学部の校務をつかさどる」と規定しています。この規定は、学部長が、学部の校務について、学部段階における決定権を有していることを意味するものと解されています。
 大学の内部規則の中には、「~については、学部長が定める」等の規定が設けられている場合があり、学部に関する事項については、学部長が最終的な決定権を有するものとして解釈・運用されているケースも見られます。しかしながら、学部の校務について、学部長が最終的な決定を行うということでは、学部の校務が学部長の専権事項のように解されたり、仮に不適切な事例や全学の方針に反する学部運営が行われていたりしても、学長が是正を求めることができないなどの事態が生じかねません
 もとより、学部内で完結するような事項については、実態として、学部長に委ねられている部分も大きいと思いますので、学長から特に指示等がない限り、学部長の判断が事実上大学の最終判断となるケースも多いと考えられます。しかしながら、このような場合においても、最終的な決定権はあくまでも学長が有していることには違いはありませんので、必要な場合には、いつでも、学長が学部長に対して指示できるような仕組みとしておくことが求められます

3.教授会に関する規定が、法律の趣旨を適切に踏まえたものとなっていない場合が見られます。

 改正学校教育法の第93条第2項及び第3項は、それぞれ異なる意味を持つ規定となっています。そのため、これらの2つの条文が求める要素がそれぞれどのような内容か十分に把握した上で、各大学の内部規則において、適切に規定する必要がありますが、第93条第2項及び第3項が十分に区別されないままに規定されているケースが多数見られます。特に多いのが、従前、教授会の審議事項とされていた事項を、そのまま、第93条第2項に相当する「教授会が意見を述べるものとする」事項として列挙するケースです(下記事例参照)。

<※課題があると考えられる事例>

(注意すべき改正案の例)

(現行)

(教授会の審議事項)

第A条 教授会は、次に掲げる事項について審議し、学長が決定を行うに当たり意見を述べるものとする
一 学生の入学及び卒業に関すること
二  学位の授与に関すること
三 教育課程の編成に関すること
四 学生の懲戒に関すること
五~十 (略)

(教授会の審議事項)

第A条 教授会は、次に掲げる事項について審議する
一 学生の入学及び卒業に関すること
二  学位の授与に関すること
三 教育課程の編成に関すること
四 学生の懲戒に関すること
五~十 (略)

 改正法においては、第93条第2項と第3項という二つの要素が新たに規定されました。第93条第2項は、同項が定める事項については、「学長が決定を行うに当たり、教授会が意見を述べるもの」としています。一方、第93条第3項は、教授会が「教育研究に関する事項」について審議し、「学長等から求めがあった場合には、意見を述べることができる」としています。内部規則の見直しにおいては、教授会の審議事項について、第2項の手続に乗せる事項と、第3項の手続に乗せる事項とに、整理していくことが求められます
 上記の事例では、条文上、現在の教授会審議事項を、全て第2項に相当する事項として位置付けようとすることになります。この場合、これまで教授会で審議してきた全ての事項について、学長が決定を行うに当たって、教授会が意見を述べることが法律上必ず求められることになりますが、そうした手続にすることが、各大学が意図するガバナンスの在り方に合致しているか、改めて確認してください。(個別相談においては、大学が企図している方向性と、内部規則改正案の表現が大きくかい離している場合が、多々見受けられます)
 また、教授会の審議事項は、第93条第3項において「教育研究に関する事項」であると定められていますが、教授会の審議事項を、従来通り、具体的に明記したいということであれば、第93条第3項に相当する規定において、「教育研究に関する事項」の具体的な内容として例示的に列挙することも考えられます
 なお、内部規則について、一切の改正が不要とお考えの大学もあるようですが、一般論としては、教授会に関する規定について、今回の法改正に適切に対応したものとするためには、何らかの内部規則の改正又はそれに準じた措置が必要となり、一切改正等の必要がないというケースは、基本的に想定されないものと考えています

4.学校教育法第93条第2項第3号の「学長が定める事項」が、理事会や教授会など、学長以外の機関によって定められている場合が見られます。

 私立大学においては、学則の制定・改廃権者は、大学の設置者である理事会にあるとされている場合が多く見られます。学校教育法第93条第2項第3号の「学長が定める事項」は、文字通り、学長が定めることが求められますが、学則の制定権が理事会にある場合には、「学長が定める事項」を学則で規定することは、理事会が「学長が定める事項」を直接規定することになりかねません。したがって、そのような場合には、「学長が定める事項」については、別途、「学長裁定」等の形で、学長自身が定めることが担保されるようにしてください

5.教授会の役割が正確に理解されていない場合が見られます。

 教授会は、教育研究に関する専門的な審議を行う合議制の機関です。教授会が学校教育法上、大学における必置の機関とされているのは、教育研究における専門性を尊重することによります。例えば、教員の身分保障や勤務条件に関することなどで、専門性を前提としない審議は、本来、学校教育法で規定されている教授会に求められる役割とは異なるということになります。

6.学校教育法施行規則第144条の削除は、学生の退学、転学、留学等について、教授会で審議することを禁じる趣旨の改正ではありません。

 今回、学校教育法施行規則第144条を削除し、学生の退学、転学、休学、留学について、必ずしも教授会の議を経ることを求めないとしたところです。これは、現行の施行規則が、必ず教授会の議を経ることを求めていることから、例えば、夏休み期間等で教授会が開かれない等の理由によって、学生の希望が速やかに認められない場合もあるといった実態を踏まえて改正したものです。
 なお、退学や転学等について、学生の希望を尊重して、不利益にならないような取扱いをすべきことは当然ですが、そのことは、学生からの退学等の希望について無条件に受理するよう求めるものではありません学生の相談に丁寧に応じるなど、きめ細かい対応が求められます

【国立大学法人法関係】

7「学長選考が定める基準」には、「学長に求められる資質・能力」だけではなく、「学長の選考の手続・方法」が含まれることが想定されており、既存の「学長選考会議規程」等の学内規則も「学長選考が定める基準」には含まれます。

 改正後の国立大学法人法第12条第7項において、学長の選考は、「学長選考会議が定める基準」により、行わなければならないこととされました。施行通知でもお示ししたとおり、この「学長選考会議が定める基準」には、「学長に求められる資質・能力」、「学長の選考の手続・方法」に関する具体的な事項が盛り込まれることが想定されているところであり、学長選考会議における手続その他を定めた既存の学内規則も当該基準には含まれます。 このため、これらの学内規則は法律に基づく公表の対象となりますので、御注意ください。

8.「学長選考会議が定める基準」は、学長選考が行われるまでに作成する必要がありますが、「具体的な手続・方法」については、先行して議論を開始し、作成・見直しを行うことが期待されるものです。

 内部規則等の総点検・見直しの実施についてお知らせしたチェックリストにおいて、「学長選考会議が定める基準」については、「各大学が学長選考を開始する時期までに策定する必要がある」としているところであり、法律の施行と同時に改正することを求めていないところです。この趣旨は、「学長に求められる資質・能力」については、選考が行われる時点での状況を踏まえて策定される必要があることによるものです。
 一方で、「具体的な手続・方法」については、学長選考会議が主体的な選考に当たって適切なものとなっているかどうか、十分な議論を行い設定される必要があるものです。様々な事情により、学長選考が任期の終了前に行われることも十分想定した上で、「具体的な手続・方法」に関わる学内規則については、先行して議論を開始し、必要な見直しを早急に行うことが求められます
 このような趣旨から、チェックリストにおいては、「学長に求められる資質・能力」については、「基準本体とは別の文書として作成することも妨げられない」としているところです。

9.関連学内規則、学長選考の結果、理由・過程については、ホームページに「国立大学法人法第12条第8項の規定による公表事項」を設けるなど、わかりやすい形で、可能な限り具体的に公表されるべきものです。

 改正後の国立大学法人法第12条第8項及び国立大学法人法施行規則第1条の2において求められている公表事項については、単に学内掲示や記者会見などの方法だけではなく、大学ホームページに「国立大学法人法第12条第8項の規定による公表事項」を設けるなど、広く国民が知ることができる形で公表することが期待されます。
 また、学長選考の理由については、「学長選考会議が定める基準」に照らして選考された者が適切と判断した理由が明らかとなるものとする等、可能な限り具体的なものとすることが求められているところですが、この趣旨からすると、「学長選考会議が定める基準」自体も可能な限り具体的なものとすることが求められることに留意してください。

【その他(共通事項)】

10.内部規則の表現は、法律で求められる要素が反映されている限り、多様な表現が可能です。

 大学からの御相談において、例えば、「校務をつかさどる」「意見を述べる」等の法律で用いられている表現を、内部規則においても用いる必要があるかの御質問を頂くことがあります。
 法律の趣旨を内部規則において適切に反映するためには、法律上の表現を採り入れることも一つの考え方ですし、改正法で求められている要素が、内部規則において反映されている限り、内部規則には多様な表現も可能ですので、各大学において法令との整合性に十分に留意しながら工夫してください

お問合せ先

文部科学省高等教育局大学振興課

(文部科学省高等教育局大学振興課)

-- 登録:平成27年01月 --