令和4年度公開プロセス結果の公表

外部有識者の評価結果

6月7日(火曜日)実施

事業名

評価結果

とりまとめコメント

 

外国人児童生徒等への教育の充実

 

 

(1,132百万円)

廃止

0

 

判定:

事業内容の
一部改善

 

  • 散在地域における自治体の取組や外国人児童生徒等の居住実態と教育のカバー状況のさらなる実態把握が必要。
  • 地域社会、市民、企業の積極的協力を、さらに得ることができる事業の構築が必要。
  • 就学促進事業については、地域資源のさらなる活用へ重点を置いた戦略を進めるとともに、政府広報の活用などあらゆる施策を活用した教育の機会を失わないための戦略が必要。
  • 文科省がリーダーシップをもって人材の掘り起こしを行うとともに、現場とつなげることは非常に重要。
  • データをきちんと分析し、状況を把握することが必要。

事業全体の

抜本的な改善

0

事業内容の

一部改善

6

現状通り

0

理科教育等設備整備補助等

 

 

(1,912百万円)

廃止

0

 

判定:

事業内容の
一部改善

 

  • 事業の効果および成果指標、ロジックモデルについて、法の目的に基づいた事業の目的に沿ったアウトカムの見直しが必要。
  • 事業による取組の有無、取組の事前事後といった形で、事業設計と調査・評価設計のデザインをあらためて併せて行うことが必要。
  • 子どもたちの理科への興味・関心、さらには、科学のリテラシーが向上するというロジックの検討が必要。
  • 他の事業と連携した総合的な効果も視野に入れ、観察・実験の量・質の向上が小中学生の意欲・関心の向上につながっているかどうかの因果関係の検証が必要。
  • 教員とPASEOの効率的な連携の在り方や複数の自治体でのPASEOの任用等の更なる検討が必要。

 

事業全体の

抜本的な改善

1

事業内容の

一部改善

5

現状通り

0

持続的な産学共同人材育成システム構築事業

 

 

(203百万円)

廃止

0

 

判定:

事業全体の
抜本的な改善

 

  • マッチング支援サイトの在り方について抜本的な見直しが必要。
  • 後継事業を行うかどうかの検討が必要。
  • 高等教育全般といった幅広いターゲットとするのではなく、社会の求める特定の領域に絞り込んだ取組も必要。
  • 企業と大学を行ったり来たりする人材の仕組みは重要であり、その視点での見直し、検討が必要。
  • 持続可能性を担保するには、中核拠点に丸投げとならないように、財政面だけでなく事業の有効性の観点からロードマップと指標の設定を検討することが必要。

事業全体の

抜本的な改善

4

事業内容の

一部改善

2

現状通り

0

イノベーションシステム整備事業

 

 

(1,409百万円)

廃止

0

 

判定:

事業内容の
一部改善

 

  • 次の展開に向けては、別の形の支援が必要という意味で見直しが必要。
  • 学内の既存の産学連携部局とOI機構の連携や統廃合等についての検討が必要。
  • ゴールは安定的な産学連携収入の確保であり、これに至るためのボトルネックの分析とそれに応じた具体策の実施が必要。
  • 社会の変化、競争の激化が進んでおり、既存の枠組みにこだわらず変化に応じた目標の引き上げも必要。

事業全体の

抜本的な改善

1

事業内容の

一部改善

5

現状通り

0

 

6月17日(金曜日)実施

事業名

評価結果

とりまとめコメント

 

博物館文化拠点機能強化プラン

 

 

(2,164百万円)

廃止

0

 

判定:

事業全体の
抜本的な改善

 

 

  • 事業設計とともに、来館者視点に基づくアウトカムの設定、それに基づく調査・評価設計が必要。具体的には、アンケートの実施指標も含めた調査・評価設計、
    「次なる改善に直結できる評価」の視点で満足度以外の指標も採用し、事業者向けの要領等も抜本的に見直すことが必要。
  • 本事業は博物館を拠点として面としての魅力向上も目指す事業なので、初期アウトカムの指標は、来館者の満足度だけでなくエリア内での変化等を指標として設定し、
    取組改善に向けたメルクマールとすることが必要。
  • 本事業について、認定プロセスだけでなく、PDCAサイクルを対外的にわかりやすく公表することが必要。
  • 全国展開への出口戦略を構築して国民への説明責任を果たすことが必要。

 

事業全体の

抜本的な改善

3

事業内容の

一部改善

3

現状通り

0

スポーツ・フォー・トゥモロー等推進プログラム

 

 

(178百万円)

廃止

0

 

判定:

事業全体の
抜本的な改善

 

 

  • 改めて事業設計を見直すことが必要。また、自走化という目的に近づいているかを判断できる成果指標の構築が必要。
  • リーディング事業について、ポストSFTとは別事業として事業設計を考え、アウトカム等の成果指標を再設計することが必要ではないか。
  • 相手国の社会課題に関する実態把握を踏まえたアウトカムの再設定が必要。
  • 他省庁も含めて目的の重複する事業が併存していないかの確認も不可欠。また、現在のリーディング事業が、最も効率的・効果的なのかの見直しが必要。
  • 委託事業ではなく補助金というスキームも検討することが必要ではないか。

 

事業全体の

抜本的な改善

3

事業内容の

一部改善

3

現状通り

0

女性アスリートの育成・支援プロジェクト

 

 

(200百万円)

廃止

0



 

判定:

事業内容の

一部改善

 

  • 女性コーチに特化した事業では、様々な経歴を持った人材の発掘も可能なシステムを兼ねること重要。
  • 指導者と生徒、保護者といった多方面からの認識を把握し、ギャップを分析することが必要。また、女性アスリート支援情報プラットフォームには、トップアスリートから中高生を含むジュニアアスリートまで幅広い取組事例を紹介することが必要。
  • ジュニアスポーツにおいては、目先の競技を優先させる傾向があることから、健康面への配慮が競技面にもプラスになるようなエビデンスがあると、この事業の有効性がさらに見えてくる。
  • (これまでの取組を高く評価した上で)調査を速やかに実施し、実態把握を進めるとともに、現時点の仮説を構築し、アウトプットからアウトカムに至るボトルネックを突破できる具体的な追加施策を展開できるよう周到な準備を期待。

事業全体の

抜本的な改善

0

事業内容の

一部改善

5

現状通り

1

 

 

評価のコメント(コメントシートに記載されたコメント)

6月7日(火曜日)実施

第1コマ目:外国人児童生徒等への教育の充実

  • 今後さらに重要性が高まる事業であると思われるので、補助金を受給していない地域において、自主財源や地域の資源を活用して外国人児童への対応がなされているか否か等、既存のデータをきちんと分析・把握する必要がある。この把握を踏まえてアウトプット指標、アウトカム指標を見直すべきではないか。
  • 不就学児童数と補助しているかどうかの相関関係があるのかどうかなど、現状の分析をさらに進める必要がある。
  • 北東北や南九州など、現在補助を受けていない比較的需要の小さな散在地域において、認識不足から支援体制の重要性が無視されないように注意することが必要と考えられる。その際、調査研究活動の成果を確実に施策に反映させていくことも重要である。また、ボランティアや大学と協働した取り組みの情報、あるいは支援人材等のリソースの情報などを共有する側面の支援が重要となるのではないか。
  • 全国規模で多文化共生に見識のある者を掘り起こし、学校現場とマッチングする取組も考えられるのではないか。
  • 教育支援体制整備事業費補助金に基づく2つの事業については、需要の大きな地域に必要な補助がなされており、今後も効果を確認しながら確実に進められることが望まれる。
  • 今回のプロセスを通じて、ロジックモデルの精査や具体的な調査・分析(補助/非補助自治体の比較等)も進み、事業が目指すべきところ、さらには、その実現のための事業の方向性、担当課の考え等をより明確にすることができた。今後も、このプロセスを参考にしながら、事業設計と調査・評価設計に並行して取組み、より政策効果を発揮する精度の高い取組みを期待したい。
  • 一方、文科省のこれまでの努力に関わらず、事業としての課題がまだあるのも事実。集住地域/散在地域、それぞれに応じた自治体の積極的な取組み、さらには、地域社会の協力も得られるよう、さらなる具体策が必要ではないか。
  • 就学促進事業については、現状において自治体を通じたプッシュ型の事業戦略に限界があることから、地域資源のさらなる活用へ重点を置いた戦略を進めるとともに、政府広報の活用などあらゆる施策を活用した教育の機会を失わないための戦略が必要ではないか。
  • 外国人児童生徒等に対するきめ細やかな支援事業の結果、日本の大学への進学は、大いなる成果である。現状4割の進学率となっているがこれをさらに分析し、自治体における優れた取組などグッドプラクティスを横展開する方策など検討することでより効果的な運用につなげるべきである。
  • オンライン教育の活用によって散在地域の人材不足の解消にチャレンジすることができるのではないか。
  • 文科省がリーダーシップを持って人材の掘り起こしを行い、現場とつなげることは非常に重要である。
  • 外国人児童の居住実態と教育のカバー状況のさらなる実態把握と地域社会、市民、企業の積極的協力をより得ることができる事業の構築が必要ではないか。

第2コマ目:理科教育等設備整備補助等

  • 理科教育の基盤整備を継続するのが国の役割であるという基本的な問題意識は共有できるし、国際調査や全国調査を基にした理科教育をめぐる課題認識はよくわかるが、この事業の内容や規模の根拠としてはきわめて薄いのではないか。(有効かどうか判断することができない。なお、これをもって、事業規模を縮減すべきという評価ではないことには留意されたい。)
  • 法によると理科、算数、数学とされていることから、固定化された事業内容を見直し、理系の分野で今最も必要とされている事業は何かなど試行的な取組の検討が必要ではないか。
  • 施設整備の補助や補助員の配置が何を改善しているのか、現場レベル、また、取組みの有無の違い、事前事後といった形で、事業設計と調査・評価設計のデザインをあらためて併せて行うことが必要ではないか。
  • 将来の科学技術の発展を担う人材を確実に育成する基盤として、事業の重要性は理解できる。事業目的を正確に反映したアウトカムを設定して成果の評価を行うことが重要と考える。
  • 安全な学習の確保とともに子供たちの学習への興味、関心を持たせることでより確実な学習の定着が期待できることから、さらに各自治体の工夫などの実態を把握し、より効果的な実施に向けて検討する必要がある。
  • 超長期にわたって実施してきた事業であることから、柔軟に時代に即した事業内容を検討することが必要である。
  • 補助金不交付自治体についても、実験などの教育環境を把握し政策的な必要性を検討する必要があるのではないか。
  • PASEOについては教員とPASEOとのより効率的な連携のあり方、複数の自治体でのPASEOの任用等について更なる検討が必要ではないか。
  • PASEOが必要な自治体とそうでない自治体、必要だが補助を受けていない自治体がどの程度あるのかを把握できるような調査が必要である。
  • 事業実施がアウトカムにつながるロジックは、機材と人材の整備→観察・実験の量・質の向上→小中学生の意欲・関心の向上→理科教育における現状の課題の克服という形で追跡されるべきと思われる。よって、事業実施と観察・実験の回数の相関の確認にとどまらず、他の事業と連携した総合的な効果も視野に入れて、観察・実験の量・質の向上が小中学生の意欲・関心の向上につながっているかどうかの因果関係について確かめる必要があり、最終的にはPISA、「国際数学・理科教育動向調査」、「全国学力学習状況調査」といった調査で明らかになった課題に対処できているかを見ていく必要があるものと思われる。また、小中学生で解決すべき課題が異なることもすでに指摘されているため、その違いに対応できているかについても確かめる必要がある。
  • 週1回以上の観察や実験をした先の目指す姿がまだ曖昧。観察や実験が増えると、最終的に国民全体の科学に関するリテラシー向上につながるのかのエビデンスが不明確である。
  • PASEOに限らず自治体の創意工夫を広く補助対象にできるよう事例の把握や周知が必要。

第3コマ目:持続的な産学共同人材育成システム構築事業

  • 社会の要請に沿った大学教育を実現するために実務家教員を増やすとの政策目的は妥当だが、その目的達成の手段として有効とは判断し難い。
  • 開発されたプログラムの横展開については、各大学のFDで使用するといった想定であれば、履修証明プログラムのような単位付与を伴うリジッドな形式は(部分的に使用するにしても)目的に合わない感じがする。
  • 持続可能性を担保するためには、中核拠点に丸投げとならないように、財政面だけでなく、事業の有効性の観点からロードマップと指標の設定を検討することが緊要である。
  • この事業の選定プログラムを履修した人材が他の人材よりも優れている点を明らかにし、それが採用の決定に影響を及ぼしていることを示すような評価が必要と考えられる(例.プログラム履修者に対する採用機関の評価、プログラム履修者と非履修者の選考通過率の差異など)。
  • そもそも、こうした新たな取り組みに文科省が資源を投入する意義はそれなりにあったものと考えられるが、こうした取組みを通じて、できたこと/できなかったことの把握が不十分である。
  • 5年度限りで終了なので、そこまでは継続する必要はあるが、後継事業を行うかどうかの効果測定は今から行う必要がある。
  • マッチングサイトについては事業目的を達成する手段として有効に機能していない。
  • 事業設計の時点で、ニーズの明確化や出口戦略の検討が不十分であったように感じる。令和5年度に終了予定だが、現時点でも出来うる改善策として、マッチングサイトをJREC-INに統合する等の対応を検討する必要があるのではないか。
  • 企業の実務家から高等教育機関の教員に転身する道は複数あり、この事業で選定したプログラムで育成された人材が他のルートで教員になった人材よりも優れていることを示す必要があるように思われる。
  • 非常勤やゲストスピーカーでの対応ではなく、専任での実務家教員を増やすことのエビデンスが不明確である。
  • 支援のあり方として、金銭支援以外のあり方を考えることも必要ではないか。ニーズがあれば大学が自ら雇用したりトレーニングをすることになるが、補助をすることの必要性が明確とはいえない。
  • 企業と大学を行ったり来たりする人材や仕組みの必要性は理解できるので、そのような視点も見直しの際に検討するとよいのではないか。
  • マッチングサイトについては、実態を把握することで、事業目的を達成する手段として有効であったのか検証をし直し、再検討する必要がある。
  • 人材エージェントシステムによる人材マッチングは、JREC-INに対する補完的な役割は考えられるかもしれないが、限られたプログラムの修了者を紹介するのみで、かつ将来的に運用のランニングコストがかかるようであれば、廃止しても問題ないように思われる。
  • プログラムの質の評価を踏まえた「実務家教員増加」に向けた課題分析とこれを踏まえたより有効な新たな事業の検討が必要である。また、こうした検討においては、高等教育全般といった幅広いターゲットとするのではなく、社会が求める特定の領域に絞り込んだ取組みが必要である。

第4コマ目:イノベーションシステム整備事業

  • ゴールは資金調達ではなく、安定的な産学連携収入の確保であり、これに至るためのボトルネックの分析とそれに応じた具体策の実施が必要である。
  • 成果の定量的なものとして、収入総額が出ているが、総額であれば、規模の大きな大学の成果に大きく左右されかねないので、規模別にブレイクダウンした分類が必要である。
  • 現状で成果が出始めていることは良いこと。そのうえで、今後横展開もしくは後継事業を行うかどうかは慎重に検討する必要がある。
  • 現在の採択大学12校は、指定国立大学法人やRU11に入る日本のトップクラスの研究大学が中心であり、産学連携による大型共同研究のポテンシャルが元々高いところばかりである。この事業がそうしたリーディング大学の体制づくりによる産学連携の加速化だけを目標にしているのであれば、補助金交付終了後の持続性について、今後は検証が必要であろう。 他方、地方国立大学や中堅私立大学に対して同様の取り組みを波及するような計画であれば、ポテンシャルの違いによって同様のスキームの導入は困難と考えられるため、関連施策(共創の場形成支援やガイドライン)等で軟着陸させる工夫が必要となる。
  • 本件事業が収入を上げる事業であることを考えると自ら実施しても良い事業に国費を投入することについて十分な説明責任を果たす必要がある。
  • 学内に複数存在する産学連携機関それぞれの役割を明確化することは効率的な事業執行及び対外的な機関との円滑な共同研究において重要。学内の既存の産学連携機関とOI機構の連携や統廃合等が必要ではないか。
  • 中間評価において肯定的な評価を受け、共同研究の獲得実績が目標値を上回り、事業採択大学における伸び率にも差があることから、効果的に事業が運営されているものと考えられる。
  • 今回のプロセスを通じて、ロジックモデルの精査や具体的な調査・分析(ベンチマーク比較等)も進み、事業が目指すべきところ、さらには、その実現のための事業の方向性、担当課の考え等をより明確にすることができた。今後も、このプロセスを参考にしながら、事業設計と調査・評価設計に並行して取組み、中間評価におけるフィードバックを活用しながら、より政策効果を発揮する精度の高い取組みを期待したい。
  • この事業自体は立派な成果をあげていると思うが、目的をほぼ達成できた、この先はそのまま横展開は難しい、別の形の支援が必要という意味で次の展開に向けて見直しが必要になる。
  • ロードマップをより明確にすることで、ノウハウの蓄積に関する指標の設定や横への展開に着手するなど、国としての目標に向けた確かな事業の進捗が求められる。
  • 課題を顕在化させなければモデル事業として十分とはいえない。課題の顕在化はしっかりと本省の方で注視して欲しい。
  • 社会の変化、競争の激化はますます進んでおり、既存の枠組みにこだわらず、変化に応じた目標の引き上げが必要である。高等教育局との連携、他の事業との相乗効果の発揮による長期アウトカム(特許料収入等)への展開が求められる。

6月17日(金曜日)実施

第1コマ目:博物館文化拠点機能強化プラン

  • アウトカム指標は、来訪者満足度と博物館が一般にアンケート調査するであろう指標に止まっている。
  • 文化観光推進法に則り文化振興・観光振興・地域活性化までを視野に入れた文化観光拠点施設としての機能強化に寄与する事業に沿った適切な指標の設定が必要である。
  • アウトプットの「文化観光推進事業者と連携して補助対象事業を実施する事業者数」は令和3年度で54となっていて、博物館の総数は全国に約2300(※(公財)日本博物館協会調査において回答があった博物館数)あることを考えると、この事業の全国展開の出口戦略が見えない。ロジックモデルにおいても、具体的な道筋が設定されていない。
  • 初期アウトカムを測定する指標として、来館者の満足度だけでなく文化への理解やエリア内での周遊状況等に関する指標を設定し、取組改善に向けたメルクマールとすべきではないか。
  • 指標の見直しの方向性については、本公開プロセスの指摘事項を反映した見直しを進めて欲しい。面的展開とも関連して、インパクト評価となるため、成果指標の設定は難しいものと思われるが、
    ①文化観光推進事業については、文化・観光・経済の好循環の形成に寄与しているかどうか
    ②博物館等の国際交流の促進については、日本文化の国際的なプレゼンス向上に寄与しているかどうか
    が最終的に問われる事業として、成果の確認に努めて欲しい。
  • 今回のプロセスを通じて、ロジックモデルの精査が進み、事業が目指すべきところ、さらには、その実現のための事業の方向性、担当課の考え等をより明確にすることができた。その一方、コンテンツや設備の改善の方向性や今後の全国展開を見出すために不可欠な来場者視点のアウトカムの具体化・詳細化が不十分である。このままでは、根拠となる法の基本的な考えに基づけば、来場者視点が忘れられ、博物館等の供給者視点に陥りかねない。そうならないためにも、来場者視点に基づくアウトカムの設定(具体化、詳細化等)、さらには、それに基づくアンケートの具体的な実施手法も含めた調査・評価設計を事業設計と共に進めることが求められる。
  • 調査・評価設計においては、満足度以外の指標も、次なる改善につなげる意図を持った指標を採用して「次なる改善に直結できる評価」の視点で設計すべき。これに伴い事業者向けの要領等も抜本的に見直すべきである。
  • 15計画で採用している「コーチング支援」の成果の確認も必要と考える。
  • 本事業の認定プロセスだけでなく、本事業のPDCAサイクルを対外的に分かり易く公表すべきではないか。
  • 文化観光推進事業および博物館等の国際交流の促進の両事業について、その目的と事業内容に関する問題点は特にない。今後、着実な進展を確認するための情報収集と成果指標の設定が重要になるものと思われる。
  • 現在補助対象になっている83館をどこまで広げるのかを考えるには現在の補助対象地域と非補助地域の差を明確にしなければならない。
  • 他省庁や他部署でも拠点形成に対する補助事業が存在しており、現場である自治体からすると、同じ内容を複数の補助事業に申請するケースがあるが、類似であるなら統合する方が申請手続きの効率化などにつながる。本事業の特殊性がまだ不明確と考える。

第2コマ目:スポーツ・フォー・トゥモロー等推進プログラム

  • 当初のSFTにおいては、手段として構築したコンソーシアムが、ポストSFTでは目的化している。
  • リーディング事業の目的であるジェンダー平等推進事業や共生社会推進事業等については、文科省では、これまでもさまざまな事業を実施してきており、スポーツに限定した新たなアプローチ事業であれば、事業効率の上からも敢えてコンソーシアムに限定する必要はない。
  • リーディング事業は、ポストSFTとは別の事業として事業設計を分けて考え、アウトカム等の成果指標の設定はより広い事業であるとの視点から再設計する必要がある。
  • ポスト・スポーツ・フォー・トゥモローに関するロジックモデルに示されたアウトカムはいずれも不適切であり、抜本的な改善を求めたい。アウトカムとは「政策対象において起こる望ましい変化」である。アウトカムを設定する上では、本事業が対象とする社会課題(ジェンダーや包摂性等)の実態把握が不可欠だが、それもできていない。
  • まずは相手国の社会課題に関する実態把握(これまでのレガシーからも見えてくるものはあるはず)。これを踏まえたアウトカムの再設定が必要。スポーツ庁に十分な知見が無いようであれば、ODAに知見を有する外務省やJICA等に知見を求めることべきである。
  • 重要性が高く支援が必要な分野に限定して自走を目指していきたいという方針は理解できたが、そのような目的で実施するのであれば、最終的な自走化までの道筋の明確化やその目的に近づいているかを判断できる評価指標の構築が必要である。
  • 自立に向けた収益構造を明確化しないまま継続事業としていることから、事業運営の透明性をさらに高め、国民への説明責任を果たすことが重要である。
  • SFTからの継続・発展について、国費で支援する5年間の助走期間を設けて自走化させる構想と理解している。しかし、SDGsと関連したリーディング事業の計画など、他の事業と目的が重複する領域への拡張が危惧され、メニューの整理が必要と思われる。
  • SFTレガシーリーディング事業について、必要性について今一度整理と確認が必要と思われる。「SDGs」はもとより、「関係人口」「リカレント」「ジェンダー」「共生社会(インクルーシブ)」といった政策的バズワードに絡めて必要性を主張している事業について、「ポストSFT」として行う必要があるのか(レガシーを活かす意味で不可欠なのもであるのか)今一度検証が必要と考える。特に、文部科学省(スポーツ庁)はもとより、他省庁も含めて目的の重複する事業が併存していないかの確認も不可欠である。現在の4本の柱でリーディング事業を行うことが、一番効率的・効果的なのかを検討していただきたい。
  • 今のままのやり方で、目指す姿であるSFTコンソーシアムが自立した組織になるとは思えない。自立を目指すのであれば、委託ではなく補助金というスキームに変更することが必要。スポーツ庁の役割が曖昧になっている。
  • スポーツを通した国際的な課題解決について、国がネットワークを作って行うことの意義が不明確。自治体やNPOが草の根で交流していることのサポートをすることも考えられる。

第3コマ目:女性アスリートの育成・支援プロジェクト

  • 今回の一連のプロセスを通じて、ロジックモデル等が改善され、事業が目指す目的達成のための経路や担当課の考えをよく理解することができた。今後も、引き続き、こうした形で、より効果を発揮することができる精度の高い政策立案・評価を進められたい。一方、当事者である女性だけではなく、男性を含む指導者や周囲へのアプローチは、マニュアルのみであり、施策として不十分である。
  • 調査を速やかに実施し、実態把握を進めると共に、とくに指導者へのアプローチを含む次年度の事業については、現時点の仮説を構築し、それに基づき、アウトプットからアウトカムに至るボトルネックを突破できる具体的な追加施策を遅滞なく展開できるよう周到に準備されたい。
  • ジュニアアスリートに広げた事業を実施していることは評価できる。より効果を高める視点から、学校教育との連携により、より効果的に実施することが必要である。
  • 毎年継続して国費を投入しているのであれば、長期的な視点からの知見の蓄積等の成果が求められる。
  • 優秀な選手が必ずしも優秀なコーチになるとは限らないことから、国民の税金を投入するのであれば、公平性の観点から、対象については限定するのではなく門戸は大きく広げて人材発掘をする必要がある。
  • ジュニアアスリートへの展開をさらに推し進めるために部局を跨いだ連携を徹底する必要がある。
  • 女性コーチに特化した教育機関として、拠点形成事業へ向けた事業設計の見直しが必要である。
  • 公募をするなどして様々な経歴を持った人材の発掘も可能なシステムが必要である。
  • 中高生含むジュニアアスリート等への支援について、仮にマニュアルが整備されたとしても、指導者の行動変容まで担保されるかは不透明である。指導者と生徒、保護者といった多方面からの認識を把握し、ギャップを分析する必要がある。
  • 女性アスリート支援情報プラットフォームには、トップアスリートから中高生含むジュニアアスリートまで幅広い取組事例を紹介してほしい。
  • 平成29年度の公開プロセス後、「女性アスリート強化プログラム」を別事業に移管したことにより、事業範囲が整理され、目的が明確になった。「支援プログラム」「課題解決型実践プログラム」「エリートコーチ育成プログラム」の3プログラムについて効果的な実践が期待できる。
  • 「課題解決型実践プログラム」において確実な実態把握を行い、ジュニア・アスリートの課題解決に向けたマニュアルの作成と有効活用、プログラムの策定と効果的な実施を望みたい。
  • ジュニアスポーツにおいては、健康面よりも目先の競技を優先させる傾向にあると考えるが、健康面への配慮が競技面にもプラスになるようなエビデンスがあるとこの事業の有効性がさらに見えてくる。
  • 調査の際に何らかの仮説の検証につながるような設計を考えていくべきである。

お問合せ先

大臣官房会計課財務企画班