国立研究開発法人物質・材料研究機構見直し内容

平成27年10月2日
文部科学省


 平成28年度から5年間の我が国の科学技術政策の基本方針となる「第5期科学技術基本計画」(総合科学技術・イノベーション会議)の中間取りまとめでは、重要課題として、エネルギー・資源の安定的確保、産業競争力向上、大規模地震等の自然災害への対応、地球温暖化への対応等を取り上げており、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下「本法人」という。)は、次期中長期目標・計画期間において、物質・材料研究分野の中核的機関として、これらの重要課題に対応することが求められる。
 本法人の業務及び組織については、中長期目標期間終了時に見込まれる中長期目標期間の業績についての評価結果、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針、さらに、上記の本法人を取り巻く環境を踏まえ、「適正、効果的かつ効率的な業務運営」という独立行政法人の業務運営の理念の下、「研究開発成果の最大化」という国立研究開発法人の第一目的が達成できるよう、以下のとおり見直し、次期中長期目標・中長期計画の策定等を行うこととする。

第1 中長期目標期間等

 本法人は、研究開発成果の最大化を第一目的とする国立研究開発法人であり、長期的視点を含む研究開発の特性を踏まえて中長期目標を策定する必要があることから、中長期目標期間を7年とする。

第2 事務及び事業の見直し

1 役割の明確化及び業務内容の重点化

 本法人は、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発等の業務を総合的に行うことにより、物質・材料科学技術の水準の向上を図ることを目的としており、その業務内容は、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発から、研究成果の情報発信及び活用促進、中核的機関としての活動(施設及び設備の共用、研究者・技術者の養成及びその資質の向上等)まで広範囲に及んでいる。
 次期中長期目標・中長期計画の策定等に当たっては、他機関の取組・役割を踏まえつつ、貴重な財源を効果的かつ効率的に活用し、本法人が保有するポテンシャルを最大限に活用するため、本法人が担うべき業務を明確化し、研究内容を重点化するとともに、研究成果の情報発信や他機関との連携を強化することとする。

2 具体的な目標設定等

 本法人の取組事項である各重点研究開発領域の研究開発、シーズ育成研究、研究成果の情報発信及び活用促進、中核的機関としての活動等について、成果の最大化の目的等に照らし、法人のマネジメントを最も発揮し得るまとまりごとに項目を設定するとともに、物質・材料研究分野をめぐる内外の最新動向を踏まえ、研究開発のみならず産学官連携や設備等の共用、人材養成等を通じて、大学・民間の研究機関の成果を含む我が国全体として研究開発成果を最大化することに留意して適切な目標を設定することとする。
 その際、目標の達成度に係る客観的かつ的確な評価を行う観点から、研究開発の現場への影響等を十分考慮し、達成すべき内容や水準等を具体的に明記した上で、現行の目標値を上回る論文数の設定等、可能な限り定量的な指標を設定することとする。

3 業務運営等に係る第三者評価・助言の活用

 本法人は、外国人有識者からなるアドバイザリーボードにより法人の業務運営等について指導・助言を受けるとともに、第一線の研究者等からなる外部評価委員会により研究開発課題評価が行われている。今後は、両会議体での議論を踏まえ、研究開発業績の評価と法人の長によるマネジメントを含む業務運営への指導・助言が有機的・機動的につながるよう、アドバイザリーボードから研究開発課題についても指導・助言を受けるよう見直しを行うこととする。

4 産学官の連携・協働の強化

 本法人で創出した研究成果を企業等に橋渡しし、実用化につなげるとともに、将来の物質・材料研究を担う若手人材の育成、研究活動の活性化及び成果の最大化、新たなイノベーション創出等につなげるため、大学・企業等との間でのクロスアポイントメント制度(本法人と大学・企業等のそれぞれと雇用契約関係を締結すること等により、各機関の責任の下で業務を行うことができる制度)の拡充を検討することとする。

第3 運営の効率化及び組織の見直し

1 業務運営体制の見直し

 国立研究開発法人としての目的・役割を果たすため、法人の長のリーダーシップの下で業務運営に係るPDCA サイクルを循環させ、研究不正対応やリスク管理を含む内部統制を一元的に推進する体制を構築する。また、運営戦略の企画立案機能、人材育成・活用に係る機能等の強化を図るべく、業務運営体制を見直すこととする。

2 共同調達の実施

 共同調達について、平成25年度より参画している「茨城県内7機関共同調達連絡協議会」を通じた共同調達の拡充について、参画機関間で検討を行うこととする。

第4 財務内容の改善に係る見直し

1 保有資産の見直し

 「独立行政法人整理合理化計画」(平成19年12月24日閣議決定)及び「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定)を踏まえ、研究施設の集約化、業務の効率化及び合理化のため、目黒地区での実施業務をつくば地区へ集約したことに伴い、不要不動産等の国庫返納手続きを進め、返納を完了させることとする。

2 自己収入の拡大

 国費への依存度を抑制しつつ、政策の実現、社会ニーズに応えるための研究開発を推進するとともに、イノベーションの創出や研究成果の社会還元を効率的に進めていくため、国内外の企業との連携強化等による民間資金の更なる増加、本法人の知的財産の有効活用と社会還元の促進等による自己収入の拡大を促進することとする。

お問合せ先

国立研究開発法人物質・材料研究機構の見直し内容について

研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付
電話番号:03-5253-4111(内線4101)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成27年10月 --