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文部科学省行政事業レビュー「公開プロセス」 2日目 議事録

1.日時

平成22年6月4日(金曜日)10時~17時

2.場所

文部科学省講堂(東館3階)(中央合同庁舎7号館)

3.事業名

  1. 契約に係る透明性・適正性の検証
     全国学力・学習状況調査の実施
  2. 契約に係る透明性・適正性の検証
     独立行政法人理化学研究所(SPring‐8の運営業務)
  3. 契約に係る透明性・適正性の検証
     独立行政法人日本原子力研究開発機構(外部委託による事業)
  4. 青少年元気サポート事業
  5. 学校支援地域本部事業
  6. 生涯学習フェスティバル

4.議事

【伊藤コーディネーター】

 おはようございます。これより文部科学省行政事業レビュー、公開プロセスの2日目を開始いたします。
 開始の前に、本日、変更点がございますので、お知らせいたします。取りまとめ役につきまして、当初、後藤政務官の予定でございましたが、日程の都合によりこちらに来ることができませんので、本日午前中につきましては山中官房長に取りまとめ役をお願いすることになりましたので、ご報告いたします。
 本日午前中につきましては契約関連についてのレビューを行っていきます。昨日やっていたものと少し議論の性質が異なります。事業そのものの議論ではなく、契約の手法についての議論をするということになりますので、評価者の方、また傍聴者の方、ご留意いただければというふうに思います。
 本日の評価者の方につきましては皆さんのお手元の冊子のほうでご確認いただければというふうに思っております。
 それでは、早速1つ目のこまからスタートしたいというふうに思います。本日は1つのこまごとにご説明をいただいて、議論をして、一たんレビューシートで結論を出した上で、午前中3つのこまについてやっていきたい、こういうふうに思っております。
 それでは、皆さん、お手元の資料71ページになります。事業番号7番から本日はスタートです。全国学力・学習状況調査の実施につきまして、まず官房長から事業選定の考え方につきましてお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 今伊藤さんのほうからございましたけれども、本日は事業の妥当性というよりは、それを具体に実施していくというときに、特に文部科学省自身がやるのでなくて、ほかの業者、財団とか、会社とか、契約して実施していくという場合、この契約のあり方についてどうなんだろうかという、そういうところから税金の使い方として妥当なのかどうか、しっかりしているかどうかという点を見ていただきたいというものでございます。
 きょうやっていただくのは3つありまして、文部科学省自身が契約するという場合と、それから独立行政法人が仕事をやっていますので、その独立行政法人がさらに契約する場合、その独立行政法人が財団法人とかそういうところに仕事を委託したり、請負するんですけれども、それがさらに会社に再委託している場合、こういう場合について、それぞれそのやり方がいいんだろうかということで、特にマスコミに取り上げられた事例を3つ出しまして、ぜひこれは大臣、副大臣、政務官、この事業レビューで、しっかりと皆さんの──文部科学省としてもいろいろ改善しようということで取り組んでおりますけれども、皆様方のご意見をしっかりといただきたいということでございます。
 まず全国学力・学習状況調査というんですが、これは発端になりましたのは、去年は悉皆調査で学力調査をやっていましたので、それが小学校が17億円で実施して、中学校が22億円だったということもありまして、なぜこんなに──悉皆なものですから、110万か、120万ぐらいの、人数はそんなに変わらないのに、何でこんなに額が違ったんだろうかというところがそもそもの発端でございまして、そうなると一体そういうものの入札のあり方、競争入札でやっているんですけれども、それが一者入札であった、応礼であったというふうな場合、これがほんとうに競争入札と言えるんだろうかと。しかし、そうは言っても、そもそも何で一者応礼になったかというと、準備と本チャンの調査をやっているんですけれども、別々に契約しているので、準備したら、その人がやるのが順当ではないか。複数年次の密接に関連するような契約というのは別々にしていいのだろうかというふうな、そういう契約、そもそものあり方としての工夫とかそういうものは弾力的に認められていいんじゃないかというふうな論点とかございまして、そういうものもあわせて全国学力・学習状況調査の契約について議論いただきたいということで、詳しくはまた説明させていただきます。

【伊藤コーディーネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、まず全体の契約の実態につきまして会計課よりご説明があります。

【松岡財務分析評価企画官】

 文部科学本省における契約状況の推移からご説明させていただきます。65ページをおめくくりいただければと思います。
 65ページです。まず、文部科学本省においては、平成18年6月、随意契約見直し計画を策定いたしまして、以降毎年見直しを行っております。その結果でございます推移がこちらの棒グラフでございます。18年度実績、下のほうでございますが、競争性のない随意契約として798億、695件が、一番右の棒グラフでございますが、下のほうで、565億、412件となっております。565億というまだ大きな数字というふうに感じられる方がいらっしゃると思いますが、このうち教科書購入、下のほうで注意書きしてありますが、これが384億円ということで、7割弱がこの教科書購入で占められている状況でございます。
 また、その上のほうで、右の棒グラフの上で、20年度実績で一者応礼・一者応募の状況が517件ございます。
 次のページをおめくりいただければと思います。66ページに517件の見直し状況を記載させていただいております。欄内ですが、一番上の442件、契約方式を変更せず、条件等の見直しを行ったものが412件ということで、こういった形ですべての契約について見直しを図っているところでございます。
 続きまして、独立行政法人の契約状況の推移でございます。67ページをおめくりください。独立行政法人の契約については、平成21年11月、閣議決定を受けて、23法人すべて各法人に外部有識者または監事による契約監視委員会を設置し、見直しを行っているところでございます。こちらも同様に見直しの結果、19年度の実績から21年度の見直し計画のところでございますが、随意契約については金額ベースで14.4%、件数ベースで13.7%減少する見込みとなっております。また、20年度、中ほどの棒グラフでございますが、一者応礼・一者応募の件数が8,563件でございます。
 次のページをおめくりいただければと思います。この一者応礼の8,563件について、見直しの結果がこちらでございまして、一番上の欄ですが、5,021件が契約方式を変更せず条件等の見直し、また一番下でございますが、指摘事項なしとして、既に改善を講じたというものが2,747件ございます。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご説明をお願いいたします。

【説明者】

 初等中等教育局参事官の岩本でございます。
 全国学力・学習状況調査につきまして、71ページに事業シートがございます。この委託事業につきましては、一者入札に近い形の推移が続いております。その関係で、私どもとしましては、より一層の競争性、それから透明性を向上させること、そしてコスト縮減を図っていくという考え方のもとに、主に5つの点につきまして改善策を検討しております。
 1つ目は、この事業につきましては全国学力・学習状況調査自体が4月20日に調査を実施しております。そして、その前に学校に調査問題を配送して、さらに終わった後に回収する。そして、採点し、集計して、調査結果を提供するというところまで民間事業者に委託しております。問題の作成そのものは文部科学省のほうで作成しております。
 4月20日の実施でございますので、その前の配送の準備とか、学校の連絡先の確認、それから、採点者の確保、その他につきまして準備行為として、前年度予算で準備委託事業ということで、これも民間業者にお願いしております。ここが予算、それぞれ年度が異なりますので、別々に発注しているというのが実態でございます。
 その関係で、4月20日に調査を実施するということになりますと、もともと準備事業として受託していた期間につきましては、円滑に実施に向けて事業を展開することは可能ではありますが、新たに準備のときには受託してなかったけれども、実施のときに改めて受託、参入してこようという場合につきましては、理論的には引き継ぎは可能なのでございますけれども、企業側のマインドとしましてなかなか入札しがたいという実態があるということを聞いております。それで、この部分に関しましては、今後、概算要求した上での結果でございますけれども、実施事業のほうを国庫債務負担行為ということで一括契約するために国庫債務負担行為扱いにして概算要求するということを検討しております。
 2つ目でございますけれども、情報提供の問題がございます。私どもとしましては、より情報提供を綿密にしていくという観点から、例えば過去の委託事業で受託業者に国費を払いまして開発した、例えば採点、集計等のプログラムなどがございます。これにつきまして、事業終了後に文部科学省のほうに著作権を保有する形になっておりますけれども、これを翌年度以降、そのプログラムを使う場合については具体的にこれが利用可能であるということで、プログラムの名前とか、概要を既にお示ししております。しかし、このプログラムの内容について具体的に詳細を確認したいというご要望がございますので、この点につきまして、今後手続を完備した上で、参入検討企業に対してプログラムのコピーを提供するということ。
 それから、そのプログラムについて、私ども著作権を持っておりますが、その他のいろいろなオペレーションに係るもろもろのことにつきましては私ども権限を持っておりませんので、受託業者のほうがご協力いただかないと情報の提供はできないということがございますので、受託業者のご協力を得て情報を提供する体制をつくっていきたいと思っております。その際に次回以降の契約で、契約上の条件として、情報提供に一定の範囲でご協力いただくということを契約上の条件にすることを検討しております。
 3点目につきましては、官房長のほうからお話がありましたけれども、予定価格の積算がおかしいのではないか。小学校と中学校で価格差があるということがございます。これについて予定価格積算の見直しをしていきたいと思っております。
 4点目としまして、実際総合評価落札方式ということをとっております。コスト面と提案者の技術面、そこのところを総合して評価しておりますけれども、ややコスト重視のマインドがインセンティブが働くように、コスト面でのウエートを審査基準として高くしていきたい。あるいは、基礎要件について最小限度に絞り込んでいきたいというふうに考えております。それから、審査結果の透明性の確保もこれまで以上に高めていきたいと思っております。
 最後に、この事業につきましては、問題の配送から、最後、採点、集計、そして提供まで一括してすべて委託事業ということで委託しておりますけれども、より受注しやすい形になるように、業務の一部については、例えば配送、回収に係る運送の関係の業務とか、そういったものについて、これまでの委託事業の中で切り離して発注することができないかということを検討していきたいと思っております。これについては現在委託費ということで予算上計上しておりますので、請負契約とか可能な予算に切りかえていくということで、来年度概算要求についても考えていきたいと思っております。
 なお、地域別に発注するというアイデアもございますので、これについては、採点などにつきましては採点の統一性を図っていくということが必要となってまいりますが、これについても、例えば採点の取りまとめ業者に入札に参加していただくけれども、あらかじめその地域ごとに、例えばもっと安くコストを落として採点できる業者との間で、採点取りまとめの業者との間で事前に連携が図られていて、採点の統一性も図れるというようなご提案があれば、それをきちっと受けとめて審査していくということで、仕様書上明確にすることも検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 引き続きまして、会計課より契約の状況や論点につきまして、ご説明お願いします。

【松岡財務分析評価企画官】

 会計課から論点についてご説明させていただきます。80ページをごらんいただければと思います。
 まず仕様の内容に競争を阻害する要因があるのではないか。具体的には実施事業の契約時期、4月1日と、調査時期、これは実際の調査を行う時期ですが、調査の実施時期4月20日の間に時間的余裕がなく、準備事業を行っている業者以外が実施事業の競争に参入しようとした場合リスクが生じるのが制約要因となっているのではないか。何らかの工夫を行っているのか。また、契約の相手方に必要としている要件はどのようなものになっているのか。
 続きまして、報道機関から入札の競争性、透明性が十分でないと報道されたが、採点、集計システムの情報開示が不十分だったのではないか。具体的には文部科学省が著作権を有するコンピュータープログラムについては開示することとしているが、契約業者のハードウエア、ネットワーク環境を含めた全体のオペレーションに関する情報提供について、これらの情報提供を契約上の条件とすべきではないか。
 また、準備状況と実施事業を一括で複数年契約できるよう予算措置の内容を変更すべきではないか。
 21年度実施事業において、小学校分と中学校分とに約5億円の差があるが、どのような理由によるものか。また、予定価格積算が妥当なものとなっているか。
 続きまして、依然として一者応礼となっているが、より一層入札の参加を促す方策を講じるべきではないか。
 また、業務を地域ごとに分割して発注するなど、競争性を高めるべきではないか。
 すべてを一括して委託契約とするのではなく、業務内容に応じて委託と請負に分割して発注すべきではないか。
 中学校部分の論点ではございますが、業務の一部を再委託しているが、役割分担は明確となっているのか。また、人件費などが割高になっていないかという点について、論点として挙げさせていただいております。
 また、74ページにベネッセコーポレーションとの契約の状況、また文部科学省における原因分析を75ページに書いております。さらに、76ページにはそれに基づく文部科学省の改善策が書かれております。同じように、中学校分の内田洋行についても77ページからの3枚でまとめております。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、これから質疑に移りますが、きょうは午前中3つの事業ですので、限られた時間です。できる限り簡潔にご質問、ご回答いただければというふうに思っています。昨日は非常にご協力いただきまして、簡潔にできたというふうに思っております。また、具体的な話でご質問等いただければというふうに思っております。
 それでは、よろしくお願いいたします。梶田先生、どうぞ。

【梶田】

 どうしてもこれ、結果として一者応礼になっているところで、これは問題だろうと思うんですよ。これは4年目なわけですが、1年目はたくさん応礼しているわけですね。ということは、みんなノウハウは何とかあると思って、この会社は応礼したと思います。それが2年目からばさっと、1社しかなくなったという。ここが一番の問題だろうと。それをどう分析して、どう改善しておられるかということをひとつ聞きたい。
 もう一つ、昨年度と今年度では悉皆から抽出になりましたから、3分の1の処理でいいわけですね。それならば、ベネッセと内田洋行が小中分けていますけれども、今までだったら、小学校だけで手いっぱいとか、中学だけで手いっぱいで、そこの部分にしか応礼しなかったと思うんですけれども、小学校部分にこの2社が、あるいは中学校部分にこの2社がともに応礼してもほんとうは悪くないわけですね。最低限ですからね。もっとほかに応礼してもらえればいいんです。なぜそういうふうなことに、すみ分けに結果としてなっちゃっているのか。この辺についてお考えとか、改善策、お願いしたいと思います。

【説明者】

 初年度につきましては随意契約の形でやっておりまして、企画競争ということで、そもそもの事業のやり方について1から提案を受け付けてやっておりました。だから、さような提案が出てきて、それを対応したということがございます。翌年度以降、総合評価落札方式で、一般競争入札でやっておりますので、事業の実態、初年度の事業をやられた企業の状況等を見て、それぞれの企業がご判断されたんだと思っております。
 それから抽出調査に切りかえて、かなり事業規模が下がりました。実はこの入札は平成22年度の実施事業、準備事業、特に準備事業の段階におきましては、実は入札をかけた時点がまだ前政権下での入札公告でございまして、悉皆調査を前提とした検討がされてきた。成果として提案者のほうから出てきておりますので、そういう意味で、抽出調査に切りかわった以降の状況を前提とした企業側の提案については今後のことになります。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 市川先生、どうぞ。

【市川】

 済みません。ちょっと嫌なことを思い出させることになってしまうと思うんですけど、事実関係の確認のためにお伺いしなければなりません。冒頭、山中官房長のほうからお話があった記事は、報道というのは、これは多分読売新聞の今年の4月4日の記事を指しておられるのではないかと思うんですね。ここに、要はベネッセと、中学と小学校の部分で、本来、小学校のほうがコストがかかるような外形的な見方ができるにもかかわらず、中学校のほうがコストが高いのはなぜかという指摘があった上で、ここは問題だと思うんですが、文部科学省が予定価格を決める際、見積書を複数の業者からとらなかった点について、実際に入札した業者の見積もりでないと予定価格を積算する際の参考にならないと説明したと同時に、中学校分の予定価格が小学校分を大きく上回ったことについては、内田洋行が落札できなければ、テストが実施できなくなるためというお答えをされたというふうにここには書いてあるんですが、それは事実関係としてはどうなんでしょうか。

【説明者】

 やや報道につきましては正確でない部分がございますが、現実を申し上げますと、この予定価格の積算につきまして、この前通っておりましたのは、過去のものを調べてみましたら、一応総合評価落札方式におきまして複数の提案が出てまいります。その中で、最初に技術審査をして、技術審査のレベルが一番高かったものに関して、そういう技術提案の内容に応じて、業者から出てきました参考見積もりも参考にした上で、少し見積もりがひどいところは全部査定した上で、提案内容は、技術提案の内容のレベルが一番高かったものに応じて入札価格を設定していたということでございます。これは、総合評価落札方式のときに十分あり得る、通常普通にとられている方式なのでございますが……。
 その結果、実は小学校と中学校に関しまして、小学校のほうの提案に関しましては、実は、自分の会社のほうでいろいろな採点、集計のためのサーバーとか、いろいろなネットワーク環境、コンピューターのそれぞれの端末も、全部ある程度用意ができております。ですから、経費としましてはそのシステム使用料として減価償却分を含めたような、これだけ使用しますという分だけ国が払えばいいという、要するに、コストとしては提案になっているんですが、中学校のほうに関しましては、そこを例えばリース等で調達してくるというところから事業内容に入った形で提案されてきております。それで、結果的に一者ずつしか入札がなかったものですから、ほかに競争相手がないということで、先ほどのような予定価格の設定の仕方をしますと、それは一者しか提案がないのに、提案した内容に応じた予定価格を設定するということになります。だから、ここの部分を、非常にわかりにくいというか、もう少し客観的なコスト分析をした上での予定価格の設定ができないかというふうに検討していきたいと思っております。ですから、業者のほうに配慮してそういうふうな予定価格にしたということではございません。

【市川】

 では、もう一点、事実関係を確認させていただきたいんですが、事前にお願いしておいた資料で、平成20年度全国学力・学習調査を実施するための準備委託事業に関する監査についてという最終報告を実はいただいております。これを見ていて少し気がついたんですが、もともとこれも個別企業に恨みがあるわけではありませんので、あくまで契約のあり方をお伺いする上で、済みません、どうしても企業名に触れなければならないので、触れてしまいますが、契約主体、受注主体が内田洋行に中学生分はなっていると。これが、株式会社教育測定研究所という、旺文社系の企業に委託されている。しかしながら、実はそこまでは一般的に結構見ることができるんですが、実は監査の中身に大日本印刷及び大日本ソリューションセンターが中に入っているということで、これはどうも物流拠点のようですね。大変恐縮なんですが、中学分に関する内田洋行と株式会社教育測定研究所と大日本印刷──大日本ソリューションセンターと言ったほうがいいかもしれません。これのそれぞれの業務の役割を教えていただけませんでしょうか。

【説明者】

 恐れ入ります。一応ですね、内田洋行に関しましてはそもそも採点のいろいろなノウハウに関する、自分の業者のほうで、自社であまり経験がないということもあります。教育測定研究所がいろいろな採点とか、そういうものに関して非常に習熟しているということもありまして、この業者の間で連携してやっております。そして、事業シートの中にございますが、72ページ、それから73ページというところがございますが、72ページのところにございますように、内田洋行のほうで例えば72ページの左側のほうが実施事業でございますが、全体業務のマネジメント、それから、採点、集計業務といったところに関しては、例えば内田洋行ですと、採点者を雇用しますと。そして、いわゆる採点のためのコンピューター関係のいろいろなシステムの調達といいますか、整備の部分、そういった部分に関して、雇用者が採点を具体的にしていきますよということに関しては内田洋行のほうで、金が出てくる分についてはそこで支出することにしておりまして、再業務委託先の教育測定研究所のほうでは、例えば調査問題を採点するときの具体的なマニュアルの検討とか、それから、学校に問題を配送するときのコールセンターについての調達について、例えば担当する、あるいはマークシートの採点、これまた別の業者に外注しておりますけれども、そういったものに対するアレンジというものを教育測定研究所のほうで担当しております。
 それで、大日本印刷に関しては、実はコールセンターという、学校のほうにすべて問題を配送して、回収するものですから、学校からのすべての受付について、問い合わせについて一元的にここで民間業者のほうで、受託業者のほうでやっていただいています。そのときにコールセンターを整備して、具体的な電話の処理、あなたのところにはいつ、何時、問題が配送されていくのか、そういう問い合わせに関してやっていただいています。そこを大日本印刷のグループ会社であるDNPデジタルコムのほうにさらに外注しているということでございます。
 問題の配送、回収そのものはヤマト運輸のほうに発注しているということです。

【市川】

 つまり、何を申し上げたいかというと、1つは、まず少なくとも内田洋行分に関して言えば、これはコストの問題がありますので、どれが一番コスト効果が高いかという問題はあるにしても、とりあえず別に分割発注することについて言えば、もちろんどこかがこのケースにおいては内田洋行さんが核になってやっておられるからうまくいくという見方はあるかもしれませんが、少なくとも機能としては、分割発注しても、これは問題がとりあえずはないという判断であるという見方でもよろしいですか。

【説明者】

 十分、非常に有効な検討のポイントだと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生。

【土居】

 今の契約に関連して、少し引き続き質問させていただきたいんですが、御省からこのベネッセと内田洋行の事業完了報告書を事前にちょうだいいたしました。これは各社から中等教育局長あてに出されている事業が完了したということで報告書ということになっておりまして、中身は収支決算書も記載されているわけです。再委託はしていないベネッセのほうでは、再委託料というのはゼロであると。さらに、そこで人件費、設備費等々、細かく支出についての積算などが書かれているわけですけれども、そこで特に先ほど市川さんがお触れになった監査報告書を含めて言うと、その点についての疑義はないという監査報告があるということであれば、ここについては不問にするとしても、一般管理費ということで出ているのが、設備費、人件費、運営費の10%ということで、概算的に計上されている。
 まず1つの質問は、この10%というものについて、御省としてどういうふうにごらんになっておられるかということがまず1点です。
 それがまずベネッセのほうはそうなんですが、内田洋行のほうの事業完了報告書を見ますと、記載は同様のものということではあるんですけれども、一般管理費のところに積算の根拠が何も記されていなくて、1億2,000万円というような感じで平成21年度の収支決算書が書かれていて、これがどういう形で計算されたのかがよくわからないというので、これについてはどういう計算になっているかということについて、御省として把握されているかどうかというのが2点目の質問です。
 3点目の質問は、この内田洋行は、先ほど市川さんがお触れになったように、再委託をされている。再委託費ということで、8億8,000万円、平成21年度のものとして計上されているわけですが、これも再委託費とだけ書かれていて、その内訳がわからない。
 問題は、なぜ中学校のほうが5億円多くかかっているかということの1つの問題の可能性として示唆されるのは、再委託費が適切であるのかどうかということです。特にある種間接経費めいたものが、内田洋行とさらには再委託先である種余計に割高にかかっているかもしれないというようなことだとすれば、そういうところは少し見直しをしておく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点についての、再委託費の適正性についての認識はどのようにお考えですかということで3点お伺いしたいと思います。

【説明者】

 まず一般管理費でございますが、これは一般的に文部科学省のほうから委託費ということで委託する際にもろもろいろいろな間接経費とか、いろいろなものがかかるということで、委託については非常にコンサル的なものというか、事業企画的なものもすべてお願いしているということもございますので、一律に一般管理費というのはそういうふうな計算で、通常のそれ以外の経費の10%分ということで計上しているということでございまして、具体的にその中身についても、それを具体的にどういうふうに積算しているのかというのは、特にあるわけではございません。一般的にそういうふうな組み方をしているということでございます。
 それから、再委託につきましては、先生からお求めがございましたものの中に、もしかしたら再委託費というのは抜けていたかもしれません。実は、私も、事前に見ましたときにちょっと確認いたしました。再委託費については内訳がございます。そちらのページにはおそらくないのかもしれませんが、私ども、監査、額の確定をする際に再委託費についても確認しております。人件費、運営費、再委託費ということで、再委託の内訳についてそれぞれ整理してやった。再委託の内訳……。

【土居】

 ちょっとよろしいですか。ということは、再委託先でもまた一般管理費として10%分の設備費、人件費等々の10%分がまた計上されている、こういうことでしょうか。

【説明者】

 それはいわゆる全体の事業に関して10%分の一般管理がつくんですけれども、その一般管理費を再委託先と内田洋行のほうで業務の額に応じて案分しているんです。ですから、トータルとしては変わらない。そういうふうな状況になっております。

【伊藤コーディネーター】

 いかがでしょうか。船曳さん。

【船曳】

 この質問をするのはあまり適切ではないかもしれないんですが、一般管理費について常々私は民間でやっていまして疑問に思っていまして、見積書に一般管理費とあるとそれは何と内容を詰めて、具体的にやっていくということを、実は私の場合はしているんですね。一般管理費を簡単に10%ということは認めない。それは一般慣習として一般管理費10%というのは、あることはあるんですけれど、これだけ膨大な予算を使える御省でいらっしゃいますので、一般慣習の10%を一般管理費とするのではなくて、詰めていただきたいですね。一般管理費について、私はこういうふうに理解しているんでが、とりわけ公的な仕事の場合は、人件費のところであまりふかせないというか、本来、人が作業するのに、その人のいわば時給換算で済むわけがなくて、その人が働く場所も必要だし、トータルにその企業としては負担がかかる。それで一般管理費というのがあると思うんですけど、でも、それは内容によって全部違ってくるはずなんですね。このあたりの、済みません、ここで伺うべきことではないかもしれませんけれども、ちょっと、もしお考えがあったらお話しいただけますか。

【説明者】

 文科省全体で一般管理費、そういうふうな形で積算しているものですから、そこの部分について、そこで省を代表してのご回答はできないんですけれども、現実の問題としまして、一般管理費以外の部分に関しては、実は入札で落札したときの額というのは上限になっています。それで、委託費については、その後具体的な報告書を上げていただいたり、あるいは監査をした上で、実際にかかった額の分までたたいて、要するに、細かくたたいてやっておりますので、実際額の確定した後のものについては落札額とイコールの場合もありますが、実際かからなければ、それだけ節約できれば国費は払わないという形でやっておりますので、業者の側としましては幾ら節約しても、いろいろ工夫してもぎりぎりの金しか、委託費は我々は出さないという形になっておりまして、現実の問題としましては、なかなかこれは結構厳しいというか、コスト面では厳しいシステムととらえております。その上で、一般管理費をどう考えるのかということはいろいろ議論はあるんじゃないかとは思います。

【船曳】

 単純に、ほんとうに私的な提案なんですけれども、そういう何%ということではなくて、この業務に対しては、ソフトも含めてその会社がこれだけ利益を得てもいいと。その業務委託を受けるところが。そういう何か標準的なものをおつくりいただいて、やったほうが、出す側も受ける側も極めて納得のいく予算の使い道になるんじゃないかなというふうに思うんです。

【伊藤コーディネーター】

 ここは多分文科省に限らず国全体もそうですし、地方の行政もかなり同じようにやっている。ただ、その問題点はあるというのはかなり感じていますので、別途どこかでできればというふうに思います。

【伊藤コーディネーター】

 和田先生、どうぞ。

【和田】

 この事業は、かなり多額のコンピューターシステムを導入するための、作成するための費用が最初にかかり、そして、それは著作権は文科省にあるということになっているわけですね。そして、それを利用して、今度は準備事業をしますと。これが例えば内田洋行さんですと、21年10月の契約では4億3,000万円準備をしていますと。そして、その後、翌年の2月になって、今度実施事業の入札をしますと。これ、どう考えても、コンピューターシステムを自由に使えるということと、それから4億3,000万円もかけた準備が、ほかの業者にも同じように使えるんなら実施事業の入札を競争でやっても適切だとは思いますけれども、これを持たない他の事業者が実施事業に参画しようとするときにその負担たるや大変なものになるだろうと思いますので、この実施事業で一般競争入札にしました、一者応礼でしたというのは、基本的に、形はそうなったかもしれないけれども、一般競争入札にはならない状況ではなかったか。それをほんとうに一般競争入札にするというのであれば、コンピューターソフトの利用を完全にフリーに、自由にできるようにすること。そして、準備事業については3月31日が納期になっています。契約納期ですね。それを全部使えなければ実施事業のほうに入札できないですね。そして、そういう契約の仕方を根本的に直さないといけないのではないかと思います。
 済んでしまったことかもしれませんが、この準備事業が、22年3月31日が納期ですと言って、その準備事業の納期が終わらないうちに実施事業の契約の公告をしたり、契約をしたりするというのはどういうことだったのか。
 それから、予定価格、準備価格、準備事業で4億7,000万円の予定価格を組んで、実施事業のほうで23億の予定価格を組んだけれども、23億の予定価格の中に準備事業の予定価格は入っていなかったのか。もし入ってないと、準備事業を受けなかった一般の事業者に対しては、この23億の中で準備事業費を持てといったのか。この辺のところが少しつじつまが合わなくなっているように思いますので、今後こういった契約については、十分検討されて、改善されたらというふうに思います。

【説明者】

 簡潔に申し上げます。1点だけ、事実としまして、準備事業について、すべて準備段階のものを、事業成果をそのまま、その体制として次の実施事業をやるとき、もし業者が変わった場合でも、変わらない場合でも、そのものを引き継ぎという形をとっております。ですから、論理的に言いまして、実施事業においては準備事業にかけている費用をもう一度かけるということは基本的に求めていない。ただ、もちろん準備事業である程度、こういう準備をしました、こういう準備をした。例えばここに配送するための資材は梱包してここに置いてありますとか、4月以降採点される方のための採点者はこれだけの人員として確保しました。それを引き継いでいくということになるものですから、そういう意味で、実施事業の内容については、1から、むしろやることは逆に制約を受けている形になります。ただ、それがほんとうに業者のほうでやれるのかと。そこのところについては関係業界のいろいろなご意見を聞いていると、結構厳しいよと。建前はそれでつじつまが合っているのかもしれないがというお話があるものですから、ここはぜひ国庫債務負担行為ということもまた含めて、しっかり取り組んでいきたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん、先に。その後、鳥井さん。

【市川】

 そこは国庫債務負担行為を検討していただくということで、つまり準備と実施を一元化するという方向で、ぜひお願いをしたいなと思うんですが、この話は結構込み入っている部分がありまして、少し整理をさせていただきたいので、具体的な質問をさせていただきますが、まず、もともと学テを実施するに当たって、コンピューターシステム、コンピューターを管理するシステムが必要であるというところから、中学校分は約2億円、小学校分は約3億5,000万円ということで、このシステム開発を発注されたと。今そのシステムをどこがどう使うかという、そういうことでよろしいわけですね。

【説明者】

 プログラム開発……。

【市川】

 プログラム開発という意味で結構です。

【説明者】

 プログラム開発分のこと。

【市川】

 はい。疑問点はプログラムであるというものの中で、これも報道等で随分報じられましたけれども、プログラムの実際の利用状況というものを他の競争業者さんが入札するかしないかということを決定するに当たって、見せていただきたいと言ったところ、両者に断られたがゆえに、中を見れなかったので入札ができなかったという報道がありました。
 よくわからないのは、プログラムとデータとそういったものが一体どう切り分けられていて、例えばデータはどこにあるのか。これまでの蓄積されたデータは文科省にあるのか、両者にあるのか。
 それから、プログラムといいますが、プログラムというのは、純粋に文科省が委託して開発されて、文科省が特許権を持っているプログラム、パテントを持っているプログラムがそのままの形で両者が利用しているのか。それとも、そこに何か手が加えられたものになっているのか。その辺のところを少し整理していただけないでしょうか。

【説明者】

 もともとこの事業につきまして、必ずしも採点システムにおいて、コンピュータープログラムを使わなきゃならないという仕様にはしてしておりませんが、結果としてこれだけのものをやるのに、そういう具体的な提案になってきております。そのときに、2つパターンがありまして、1つは、自前で例えばプログラムを持っているものがあります。同様の事業を既に自社事業として展開されている場合については、企業側としてはむしろそれを使って採点をしたい。小学校のほうはそういう形になっておりますけれども。その場合ですと、私ども、プログラムの使用に関する使用料を払うということはしております。それから、具体的にそういうものを持ってない企業さんのほうが採点プログラムを設定したいということで、開発したいということで、その分の経費を委託事業の中で支弁していると。

【市川】

 ただ、もともとであるとするならば、もともと文部科学省にとってみれば、コストを下げようとすれば、今既にあるプログラムを使っていただくほうがコストは安いことになりますよね。そういうことでいいですか。

【説明者】

 その点につきましては、現実にいろいろ参入されてくる企業さんのほうでは、例えば文科省のほうで既に過去の事業で使ったプログラムを使うよりも自分の企業で、その後のネットワーク環境とかコンピューター機器も含めて、サーバーも含めてやるときに、例えば言語の問題とか、技術上の問題で、改めて新しいものを用意して参入したいというご意向のところもあります。ただ、そのときにそういう場合ですと、提案としてはコストがかかってくると。

【市川】

 ただ、そうすると、もともと文部科学省が中学校分2億円、小学校分3億5,000万円かけてつくったプログラムは、もし別の言語で書かれたプログラムをもって参入しようとしたときには、少なくともその年は使わないということになるわけですか。

【説明者】

 そういう実態になっております。

【市川】

 要は、ほんとうに、実は国会の中でも結構この問題というのは議論になっているようで、国会議事録を随分ここのところを読ませていただきましたけれども、そもそも競争が好ましいという前提に立つのであれば、むしろ競争を前提とした制度設計をしてあげないと入ってこれないわけですね。ですから、例えば国が開発したプログラムがあって、それが事実上、ある年に受注された業者のファイアウオールの向こう側にあって、それについて実際に触れることができないような仕組み自体が、実は間違っていますよね、ほんとうに競争しようとするならば。ですから、そこのところはただ単に見せてあげるとかいう、見せることを条件とするということではなくて、むしろだれでもがそのプログラムにアクセスできるような競争条件を本来整えて、どうぞ参入してくださいというふうにするべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【説明者】

 非常に重要なポイントだというふうに思っていまして、私もこの問題を我々が検討するに当たって、そこの部分についてどうしても矛盾があるということでございますから、これにつきましては、もう少し専門家の情報分野におけるこういう非常に特殊なケースでございます。毎年単年度の事業で、しかも翌年度にその前の年のプログラムなりシステムが使えると。非常に変わっております。1回1回競争入札をかけるということになりますから。そのとき、実質的な競争性をどう確保するかということに関して、もう少し議論というか、全く創造的に考えていかなければいけないことだと思うものですから、可能であれば、私どものほうとしましては、そういう情報分野の発注に、実態なり競争性ということが、よく洞察があられる有識者の方、あるいはそういう公共政策とか、発注の関係でアドバイスいただける方々による専門家の会を今後設けて、より基本的なところの議論をして、できれば新しいやり方を検討しなきゃいけない、そういうふうに思っております。

【市川】

 それは最後に、2011年度に行われるテストからは──これは予算行為とかもありますからあれですけれども、2011年度から実施されるテストに向けて、そういった改善をし、これが建前として競争入札を建前とするのであれば、実質競争入札ができるような制度設計をもう一回組み直す方向であるということでよろしいでしょうか。

【説明者】

 まずは、今回改善策を講じますから、こういう実態とかも検証して、それで、さらによりよい、根本から考えてもっとベストな入札契約システムがあり得るのであれば、それを大胆に検討していきたい。もちろんこれについては、既存の入札契約制度との調整が要ると思います。基本的にこういうふうな一般競争入札はこうで、総合評価落札方式はこうだという中で政府として決めているものがありますから、そういうものとの調整を図らなければならないと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 1点聞き逃したかもしれません。採点データは、今どこにあるんでしたっけ。

【説明者】

 データそのものに関しては、業務が終われば、最終的な集計結果として文科省に提出されると同時に、基礎データの部分は全部削除といいますか、廃棄する形にしております。もちろん児童、生徒本人については個人票ということで、そのデータをお返ししておりますので。

【伊藤コーディネーター】

 鳥井さん、どうぞ。

【鳥井】

 今の議論をずっと伺ってて、ちょっと不安になるんですね。この調査というのは、去年、おととし、5年前、10年前、10年後と同じレベルで比較できないといけないわけですね。地域によっても同じレベルで比較できないと、せっかくやった意味がないわけですね。そういう意味で、例えば地域ごとに分けて入札しますよ、それぞれ違うプログラムをつくりますよという話になると、そこの品質が同一であるかどうかということについては相当検証しないとできないことになるんだと思うんですね。例えば「はい」と手を挙げてきた人が、私、プログラムをつくります、私、プログラムをつくりますって格好になると、その品質の保証というのは非常に難しくなるんだと思うんですね。市川先生がおっしゃったように、競争入札の条件をしっかりするのと同様に、品質がきちんと全国統一であり、年度を通してきちんと担保されるということをどうやって担保するのかということ。その両者をしっかりなるような、そういう競争条件をつくっていただかないと、ただただ競争すればいいというだけではないということですね。

【伊藤コーディネーター】

 藤原さん。

【藤原】

  今の鳥井さんの話に対してちょっと恐縮なんですけれども、これはもともと問題を公表していますので、経年の比較はできないです。

【鳥井】

 なるほど。

【藤原】

 これは国民の皆さんも知っていたほうがいいことですね。
 それから、私は、ぜひ最後のほうだと思うので、私がもし文科省の官僚だったらどういう改善をするかという非常に具体的な提案をしますので、それに対して答えていただければと思うんです。ただ、その前に、ちょっと前提で広く国民の皆さんにも知っておいていただきたいことがあるので、2つほど触れます。少し長くなるんですが、恐縮ですけれども。
 1つは、教育のプロならみんな知っているんですが、問題の作成、採点、分析、個人へのフィードバックですね。学校とか個人のフィードバックは、基本的には1人の人間が責任を持ったほうがいいです。学校現場でもそうなんですね。例えば先生が問題を作成します。採点をだれかにやらせて、それを個人にフィードバックするということをやりますと、個人へのフィードバックがゆがむんですね。教育の本来のあるべき姿じゃないんです。ここはほんとうは一貫にしたいんですね。でも、非常に巨大な調査をやると、それが1業者に集中してしまう。これをどうするかという話になると思います。本来は一貫していたほうがいいんです。
 もう一つの話。これは本日の論点ではないので、ここで言うべきではないかもしれませんが、基本的に3分の1のサンプルとは言っても予算規模が70億円から46億円に減っただけなんですね。3分の1にはなってないんですよ。

【説明者】

 33億円です。

【藤原】

 え? そうですか。じゃ、70億円が大体33億円。

【説明者】

 57億円が33億円というのは全体規模でございます。

【藤原】

 そうですね。つまり、トータル予算が3分の1にはなってないですね。
 私、こういう調査を非常に中途半端に3分の1の規模でやるというのがそもそもおかしいと思っていまして、全数調査をやるなら、私は5年に一遍全数調査、悉皆調査、その間は1,000の規模でいいからサンプル調査で、経年比較ができるようにすべきだと、仕分けのときに11月に何度も言ったはずなんです。それが非常に中途半端な3分の1のサンプル調査に落ち着いている。これはおかしな話だなと本来思います。でも、それは一応置いておきましょう。
 私の提案なんですが、こういうことをやれば、基本的に圧倒的にコストを下げて、かつ現場の先生の負担も軽減し、かつ業者の競争が起こるんじゃないかというふうに思うんですね。どういう方法か。3つあるんです。
 1つは、学力調査にはA問題とB問題があるんですね。B問題のほうは活用ですね。A問題のほうがどちらかというとIEAのTIMSS型の調査、つまり、正解を問う。早く正確に正解が出せるかどうかという情報の処理力を問う問題ですね。B問題のほうはどちらかというとOECDのPISA型調査に似たような形で、どちらかというと思考力、判断力、表現力──私は情報編集力と言っていますけれども、こっちを問う問題なんです。ただ、残念ながら、このB問題についてはPISA型調査の設問には遠く及ばない。残念ながら応用型の正解を問う問題になっちゃっていますね。
 そこで、この全国学力調査については思い切ってA問題のみに特化してしまうということがあり得るんじゃないかと思うんです。活用のほうは別に考えるということです。A問題だけだと、正解を問うだけですから、採点集計も非常に楽ですね。違いますか。
 2つ目に、結果のフィードバックなんですが、市町村のこれは学力の比較調査だという形ですね。学校単位では、個人単位まで戻さないで、学校での成績の分散データですね。そういう傾向がわかるような、そういうところまでの集計にすれば、これもかなり負担が減るんじゃないかと思います。
 市町村について、公費でやる以上は、当然公開が原則、公表が原則だと私は思っています。
 3番目、今個人にクモの巣チャートのような感じで戻していますね。違いましたっけ。

【説明者】

 昨年までそうです。

【藤原】

 そうですね。この個人のフィードバックについてなんですが、学校現場ではほとんど使えてないです。とりわけ中学校で、4月20日にテストをやって、中学3年生がそのフィードバックが大体9月になってしまうわけですね。9月にフィードバックしたら、ほとんど進路先もある程度決定して、過去問に取りかかろうかというようなところで、そんなところで個人のチャートを配られても、まず指導できません。最初の年なんか、これが12月までずれ込んだので、ミスがあったので、大変な現場の混乱があったわけです。ですから、個人へのフィードバックをやめてしまったらどうかと思うんです。
 これはなぜそういうことをやったかというと、結局、ランキングを出すような、競争をあおるような、そういう調査は具合が悪いというようなことが、多分文科省のほうでセーブがかかって、あるいは中教審かもしれませんけれども、とにかく個人へのフィードバック、個人が力を伸ばすために、弱い部分を補うためにというようなことで、そういう言いわけのために個人へのフィードバックをしたと思うんですね。でも、現場ではそれを使えてないですよ。というようなことで、個人へのフィードバックをやめて学校単位の集計にしてしまえば、かなりコストが減るんじゃないかと思います。
 これに対してB問題のほうは別に考えまして、もちろん同時期にやってもいいんですが、B問題については個別に作問して、ベネッセなり、旺文社も非常にすばらしい会社だと思います。力のある会社だと思います。そのほか、四谷大塚、日能研、代ゼミ、ゼット会のような作問もできるし、それを採点する力も持っているところに競争させてやらせればいいんじゃないかなと。つまり、A問題とB問題を分離する。それから、市町村単位にする。当然データは公開。学校では分散データまでにする。個別のフィードバック、つまり、個人へのフィードバックはしない。こういう形にすれば、システムがものすごく軽くなるはずなんですね。どうでしょうか。

【説明者】

 なかなか十分検討もしないでお答えできないことが非常に多うございますけれども、まず個人のほうにお返しする部分に関しまして、今年抽出調査に切りかえましたときに、少し簡略化を大胆にさせていただきまして、クモの巣的なチャートというものはつくらないようにいたしました。そして、個人についても最低限、実は答案用紙を返すかわりにこの問題についてできたか、できなかったかという部分について個人票という形で返しておりますので、それもCD "ROM等に入れてお渡しするだけで、わざわざこういう印刷媒体をつくらない形にして経費を落としております。
 ただ、実際個人に何も返さないかということに関しましては、実は、相当PTAとか、いろいろな関係方面からは個人にきちっとフィードバックしてほしいという要請が強いものですから、平成23年度以降、調査のあり方を基本的に見直すことにしておりますので、その中で今いろいろ教育委員会等にもアンケート調査しておりますので、それぞれこういう機能が要るのか要らないのかという質問もしております。そういうものを踏まえて、検討させていただきたいと思っております。

【藤原】

 ちなみに、ご存じだと思いますが、例えば東京都は活用問題については独自にやると言っていますし、おそらくそういうふうになるでしょう。これからはPISA型の学力が大事だと。情報編集力が大事だというのは世の中全体の認識ですので……。それはおそらく自治体が独自にやるところが増えてくると思うんですね。

【説明者】

 そういう地方独自の調査との役割分担についても基本的なところから議論を今後続けていかなきゃいけないし、当面もしていかなきゃいけないと思っております。

【藤原】

 もう一回、A問題、B問題を分離して、A問題をそういうふうに軽くすれば、多分競争は起こりますよ。わかりますね。それほど採点ノウハウがあるところでなくてもできるし、クモの巣チャートを出さなくていいんだったらシステムは軽くなるはずですから。違う? A問題だけだったらすごく競争が起こるんじゃないかと思うんですよ。

【説明者】

 それを分割できるかどうかというのは、これからいろいろな視点で議論していかなきゃいけないと思いますが、実際、B問題が相当時間も手間も技術も必要だということでございます。

【藤原】

 そうなると思いますね。B問題は全国的にそういう採点レベルをかなりクオリティー高く維持できるところじゃないとまずできないと思うので、逆に。そういうふうに分離するべきだと私は思いますね。

【伊藤コーディネーター】

 皆さん、コメントシートをご記入いただいて、書いた方から後ろに、事務局にご提出ください。
 もしほかにご意見等ございましたらお願いいたします。
 これ、私からきょうの議論で一番最初のご説明の中でも改善策を考えられている部分というのは、先ほど市川さんからもありましたとおり、翌年度、来年度からを目指しているということでよろしいですか。公告自体は前年度ベースでいけば7月からスタートしていると思いますが。

【説明者】

 既に予算要求が必要ないものに関しましては、すぐやりたいと思っております。次回の入札から。例えばいろいろプログラム提供するとか、情報公開に努めるとか、そういうことに関して総合評価落札方式の審査基準を見直すとか、できることはすぐやっていきたい。概算要求が決まったようなことについては、概算要求をした上で政府全体として判断した上でやらせていただきたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 これ、冒頭にも申し上げましたが、午前中の事業は契約の観点で議論していますので、もしかしたら傍聴者の方からすると、細かいやりとりだったかなというふうに思います。ただ、これは市川さんから指摘がありましたとおり、以前報道や国会等でも取り上げられるほど問題になっている部分があって、それも踏まえて、これは文科省として独自に1回公開の中で議論したいということでしたので、今回ここに取り上げられています。ただ、その議論の中で、最後藤原先生からございましたとおり、中身の改善によって契約自体の金額も下がるんじゃないかというご指摘もありました。いずれにしても、これはとにかく早急に何らかの改善を打たなきゃだめだというところの共通認識、これはもう、ご説明の方も含めて、お持ちだというところで、一度整理をさせていただきたいと思います。
 集計結果がまとまりましたので、ご報告いたします。契約に関して、少し評価の区分が異なっております。今回のコメントシートでは、見直しの余地がない、もう一つ要改善、この2つの選択肢になっています。ですので、議論を聞いていただいていればわかるとおり、8名全員が要改善というところに印をつけていただいています。ただ、具体的なところについてはコメントで書いていただいておりますので、そのことも含めまして、官房長より取りまとめをお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 評価者全員の皆さんから要改善ということで、改善の観点というところが重点だと思いますので、そこのところ、評価者の皆様からのご指摘をまとめさせていただきます。
 1つはコストの面で、客観的コスト分析というものを行うように、予定価格というのは一体どうして積算しているのかという積算方法の見直し、あるいは契約金額全体が適正化するように経費削減、そういう観点もしっかりと入れてくれということでございます。
 もう一つ、一般管理費、あるいは再委託費というもの、こういうものの積算のあり方、こういうものについてトータルの仕組みがあるとは思いますけれども、そこをしっかり、この事業に関しての一般管理費のあり方といったものについて抜本的に見直す必要があるんじゃないかという点でございます。
 それから、この事業の場合、コンピュータープログラムが採点とか集計のところで非常に重要なコストのポイントになってきますので、そういうコンピュータープログラムに対するアクセスをどうするのかといったことで、この事業についての競争性を確保するということを実質的に確保するためにどういうことが必要なのかということをしっかりと見た上で、見直すべきは見直すということにしたらどうかということでございます。
 また、もう一つの点は準備と実施というふうな契約が別々に行われているんですけれども、実際上そういうことが可能なのかと。時期的な面、4月1日に契約して4月20日に調査だということですので、この辺のところの国庫債務負担行為の活用とか、あるいは契約の中でも配送する業務とかそういうふうな契約の分割といったこと、そういう工夫によってよりコストを下げられるということもできるんじゃないか。この辺の工夫をしてくれ。
 最後に、もともとのそもそもの全国学力・学習状況調査というものの設計をどうするのかということについて、抜本的にといいますか、根本的にどういう目的のためにやるのかということ、そこに照らしてどういう調査方法というものが適切なのか。それをどういう形でフィードバックするのが適切なのか。ここのところを、もう一回原点に立ち返って学力調査についてしっかりと検討した上で設計をさらに今後やってくれということで、次年度を含めできるだけ早く着手してくれということであろうかと思います。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。では、学力テストについては終了いたします。
 引き続いて、理研のほうに移らせていただきます。引き続いて、85ページのSPring‐8の運営業務についてまいります。まず官房長より背景をお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 このSPring‐8というのは理化学研究所というところが持っている大型放射光施設という、兵庫県にある施設でございますけれども、ここの施設の運営というところを財団法人高輝度光科学技術センターというところが行っております。財団法人が行っているということで、さらに財団法人が運営をやっているんですが、その一部業務をさらに会社に委託とか請負とかという形でやっている。あるいは、職員の事務補助とか技術支援といった方についての派遣という業務も委託しているというふうな関係がございます。
 これで報道にございました、そもそもSPring‐8という大型放射光施設ですけれども、これを何で財団法人が運営しているんだろうかという、そこに文部科学省のOBが役員でおりますから、そういうことのためにやっているんじゃないかという疑念が1つでございます。
 ただ、SPring‐8はなぜ財団法人が運営しているかというのは、そもそも理研と一番初めにできたときには原子力研究所というところの共同施設としてこの施設をつくろう、運営しようということになりまして、それでしかも、2つの研究所が運営するだけじゃなくて、いろいろな企業が使えるぞということで、特別に法律をつくりまして、当時は特殊法人だったんですけれども、そこの供用をするための特別な法律をつくって、そこの法律でここが運営するんだということで財団法人をつくって、指定して、それでやり始めたという経緯がございます。
 ところが、途中で原研のほうがここから抜けまして、理研だけの施設になったものですから。そうすると、それで、そのまま今までやっているわけですけれども、その辺どうなんだろうかというところがございます。
 さらに、そこから財団法人から下請で受けている会社があるんですけれども、ここにも文部科学省なりのOBがいるんじゃないかということがございまして、そこの委託しているのがほんとうに請負契約でやっているのか。競争といっても、ほんとうに競争性がある形で、一者応礼のような形になっていないだろうかと。その形の中で、独立行政法人からさらに請負を受けている、財団法人からさらに請負を受けている再請負をやっているところが文部科学省のOBがいるからそこと契約しているというふうな変な形になっていないか。こういうことが問題にされたわけでございます。
 これも大臣、副大臣から非常にしっかりと調査して改善すべきは改善しろということで、私どもも取り組んで、改善策というのをまとめつつあるというところでございますが、さらにそれに対してご意見をいただいて、我々としてこれはもっとやるべきという点について指摘していただければありがたいというところでございます。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、引き続き、先に会計課より契約条件や論点につきましてご説明をお願いします。

【松岡財務分析評価企画官】

 理化学研究所の契約において、理研OB等が再就職していることについて新聞報道で取り上げられた3社との契約を対象といたします。該当の会社としては先ほど官房長が申し上げた財団法人高輝度光科学研究センター。以降略称でJASRIと呼ばせていただきます。また、スプリングエイトサービス株式会社及び株式会社サイエンス・サービスの3社でございます。
 そこで、3社との21年度における競争性のない随意契約及び一者応礼・一者応募を調査いたしました。まず98ページをごらんください。よろしいでしょうか。98ページに理研とSPring‐8の運営体制にかかるフロー的な図がつけられております。まず、一番左でございますが、左上の太い矢印、ここで理化学研究所からJASRIに53億、委託事業が流れております。また、そのJASRIから左の下の矢印でございますが、一部業務請負という形で10億ほどスプリングエイトサービスに委託が流れております。さらに、真ん中から右側の細い線でございますが、理化学研究所からスプリングエイトサービスに3.9億ほど業務請負が流れております。さらに右側の一番細い線でございますが、理化学研究所から1.2億ほどサイエンス・サービスにお金が流れている。これが、この図から見て取られる状況でございます。
 続きまして、この図のおのおのの点線で囲んでいる部分、これを個々の契約の検証とさせていただきました。まず一番上のJASRIの一者応礼でございます。これについてはページをお戻りいただいて申しわけございませんが、91ページ、こちらの契約ナンバー1、ここで記載させていただいております。JASRIとの契約、20年度の契約で、金額で184億ほどの契約になっております。
 また98ページにお戻りいただきますと、真ん中の囲いでスプリングエイトサービス、一部業務請負ということで、これも一者応礼でございますが、この該当するところが91ページの契約ナンバー2でございます。さらに、98ページの一番下のサイエンス・サービスの労働者派遣、この労働者派遣は随意契約になっておりますが、この契約内容をまとめたのが92ページの下の欄、契約ナンバー3になっております。
 おのおのの契約内容、要因分析、随意契約とした理由、今後の方針は91ページからの契約票で記載しております。
 また、おのおのの財団法人、会社のOBの状況については93ページで記載しております。
 続きまして、引き続き論点のほうをご説明させていただければと思います。論点は94ページをごらんいただければと思います。論点については、今までのものと異なりまして契約ごとに論点を記載させていただいております。
 まず契約ナンバー1でございます。ナンバー1については、まず業務実施体制として業務を実施する上で外部委託は妥当か。言いかえれば、直接理化学研究所が業務を実施することができないか。SPring‐8の運営業務に関し、現在のような運営体制とならざるを得ない固有の要因はないか。
 また、21年度は一般競争入札を行い一者応礼となっているが、委託先の選定方法は妥当か。
 続きまして、例えば1つ目として公告方法が十分でなく、周知が不十分なのではないか。
 2つ目として、仕様内容の見直しが十分でなく、競争が阻害されているのではないか。
 3つ目として、仕様内容を分け、入札者が競争に参加しやすくなるよう契約案件を分割するなど見直しすべきではないかなど、より競争性のある入札等に移行するために入札の方法に関しての改善の余地はないかという論点を挙げさせていただいております。
 また、JASRIを介して業務をスプリングエイトサービスにアウトソーシングすることは妥当か。
 最後に、契約の相手方に複数のOBが在籍しているが、委託先の選定方法に透明性、公平性は確保されているのかという点について論点として挙げさせていただきます。
 続きまして、契約ナンバー2、95ページでございます。こちらもまず業務の実施体制として業務を実施する上で外部委託は妥当か。言いかえれば、直接理化学研究所が業務を実施することができないか。以下の点については先ほどの契約ナンバー1と同じでございますので、省略させていただきます。
 続きまして、96ページ。契約ナンバー3、労働者派遣の契約をサイエンス・サービスと締結している件でございますが、まず論点の1つ目として、業務実施体制として業務を派遣契約としていることに妥当性はあるか。言いかえれば、直接理化学研究所が雇用すべきではないか。随意契約としていた理由に妥当性はあったのか。また、既に行われた22年度の理化学研究所全体の労働者派遣の状況を見ると、一般競争入札を行ったものの63件中44件が一者応礼となっております。一者応礼とならないよう改善策は十分なものとなっているのか。さらに、労働者派遣について単年度ごとに契約を実施していたり、派遣内容ごとに契約を行っているが、複数年度契約、契約案件の集約化等により契約の方法の効率性を高めるべきではないかというのを論点として挙げさせていただいております。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 引き続いて、ご担当より簡潔にご説明をお願いいたします。

【説明者】

 文部科学省研究振興局基礎基盤研究課でございます。
 それでは、お手元の資料に基づきまして、簡単にこの事業と契約のご説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料の97ページのいわゆる図、ポンチ絵に従いましてご説明をさせていただければというふうに考えてございます。
 97ページ、1ページ目でございますが、そもそもSPring‐8という施設は何かということについて、ごく簡単にまとめた資料でございます。この施設では電子を磁力で曲げて発生いたします大変明るい光をものに当てる。そのものを突き抜けてくる光、はね返る光などを分析することによって、そのものがどういう構造になっているかということを分析する装置でございまして、1ページ目の一番下にございますとおり、例えばたんぱく質を分析して病気の原因解明に当てたり、燃料電池の構造を分析することで材料開発に貢献する。さらには科学捜査、学術研究などにも使われているものでございます。
 もの自体は1ページ目の真ん中にございます。兵庫県播磨科学公園都市というところにございまして、大きな丸いリングが、周長1.4キロの施設でございます。年間1万3,000人ほどの方がご利用いただいておりまして、実際、大学や研究所は来てお使いになるだけではなくて、ここに実際分析する装置を整備されるという方も大変多くおられる施設でございます。
 1枚おめくりいただきまして、98ページでございます。ここがきょうレビューをいただく内容でございます。先ほど会計課のほうよりご説明ありましたので、概略は省かせていただきますが、理化学研究所、JASRI、スプリングエイトサービスほか複数のアウトソーシング先の企業という構造が、このような構造になっているところでございます。
 98ページの下の欄でございますけれども、ほかの契約、理研全体の契約とも共通した要因というのも一者応礼、競争性のない随意契約という原因にはあるところでございます。例えば一者応礼につきましてはホームページで公表されている入札情報が公告期間が10日間だけでしたり、公告方法が限られているというところがございます。また、随意契約についても、従来との一体性を確保する必要があったようなところがございます。このあたりはより多くの方の参入が可能となるよう改善に努めていきたいと考えているところでございます。
 一方、現状の契約関係に至ったのはSPring‐8特有の原因というのも考えられるのではないかと私ども分析しております。そこにつきまして99ページ、100ページでご説明をさせていただいております。99ページはこの施設の技術的な特徴というのを挙げてございます。日本に1つしかない極めて独特の施設でございまして、この施設に特化した技術というのが多く求められるという説明でございます。月の引力や太陽の引力などでビームの安定性というのも影響が出る。そういうところを安定化するための調整するような技術が要るというところも、この装置、この施設の特有のことであろうというふうに考えられます。
 1枚おめくりいただきまして、100ページ目でございます。これは今回のこの契約、理研、JASRI、外注企業というところに至った経緯の説明でございます。ここは先ほど官房長のほうから説明がございましたとおりでございます。もともと理研、原研のプロジェクトを一体的に運営、維持管理するためにJASRIが設立されまして、法律で決められたという。それで平成9年から供用が開始されたところでございますが、その後、指定制度から登録制度、随意契約から一般競争入札へという流れの中で、この法律も改正してまいりまして、運営、維持管理というものを当初法律で規定されておったものを一般競争入札へ移行したと。平成18年に法改正いたしまして、平成19年から一般競争入札に移行したというような経緯もございます。
 101ページはほかの施設との比較とか、これまでの推移で、少し参考になるようなデータということで掲載してございます。特に海外の施設との比較ということで、上に挙げてございます。同じような施設、アメリカとヨーロッパ、世界3カ所にございますが、規模とか、運営形態ということについて各施設一長一短があるというふうに考えてございます。
 以上が概要でございますが、効果的、効率的なSPring‐8の運用のあり方ということにつきましては、私どもも改善に向けて検討していきたいというふうに考えております。まさに昨年秋の事業仕分けでもいろいろご指摘をいただいたところでございまして、今鋭意検討しているところでございます。ぜひ皆様からいろいろご意見等評価などいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見、お願いいたします。市川さん。

【市川】

 済みません。よろしくお願いします。
 まず、昨年の行政刷新会議の事業仕分けの評決結果について、SPring‐8への影響についてという紙をコメントを出しておられるんですが、出しておられる、内容はちょっと別にして、だれが出しているかというところは重要かなと思ったんですけど、これが独立行政法人理化学研究所、これはわかるんですけれども、財団法人高輝度光科学研究センターと連名になっていますね。それから、今年3月24日に平成22年度SPring‐8の運営にかかわる政府予算についてというところも、これも理研さんと財団法人JASRIの連名になっている。要は、これを見ている限りにおいては、前提として一体運用が前提となっている。ですから、競争入札とかではなくて、本質的にこれは両者が一体的にやっていくんだということが前提になった上で、こういった連名でのコメントの出し方になっているのではないかというふうに想定するわけですけれども、その辺について、まず、どうしてこれが連名で出す必要があるのかということについてご説明をいただけないでしょうか。

【説明者】

 理化学研究所でございますけれども、先ほど振興局のほうから、経緯、官房長も若干ご説明いただきましたけれども、もともとこのプロジェクトをやるときに原研、理研でスタートしたわけですけれども、運営するのに1つの体制でしっかりやるべきだというのを当時の有識者の皆さん方のご意見として、意見をいただいている。
 それで、理研、原研、どっちかでやればというチョイスもあるわけですけれども、当時の特殊法人の人を増やせない状況というもとでは、なかなか必要な高度な研究者、技術者を1カ所に集めることは難しいというもとで、JASRIというのを設立し、法律をつくって、指定法人としてそこに1つの優秀な人たちを集めて、日本中から集まっていただいたわけですけれども、産官学全部から集まっていただいて、スタートしている。10年以上──10年以上かな。法律が変わるまでは指定法人としてまさに一体となってやっていたというのは確かでございます。19年度以降、登録機関ということになって、現実には登録機関1個しかないわけですけれども、実質上はJASRIが競争入札により現実に運転のことはやっているということで、昔から指定法人時代はまさに法律に基づいて一体となってやっていたわけですけれども、それの名残という……。

【市川】

 ということは、そもそもこれ自体が何ちゃって一般競争入札ではないかと。つまり、そもそもこれは一般競争入札が前提条件として成り立たないものを、ただし、これまでのいろいろな政治的経緯もあって、一般競争入札という形をとっているにすぎないような気がするんですが、その点はいかがでしょうか。

【説明者】

 今おっしゃっている趣旨のポイントは、要するに、日本の中にこれをほんとうにJASRI以外にできる者がいるかという観点で、今の時点で考えますと、難しいというふうに認識しております。ほかの者がこの運転に手を挙げるのはなかなか難しいんじゃないかというふうに認識しております。

【市川】

 だとすると、多分論点は、これはこれまでの経緯があり、特に独立行政法人自体は人が増やせないような、コストを、交付金を減らされるような状況にあったということがあり、そういった前提条件を踏まえるにしても、今ここで見直していくときに組織を2つに分けているということがむしろ間接コスト等を考えていくと、コスト高になっている可能性というものは、果たしてあるのかないのかということですね。まして組織を2つに分け、財団法人をつくり、そこに事実上天下りと言われるような方たちがいて、間接経費を食うという状況が正しい方法で──今この時点で、過去の経緯を除いて考えたときに正しい方法であるというふうにお考えかどうかというところをお聞かせ願えないでしょうか。

【説明者】

 間接コストがかかっているのではないかということについてはそういう問題意識もあります。そこはきちんと分析していかなければいけないというふうに考えてございます。一体のほうがいいのかどうかというのは、このSPring‐8に限らず、まさに先生もおっしゃられた独立行政法人そのものの予算の状況などもございますので、そういう全体のいろいろな要因を考えながら、また、コスト高というのも当然考えながらいろいろ考えていきたいなと思ってございまして、今まさにいろいろ分析などしてやっておるところでございます。

【伊藤コーディネーター】

 先に確認ですが、今の一般競争入札の条件には、登録機関であるかないかというのは書かれているんですか。それはないんですか。

【説明者】

 ございません。

【伊藤コーディネーター】

 登録機関、今実質1法人だけですけど、そこ、登録機関ということでの何かメリットというのは現段階であるんですか。

【説明者】

 登録機関というのが全く条件ではございませんので、能力さえあれば、どこでも運転していただけると思います。そこは過去の経緯から、登録機関というのがなっていると。

【伊藤コーディネーター】

 鳥井さん。

【鳥井】

 実は、私、JASRIができるときに少し議論に加わったことがあるんですね。そのときの議論を思い出してみますと、研究機関である理化学研究所が、お客さんに対してサービス、支援をするという業務が理化学研究所と少しなじまない。研究者はどうしても研究をする、論文を書くというところに重点が行って、全日本的なお客さんがSPring‐8を使っていくということに対してサービスしていくとか、営業していくとかいうことには、どうもなじまないので、やっぱり独立させたほうがいいのではないかという議論をした覚えがあります。その状況は多分今も変わってなくて……。ですから、理化学研究所が自分でSPring‐8に関するサービスをやるというのは、どちらかというと、あまり現実的じゃなくて、何らかの運営機関がやるということが適当ではないかというふうに私自身は考えています。
 JASRIにおいて天下りの問題とか、コストの問題というのはきちんと考えなくちゃいかん話ですが、この構造、少なくともJASRIまでの構造については、私は妥当なのではないかというふうに今思っております。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生、どうぞ。

【土居】

 今の議論に関連するところで、理研と一体的に運営するのか、ある程度別の組織として運営するのがいいのか。98ページの図を拝見すると、それにしては、理研と別の組織で運転等の実務をやるということにしては、あまりにも複雑過ぎると。二重、三重の構造になっていると。1つの論点としては、財団法人というものに委託するということでいいのか。さらには、株式会社というものでいいのかというところの1つ焦点になってくると思うんですけれども、特に拝見していると財団法人のJASRIに出捐している地元の企業の方々、それから、スプリングエイトサービスの株主、かなり重複しているんじゃないかというような気がいたします。そうすると、地元企業はもちろんSPring‐8が大事だと思っておられるからこそ金銭的な支援をなさるんだけれども、わざわざSPring‐8にもお金を出し、JASRIにもお金を出しと。重複してお金を出しているということの意味が、第三者から見ると非常に冗長な印象があって、なぜJASRIでなければだめなのか。なぜJASRIが結局はスプリングエイトに再委託というか、一部業務請負を発出されるのかという、そういうところについて理化学研究所としてどういうふうにごらんになっておられるかというのを、ちょっとお伺いしたいと思います。

【市川】

 ちょっと重ねてよろしいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【市川】

 今の件で、重ねて申し上げると、スプリングエイトサービス株式会社というところの会社概要というのを見てみると、「SPring‐8は平成9年10月より供用を開始しておりますが、弊社は供用開始の当初から加速器の運転、施設の運転、ビームライトの整備などの業務の一部を実施して参りました。今後は、先端科学のサポートも含め、SPring‐8の利用拡大、有効的運営に貢献していきます。」ということで、この会社自体がSPring‐8が──済みません、皆さん、多分混同しておられると思うんですけれども、SPring‐8という設備に対して、スプリングエイトサービス株式会社、これは今土居先生がおっしゃったところですけれども、ここがあるという前提でこの会社が発足しており、実際に東京商工リサーチの企業情報を見ていくと、かなり高収益企業であって、先ほどご説明もありましたけど、ここにも実際にはOBの方がおられる。東京商工リサーチのコメントを見ると、高輝度光科学研究センターの協力会社で、人材派遣業を手がけ、同社に主受注基盤に確立、業容は安定的に推移しているという、事実上、このためにできた会社で独占状態を維持しているということがこういった一般の調査会社の報告書の中に書かれている。ですから、そこらあたりの複雑な構造の中で、よくわからないことが起こっているのではないかというところで、土居先生と問題意識を共通にさせていただいているんですけれども……。

【説明者】

 今土居先生のほうから出た、最初のちょっと複雑になっているというのはおっしゃるとおりで、実は、昨年、一昨年ですか、公益法人に国とか独法から公的なお金を出すのを3割カットしなさいというのがありまして、実はそれより前でしたら、理研からスプリングエイトに出ている矢印は基本的になくて左側1本という推移でしたので、おっしゃるとおり、契約が複雑になっております。業務全体はJASRIが主体的に見ないといけない立場ですので、契約者が違うというのは指揮命令系統という意味ではちょっと複雑になるので、ほんとうは効率の観点からはあまり好ましくないというのは確かでございます。
 あと、スプリングエイトサービスにつきましては、これはもしかしたら理事長の説明のほうがよろしいかもしれませんが、私の承知している範囲ではSPring‐8が動きます前に、例えば企業1社ではなかなかJASRIの周辺の作業をサポートする体制ができないだろうということで、そういう関係会社が集まられてつくられたというふうに認識しております。

【土居】

 今のご説明を伺っていると、結局、JASRI──もちろん、まさに行政支出総点検会議で公益法人向け支出3割削減と。実は私も少しかかわったわけですが、ここの議論じゃないので愚痴だけ一言申し上げると、これはほんとうに単なるアリバイ工作にすぎないと。公益法人向け支出、つまり、理研からJASRIに行くというお金を減らすという形態をとっているけど、実態としては変わらない。結局は、スプリングエイトサービスのところにお金が行っているという意味では、経由している道が違っているだけで、それで公益法人向けというか、つまり、JASRIへの支出を減らしたというだけだったという意味では何の実態も変わってないという意味では、あまりよくないんじゃないかと思うんですが、それはちょっと棚に上げるとして……。
 問題は、実態としてスプリングエイトサービスが請け負っておられる業務は、JASRIにほんとうにできないことなのか。つまり、再委託しなければならない仕事なのかどうなのかということが問われてくると思うんですね。確かに平成20年よりも前は、一括してJASRIに渡してそこからスプリングエイトサービスに行っていたという、今よりかはシンプルな仕組みだったというのは理解しますけれども、再委託になる。ちょっと言葉は悪いですけれども、いわゆるファミリー企業と、いろいろな財団法人、独立行政法人、御省以外のところでも言われているたぐいのものではないのかと。つまり、株式会社で非上場である。そうすると、情報公開もできない。私も、いろいろ情報をいただきましたけど、しゃべっちゃいかんということで言われているから、しゃべれない。つまり、非上場会社の公開していない情報がある。そういうところに、先ほど一部、東京商工リサーチとかで公表されている情報によると、高収益企業であると。つまり、理研やJASRIの業務を請け負ってお金をため込んでいる株式会社があるんじゃないのか。
 こういういわゆるファミリー企業と言われる疑念を抱かれるようなことが起こっていて、しかもこれが一者応礼だの、随意契約だのということで起こっているということに対して、きちんと襟を正していただかなきゃいけない。疑念はない、適正な、公正な契約でもってやっているんだということをみずから証明できるような取組、こういうことをしていただかなきゃいけないわけですが、まず1点、その点に関してお伺いしたいのは、スプリングエイトサービスとか、サイエンス・サービスもありますけれども、これらの株式会社に対して発注しておられる業務の、特に人件費に関連するところで、他の類似の業務をなさっておられる別の会社の従業員の方々と比べてどれほどスプリングエイトサービスやサイエンス・サービスのところで雇われている方々の給料、賃金が割高になってないかどうかということについて何かご確認されていることがあれば、文科省でも理研でもどちらでも構いませんけれども、お伺いできればと思います。

【説明者】

 ちょっと人件費の前にスプリングエイトサービスにJASRIから委託しているものはJASRIでできないのかというご質問があったと思いますけれども、できないのではなくて、JASRIからスプリングエイトサービスに委託している内容は、JASRIの抱えている──JASRIはかなり高度な研究者、技術者集団なものですから、そういう人がみずからやる内容よりは、少しレベルの低い、外に出したほうが効率的であろうというものを、ある意味で定型的に出しておられるというふうに理解しております。

【説明者】

 よろしゅうございますか。JASRIの理事長でございます。JASRIのこと、それから、施設のことに今議論が若干集中しておりますので、現場の責任者としてお答えできるところはお答えしたいと思います。
 まず、施設の設立の経緯でございますけれど、これはSPring‐8をあそこにつくることになりましたときに、私どもJASRIは、先ほど鳥井先生のほうからもお話がございましたが、利用者対応だけではなくて、施設の運転等もJASRIが一元的にやるんだという前提でスタートいたしました。それで、さはさりながら、そういう体制で進むということになりますと、予算面での言うところの定員管理でございますけれども、定員上の制約をどうしても受けることになります。したがって、JASRIがSPring‐8をきちんと運転していくのに必要な作業のうちの一部は、民間の企業に任せるような形にしたほうがいいのではないかという発想がございまして、これも評価者の方がおっしゃいますように、JASRIの設立にかかわりました企業、そこが出捐いたしまして、この施設をつくったわけでございます。
 つくりました理由の1つは、そういう会社を頼もうにも、やはり山の中に施設がございますので、そういったある程度の技術的なレベルのある者をまとめて供給できるような会社は大変少なかったということもございまして、ある意味ではSPring‐8の運用を担当しておるJASRIをサポートする企業としてでき上がったという経緯がございます。
 それで、その後、役所のほうからもございましたように、98ページ、こういう経緯を経て──申しわけございません。100ページの経緯を経て、今の98ページのような格好になっているわけでございますけれど、現場のJASRIといたしましては、例えば先ほどご議論がございました公益法人3割カットで、それまでJASRIのほうから契約していた仕事の一部をある意味ではフィネンスするような形で理化学研究所から直接契約をするという形にせざるを得なかったという状況があるわけでございますが、現場の責任者、私から申し上げますと、実は、SPring‐8の施設は、99ページにございますように、全体として大変高度な施設を一体的に運営する必要が……。

【伊藤コーディネーター】

 恐縮ですが、簡潔にお答えいただけますでしょうか。

【説明者】

 はい。どうしてもございますので、できればJASRIのほうに全体としてお任せいただいたほうが、我々としては仕事がしやすいということがございます。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん。

【市川】

 済みません。今理事長ですね。理事長のご発言、ちょっと腑に落ちなかったことが1点あって、山の中にあるので、これに対してサービスを提供してくれる会社がなかったというご指摘ですよね。私、技術の格差であるならば、技術力がほかにないということであれば、そうだと思うんですが、山の中にある上に、あえて企業を──企業というか、財団をつくらなければいけなかった。でも、そこには山の中であるにもかかわらず、財団なら人が集まってサービスが提供できて、一般企業にお願いしたのであれば、なぜそこに人が来れないのかという理由にはならないですよね。技術格差の話だったら、そうだと思うんですけど。

【説明者】

 済みません。説明すべき点、もう一点が抜けておりました。今の市川先生のご指摘は、とどのつまりは、ということであるのであれば、施設のそういう仕事をされている方は、財団法人であるJASRIが抱えてやればいいんじゃないか。そうすると、発注行為もなくなりますね。ということに帰着すると思うのでございますけれど、私どもはそれも一つの方法であろうというふうに思っております。ただし、先ほど申し上げましたように、歴史的な経緯がございまして、JASRIにも定員管理のようなことがかかってまいりましたので、本来であれば、JASRIが一体型……。

【市川】

 違います。山の中にあることが障害であるということであれば、別にJASRIが抱えるわけでもなく、スプリングエイトサービスという新たな企業を設立する理由にはならないと思うんですね。ほかの企業に委託することだって十分にできたはずなんですよ。もともとここは人材を派遣しておられる会社であるとするならば、大事なのはそこに人がいるかどうかということであって、それは別にスプリングエイトという会社であったからそこに人が集まったわけではないと思うんですね。ですから、そこのところで、山の中にあって人里離れているから、この会社を設立しなければならなかったというご説明は、今までの技術的なところであるという点、今までのお話からすると、そこのところはかなり乖離しているんじゃないでしょうか。

【説明者】

 ご指摘はよくわかりました。私のご説明が不十分だったと思いますが、まずベースとしてスプリングエイトサービスもいろいろな仕事をされておりますので、すべてがそうであるというふうには申し上げませんけれど、コアになる部分は大変技術的にも高度な知識が必要でございます。そういうことがベースにあるところに加えて、非常に僻地であるために、当初は人を集めるのに実際には苦労したという我々の経験をお話しした、こういう趣旨でございます。

【市川】

 いや、技術的に高度だということはわかるんですけれども、ただ、それがなぜこの会社でなければ人が集められないのかという説明にはならないと思うんです。別にきちっと、これだけ高い利益率を上げられる──私、数字を持っていますけれども、これだけ高い利益率を上げられる事業であれば、競争入札条件をきちっと整えてあげれば、企業サイドだってそこだけ人を集めて、参入していくことはできるはずなんですよ。それのところの説明をしていただきたいというふうに思っていたにもかかわらず、山の中だから人が来ないんですというお話だとするならば、それは全く理論的に、なぜこの会社が必要で、なぜこの会社に発注しなければいけないのかというご説明には全くならないと思いますね。

【説明者】

 よろしゅうございますか。もう一点だけ追加させていただきます。市川先生の競争条件を整えるというところにつきましては、私ども努力をしてございます。昔は随契であったわけでございますけれど、今は施設のスプリングエイトサービスの関係の仕事につきましても、全部競争入札の格好でやっております。その中には、残念ながら、これまでの経緯から言って、施設が持っている技術的なスタッフ、それがベースにあるために一者しか応礼ができていないという部分もございますけれど、そうではない、例えば広報の関係の仕事とか、そういうものにつきましては、競争入札という形にいたしましたところ、これまで複数の応礼が出てくるようになっておりますので、我々そういう改善を今後ともやっていきたいというふうに思っております。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートを書きながらでお願いいたします。船曳さん、どうぞ。

【船曳】

 コスト削減を、今市川さんからご指摘のあったような方向で進めていただきたいと私は思うんですが、でも、そもそものところですね。先ほど鳥井さんからご説明があったのは、もともとのJASRIができたとき。JASRIができたときには、理研のほうは研究者機関として位置づけられている。JASRIのほうは、SPring‐8の運営実施としてしたい。そこは高度な技術が必要かもしれないけど、基本的に研究者ではない。サービス機関として位置づけられたというふうに伺ったんですね。それはそれでよろしいですね。もともとそもそものところ。そこでもちろん一部、研究者はいらっしゃるかもしれないけど、基本として施設運営サービスを行うところ。であるならば、公益法人の支出が3割削減された。普通の考えであれば、サービスを心がけるところであったら、じゃ、どうやってその分売り上げを立てようかと思うのが普通の考えだと思うんですね。
 そこで、済みません、私、素人なので伺うんですけれども、101ページに海外との比較分析というのが出ております。これでこの前文科省の方がいろいろとご説明、個人的にしてくださいましたときに伺っていたことを後からご報告いただいたんですが、この中で、非公開の研究については有料化されている。あるところまでは、これは研究施設なので、すべて無料に、大学とか、公的な研究機関に得られた知見については公開するということで無料で使っていただいたけれども、トヨタさんなんかも専門ビームを使っていらっしゃるらしいですが、そのように企業が非公開のデータを求めたいときに有料にする。幾らですかということを伺って、それはいただいております。大体8時間、1ビームラインを使っていただいて、SPring‐8だと48万円。アメリカのイリノイ州のほうですと26万7,000円と設定。フランス、グルノーブルですと38万5,000円から76万5,000円。もちろん為替変動がございますので、この円換算ではないと思います。大体そんなに大きくは違わない。ただし、ほんとうにそれで確かに他機関とは同じようだけれども、このSPring‐8自身の収益性ということで言うとどうなんですかといいましたら、建物償却などを考えれば、本来は8時間当たり90万円ぐらいいただかないとならない。そういう結果をいただいております。
 それで、利用時間8時間を48万円じゃなくて、限りなく90万円のほうに上げるのか。それとも非公開の研究利用というものをもっと上げるのか。もしここからもっと収入を得ようとすれば、この2つの方法が考えられるわけですね。
 他機関のフランスとか、アメリカが先ほど言ったような数字であれば、48万円を90万円にしたら、国際競争力がなくなるよというようなこともあると思うので、いかに利用者を増やすかというところで、次の質問をさせていただいてよろしいでしょうか。
 次の質問は、多分想像するのに、米国のイリノイ州のほうの施設については、カナダの方は利用するかもしれないけど、基本的に北米の方だと思うんですね。フランス、グルノーブルはおそらくフランスだけではないと思います。スイスの利用者もドイツの利用者もいらっしゃる。わりと全欧州対応だと思います。そこで、伺いたいのは日本のここのSPring‐8は、アジアからの利用者はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。

【説明者】

 全体の利用者の3%から4%で、実際に台湾が2本の専用施設を台湾のお金でつくって、台湾の研究者が常駐して研究を進めています。そのほかにも韓国、中国等からのお客さん、ビジターがおりますし、あとはアジアではございませんけれども、アメリカ西海岸及びオーストラリア、最近はイギリス等々からもかなり来ております。

【船曳】

 いらっしゃる。ただ、それは非公開ですね。技術非公開で、有料でお金を払ってくださるところですね。それを聞いているんです。専用ビームラインをつくられているところは別ですよ。私が聞いているのは、あくまでも企業努力として収入をどう上げる方法があるんですかという質問なので、非公開で有料で、ですから、8時間、48万円払って使いたいという方のアジアからの利用者はどのくらいいらっしゃいますかという質問です。もう一回お答えいただけますか。

【説明者】

 ごめんなさい。そういう意味ではございません。

【船曳】

 ゼロですね。
 では、一方で、フランス、グルノーブルのほうは、フランスが多分、他国から出資を受けたのかどうか、そこまではわかりません。おそらくフランスがつくったものですね。

【説明者】

 ヨーロッパが。

【船曳】

 これは全欧州で、EUでつくっているわけなんですか。

【説明者】

 そんな感じです。

【船曳】

 ということは、EUの方については無料で?

【説明者】

 公開すれば無料。

【船曳】

 公開は無料。非公開……。

【説明者】

 非公開だと、さっき言いました……。

【船曳】

 全欧州から。では、多分そうなりますと、先ほどの日本以外は、アジアからはゼロだと。アメリカはカナダとか、近いところはあるであろうと。フランスのグルノーブルは全欧州ということになると、かなり広い範囲にやっていますね。同じような観点から、もっとアジアからの有料の利用者を図るという方法は何かやっていらっしゃいますか。

【説明者】

 今先生がおっしゃった公開とかは別ですよということで、お金を払って使ってくれる人をどうやって増やしているかというご質問だと思いますが、今、外国のご質問ですが、まず1点だけ、国内の産業界のユーザーというのは最初は少なかったんです。お金を払って使う人は。

【船曳】

 済みません。おそらく時間がないので、そういう海外、日本だけでなく、外国の方に利用を図るような、何か営業努力と言っちゃいますか、そういうことをされていますかという質問です。

【説明者】

 アジアとかオセアニアの方々を集めて、SPring‐8の有用性の説明会みたいなのは頻繁にやっております。それで、門戸はすべて開いてありますので、おっしゃるように、もっとアジア、オセアニアの企業の人に来ていただく努力はし続けないといけないというふうに思います。

【船曳】

 そこで、目標値の設定なんですけれども、済みません、非常に特殊な施設でいらっしゃるので、比較が難しいと思うので、ここにありますAPSとESRFというイリノイとフランスとこの2つしか私は比較できるものが目の前に見えないんですが、例えばこれらの国々で、いわゆる有料と無料、全体の稼働率がまずどのくらいなのか。365日24時間のうちのビーム数がどのくらいとか、1ビーム当たりか何かわかりません。全体の施設として稼働率がどのくらいなのか。稼働率に対して有料と無料がどのくらいの比率か。それはお調べになったものは何かありますでしょうか。

【説明者】

 済みません。これ、いつ時点のか、ちょっと──2008年度実績ということでございますけれども、有償利用の割合で、ESRF、ヨーロッパのやつが5%以下。SPring‐8が5%。APSが0.5%以下というふうになっております。

【船曳】

フランスもやはり有償利用が非常に低いということですね。

【説明者】

 5%以下です。

【船曳】

 わかりました。では、目標値としては全体としてそんなところがあるかもしれないけれども、非常に高額な施設でいらっしゃるので、もっとアジアの利用──中国も伸びるわけですし、韓国も伸びて、ほかのフランスなんかよりも、多分需要の伸び率は高いと思いますね。そこで、何億か、何十億円かできるだけ売り上げを立てて、いずれは自立というようなことも考えられるんじゃないかと思いますが。

【説明者】

 おっしゃるように、特に中国ですね。中国なんかは、利用者、産業界として期待できる可能性は非常に高いので、少し考えたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシート、まだの方は提出をお願いいたします。
 これは今までの確認なんですが、まさに先ほど鳥井さんがおっしゃったとおり、JASRIをつくるときには、研究者、もちろん技術的な部分はあるけれど、ある程度採算のことも考えなければだめだということで一たん切り離した。研究の部分については理研に残す。

【説明者】

 研究の部分は理研に残すというか、理研は研究所なので、SPring‐8のことばかりやっているわけではないから、運営については切り離すほうがいいであろうということで、JASRIは単に運転しているだけではないので、高度な研究者も抱えないと運転できないので、そういう意味での研究者はいますけれども、研究所という意味ではないと。

【伊藤コーディネーター】

 わかりました。そのときに、そうは言っても、今実際にJASRIがやっている業務の中には高度な研究だけじゃないものも実際ありますね。ある意味もともとサービスに出しているものもその一部だと思うんですが、もっとほかにも、図書館の業務とか、食堂業務とか、多分、一者応礼──今回問題意識として、一者応礼を何とかして変えようということであれば、そういう部分の切り離しということは考えられないんですか。

【説明者】

 今おっしゃったように、食堂等は切り離しました。あと今おっしゃった図書とかそういうところはもう少し精査させていただきたいと思いますけれども、さっき言われた動かすとかサービスというのも、サービスというと、非常に低次元のように聞こえるんですけれども、ビームラインのサービスというのはほんとうに研究者が来て、一緒になってやらないといけないので、ある面で見ると、研究者にひとしいぐらいの人がこっちではかりに来る研究者のためのサービスをしているという意味合いでのサービス業でございます。

【伊藤コーディネーター】

 市川先生。

【市川】

 済みません。これはほんとうにそれができるかどうかというのはちょっとわからないんですが、もともと切り方が、先ほどの鳥井先生の話じゃないんですけれども、間違っていて、本来であれば、SPring‐8をJASRIが持って、理研が研究に使うような──ユーザーとしてですね──そういう仕組みにしなければいけなかったところが、理研がSPring‐8を持つ仕組みにしてしまったところに実は非常に大きな問題が発生している。今のお話を聞いていると、そういう印象があるんですけど、そうではありません? 今鳥井先生がうなずいておられるので、もしかしたらそうなのかなと思ったんですが、そうじゃありませんか。

【説明者】

 当時の判断はどうかわかりませんけれども、切り方について考えなければいけないと思っているのは確かでございます。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシート、まだご提出じゃない方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。和田先生。

【和田】

 このJASRIと理化学研究所との関係というのはいろいろ歴史もあるし、大変大きな研究設備ですし、JASRIがそれを運転、保守する。そして、理化学研究所は研究にというようなことで、しかもこの施設は、理化学研究所だけじゃなくて、日本全体が、場合によっては世界がみんな使用することを目的にしているわけですから、私は基本的にはJASRIが、JASRIの運転業務を一般競争入札にしようなんていうのはほとんど無理なのに、形式的に一般競争入札がさもいいかのような感覚で努力するのではなくて、もう少し効率的にどうやって運転業務をJASRIに委託していくかということに専念というか、傾注すべきだろうと思います。
 今21年度で51億9,500万円という金額で委託しているようですが、たしか20年度はもっと多かったんですね。70ぐらいからあって、そのうち非常に大きな金額だった電気料、これは理化学研究所が払うことにしましょう。JASRIに払わせるんじゃなくて、直で払いましょうとか、今ちょっとお話のあった食堂における業務とかいうのを一生懸命外したんですけれども、これが果たしてほんとうに理化学研究所並びにJASRIを通じて、全体としてのSPring‐8の効率的な運営に役立ったのかどうか。その辺のところも含めて、たくさんある関連企業の業務をしっかり見直して、そして、効率的な運用をしていただきたいなというふうに思います。
 もう一点は、ちょっと質問なんですけれども、説明の中で、先ほど船曳委員からもお話がありました外国との比較なんですが、私も全くよくわからないんですが、年間の運転時間を見ますと、日本だけが2割から3割低い。もうちょっと高いときもあったんですね。これがもしも経費とか何かの都合で節約したり、そんなことでこれだけ立派な設備を十分活用し得てないとすれば、むしろそういうことが大きな問題になるかなという心配をしたんです。後段のほうは事情がよくわかりませんので、ちょっとお聞きしてみたいということでございます。

【説明者】

 前段のほうはおっしゃることを踏まえまして、先ほどもちょっとご説明しましたけど、電気代を分割したことによるデメリットというか、非効率性は確実にありまして、全体の予算の中で、例えば電気代が暴騰したときに電気代を確保しないと5,000時間運転できないということで、JASRIと概算契約を一体でやっていれば、そこの中で泳げるんですけれども、再契約しないといけないとか、いろいろな手間がかかることは確かです。
 後者の5,000時間しかやってないというのは、まさに能力的には6,000時間は当然運転できる能力を持っておりまして、予算的な問題が一番大きいということでございますので、施設を持っている理化学研究所としても、本来の供用をフルに実行するためにも予算確保に頑張っていきたいというふうに思います。

【伊藤コーディネーター】

 最後。済みません。最後に土居先生、済みません。

【土居】

 今の和田先生の議論がありましたけれども、少しこれまでのここでの議論を踏まえると、私が思うには、理研とJASRIの一者応礼になっているという契約について、さすがにもっと一般競争入札を、競争性を高めてというのはできる部分はやっていただきたいですけれども、全部はできないという鳥井先生の話であれば、これはむしろ市川先生がおっしゃったような、そもそもSPring‐8をだれが持つんだという、そういう問題としてきちんとさらにご検討いただきたいというふうに思います。コメントです。

【伊藤コーディネーター】

 簡潔に一言でお伺いします。

【梶田】

 こういうことでの見直しは不可欠です。不可欠だけれども、間違っちゃいけないのは、SPring‐8という世界でトップレベルの研究施設をより発展させていくという、これを抜きにしたら、結局、角をためて牛を殺すみたいになっちゃうわけですよ。
 私、1つだけお願いしておきたいのは、そういう方向への努力をしてほしいということ。競争的なものができないものについては無理に形を整えるよりも、内部に業務改善委員会みたいなのをつくって、もっと下請、孫請の組織の役員の数を減らすとか、それから、さっき船曳さんがおっしゃったように、外から有料のそういう利用者を確保するとか、そういうような形で、中のいわば合理化ですね。この努力をぜひやっていただく。しかし、一番大事なのはトップレベルの研究施設をより発展させていただくことであるという。このことをぜひお願いしておきたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告いたします。3つに分けております。SPring‐8及び関連施設運営業務にかかわる契約──これはJASRIに対しての契約です。それについては見直しの余地なしという方がお二人、要改善が6名です。続いて、SPring‐8及び関連施設建屋設備等の日常点検業務、見直しの余地なしお一人、要改善が7名です。労働者派遣契約──これはサイエンスサービスですね──につきましては、全員が要改善という形になります。
 それでは、官房長、お願いいたします。

【山中大臣官房長】

 今報告にございましたとおり、3つの関係、いずれの契約につきましてもすべて要改善という意見を多くいただいておりますので、これを3つについての結論とさせていただきたいと思います。特に、3つ別々に言うと複雑でございますので、皆様方からは特にSPring‐8の運営につきまして、いろいろな過去の経緯はあるにしても、今理研があって、JASRIがあって、スプリングエイトサービスという会社もあるというのは、こういう三者の構造といいますか、こういう構造というのを、今の時点で考えて、これが最適な構造であるのかどうかということで、今の体制が複雑であったり、あるいはそこにOBが在籍していたりとか、あるいはそこがさらにいろいろな役員とか、抱えているといった間接コストといった面もある。そういう点からも問題ではないか。そういう意味で、業務内容、役割分担といったもの、この辺を基本的に分析して、細かくは外部委託のあり方とか、そういうところもありますけれども、業務の実施体制というものを基本的に見直してみるということが必要ではないかということではないかと思います。
 契約のあり方という点につきましては、SPring‐8を動かして研究していくという部門について不可分でないような業務についてはできるだけ競争条件を明らかにして、応礼もしやすいようにして、しっかりと効率化を図っていくということが必要であるという点。また、SPring‐8という世界的にも貴重な大型装置ですので、これを使っていろいろな方が研究していただくように、あるいは企業の研究開発にも利用していただけるように、しっかりと研究者だけでなくて、収入を上げるという意味でもそういう企業の方に対する働きかけといいますか、それについてもしっかりと取り組むべきではないかといった点があろうかと思います。
 今回のご指摘を十分踏まえまして、運営体制、それからそういうもののあり方といった点につきましても検討していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

【伊藤コーディーネーター】

 ありがとうございました。
 時間、大分押しておりますが、引き続いて3つ目の原子力研究開発機構に参ります。
 評価者の方、大変恐縮ですが、お昼時間で調整させていただきますので、お昼時間、短くなってしまうかもしれません。
 引き続いて、事業番号9番になります。日本原子力研究開発機構につきまして、まずは背景について、官房長よりお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 次、これも独立行政法人でございますけれども、原子力研究開発機構の業務についての契約という関係でございます。これにつきましては、原子力研究開発機構がいろいろな業務を実施してもらうために会社と契約をしております。ただ、この契約している会社の中に、これは文部科学省のOBというのではないんですけど、独立行政法人の職員であった人、独立行政法人のOBが雇用されているということがございまして、普通の雇用だったらそんなに問題がないかもしれませんが、報道になりましたのは、顧問というふうな肩書、そういうふうな肩書で、実際にはあまり勤務していない、実態がないのではないかというふうなところにもかかわらず、そういう肩書で雇用されていることになっていて、そこに給与といいますか、報酬が支払われているという状態になっているということで、これは独立行政法人が業務をやるために会社と契約しているという関係ではあるんですけれども、もともと独立行政法人というのは、国の税金が行って、そこで仕事をしてもらっているというところがさらに仕事をしてもらっているところにそういう人たちがいると、結局はそのコストが、上のほうにだんだん上ってきて、国のコストになっちゃっているんじゃないかということ、これが問題になったわけでございます。
 その指摘がありまして、それぞれの独立行政法人が会社とどういう契約をするかという話になってくるものですから、そこについての随意契約がどうかとか、一般競争になっているのか。競争入札になっているとは言ったって一者応礼がどうかと。ここの検証もあるんですけれども、そのあたりを含めて、独立行政法人自体が契約なり、業務をしっかりとやってもらう。それによって、結果的にはしっかりと国の税金で独法にやっていただくと。このコストも効率的、効果的になるんじゃないか。こういう観点でございます。

【伊藤コーディネーター】

 引き続いて会計課より契約条件や論点をお願いいたします。

【松岡財務分析評価企画官】

 日本原子力研究開発機構の契約において機構OBが再就職していることについて新聞報道で取り上げられた3社との契約を対象といたします。
 該当する会社としては原子力技術株式会社、常陽産業株式会社、株式会社ナスカでございます。そこで、3社との21年度における競争性のない随意契約及び一者応礼・一者応募の状況を調査いたしました。
 一方、平成22年1月20日付研究開発局長通知により、原子力機構に対し、競争性のない随意契約、一者応礼について改善を要請しております。その内容は、冊子の一番後ろに挟み込んでいるペーパーでございます。冊子に挟み込んでいるペーパーがそれに当たります。このため、22年度において既に契約が済んでいる案件について、その改善方策は効果があったか、確認いたしました。
 118ページをごらんください。22年度における当該3社との契約状況をまとめさせていただいております。この表からうかがえる主な傾向を述べさせていただきます。1番目、契約済み41件中39件が前年度と同じ会社と契約しております。2番目、二者応礼は一般競争入札案件37件中32件でございます。二者応礼で前年度と同じ会社と契約した契約のもう一者の入札参加者も原子力機構OBが在籍する会社でございます。入札の結果、予定価格に達していないとして随意契約、いわゆる不落随契でございますが、不落随契している契約は一般競争入札案件37件中31件でございます。
 このような状況から、以下の契約を選出し、検証していただければと考えております。115ページをごらんください。契約ナンバー1でございますが、原子力技術株式会社の一者応礼。また、116ページ、契約ナンバー2でございますが、常陽産業株式会社の随意契約。
 また、飛んで申しわけございませんが、131ページをごらんください。131ページの一番上の欄でございますが、契約ナンバー3と記入しておりますが、違う観点として一般には競争入札になじむ警備契約を、核不拡散の条約を根拠として21年度随意契約により契約を行っております。今後も随意契約を行うものとして聞いておりますが、この契約を契約ナンバー3と挙げさせていただいております。
 これについては116ページの下段になりますが、契約ナンバー3、株式会社ナスカの随意契約としております。おのおのの契約の契約内容、要因分析、随意契約とした理由、今後の方針はこの契約表で記載しております。また、おのおのの会社のOBの在籍状況については117ページに記載されております。
 引き続きまして、論点を説明させていただきます。論点でございますが、これも契約ごとに述べさせていただければと思います。132ページをごらんいただければと思います。132ページ、論点の1つ目でございます。
 原子力機構の契約ナンバー1、プルトニウムの運転・保守に係る業務、原子力技術でございますが、22年度は二者応礼となっているが、新たに応礼に加わった業者は機構の退職者が再就職している法人であり、また、その他の契約も二者で応礼されているものの、入札金額が予定価格に達していないとして随意契約となっているものが多く、その契約の相手方も前年度と同じ会社であります。このことから多くの企業等が参加しやすい環境の整備に向け、どのような改善策を講じたのか。
 また、契約の相手方等に複数のOBが在籍しているが、委託先の選定方法に透明性、公平性は確保されているか。
 さらに、当該契約先企業は、過去に勤務実態がないのに日本原子力研究開発機構の退職者に報酬や給与等を支払っていることが批判されたが、契約に当たってはこれら契約金額の中にそのような不適切な経費が計上されていないのか等の確認を行っているのか。
 さらには、業務実施体制としてこの業務を日本原子力研究開発機構みずからが行うことができないのかという点について論点として挙げさせていただいております。
 また、133ページに契約ナンバー2でございますが、常陽産業との契約で21年度は随意契約としていた理由に妥当性があったのかという点を挙げさせていただいて、以下については契約ナンバー1と同じでございます。
 続きまして、134ページ、契約ナンバー3でございますが、ナスカ。一番上で、一般的に競争入札になじむ警備等を核不拡散に関する条約等を根拠理由として随意契約によっているが、その相手方がナスカに限定される根拠となるのか。
 また、少し飛びまして、単年度ごとに契約するのではなく、複数年度で契約するなど、契約の方法の効率性を高めるべきではないか。
 また、最後に業務の実施体制として、核燃料保有施設を含む警備の重要性にかんがみ、この業務を日本原子力研究開発機構みずからが行うことができないかという点について、論点として挙げさせていただいております。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 引き続いて、担当課よりご説明をお願いします。

【説明者】

 原子力課長の板倉でございます。
 私からは、この問題につきまして、文部科学省のほうでも調査を行いまして改善策を取りまとめておりまして、それが書類の中に挟んでおります表裏の1枚紙でございますので、それについてご説明をさせていただきます。
 まず、この問題は、報道されたきっかけにつきましては、常陽産業等の会社が、原子力機構のOBを含む顧問という形態の方々に報酬を支払っておりましたが、それを損金算入できる給与という形で処理しておりましたが、国税当局からは、これは勤務簿もなければ、委嘱状もないということで、損金算入ができないということで、追徴課税ということとなったということをきっかけとしてございます。
 しかしながら、報道の中ではこれらの会社、原子力機構から多くの契約を随意契約も含め、請け負っているということ、また、OBが顧問以外にも在籍しているということで、問題ではないかという報道がございました。
 それに対しまして、まず文部科学省で調査いたしました結果でございますが、一番最初に、勤務実態のない顧問がいたということでございますが、調査した結果、この文書による委嘱あるいは勤務簿というような形での管理がなされていないという問題点がございました。この顧問については平成19年で退職しているということでございますが、これは税務署の指摘どおりの結果ということでございました。
 また、水平展開といたしまして、原子力機構と多くの取引をしている企業についても調査をしまして、同様の事例がないかということを調査いたしまして、全く書類がないというところはございませんでしたが、不十分なところがございましたので、こういうことのないように、原子力機構から契約先に指導するように要請したところでございます。
 また、2番目の観点でございますが、原子力機構の退職者が、不適切な問題がないかどうかということにつきましても調査いたしました。これも取引を多く行っているところの担当者、社長さんなどにお聞きしまして、組織的に強圧的なあっせんがあったということは確認できませんでしたが、まだ退職者管理についての規定というものが原子力機構にはなかったということから、私どものほうでは、国家公務員法を参考といたしまして、例外はございますが、組織的なあっせんの禁止とか、地位を利用した不当な求職活動の禁止、また、不当な働きかけがあった場合にはコンプライアンス担当セクションに報告するというような規定をつくるように要請を行ったところでございます。
 また、3点目の原子力機構との取引でございますが、これらの会社とはさまざまな施設の運営を請け負い──請負契約という形が主でございますが、私どもが調査した結果、多くの契約を随意契約も含め、あるいは一者応礼というものも見受けられたということでございます。
 一方、原子力機構の手続、あるいは契約規定については特段の問題は発見されなかったんですが、数年にわたって契約金額が同じというようなことも見受けられましたので、コスト改善にもう少し頑張っていただく必要があるのではということから、四角で囲っております3点を指摘したところでございます。
 1点目は、基本的に核不拡散などの真に必要なものを除きまして、競争性のある契約とすべきであるということでございます。
 2点目は、個々の契約のコスト改善について取り組んでいただくということでございます。
 3点目は、一者応礼削減のために、入札条件の見直し、仕様書をわかりやすくする、十分な公告期間をとるといったような取り組みを行うように指導したところでございます。
 このような指導をし、原子力機構のほうでも改善しつつある状況でございますが、先生方のご指導、ご評価をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご質問、お願いします。土居先生から先にお願いします。

【土居】

 今ご説明いただいた今年1月20日に出されたもの、さらには原子力機構も原子力機構の再就職者及び随意契約の妥当性に係る調査研究結果というのを出しておられます。同日ですね。これは、もちろん国税当局からの税務調査ということの結果ということなわけですが、そこにさらに調査対象法人ということで、常陽産業等の関係する会社ということの中のトップのリストに株式会社相澤産業というのが書かれています。ここはどうもOBの方がいらっしゃるわけではないようなんですが、これら3社、今回の契約3つ、この3社挙がっていますけれども、この3社と相澤産業という株式会社、どういう関係にあるかというのをお聞かせいただけますか。

【説明者】

 我々が聞いているところでは、相澤産業というところが3社の持ち株会社といいますか、常陽グループの株を持っておられるところだということで聞いております。

【土居】

 ということは、この資料、傍聴者の方々がごらんになっている資料の中には書いてないことで、まさにこの3社は同根なわけです。一見すると別々の会社であるかのように見えるけれども、根っこは一緒なんです。同じ会社が持ち株会社として持っている会社がそれぞれこういう不適切なことをやっているのではないかと国税当局から指摘を受けたということなわけです。ですから、単に一者応礼とか、競争性がない随意契約とかという問題もさることながら、その取引先としてほんとうに妥当な取引先なのかという問題も、今回、ここでは取り上げたいというふうに思っているところです。
 特に、そういう国税当局からの指摘を受けたような会社と引き続き取引をするというようなことについて、何も国税当局の指摘を不問にして、引き続き取引をされるというようなおつもりがあるんでしょうか。ちょっとお伺いできればと思います。

【説明者】

 原子力機構とかかわった今回の国税当局の話のことにつきましては、先ほど来お話のありました機構のOBの顧問の勤務実態はどうなのか、そういう点についてのことが大きなことであったというふうに私どもは理解いたしております。そういうことで、むしろ、私どもといたしましては、先ほどの文科省の説明にもありましたように、我々のほうの再就職者の退職管理といいますか、そういった方々が、例えば私どもと常陽グループとの間の契約において不適切な行為をしないようにするといいますか、そういったことをいろいろ規定として決めていくということで整理をいたしまして、中身につきましては、個々の契約について厳密に審査した上で、必要なものについては引き続き継続していくということで考えております。

【土居】

 ただ、やはり国税当局から指摘を受けたということは、脱税というか、そこまで言ったらちょっと言い方は悪いかもしれませんけれども、そういう可能性のある、問題視しなければならないところがあると思うんですけれども、その点について今後の取引、契約とは、国税当局から指摘を受けたか、受けてないか、関係ないということだと認識しておられるのかというのがまず1点。
 もう一つは、3社と契約しているということであるとはいえ、同じ持ち株会社によって持たれている会社、つまり、3社という、3つ違った顔を持っているかのように見えるけれども、結局、同じ会社にこの業務をそれぞれ出しているも同然のような状態になっていると思うんですけれども、それは3社別々に契約しているから問題ないということなのか。それとも、3社は結局は同じ親会社なんだから、同じ会社に3つの業務を独占的に発注しているということになっているのか。どういうふうにご認識になっておられるかというのを原子力機構としてお聞かせいただけませんか。

【説明者】

 国税当局のご指摘の話については、先ほど申し上げたとおりの話で、それに対して私どもとしては退職者管理等をやっていくということで、個々の規約についてはしっかりやっていくということ……。

【土居】

 それさえできれば引き続き取引をしてもいいという、そういうお考えだということですね。

【説明者】

 はい。今そういうふうに考えております。

【土居】

 もう一点の後者のご質問についてはいかがでしょうか。

【説明者】

 会社の形式がグループ企業であるということについては私ども十分認識いたしておりますけれども、例えばナスカのような例は、要は警備なら警備に特化しているということで、相手方の経営判断の問題その他でそういうふうになっているということで、私どもとしては特段グループ全体としてどうかということで考えているわけではございません。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん、どうぞ。

【市川】

 取引をしてもいいということなのか、ここと取引をしなければいけないということなのか。それはどうなんですかね。土居先生から重ねてご質問があったと思うんですけれども、この事情について、私も調べましたが、明らかに相澤産業を含むグループ企業全体が脱税行為──ごめんなさい。所得隠しの行為において国税局から指摘を受けているということなわけですね。それにもかかわらず、さらに原子力機構のOBの方がかかわった案件で相手側が所得隠しを指摘された会社であるにもかかわらず、あえてさらにその会社との間で、今後もおつき合いを続けていかなければいけない理由というのはあるんですか。

【説明者】

 先ほど来のお話の中にも出ておりますけれども、現在このグループとの関係におきまして、核物質防護の関係につきまして随意契約ということでございますけれども、それ以外のものにつきましては基本的には一般競争ということでやっておりまして、私どもといたしましてはそういった中で、競争条件の中で妥当だということであれば、こういった企業との契約関係の継続というのは必要だというふうに思っております。

【市川】

 だから、何が……。

【説明者】

 ですから、逆に申し上げますと……。

【市川】

 何がそこが必要な理由かということをお伺いしているんです。

【説明者】

 ですから、逆に申し上げますと、経済条件、価格その他の点におきまして、ここよりも安く、しかも職務の内容として合理的にできるところがあれば、必ずしもここの企業にこだわる必要は全くないわけでございますけれども、現在、一般競争をやった結果としてこういったところが出てきたということであれば、そことの契約関係といったものについては引き続き行う、そういうことでございます。

【伊藤コーディネーター】

 きょうの論点としては、そこで結果的に1者しか挙がってないことに対してそれはご担当としては問題意識を持たれているのか。今後も含めて、そういうふうにして手が挙がってこなかったら仕方がないかという、それはどちらですか。

【説明者】

 基本的にはやはりできるだけ競争していただいて、限られた予算の中で効率的にというふうには思っておりますけれども、実際こういうことで一般競争をかけましても2社応礼ぐらいのところまでしかいかないということでございます。ただ、それにつきましては、先ほど来の文部科学省の指摘にもございましたように、私どもといたしましては、安全性の確保ができる範囲内でぎりぎり入札の条件を緩和するということで、広く応礼者を募りたいということでございまして、そういったことから22年度につきましては、一者応礼から二者応礼等に変わった例もあるということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ、清水さん。

【清水】

 基本的にというか、結果的に随契になってしまったり、一者応礼、それはやむを得ない部分があるかとは思うんですけど、先ほど来議論になっている、競争ができないものを無理やり形をつくって、競争性を持たせたような格好にしたということが話題になっているんですけど、例えば120ページの契約ナンバー1というのを見ますと、2番から17番まで、6番を除いて、二者で応礼してきました。でも、不落で随契になりました。その二者が実際に契約を結んだE&Eテクノサービスと検査開発株式会社です。6を除いて。結局、その2つが入札したんだけれども、不落でテクノサービスと契約しましたということになっていますね。これはとても不思議な感じがする。話し合いしたんじゃないですかというふうな感じもするんですけど、その辺はどうなんでしょうか。

【説明者】

 今回、二者応礼になりました理由としまして、すべてではございませんけれども、特にプルトニウム関係の取り扱いのところについては、これまでプルトニウムの取り扱いの実績があるといったようなことも入れておりまして、それでなかなか応礼者がいなかったということでございますけれども、今回その辺を若干緩和いたしまして、茨城県内でこういう原子力関係の事業をやっている者が応礼に応じたということかというふうに思っております。

【清水】

 ちょっといいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【清水】

 こういう聞き方をしたら──予定価格、全部だと大変ですから、例えば契約ナンバー1の2と3だけでも結構なんですけど、予定価格というのはどういうふうに決まって、入札価格はどうであって、最終的な契約価格はどうなったかというのをちょっと説明していただけますか。

【説明者】

 ちょっと概略的なことだけ申し上げますと、予定価格を決めるに際しましては、一般論で申し上げると、入札予定者から見積もりをとって、それを何社からか見積もりがとれた場合にはその中でできるだけ低いところを集める。それからさらに……。

【清水】

 本件で具体的にどうだったかという説明をしてください。

【説明者】

 じゃ、ちょっとお答えします。今ご質問の契約ナンバー1という表示があって、120ページの2番の件でよろしゅうございますか。

【清水】

 はい、結構です。

【説明者】

 本件につきましては、今話がありましたように、22年度につきましての話で申し上げますと、原子力技術、これはE&Eテクノサービスの名前ですが、それと検査開発の二者が参加したわけでございますけれども、予定価格を具体的に申し上げるわけにはいかないんですが、一応、契約額としては、そこに書いてありますように、2億6,888万4,000円ということで契約をされましたけれども、これは1回、2回と入札をしまして、結果的に……。

【伊藤コーディネーター】

 それはもうわかっているんです。予定価格はまず原研さんでつくられたんですね。最初、積み上げをして。

【説明者】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 二者、手を挙げたけれど、その予定より上の金額になった。

【説明者】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 だから、落とせずに、その後に最終的に原子力技術、E&Eテクノサービスがとったということですよね。

【説明者】

 はい。ここの話を申し上げますと、私どもが例えば予定価格をつくるに当たりましては、当然、私どもの積算の価格というのがございます。それと入札に参加する業者から見積もりもとります。それで安値どりをして、さらに我々の積算価格に基づいて査定する。こういうことでまず査定をします。さらに、今度入札に当たりましては、予定価格を前提に入札しますけれども、相手会社からの入札が予定価格に達しなかったということで、1回目、2回目は達しなかったわけです。そういうことで……。

【清水】

 それはわかるんです。

【説明者】

 それで随意契約という形に、不落随契になって、それで交渉して契約したということが事実でございます。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん。

【市川】

 やや関連するところなんですけど、今常陽産業という会社が名前を変えられて、この4月1日からアセンドという会社になっておられるんですが、アセンドのホームページを見ているんですけど、当社の前身である常陽産業株式会社は、昭和47年3月に茨城県東海村に動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所)への技術サービスの提供を主な目的として、同事業付属設備の運転・保守管理業務を中心に発足しましたということに実はなっているんですね。
 要は、先ほど清水先生からもご指摘がありましたけれども、この会社は多分、現状ある契約がなければ生きていけない会社なんです。そうだとしたときに、まず何ゆえこういう会社が設立され、それが相澤産業という会社の子会社としてここまで存続し、相澤産業が他の関連の今ご指摘のあったE&Eもそうですけど、そういったところも傘下に入れたまま契約を続けてくることが、もともと成り立ちがどうだったのかというところに実は結構大きな問題があるのかもしれないということを疑わざるを得ないんですね。

【説明者】

 疑いといいますか、大分古い話になりますので、私どももどこまであれなのかというのはあるんですけれども、確かに相澤産業自体は昭和40年代にもともとはクリーニング関係を中心にしてやっておられたということで、特に原子力施設については、放射線の管理区域内に入りますと、例えば作業衣を洗うとか、いろいろな関係があって、おそらくその当時いろいろ出入りをされていたと。その後、昭和40年代以降、旧動燃事業団が、例えば再処理施設とか、プルトニウムの燃料製造施設とか、いろいろな施設をつくっていく過程の中で、先ほどのSPring‐8のときと同じような議論も若干ございますけれども、要は定型的なところについてはできるだけアウトソーシングしていくと。そういうことを比較的近くで見ておられて、そういうことについての業態拡大を逐年やってこられたということ。それは事実はそういうことの事実ではないかというふうに思っておりますけれども……。
 ただ、私ども、旧特殊法人時代から今の独立行政法人に変わりまして、出資規定等もあるわけではございませんので、子会社といったようなことで意図的にこういった会社をつくったといったようなことはございませんで、私どものニーズに応じて、常陽産業、相澤産業側が業態を逐次拡大してきた、そういうことだというふうに認識いたしております。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生、どうぞ。

【土居】

 もちろん民間企業ですから、当然自発的に業務をなさるということは、だれもとめるわけでもないわけで、私もなさったらいいと思うんですが、問題は契約の適正性、公正さが担保されているかどうかという問題なわけですね。先ほど清水先生がおっしゃった話にはまだ全部はお答えになっていらっしゃらないんじゃないかと思うのは、不落随契で二者あるけれども、あえてこれまでずっと契約してきていた原子力技術株式会社に随意契約する。もう一者あったはずなわけですね。随意契約にするということに結果的になるならば、あえて御機構のご判断で、今後の競争性を担保するという観点から、今年は別の会社と契約してみようという判断もあってもしかるべきなんだけれども、おそらく原子力技術株式会社のほうが低い価格で応じてくれるということだから、そっちに流された。極端に言えばですよ。私の言葉ですが。流されたんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。

【説明者】

 そこは不落随契の手続といたしまして、今回二者応礼でございましたけれども、予定価格を上回ったとしても、安い値段を入れた側と最初協議をいたします。そういったことで、今回はたまたま原子力技術のほうが安い札を入れたということで、そこで協議をして、予定価格ぎりぎりのところまでおさまったと。そういうことでございます。

【土居】

 ただ、今回の場合は、国税当局から税務調査を受けているわけですね。結局、随意契約になるならば、単なる随意契約というよりかは、むしろ今後の競争性を担保するための何らかの努力とか、そういうような──極端に言えばですよ。所得隠しをしているというようなことであれば、今回は申しわけないけれども、より低い価格をお出しになっているけれども、ご辞退いただくとか、そういうような判断も随意契約ならばこそできるという可能性はあると思うんですけれども、いかがですか。

【説明者】

 そこはかなり恣意的な判断になりますので、今直ちになかなかお答えしづらいところでございます。今の契約のルールその他をそこまで恣意的な判断をしていいということまで変えるかどうかという話になりますので。そうしますと、随意契約の判断の幅をより広げることになりますので、そういうことができるかどうかということについては慎重に検討しないといけないと思っております。
 もう一つつけ加えさせていただきたいと思いますのは、私ども非常に悩んでいる点がございまして、要はここのプルトニウム取り扱い施設というのは、まさに東海のサイクルセンターの中のまさにプルトニウムを使いました燃料製造、あるいは廃棄物を管理しているところでございまして、ある年にぽっとそういう業務があるということではなくて、施設がある限りずっと維持していかなきゃいけない施設でございます。ですから、そういった維持について、果たしてどういうところがほんとうに安全上問題なくやっていただけるのか。実はこれまで私どもも途中で業者が変わったときに、いろいろ事故、トラブル、相当発生したということもございます。そういったことも加味しながら、どういうふうにうまくやっていくのかということについては……。

【伊藤コーディネーター】

 まさにそれは入札になじむかどうかというところですね。

【説明者】

 そこは今の政府のご方針もありますので、そこはルールとしてはそういうことでやっているということでございます。

【市川】

 じゃ、この席は基本的にゼロ・ベースで議論──ゼロ・ベースと言っても制約条件があると思うんですけど、ゼロ・ベースで議論しようということになったときに、今のお話をお伺いしていると、多分未来永劫、競争入札にはなじまないですよ。だとしたときに、じゃ、必ずしも政府の取り決めの中で、競争入札をしなくてもいい。それが適切かどうかは別として、いいというのであれば、しないわけですか。

【説明者】

 過去の経緯から申し上げますと、これまで随契でやってきたものを一般競争の形にしたということでございます。政府の方針が変わったら、おまえら、どうなのかということをおっしゃいますけれども、そこについてはできるだけ資金を効率的に使うという観点から、できるものについて一般競争に切りかえていく。その考え方は、私ども今とっております。

【市川】

 そもそも不可分なものであるものを、なぜ外に出すのかという議論もあるわけですね。なぜ外にやってもらわなきゃいけないのかという。それが本体業務、本来業務であるならば、それでプルトニウムの扱いにおいて、セキュリティー上非常に重要であるというならば、何ゆえそれを事実上競争性のない競争入札か、もしくは随意契約という形で民間企業に委託されるのか。ましてやそこには、言いたくはないですけれども、非常に不透明な形でOBの方がグループ全体に就職されておられるようなところに出すのかというところがよく理解できないんですね。先ほど理研の話をされましたけど、本件、理研とはかなり性質が異なっているんだと思うんですよ。そこのところをきちっとご説明いただかないといけないと思うんですね。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシート、書きながらでお願いします。鳥井さんからお願いします。

【土居】

 ちょっと今の関連。

【伊藤コーディーネーター】

 土居先生。

【土居】

 市川先生の話に全く関連するところで、より具体的に申し上げると、原子力施設は別にここに限ったことじゃないわけです。民間の電力会社も、原子力発電所を持っているわけですね。同様のそういう核不拡散、核物質防護、原子力災害の防止ということに取り組んでおられ、かつ民間企業として、そういう業務をしかるべき会社が担うという形でやっていらっしゃるわけです、原子力発電所では。だから、ここだけでこの会社にしか随契できないというような話とは、ちょっとわけが違う。先ほど、そういう意味では市川さんがおっしゃったように、理研とはわけが違う。つまり日本唯一の施設というふうな話とはわけが違ってて、同様の業務をやっている会社は全国には一応あるということですね。

【説明者】

 ちょっと申し上げますと、プルトニウムをこれだけ扱っている施設というのは日本ではここしかございません。
 それからあと、今、随契でやっておりますのは、核物質防護の観点から警備の関係だけでございまして、それ以外につきましては一般競争でやっております。

【土居】

 だからこそ、ですから、別にプルトニウムの量の問題じゃなくて、警備の問題なわけですから、ほかの原子力発電所の警備も当然、原子力発電所個々にやっておられるわけですね。やっていらっしゃる会社も現にこの国には存在するわけですね。

【伊藤コーディネーター】

 鳥井先生、どうぞ。

【鳥井】

 2つあると思うんですね。1つは警備の問題でありまして、核物質防護上の問題なんですが、これは例えば私、経済産業省のその問題を考える委員をやっていたんですが、委員にすら何が機密情報であるかすら教えないんですね。知ってはならないんですね。それから、昨日、私、実は青森から帰ってきたんですが、監視カメラがどこにあるかなんていうことは知られてはならないし、入口情報が地図に全く書いてないですね。これは知られてはならない機密情報になっていると思われるんですね。ですから、電力各社とも、核物質管理上の警備についてはずっと1社とやっているのがほとんどだろうと思います。全部調べたわけじゃないからわかりません。そういう意味で、PPに関するものは随意契約にならざるを得ないところが多々あります。ただし、それにもある種のもっと大丈夫なところがあるわけでありまして、そういう意味では、先ほど土居先生がおっしゃったように、同じような業務をやって、いろいろなところの委託を受けているというところはあるわけで……。ですから、そこは切り分けて競争的環境をつくっていくことが望ましいと思います。機密に関する情報を扱うところについてはしようがないという感じがしております。

【伊藤コーディネーター】

 事実関係としてほかの原子力発電のところでは、警備について随契でやられているかどうかってわかりますか。

【説明者】

 民間企業はみんな随契です。

【説明者】

 完全に子会社ですね。

【土居】

 民間企業だから、当然、税金を使わずにやっている──全面的に税金を使わないというのは語弊があるかもしれません。少なくとも建前としては民間企業だから税金を使わずにやっている。ここは、独法が発注しているものだから税金が入っているという意味では、公正な契約というところは担保していただかないといけない。
 それから、先ほど市川さんがおっしゃったように、本体でできないのか。原子力機構でできないのか。これは結局、どういうことかというと、発注した先で請け負っておられる株式会社で、過剰に利益を受け取っておられるということになってないかということの検証なんですね。極端に言えば本体でできるか、物理的な問題はあるにしても、本体でやれば、利益の分はお金を使わなくていいわけですね。つまり、人を雇えばいいだけですから。しかも、独法は別に営利目的ではない。だけども、強いてそこは業務をアウトソーシングされる。ある程度民間企業だから、利益を追求されていい。だけど、そこでかなり過剰に利益を受け取られておられれば、割高な委託料になるという可能性があるので、そこの適正性は検証が必要だと。

【説明者】

 機構が直接というお話でございますけれども、実は、定員管理、今大変厳しくなっておりまして、私どもの関係では2法人を統合する以前は4,679名でございましたけれども、現在既にそれから800名ほどの削減になっているということもございまして、もともと私どもの使命といたしましては、研究開発、技術開発を主体にということでございますので、限られた定員の中では、そういった面に割かざるを得ないという実態がございます。
 ただ、コストの問題につきましては、先ほど来、全く先生方のご指摘のとおりでございまして、今回のこともございますので、電力会社さん、非公開の情報なものですから、経済性の話についても情報をご提供いただくのは難しいのでございますけれども、今私どもでやっているところについて単価でどうなのかということを問い合わせをいたしまして、伺っている限りにおきましては、私どものところが高いといったようなお話は伺っておりません。

【伊藤コーディネーター】

 シート、まだの方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。
 最初に担当部局の方から改善策を少しお話をいただいていますが、今の議論も踏まえて、もう一度、一者、二者応礼の部分、また、不落随契になっているところの改善策、所管部局としてお話しいただければと思うんですが。

【説明者】

 まず、先ほどいろいろご指摘ありましたが、私ども、改善策の中で契約の種類としては独立行政法人の契約ですので、随契、あるいは一般競争という国の契約の類型をそのまま適用しているというところでございまして、さまざまな民間で採用している契約というものができるかというところはなかなか難しいところもございます。
 しかしながら、一方では、今国の予算は非常に厳しいところもございまして、コストを削減するための工夫というのは、一般競争入札でも、今原子力機構さんと議論しているのは予定価格を立てるときに、何人必要かということを見積もって、それから予定価格を立てているというところはあるんですが、例えばそこを合理化することというのは、原子力機構さんのアイデアでできるところだと思っておりまして、そういうような、何といいますか、合理化努力というのをさらに進めていく。その中できょういただいたご意見も含めて、我々も議論を進めていきたいというふうに考えてございます。

【伊藤コーディネーター】

 一番最初にあったグループ会社で3社との契約の妥当性についてはいかがですか。

【説明者】

 まず、契約するかしないかということについては私どももいろいろこの問題が報道されたときにお話をさせていただいたんですが、例えば入札に参加できないという判断するまでのことではなかったというふうにお聞きしているところでございます。
 その上で、同じ繰り返しになりますが、経費のコストの削減をするために、こういう企業とのおつき合いをどうしたらいいのかというのは、きょうのご意見も含めて、いろいろ考えていきたいと思っております。

【市川】

 これ、所得隠しを事実上、原子力機構のOBの方に給与を払っているような形態をとって所得隠しをしていたということでいいんですよね。正確にそこを。

【説明者】

 正確に申し上げますと、今回報道の対象になりました顧問の方は2名です。年間240万円の顧問料をもらっていたと。ただ、先ほどのお話にあったように、顧問として働いていた証拠がないということで、それならば損金算入はできないということで、その分、法人税の対象になったということで聞いております。

【和田】

 私も新聞報道は拝見したんですけれども、これは所得隠しというような問題よりも、むしろ大きい問題は、実態がない人にお金を払うということが税務上おかしいということで損金を否認されたんだと、税務署から。そういう法人が業務を委託しているところに税務調査によっても業務をしていないのに、顧問として報酬をもらっている人がいてるということ自体に、ちょっと問題があるのではないか。今後は、改善、早急にされたようなので、この辺のところを十分お気をつけになったらというふうに思います。
 もう一つ、別件になりますけれども、平成22年度で一般競争入札だと書かれているんですが、ほとんどが同じような、先ほど清水先生もそれをお気になさったんじゃないかと思うんですが、ほとんどもう一者というのが、同じような会社が入札を入れてきましたと。だから、競争入札です。だけど、不落随契でしたと。これもまたおかしな話で、ほんとうなら競争入札をすれば、不落随契でそこまでネゴできるんなら、競争なら危ないですから、向こうにとられちゃうかもしれないから、一番低いところへと入札を入れてくるのに、予定価格に満たないから、不落になったわけでしょう。そんな入札をしてきて、そして不落だと。それで随契にしたと。こういうような形のものをずらっと並べるというのは、もう少しこの問題、どうして一般競争入札にしなければいけないというふうにして、できるだけそれを増やしましょうと言っている、こういった世論に対して、真剣に取り組んでいただいたらというふうに思います。そのためにいろいろなご苦労があるだろうと思いますけれども、それを一つずつ、みんなでつぶしながら、きちっとした、ここに契約方式を一般競争入札によりましたと書けばいいということ、それが目的ではありませんから。あくまで効率的な契約をするために、随契よりも一般のほうが、一般には透明性もあって一番いいのではないかということで一般競争入札と言われているわけですから、その趣旨を踏まえて対応されることと、それから、どうしても随契でなければならない、技術面とかなんかもありますから、その場合には無理に一般競争入札の形を整えたりするよりも、むしろそんな努力をするよりも、業務の執行状況をしっかり管理して、そして、それを評価してその次の年度の業務委託について、むだを省いて、契約をしていく。そういうことのほうが基本的に大事ではないかなと。ざっと見ての感想で、少し言い過ぎたところがあるかもしれませんが、そんなふうなことで……。

【伊藤コーディネーター】

 時間に限りがありますので、最後に簡潔に一言でお願いします。

【船曳】

 誠実な業務運営って非常に大事なことだと思うんですが、民法で誠実な業務運営の中には適切なコストということも入っていると思います。そこで、コスト削減をずっとやっていらっしゃったわけですので、1点これだったら、ほかの業務についてはかなり一般国民はブラックボックス的で、それは適正な価格なのかどうかということはほとんどわかりにくいので、極めて比較しやすいことを伺います。
 契約票というページの前のページなんですけれども、常陽産業やナスカなんかの業務委託金額が書いてあるページです。そこにわかりやすいことで伺うんですが、住友不動産建物サービス、東京事務所の賃貸。これはシステム計算科学センター、上野にあります。

【伊藤コーディネーター】

 ページ数、114ページです。G‐2番ですね。

【船曳】

 非常にわかりやすいので。これは3億円かかっておりますね。おそらくこれは住友不動産建物サービスに借りているというので、ホームページで見に行きますと、それは多分、システム計算科学センター、東上野の。というふうに……。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん、これは多分、先月の独法の事業仕分けで東京事務所をやって……。

【船曳】

 そうですか。失礼しました。

【伊藤コーディネーター】

 これはかなり指摘をされて、多分22年度から変わるはず。23年度です。

【市川】

 結論になっているという。

【船曳】

 じゃ、やはりちょっと賃貸契約額が高かったわけですね。

【説明者】

 いろいろ場所の問題とかで。

【説明者】

 東京にある必要があるのかという観点で議論されまして、そこは……。

【船曳】

 じゃ、東京じゃなくということもあると思うんですが、ちなみに現在の3億円、お借りになっているビルの延べ床面積はどのくらいの、建物規模はどのくらいのものでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 これについては終わってから、もし可能であればお調べいただければと。これは1回議論が終了しているものではありますので。独法仕分けのときに。申しわけありません。
 ここで集計結果のご報告をいたします。こちらも3つに分かれておりまして、1つ目が原子力技術株式会社との契約に関連してです。こちらはすべての方が要改善です。引き続いて、常陽産業株式会社との契約について、こちらも全員が要改善です。引き続いて、株式会社ナスカとの契約に対しての業務、これは警備業務ですが、こちらも全員の方が要改善です。
 それでは、官房長、お願いいたします。

【山中大臣官房長】

 今報告がありましたとおり、すべてについて、いずれも要改善ということで、さらに見直すということを取り組む必要があるということでございます。ご意見としては契約の競争性、公正性、透明性、あるいは妥当性、そういう観点からしっかりと検証を行って改善すべきだということで、幾つかのご意見としては、業務と契約の関係ということで、もう一度全面的に見直して、本来業務に不可分な部分というのは、いろいろな制約はあるんですけれども、実際、そこの機構がやるということも含めた形で見直す必要があるんじゃないかというご指摘とか、あるいは技術的な面で随契しかできないというふうなものについて、政府全体の一般的な取り扱いはあるんですけれども、形式的な競争入札をやったということにするよりも、そこはしっかりと随契をやらなきゃならないんだというところをしっかりと主張すべきではないかといった点、あるいは業務内容を十分分析して一般競争になじむというところはしっかりと実質一般競争でやると。そこの増やす努力が必要ではないかと。
 あと、形式的に一般競争入札にしているといったところで、結局落ちないで随契だというふうなところについては、実質的に競争入札と言いながらそういうことになっているということについて、形だけでそうやっていればそうなるんだという流れだけで満足するといいますか、それで終わりということではなくて、どうしてそういうふうなことに形がなっているのかということについて、しっかりと突き詰めて、形が流れているからそれでやむを得ないということではなくて、実質的なところで判断して検証するという、そこの努力はしっかりとすべきではないかという点。
 それから、業務委託先にOBが数多く在籍して、そこの役割がはっきりしないのに、そこと契約しているという。このあたりのOBがいる企業との契約ということについては、このあたりについては全体的にしっかりと見て、その契約の妥当性ということについては、今後とも検証していく必要があるのではないかといった点でございます。
 特に3番目の核物質防護の観点から警備についての随意契約という点につきましては、これについては情報の拡散、しっかりとしたセキュリティー確保という観点から随契でやるのはやむを得ないというご意見とか、それにしてもいろいろな形で同じような業務をやっている業者さんがいるので、それについては契約のあり方については見直すべきではないかという、そういう両方の意見があったという点については付言させていただきたいと思います。
 これらを含めまして、十分今後とも契約のあり方についての改善というものに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 私から1点だけ。今官房長からありました契約について、形式だけの契約ということについては、この間、刷新会議では独法や公益法人の事業仕分けでも同じように出てきまして、枝野大臣が最終的な取りまとめの中でその話をされています。そのときには、仮に随意契約の場合には、より説明責任が重要になってくるので、競争できる部分とできない部分のまさに仕分けのほうが重要になってくるということも含めて付言させていただければと思います。
 それでは、午前中の事業をこれで終了いたします。ありがとうございました。大変時間が押しておりますが、午後の部、13時45分から再開とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

( 休憩 )

【伊藤コーディネーター】

 それでは、午後の部を再開させていただきます。
 次に、評価者の方、午前から数名交代されておりますので、傍聴者の方につきましては、お手元の冊子のほうでご確認いただければと思います。
 午後の部、事業番号10番からとなります。137ページからです。青少年元気サポート事業につきまして、まずは官房長より事業選定の背景についてお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 この青少年元気サポート事業でございますけれども、選定した考え方としては、継続的に取り組んでいるという観点から、その採択方法ですとか、その有効性とか、そういうことで見直しが必要ではないかということで、今回お願いしたところでございます。
 それで、見直しの観点ということでございますけれども、これは146ページでございますけれども、青少年元気サポート事業というのは、青少年のいろんな屋外活動、そういうものがもっと活性化しなければということで、全国規模の青少年団体について、そういう青少年教育活動の新しい場の開拓とかプログラム開発、こういうことをやっていただこうということで、それを全国的に成果を普及することによって、青少年の活動をしっかりとまた活性化しようと、こういうことなんですけれども、事業の必要性ということで、体験活動などの青少年活動は、既にいろんなところでやっているということで、こういう全国各地で行われている活動というものを収集して、いいものを普及するということでいいのではなかろうかといった点、あるいは、それが委託先の本来の活動というものを支援するというふうな形に結果的になっちゃっているのではないかといった点、事業の有効性という点では、ここで開発されたプログラムとか、得られた知見というのをどういう形で全国の青少年に関係する団体とか、そういうところに普及が図られているんだろうかという点、あと、執行方法という点では、全国的な青少年団体ということになっていますので、そうなると、委託先というのはどうしても固定化されてしまうのではないか、その辺の選定の手続きの適正さ、あるいは、そういう団体に文部科学省のOBがまたいたりというふうな、そんなことがないだろうかという点、以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご担当よりご説明をお願いいたします。

【説明者】

 青少年課でございます。事業番号10の青少年元気サポート事業について説明をさせていただきます。
 まず、143ページをお開き願いたいと思います。よく学校、家庭、地域の連携と言われますが、近年、学校外における青少年教育活動が沈滞、低迷し、地域の教育力の劣化や、友達、家族以外の異なる年齢層との交流機会が少ないなどの傾向が見られるところでございます。このことは、特に子どもたちの自然体験の機会が少なくなっているという状況に顕著でございまして、平成10年と17年で比較しますと、海や川で泳いだことがほとんどないという子どもが9.8%から26%になったり、キャンプをしたことがほとんどないという子どもが38.2%から52.8%に増加するなど、そういう結果にあらわれてございます。一方、子どものころに自然体験活動が豊富だった大人ほど、物事への関心、意欲が高い傾向にあります。そこで、中央教育審議会の答申においては、多様な人々との交流が自己を客観視できる力や社会性を培うことから、より多くの青少年が地域の青少年団体に参加するなどして、多様な交流体験を積むことが大切であるとされ、さらに、青少年団体については、より多くの青少年が団体での活動を通じた成長の機会を得られるよう、青少年の参加を促すとともに、青少年の現代的課題に対応した魅力ある活動を提供したり、少人数でも行える教育効果の高い活動プログラムを開発するなど、各地域の現状に知合おうしつつ、活動の充実を図ることが望まれるとされたところでございます。
 また、青少年育成施策大綱では、子どもの心と体の健全な発展を促すため、青少年教育施設や学校、地域の青少年団体、NPO等のさまざまな場における環境学習・自然体験、集団宿泊体験、奉仕体験、スポーツ活動、芸術・伝統文化体験といったさまざまな体験活動や異性代間・地域間交流等の多様な活動の機会の提供について推進するとされ、さらには、青少年教育施設と地方公共団体、学校、青少年団体等、地域の関係機関の連携により、地域の教育力を向上させる取組を推進するといった、今後の政府の青少年育成施策の基本理念や中長期的な施策の基本的方向が示されたところでございます。
 加えて、小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から完全実施となります新しい学習指導要領におきまして、集団宿泊活動や自然体験活動などを充実するよう求められております。
 そこで、全国的な広がりを持つ青少年団体に対して、意欲的な活動プログラムの開発を促し、その成果の普及を図ることに青少年教育活動の活性化を期待し、平成20年度から始まったのが本事業でございます。
 もとより、それぞれの青少年団体においては、団体独自のノウハウに基づきまして、青少年教育活動を行っておりますが、これらの活動はあくまでも団体の会員を対象とした団体固有の事業でございまして、単にこれらの活動情報を青少年団体に提供するだけでは、必ずしも全国的な青少年教育活動の活性化にはつながらないことから、文部科学省としては、他団体と連携しながら、いわば団体間に横ぐしを刺し、それぞれのノウハウのよいところを持ち寄っていただいて、新たな取組を行うことが重要と考え、その実施を全国規模の青少年団体に委託しているところでございます。
 141ページをお開き願いたいと思います。現状と必要性につきましてはただいま述べたとおりでございますが、事業の流れといたしましては、公募をさせていただいた後、青少年団体からなる企画提案書が出てまいりますので、それを外部委員からなる事業企画評価委員会において審査いただき、対象となる事業の選定を行い、委託するという流れになってございます。委託を受けた青少年団体では、他の青少年団体や都道府県教育委員会、有識者等からなる運営協議会によって運営方針等を決定し、この運営協議会により決定された活動プログラムを各地域できめ細かく実践するために、地域の他の青少年団体や市町村教育委員会、NPOなど、地域の協力者等からなる地域実行委員会が具体の事業を実施しております。事業実施後は、各地域で行われた活動の成果を運営協議会が集約し、成果物の配布やフォーラムの開催により、全国に普及するよう図っております。このように、運営協議会と地域実行委員会が、いわば車の両輪として活動することによりまして、目標とする青少年教育活動の活性化が図られるものと考えております。
 委託先の選定の流れは、142ページをごらんいただきたいと存じます。21年度の例で申し上げますと、公募期間は19日間で、4つの団体から申請がございましたが、事業企画評価委員会では、そのうちの3団体、4事業について採択という結果になっております。
 次に、具体の事業概要、成果等でございますが、144ページ及び145ページに記載しておりますので、ごらんいただきたいと思います。すべて他団体と連携した事業でございますが、時間も限られておりますので、ボーイスカウト日本連盟が実施主体のアウトドアチャレンジとキッズコミュニティーにつきまして、簡潔にご説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、144ページの一番下をごらんいただきたいと思います。ボーイスカウトの本来の活動は、社会奉仕活動や自然の中での体験を通して、健全な心と体の育成を目指すもので、バッジによる進歩制度、いわゆるバッジシステムにより、さまざまな科目を習得すれば階級章が与えられていくという仕組みでございます。
 では、1つ目のアウトドアチャレンジでございますが、「家遊びより外遊び」、「バーチャルよりリアル」、「一人よりみんなで」、こういったことをテーマといたしまして、参加するすべての子どもたちが野外技能を磨けるよう工夫し、野外活動により身につく力を認定する制度を新たに構築しようとするものでございます。この事業に参加した子どもたちは、「野外活動の楽しさが体感できた」、「さらなる上級への挑戦意欲や野外技能の習得に興味がわいた」、「学校とは異なる仲間づくりができた」などの感想が寄せられたと聞いており、また、団体にとっても、他団体と共同活動を行う際のノウハウの蓄積が図られ、さらなる協力体制が生まれる機運が高まり、活動プログラムの共有や運営スタッフの連携などが図られております。
 次に、キッズコミュニティーでは、知的障害や、近年増加傾向にあると言われるLD・ADHDなどの発達障害のある児童と健常児とがともに自然体験活動等の活動に取り組むことができるプログラムの開発や、指導者のための講習会を実施し、さらに、中学生や高校生の指導補助者であるジュニアリーダーの養成に取り組みました。この結果、特に障害を持つ子どもの保護者から強く継続を望む声が上がり、例えば、秋田県などでは、行政や福祉関係者とともに、独自事業として継続していこうという動きとなっております。
 最後に、資料の138ページ及び139ページをご参照いただきたいと存じます。合計4つのプロジェクトの計8,600万円につきまして、資金の流れ、費目、使途を記載させていただいております。
 以上で説明を終わります。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見をお願いいたします。
 船曳さん、どうぞ。

【船曳】

 この事業に対して、当初、かなり好意的に思っていたんですけれども、現実に、先ほどの例として挙げられた事業がございますね。例えば、ボーイスカウト、それから、ご説明のなかったガールスカウト、それぞれ一つずつ知っているわけではないので、あくまでもホームページで見に行った程度の知識しかないんですけれども、少なくともアウトドアチャレンジ、一番最初に挙げられました活動内容、私も子どもが4人おりまして、子育ての中で子ども会活動にもいろいろとかかわってまいりまして、さほど特にこれが先進的な事例と思えるようなものがなかったんですけれども、一体これの成果というものはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。

【説明者】

 成果につきましては、まだ2年しかたってございませんので、私どもも正確に、これが成果ですということは申し上げられないのが大変残念でございますけれども。ボーイスカウトは本来の固有の活動を行っておりますが、ボーイスカウトの持っているノウハウを他団体にお伝えし、例えば、宇宙少年団や海洋少年団が自分たちのほうでも研究会を立ち上げて、他団体と協力してプログラムを組んでいこうという動きになっていると伺っておりますので、今後、この成果が出てくるのではないかというふうに期待をいたしているところでございます。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ、市川さん。

【市川】

 私も子どもが2人おりまして、子育てには日々、まだ10歳と8歳なものですから、非常に苦労をいたしておりまして。それと同時に、ボーイスカウトやガールスカウトの皆さんがこれまでいろんな活動をしてこられたということは十分認識をした上でご質問させていただきたいと思うんですけれども。
 国が行うべき仕事というのは一体何なのかということを少し大上段に振りかぶって考えましたときに、やはり既に冒頭官房長のほうからもお話がありましたとおり、本来、地域等でやっている、こういった青少年の、元気サポートというネーミングはどうかは別にして、野外活動等について、やはり地域で現在行われていることについてどうサポートをしていくのかというのが本来国のやるべき仕事であって、具体的な事業について国が国費を投入するということについては、これはやはり国の仕事として適切なのかどうかということを感じるわけですね。その点についてはどのように思われますか。

【説明者】

 おっしゃることは大変よくわかります。ただ、各青少年団体が行っている事業につきましては、あくまで団体内の会員を対象として行っている事業でございまして、せっかくいいことをやっていても、なかなか広がりがないという状況にございます。では、各団体、それを広報してもらえばいいではないかということもございますが、なかなかそれがこれまでは抱え込みといいますか、各団体で自分たちでその状況というものを外に発信していくということはなかったわけでございます。
 そこで、私どもがこの元気サポート事業によりまして、全国的な団体に委託をし、つまり、一定のクオリティを持った活動というものを逆に地域に発信をしていって、地域の活性化等につなげていっていただきたい、こういう目標でこの事業を行っているものでございます。

【市川】

 であるならば、やはり国の行うべき仕事としては、そういった活動をしておられるいろいろな団体から、成功している例、失敗している例をきちっと国として検証されて、これを広げていくようなことをされるべきではないかと思うんですね。まして、もともとこちらに挙げておられますボーイスカウトにしても、ガールスカウトにしても、十分に皆さんの知見を持ってこれまで活動してこられたところだと思いますので、あえてそこに、他団体もいろいろある中で、国のお金を入れて、一定地域において何かをするということよりは、むしろ皆さんが、ボーイスカウトがもし成功しているということであれば、ボーイスカウトの方から、どうしてそれが成功しているのかということをやはりお聞き取りになられて、これを何らかの形で全国の団体の皆さんに広げていくような、そういう活動のほうが本来国の事業としては望ましいのではないでしょうかね。

【説明者】

 それぞれの団体の設立の理念や、あるいは背景、それから運営方針等が異なっておりまして、必ずしも私どもがその成功事例のみを全国に発信していくという方法がいいのかどうかということはございますが、ただ、私どもも国として、現在抱えている職員の中で、自然体験活動等の専門家というのはおりませんので、例えば、そういう知見のある者が集まっている機関に広報を委託していくということも考えられるのではないかというふうに、私ども、今考えているところでございます。

【市川】

 もう1点だけいいですか。
 ただ、やはりそこが問題で、これ、ある特定の団体というのは、やはりそれぞれ皆さんいろいろな考え方があると思うんですよ、その団体に対して。ですから、やはりそこを通じての広報活動というのは、それは国がある特定団体を支援していると思われかねないですよね。むしろ、そのことは、その団体に迷惑をかけることになる可能性もあるということも含めて、やはり考えていかれるべきことではないかと思うんですね。
 まして、いや、実際に担当されている皆さんは、非常に努力をされておられるかもしれませんが、ただ、あまりにもこれではスケールが小さいですよね。ですから、何か野外活動を促進するようなことをやらなければいけない。そこで、国の財政が厳しい中で考えつかれたのがこれなのかもしれないんですが。ただ、むしろ、やはり全国的に国として何か野外活動が高まるような、そういったものをやっていかれないと、これだとあくまでミクロな世界で話が完結してしまって、それで成功したと。それはそれで立派なことかもしれませんが、ただ、税金が投入されているわけですから、そういう意味において、もっともっとやり方を考えていかれないといけないのではないかというふうに思います。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生。

【土居】

 まず最初に1点お伺いしたいのは、この行政事業レビューシート、137ページのところで、事業開始年度が平成20年度ということになっていますけれども、平成20年度、これ、当初予算ですか、補正予算ですか。これ、いつから始まったのか。

【説明者】

 当初予算でございます。20年度から開始をしたものでございます。

【土居】

 20年度の当初予算から開始されたということですね。はい、わかりました。
 それから、1点コメントと1点質問なんですが、なぜこの事業を国でやらなければいけないのかという問題点は、市川さんと全く認識を共有しているわけでありまして、別のやり方でも青少年に対するサポートはできるという可能性がある。極論すれば、これは極論なので、言い過ぎている面もありますけれども、141ページのこの事業内容の中で、結局、国が行う事業だから、全国的な組織にしかなかなか支援をすることができず、つまり、北海道だけとか、島根県だけとか、そういう形にするなら、それは北海道や島根県にやってもらえばいいじゃないか、国が直接やる必要はないではないかということになるので、全国的な組織にしか事実上支出ができないようなことになり、そして、最後に、141ページで、成果を全国に普及する。私が思うには、この予算がなくても、この助成を受けておられる全国団体は、もう既に、予算がなくても全国的にその成果を共有するだけのノウハウ、そういう組織をお持ちなわけで、極端に言えば、国が出しているんだから、一地域でやったやつを、とにかく何でもいいから、強制的にでもいいから、全国に普及しろと言って、それがないとサポートしないぞというかのようなふうに思われるようなたてつけになっている。これは私のコメントです。
 そこで、これから質問なんですが、国からの支援ということで言えば、極端に言えば、都道府県なりに補助金を出し、そこから各地域のガールスカウトなりボーイスカウトなり青年団にその助成をするという方法も考えられたわけですが、あえてなぜこのようなたてつけでこの事業を始められたのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。

【説明者】

 各地域で行われている草の根の団体の活動でございますが、これも大変すばらしいものだと私どもも評価いたしております。ただ、地域固有のテーマということが多くて、これを全国にご紹介しても、なかなか自分たちの地域では実現できないということがあるやに聞いておりまして。そこで、全国団体のところで一定のクオリティを持っている団体に委託をし、これは地域のほうにまたおろしておりますので、いい例を、グッドプラクティスを挙げていただいて、それをさらに地域のほうに還元していくという方法が望ましいのではないかというふうに考えたわけでございます。
 ただ、先生おっしゃられましたように、都道府県にお任せするとか、あるいは、国のほうでも国立青少年教育振興機構という、専門家が多数在籍するような、そういうところもございますので、いろいろその辺は考えていく余地があるなというふうに考えてございます。

【土居】

 それから、もう1点お伺いしたいのは、140ページにありますように、委託先として、結局は同じ団体になっていると。これはもう、私は大学の人間ですからあれなんですが、研究費の配分においても、同じ人に集中しないようにとか、さまざまな競争性といいましょうか、特定の人や組織に集中しないようにしようという努力をしておられるわけですが、これは結果的とはいえ、残念ながらそうなっていないと見られても仕方がない結果になっている。
 極端に言えば、1年お受けになったら、1年お休みになって、また次の年にというようなことなど、もしやるとしても、特定の団体にだけ助成するというようなことにならないような方策というものもご検討なさっておられるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。

【説明者】

 全国組織を有している、そして、活動を展開している主要な青少年団体は、全国中央青少年団体連絡協議会というのがございます。ここに加盟している団体は23団体ございますし、さらには、協力育成会員として18団体ございますので、全国団体の数はたくさんあるのでございますが、なかなかこの事業に申請をされてこないという実態がございまして、私ども、やはり公募の方法を少し考えてみるべきだというふうに現在考えているところでございまして。何分、平成20年度から始まったばかりでございまして、もっと申請をしてくれるだろうと思っていたところが、申請団体が固定化しているという嫌いがございますので、これを少し公募の方法等を今後検討してまいりたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 一たんここで切ります。赤田さん。

【赤田】

 ありがとうございます。
 私も、公募に関しては、19日というのは非常に短いと感じまして、それは後ほどまた話を考えたいと思いまして、私は2点ございます。
 まず、139ページなんですが、支出等々の把握はされていると思うんですけれども、各団体とも、この中で、旅費、交通費が非常にかかっている。会議等々かかっておりまして、各団体のウエートが随分ここが高いんですね、それぞれ。この会議出席旅費と指導者旅費等というのは、どのようなものにお使いになっているのかという点がまず1点と、それから、子どもたちの体験学習というのは、非常に私も大事だと思いますし、自然豊かなところに育っているからといって、体験活動をしているかというと、そうではないというふうに私も認識はしております。ですので、全国の子どもたちに体験活動をさせる、そういう機会、きっかけをつくるって、非常に私は大事なことだと思いますが、ここで子どもたちの体験学習と同時に、各団体が指導者の研修もやっておられますが、その各団体の指導者が、その後どのような形で各団体でその体験を広げていっているのかということも、もし把握しているのであればお聞かせ願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【説明者】

 旅費及び謝金につきましては、当該団体以外の青少年団体や学識経験者、NPO、そういったところに出席を依頼したときの旅費、謝金でございまして、当該団体の分は、これ、手弁当でございます。
 それから、指導者につきましては、まだ始まったばかりですので、確たるということはございませんが、例えば、ガールスカウトのほうでは、今月、日本野外教育学会というところで成果を発表するというようなことになってございますし、また、ボーイスカウトやガールスカウトでこの事業に参加した者が、地域の研修会の講師で招かれるということもかなり出てきたというふうに伺っておりまして、そういう意味では、この事業の成果と言えるのではないだろうかというふうに考えてございます。

【赤田】

 関連なんですが、実態は詳細にはまだ把握はされていないですか。例えば、全国のどこかでどのような活動をある程度されているのかという、全国的な比較というのは、県から地域にありますから、ちょっと難しいとは思うんですが、そこのところはこれからでしょうか。

【説明者】

 全国で中央フォーラムを開催したりということはございます。ただ、ともすればこれまでその団体固有の活動だったものが、例えば、アウトドアチャレンジにつきましては、ボーイスカウト以外の一般参加者の割合が72%だったというふうに聞いておりますし、また、キッズコミュニティーでも、おおむね4割は団体以外の参加者だということでございますので、かなり広がりは出てきたという感はございませんが

【赤田】

 わかりました。

【伊藤コーディネーター】

 市川先生。

【市川】

 そこが多分問題なんじゃないかと思うんですよ。やはり特定団体を支援されるというときに、その団体以外の方が入ってこられるということが、ともすれば、先ほど申しましたように、その団体ご自身は皆さん一生懸命やっておられるとしても、結局、国のお金が入った事業を通じて、新しいお子さんがその団体に接触することによって、実はその団体そのものの構成員が増えていくようなことになってくると、当然、これはほかにもやっておられる団体があるわけですから、子どもの世界に競争という言葉を使うことが適切かどうかわかりませんが、ただ、やはりそういった点で、むしろ団体の方に、実際にこの事業をやっておられる団体の方にご迷惑がかかる可能性があるということですよね。それでも公募で受けておられるということですから、もちろん、そのことは十分に承知をされた上かもしれませんが、やはり国としては、そういった形でのお金の使い方というのは基本的には問題があって、むしろだれでもが団体にかかわらず、これはもともとの目的は子どもの野外活動を増やしていくということが目的なんですから、団体にかかわらずそういったことにつながるような事業のやり方、国としての事業のやり方というのを本来考えていっていただかないといけないのではないかと思うんですが。

【説明者】

 この事業がきっかけとして、子どもたちが自然体験活動に積極的に取り組む、あるいは野外活動に興味を持つということは、大変重要だと思っております。
 最初にご質問がございました、団体のほうで会員が増加しているのではないかというご指摘でございますが、各団体に伺ったところ、そういう事実はないということでございますので。私どもは、あくまでこの事業の目的でございます青少年教育活動の活性化、このために資する、そういう事業であってほしいなという考えでございます。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生。

【土居】

 そうすると、先ほど23団体全国組織があるというふうにおっしゃいましたけれども、ならば、別にこの3団体に限定する必要はなくて、別に、応募してくださらないという問題があるならば、なおさら前年度に受託された方は、次の年度は応募できないと。実際、学者の世界では、そういう形で研究費を公募している団体とかあるわけです。そういうようなことも、もっと幅広く多くの青少年のためにお金を使うというのであれば、何も特定の団体に限る必要はないのではないか。極端に言えば、来年度の募集要項は、今年度受託された方は応募できませんと。そうすると、申請する段階で、ひょっとしたら自分のところに回ってくるかもしれないと思って、今まで応募されなかった団体が手を挙げられるかもしれないという可能性はあるわけですね。その点はいかがでしょうか。

【説明者】

 各団体の選定につきましては、事業企画評価委員会のほうで適正に行っておりますので、その結果について、私ども、とやかく申し上げることはございませんけれども、やはり公募の方法というのは、先ほど申し上げましたように、少し私どもも考えていく必要があると思っていますので、なるべく多くの団体が手を挙げていただけるような、そういう方法、仕組みを今後構築してまいりたいというふうに考えてございます。

【伊藤コーディネーター】

 大宮先生。

【大宮】

 同じようなことなんですが、自然体験とか野外体験が必要だということは、今の状況の中でもう全員が必要性は感じている。それぞれの団体が持っているノウハウを伝えていくという、その必要性もみんな感じている。だけども、もう一つは連携というか、ほんとうに効果的に伝えるためには、1つの団体の持っているものを、ただ情報提供しているだけでは、効果性というのはやっぱり疑問視されざるを得ない。
 そうすると、最初の公募のときに、2つ、3つの共同で出しなさいとか、当初からそういう共同プログラムとか、効果性ができるような仕組みを考えないと、やっぱり2年、3年同じ団体になって、どんなに一生懸命頑張っても、何か独自支援のように見えてしまうという。仕組みそのものの転換というのはやっぱり考えたほうがいいと思うんですが、それはどうでしょうか。

【説明者】

 おっしゃるとおりだと思いますので、私ども、今後の検討の中で、そのような考えも積極的に取り入れていきたいというふうに考えてございます。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートを書きながらでお願いします。
 船曳先生。

【船曳】

 実は先ほどアウトドアチャレンジの下のキッズコミュニティーの、いわゆる障害をお持ちのお子さんとの交流事業というのはちょっと関心を持ったんですね。なぜ関心を持ったかというと、その交流活動、児童が参加しての交流活動ではなくて、そこを運営される方々に対する適切な知見を差し上げると。それは悪くない。だから、ぜひもう広く広く、限られた予算の中で、この活動を根づかせるというのであれば、効果的な方法としては、先ほどのキッズコミュニティーの中の1つの、全国で講習会なんかをやる。そちらのほうに注力されるということもあるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【説明者】

 キッズコミュニティーに医療関係者や、あるいは特別支援学校の関係者等々、これまでこういう事業にかかわったことのない方がかなり加わっております。それが非常によかったということで、現在、事業は21年度限りで終わっておりますけれども、今年度、独自に各地域で継続していこうという動きがあるわけでございますので、今後、こういう動きが出るような、そういうプログラムを採択していけるような仕組みを、私ども構築してまいりたいと考えてございます。

【伊藤コーディネーター】

 藤原先生、どうぞ。

【藤原】

 とにかく非常に大事なテーマだと思うんですけど、こういうイベントになっちゃうと、やっぱり1,200万人以上いる児童・生徒の中で、やっぱり1万2,000人とかになっちゃいますよね。例えば、中学校の現場を預かっていた身から言いますと、今、とにかく部活をもっと盛んにしなければならないのに、顧問の先生が足りないとか、転勤するともうだめになっちゃうとか、中学の部活が危機なんですね。こっちに振るほうがより効果的じゃないかというようなことが一つ。
 それから、もう一つは、自然体験という。体を動かすという意味では、非常に部活が大事だということなんですが、自然体験というような意味では、私、11月の仕分けでも言ったんだけど、とにかく文科省だったり農林水産省だったりが縦に分かれて自然体験ということを言うものだから、そこが一致しないんですけど、例えば、中学の修学旅行、これを京都・奈良に修学旅行するのは中学生では早すぎるんじゃないの。歴史の勉強をもっとしっかりして、高校でやったらどうと。中学校の修学旅行を農業体験に変えるだけで、例えば、和田中がずっともう数年間やっている農業体験、2泊3日ですけれども、ものすごくいい体験ができるんですね。農家の家族ともすごく交流をする。最初、行くときには、もうみんながぶうぶう、何で京都・奈良じゃないんだと言っているんだけれども、帰るときには女の子のほとんどすべてと男の子の半分ぐらいがもう泣き出しちゃって、帰りたくないと言って。そういう知恵を働かせるだけで、ある意味で追加予算なくても、体を動かしたり、自然体験をさせたりということはできるんですね。だから、そういうことをもっと各省横断で知恵出ししたほうがいいんじゃないかなということは非常に思いますね。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 もしお答えがあれば。

【説明者】

 中学校の部活につきましては、新しい学習指導要領の中でも改めて位置づけられまして、その重要性はもう言うまでもないところでございます。
 それから、各省横断の施策でございますけれども、私ども、今、農林水産省、それから総務省と連携しながら、農山漁村での自然体験というものを子どもたちに体験させようという、そういうプロジェクトも進めてございますので、今後、そういう動きを加速させていきたいなという考えでございます。

【伊藤コーディネーター】

 まさに、これ、一番最初の官房長からの論点の中にもありましたとおり、こういったものをいかに、自然体験を子どもたちにしてもらって、野外活動に出てもらうかを考えるときには、現場である、今日はNPOセンターの山岸さんもおられますけど、そういう地域の方々が考えるほうがより効果的だという認識はございますか。

【説明者】

 草の根の活動って大変重要だというふうに思っております。その重要性を、私ども、十分踏まえた上で、全国団体のところにも、改めてそこでしかできないことを地域に還元していただきたいと、そういう意味でこの事業を展開しているわけでございます。

【伊藤コーディネーター】

 山岸さん。

【山岸】

 NPOの立場から申し上げたいと思います。
 先ほど地域でやる草の根の団体と全国の団体ではやることが違うみたいな内容のことを言っていたのは、それはどういうことかというのをちょっとお聞きしたいと思うのと、NPOの場合でも、かなり連携して、今、大きな仕事をやるというのも珍しくないことで、かなり一つ一つは専門性を持って、山のほうだとか、林業のほうだとか、海だとか、一緒になってやるということがあるんで、むしろ個別のあれを集めて協議会みたいなのでとれるようにしたほうが、不特定多数に対するサービスはできるというふうに思っております。NPOの立場から言えば、不特定多数の人々にサービスをするということによって、新しい公共をつくろうということだというふうに認識しているんですが、いかがでしょう。

【説明者】

 草の根の活動と全国規模での活動がそんなに異なっているわけではないというふうに思っております。ただ、私ども考えているのは、都市部でも、それから、そうでもない中山間地域でも取り組めるような活動という、そういうようなプログラムを全国団体に開発していただきたい、そういう思いからでございまして、草の根の活動が非常に活性化していけば、それはそれで大変結構なことだと考えてございます。

【伊藤コーディネーター】

 わざわざ全国で一律に、中山間地でも都市部でも同じようなことができるということを考える必要があるかどうかという今のご意見だと思うんですが。

【説明者】

 ともすれば、学校教育の重要性が叫ばれている中で、やはり学校以外の活動というのが低迷しているという実態がございますので、その学校以外の活動を何とか活性化させるという意味で、私ども、この事業を立ち上げているわけでございます。

【伊藤コーディネーター】

 全くその趣旨は、多分、皆さん同じ思いで、必要だと思っているんですが、そのときに、中山間地では中山間地の学校外の活動の仕方があって、都市部では都市部の学校外の活動があって、実際にそれは自治体であったりNPO団体で今されていますよね。そこをわざわざ国が国費を使って、全国一律でこういうようなやり方がありますよということが必要なのかどうかということだと思うんですが。

【説明者】

 おっしゃる意味はわかります。ただ、地域のほうでは、ともすれば自分たちはこれまでこういう方法でやってきたというところに偏りがちでございまして、新たな視点をその地域に持っていくということがこの事業のねらいであるということをご理解賜りたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 和田先生。

【和田】

 この事業の目的とか何かというのは大変すばらしいことだと思うんですが、果たしてこの成果をほんとうに全国に普及をしていくというようなことができる事業規模なのか、もともとこの程度の金額で。そして、しかも、この程度の金額というのが、実は特定の団体に支出をされている。その特定の団体に支出された経費が、果たして成果を全国に普及しているのか、これははかりようがないんだろうと思いますけれども、こういうところがどうも、国民の目から見ると、何か不自然な感じがする。そういうことで、この本来の青少年元気サポート事業は、そういうことを踏まえて、今後どうしようとされるのか。いかにも中途半端というか、難しいところはあると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【説明者】

 まず、特定団体に偏っているのではないかというようなご指摘はごもっともなんですが、これはたまたま応募されてこられた団体が非常に続いているということでございまして、私どもから応募してくださいというお願いをしたわけではないということをご理解をまずいただきたいのと、それから、今後についてでございますが、私どもも、学力とか体力のように明確な指標というものを青少年教育に導入するというのは大変難しいことだというふうには考えてございます。しかしながら、団体間の横ぐしを刺して、さまざまなノウハウを共有することによりまして、かなり各団体の意識が変わってまいりましたので、これをとにかく普及させていただくことによりまして、それぞれの地域にこれまでと違う感覚というものを持ってくれば、私ども、大変いいと思っております。このことは、私ども、真剣に考え、今後検討してまいりたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 赤田さん、どうぞ。

【赤田】

 私も、体験活動、皆様も、これは必要な事業であるという認識はあると思うんですが、そこで1点お聞きしたいんですが。
 これはちょっと比較するところはありませんが、各団体の予算がありますね。その中で委託費が占める割合というのは掌握されていますでしょうか。もしおわかりであれば、お教えいただきたいと思います。

【説明者】

 少々お待ちください。今調べますので。

【赤田】

 いえいえ。すいません。

【伊藤コーディネーター】

 私からちょっと関連で、もしおわかりだったら。
 この20年度からやっている事業以前、19年度までというのは、類似であったりとか、全く一緒ということはないと思うんですが、何か変えてこの事業になっているのかどうかというのが、もしおわかりだったら教えてください。

【説明者】

 19年度以前は、民間社会教育団体への補助金というものがございました。これはもう各団体に活動費の助成ということで補助金が出ていたものでございます。これではいけないので、全国団体がそれぞれ連携しながらおやりいただきたいということで、この事業に差しかえたといいますか、そういう実態がございます。

【伊藤コーディネーター】

 何団体というのはわかりますか。その19年度以前、年間で何団体に補助金を出したか。

【説明者】

 19年度でまいりますと、これは3団体になります。

【土居】

 この3団体ですか、今のこの。別の3団体ですか。

【説明者】

 いえ。1つは入ってございますが、残りの2団体は、今回の事業に上がっているのとは別の団体でございます。

【赤田】

 多分、委託費は、当然、執行……確認しなければいけないんですが、全体というのは、おわかりでなければ、それぞれで結構ですけど。

【説明者】

 わかりますので。今、計算していますので、ちょっとお待ちください。

【赤田】

 そうですか、はい。

【伊藤コーディネーター】

 先ほどの確認ですが、19年度以前は3団体に対して補助金を出していて、そうなると、明確に何に対しての補助金かわからなく、運営の補助とか活動の補助になってしまうから、それで20年度から、こういった形で1つのプロジェクトに対しての委託金という形になったという理解でよろしいですか。

【説明者】

 はい、そのとおりです。

【伊藤コーディネーター】

 1団体あたり、当初は幾らぐらいの補助なんでしょう。

【説明者】

 19年度でまいりますと、1億1,600万円の予算がございますので、それを3団体に補助をしていたということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 もしすぐわかりづらかったら。
 この間、もしどなたかご意見、一言あれば。もう集計結果はまとまっていますので。

【説明者】

 すいません。例えば、ボーイスカウトでいきますと、21年度の一般会計の予算は、8億7,900万でございます。
 5%ぐらいということですね。

【赤田】

 わかりました、ありがとうございます。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告をいたします。
 青少年元気サポート事業につきまして、見直しの余地なしという方はおりません。要改善という方が4名、廃止という方が4名です。要改善の方は、実施主体の見直し、規模の見直し、内容の見直し、予算執行の見直しという方がおられます。
 それでは、官房長、お願いいたします。

【山中大臣官房長】

 皆さんのご意見は、今ございましたように、要改善4、廃止4ということでございますけれども、結論としては廃止ということで、青少年の野外活動を促進する、これは非常に重要なことですけれども、国の行うべき事業として、こういうふうな団体に補助するということではないほうがいいのではないか。国は制度設計の整備、あるいは各地の成功事例を収集して、これを全国的に普及するといった、そういうふうなところの役割ということのほうが適切ではないかということで、一応まとめとしては、皆様のまとめとしては、廃止という結論ということにしたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、これでこの議論につきましては終了いたします。ご担当の方、ありがとうございました。
 引き続いて、次の事業に参ります。
 続いて、事業番号11番です。学校支援地域本部事業につきまして、まずは選定の背景について、官房長からお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 この事業ですが、学校支援地域本部事業でございますけれども、平成22年度のモデル委託調査事業、そういう中でも一番金額が多い、27億円ということでございます。文部科学省全体としても、75億円のうちの27億円ということでございますので、この業務内容の検証というのが必要だということで、お願いしたということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご説明お願いします。

【説明者】

 社会教育課長、神代です。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料の147ページでございます。まず事業の目的でありますけれども、近年、社会がますます複雑、多様化しております。それから、子どもを取り巻く環境も大きく変化する中で、学校がさまざまな課題を抱えるとともに、家庭や地域の教育力は低下し、学校に過剰な役割が求められている、あるいは、教員の多忙化といったような事態になっているかと思います。このような状況の中で、未来を担う子どもたちを健やかにはぐくむためには、学校だけが役割と責任を負うのではなく、学校、家庭、地域の連携協力を強化し、社会全体の教育力の向上に取り組む必要があると考えております。
 そこで、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを行うという、そういう意味で、「学校支援地域本部」という事業を、平成20年度から委託事業として開始したところであります。
 事業のイメージでございますが、資料の151ページの上の図、スライドの1枚目をごらんいただきたいと思います。一番上に学校支援地域本部と学校をまたがるような形で、まず地域教育協議会という組織があります。これは学校の校長や地域の方々で構成されるものでして、どのような支援活動を行うかといった方針について企画、立案をするものであります。ここで決めた方針に基づきまして、その左下にあります地域コーディネーターという方が、学校と地域住民との間の連絡調整役ということで、学校からの依頼に基づいてボランティアを募り、支援活動をしていただくという仕組みになっております。
 活動の内容は、学校や地域の実情に応じまして、ドリルの丸つけといった授業の補助ですとか、部活動の指導の補助、あるいは花壇の手入れなどの校内の環境整備、それから登下校時の通学路の安全指導、運動会などの学校行事の支援など、さまざまなものが考えられるわけでありますが、この事業の特徴といたしましては、特定の支援活動を全国一律に実施してもらうというものではなく、地域の住民が学校教育に対する支援活動を組織的・継続的に実施できる、その体制をつくっていただくというのが本事業の目的であります。パソコンに例えれば、そのOSにあたる部分の整備というふうにお考えいただければと思っております。
 では、事業の実施状況でありますけれども、147ページに戻っていただきます。中ほどにあります予算の状況というところで、20年度から開始しております。ここで執行率をごらんいただきますと、必ずしも高くない数字が上がっておりますが、こういったことを受けて、21年度には額を圧縮し、また、今年度、これは執行の状況、あるいは単価の見直しといったもので、額を圧縮しております。それから、22年度につきましては、さらに執行状況に合わせて予算を圧縮し、今年度、22年度、約27億円という額になっているところであります。
 続きまして、148ページをごらんいただきます。資金の流れでありますけれども、左と右に分かれております。大半の経費は左側に行くわけでありますけれども、市町村または市町村の実行委員会から申請をまず上げていただきます。それを都道府県で取りまとめ、都道府県の教育委員会と指定都市の教育委員会から文部科学省に申請を出していただきます。事業の趣旨に沿った体制づくりができているかどうかなどの要件に照らしまして、有識者のご意見もお聞きした上で、適切と判断したものを採択し、委託費を支出しております。都道府県の教育委員会では、主にコーディネーターの養成研修ですとか、あるいは県内の住民に対する事業の普及啓発といったことを実施しております。それ以外の大半の経費を市町村へ再委託という流れになっておりまして、実際に地域本部の設置・運営に必要な経費というものは、市町村から支出されているというのがこの仕組みであります。
 それから、右側のほうに、調査研究の実施ということで3団体ありますが、これについては、本事業に関する普及啓発用の資料の開発ですとか、事業の成果の検証といったようなことをお願いして委託しているものであります。
 次に、151ページにまた飛んでいただいて、恐縮でございます。この事業の成果及び今後の行方ということでありますけれども、委託事業につきましては、今年度で終了を予定しております。これと並行いたしまして、21年度から、151ページのスライドの2番目、下のほうになりますが、学校・家庭・地域の連携協力推進事業という、これは補助事業でありますけれども、これを21年度から開始しております。これは学校・家庭・地域の連携協力を進めるために、生涯局をはじめ、初中局とかスポーツ青少年局で実施しているさまざまな事業をまとめて補助をするというものでありまして、自治体は、地域の実情に応じて、ここにありますメニューの中から選択していただいて、まとめて文科省に申請していただく。これを社会教育課でまとめて受け付け、審査の上、交付もまとめて行っているという、そういう流れのものでありますけれども、この中のメニューの1つということで、21年度から始めているものであります。ただ、委託事業と並行して行っておりますので、現状としては、大半がまだ委託事業でして、補助事業は少ないというのが実態であります。ただ、今年度で事業が終了した後は、この補助事業を使って、さらに事業の継続、あるいは、さらなる拡大を図ってまいりたいと思っております。
 また、その次の152ページの下の左側の4番をごらんいただきますと、これが21年、昨年度の地域本部の設置状況ですが、結構地域によってばらつきもございます。特にまだ未設置の市町村に対しては、地域の実情を把握しながら、さらに設置を働きかけるというようなことも必要であろうかと思います。
 そういったことを課題にし、また、将来的には、今日ご議論いただきますが、すべての学校でこのような形で、地域住民が学校教育に参画していくような学校づくり、さらには、それをさらに発展させていく形での地域づくりというものにまで結びつけていければというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、官房長より論点等のご説明をお願いします。

【山中大臣官房長】

 論点は156ページでございますけれども、これは中学校ということで、中学校区を活用して、学校の中に地域を巻き込み、地域の力も出し、学校の教育力も上げるという、こういう事業ですけれども、その事業の必要性という点について、モデル事業として、こんなに全国2,000カ所というふうな形でやる必要があるのかどうかというようなところと、それから、委託事業として実施してきて、それから、並行して補助事業も走らせるということなんですけれど、委託事業としての実施状況というものを見ると、必ずしも十分はけていないというふうなところもあるので、これを補助事業に変えていったとしても、どういう形でそれをやろうとするのか。結局、補助事業としても、学校支援地域本部というのは実施が広がらないという、その辺の要因といいますか、そのあたりをどう分析して次の事業に展開しているんだろうかといった点があろうかと思います。
 次に、有効性という意味では、これは今までの実績を踏まえて、こういう学校支援地域本部といったものについての国の関与の在り方とか、国の支援方法、そういうものについて見直す必要はないだろうか。あるいは、今、新しい公共ということで、今日、午前中、最終会議が開かれ、報告も出されましたけれど、こんなふうなものも、地域で学校を支える、新しい公共というか、今までは地方公共団体がやればいいやというところではなくて、そこを地域も支えるんだというふうなものを、より学校支援地域本部という形で地域に根づかせるとしたら、どういう方法があるんだろうかといった点。それから、今までの広がり状況ということもありますけれども、選定のプロセスとか、事業の内容とか、そのあたりについての反省点とか改善点はないだろうかと。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見をお願いいたします。藤原先生、どうぞ。

【藤原】

 それでは、ちょっと口火を切りたいと思うんですが。これ、もともと2003年に私が東京都で初の民間校長として赴任しまして、その翌年に始めた地域本部という、地域のボランティアを学校の中にもう結集してしまって、常時いられる場所もつくってしまう。主にそれを担うのがPTAのOB・OGと、それから団塊の世代の方々で地域にいらっしゃって力の余っている人、それから大学生で教員になりたい人、こういう人たちを集めて始めたことなわけです。これが3年やってみまして、学力にも非常に影響が出ましたし、それから部活が盛んになる、図書室が活性化する、コンピュータルームも活性化する、あるいは緑の維持にも役に立つというようなことで、これで、つまり、学校を核にして地域社会が再生できるのではないかと。今まで地域社会の再生というのは、自治会とか、そこにお金を突っ込んだり、あるいは、商店街が歯抜けになっていく中で、一生懸命そこにお金を突っ込んで再生しようとしていたんですが、それが非常に難しい。では、学校を核に地域社会を再生するというようなことができるんじゃないかというようなことで、それを文科省がわっと面で広げていこうとしたという、そういう事業だと思います。
 一応最初に断っておきますが、文科省が主催した、そういう学校支援地域本部の説明会のようなものに私が講師として呼ばれて講演したこともありますし、それから、PR用のDVDにも私は出ています。ですが、その出演料並びに講演料は一切私は取っていませんので、利害関係者ではないという前提でお話をさせていただきます。
 最初にまず前提をお話しして、あと、議論していただいた後に、私は実は、この執行率が低いことについては、なぜかということを完全にわかっておりますので、それを最後のほうに再びプレゼンさせていただきますが。
 一番最初、この前提として、学校教育の質というのは何が決めるかと。学校教育の質を決めるのは、主に4つの点です。1つは、教科書、教材を含めたカリキュラムの質。それから、2つ目は、それを教える教員の質、当たり前の話ですね。その教員の力が生きるかどうかが、3番目の教育委員会という組織がどのようにそれを支えるかという、そのガバナンスの問題が3番目になります。4番目が、教員ではない、地域の教育資源をどれぐらい学校に引き入れられるかという、これはもうひたすら校長のマネジメントの質になるんです。この4番目にかかるところが、この学校支援地域本部というふうに理解していただいたらいいのではないかと思います。
 一方で、もう一つの状況、子どもたちが非常に多様化しています。軽度発達障害の子は増えています。同時に、社会問題として、離婚も増えていますし、虐待も増えています。もうほとんど日々のニュースだと思いますね。
 こういう中で、それをぎりぎり支えているのは、学校の先生たちなんですね。そういう意味では、学校の先生が扱う問題が、むしろ学習そのものよりも、生活指導というんですが、非常にそっちの負担が大きくなっている。これ以上、学校を先生だけに押しつけて、先生たちに何でも押しつけてしまって、先生を孤立させますと、もう公教育の地盤沈下ですね。小中学校の地盤沈下がとまりません。だから、これは地域の力が生かせたらいいなというような、のんびりした話ではないんです。早急に取り組んで、あと2年か3年以内に、大体中学校区のすべて。すべてと言っても、山間部とか離島のように地域社会がまだ残っているところは、あまりこういう組織化をする必要はないと思いますので、有効性があるのは、おそらく1万中学校区の半分、5,000カ所ぐらいではないかと思いますけれども、これを早急に立ち上げて、それをマネジメントできる校長を送り込むということが非常に早くやらなければならない課題。そうしないと、公教育の質はどんどん低下していくと、私は予言してもいいです。というようなことで、それが前提になっているということをまず頭に入れていただいて、議論をしていただいたらと思います。
 では、よろしくお願いします。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご質問、ご意見、いかがでしょうか。
 山岸さん、どうぞ。

【山岸】

 この政策が実行に移される、話題になっているところでも私は発言していたんですが、今、日本で一番大事なのは教育だと思うんですね。人材育成。そういうことで、みんな関心を持って、NPOの側でも非常に興味を持っておるところです。
 もちろん、その成果にはいろんなばらつきがあるというのは見てきたわけですが、教育界の課題とか限界みたいなものを克服するために、新しい担い手をいかに動員してくるか、広がりをつくっていくかということだということは、もう皆さん一緒だと思うんですね。
 そういうときに大事なのは、行政主導というのは、学校主導というところから少しスタンスを変えて、対等な関係で、どうやって市民が入ってくるかということなんだろうと思うんですね。そうしないと、文科省が持っている予算というのは非常に小さくて、どれを見ても50万とか30万とか100万ぐらいで、こんなので何ができるのかなという、それは文科省の責任ばかりではないとは思いますけれども、そういう小さな予算でも生かしていくということも同時に考えていかなくてはいけないだろうと思うんですね。
 NPOの立場で言えば、NPOは今4万団体になりました。あらゆるNPOが教育力というのは、ミッションがあって、それを実践の教育……やることによって教育力を発揮するということなんで、この活用ということをもっと考えていったほうがいいだろうと思うんですね。それで、そういう対等性ということがなったときに、初めてみんなが喜々として参加していくわけですから、本来は学校の中に拠点を設けるのではなくて、学校の外、正門の前でもいいけどね。費用的にそれは難しいということであれば、それはたまたま学校でもいいわけなんですけれども、もっと独自性を持った組織化をしていくということでないと、せっかくのみんなのやる気というのは大分そがれるところがあるんじゃないかなというふうに思います。
 少ない予算を何とか克服するときに、NPOというのは、ボランティアを動員したり、寄附をもらったり、いろんな事業をやって、自分たちで拡大していくわけですね。これを推進するには、リーダーだとかコーディネーターを養成しなくてはいけないわけですが、こんな少ない予算でできるわけは絶対ないんですね。それはNPOが担った場合には、ずっとそれをやろうとしますから、何とか少ない予算でもそれを形成していこうという力が働いていって、必ず 必ずかどうかわかりませんけれども、そういう作用がされていくというふうに思っております。
 そうやって、学校はもちろん大事です。そこにもう一つ外に、外にというか、近場にそういうのがあれば、生涯学習のプラットフォームと我々は言いますけれども、そういうものができて、学校教育もやる、そして地域の人たちも一緒になってやるという。そして、2つ合わせて地域の教育力は拡大していくということになるのではないかというふうに思います。
 そういう中で、こういうことをどんどん進めていけば、教育現場をもうちょっと社会化していったり、教育者はいろいろ大変だということはよくわかるんですけれども、そういう人たちの意識の変革にもつながるのではないかと思って、これは大変、似たようなものは推進すべきだと思うんですけれども、もっと学校から対等な形のものをやっていく。それによって継続性を担保していくというんでしょうかね。やっぱり継続性というのは一番大きいのではないかと思います。
 以上です。その点についてお考えがあれば。

【藤原】

 ちょっと1点触れますけど、山岸さんご存じだと思いますが、この学校支援地域本部の活動を、学校の中にNPOの本拠を置いて、NPOがやっているところがもう幾つも出ています。それから、学校支援地域本部の活動が拡大して、160人ぐらいボランティアになったために、NPOに変わったところもあります。本拠は学校の中に置いているんです。それは可能なんです、法律的には。

【伊藤コーディネーター】

 お答えする部分があれば結構です。

【説明者】

 まさに、今、お二人のお話のとおりだと思いますけれども。つまり、今後、やっぱりどう継続させていくかというところが1つのポイントだと思いますが、そういう中では、今委託事業として引き受けているところは、大半はいわゆる任意団体ということでやっておりますので、そこをさらに、その委託事業が終わった後、どう継続させるかということについては、当然、NPO化することで継続させていくということも視野に入れながら考えていく必要があると思います。

【伊藤コーディネーター】

 土居先生。

【土居】

 150ページないしは148ページの資金の流れでもいいんですけれども、学校支援地域事業の支出の行き先として、県レベルの教育委員会、これがまず一たん入って、その後で市町村の実行委員会ということになっているのですが、これ、どうしてそういう形態をとらなければならないのかということについては、まず1点お伺いしたいと思うんですけれども。

【説明者】

 これは大体中学校区で1つ本部をつくっていただくという場合が多いわけですが、実際の事業の実施主体ということで、やはり市町村が実際の小中学校の運営主体でもあり、それから、現場にも近いということもありますので、事業自体は市町村単位でやっていただくというのがいいだろうと。それを法律的に、国のほうで、どれだけお金が必要で、どれだけ渡すかということを、そのプロセスを効率的に行うために、都道府県で取りまとめていただいているという、そういうことです。

【土居】

 そうすると、この150ページを拝見していると、例えば、大阪府教育委員会のケースで、まず一たん2億4,000万円支出されていて、再委託ということで、大阪府下の実行委員会に委託されているんですけれども、この合計額が2億2,500万円。

【説明者】

 はい。

【土居】

 その差額は一体どうなっているんでしょう。

【説明者】

 これは都道府県レベルで、県内の、例えば、住民向けに事業に対する普及啓発をやるとか、あるいは、コーディネーターに対する研修というものをやる場合に、これを個々の市町村でやると、なかなかできないところも多いので、そこは県のほうでまとめてやりましょうということで、県のほうで支出している場合が多いということです。

【説明者】

 あと、補足でございますけれども、府立の特別支援学校がございまして、こちらのほうは府のほうで支出しているという形になっております。

【伊藤コーディネーター】

 関連の方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 船曳さん、どうぞ。

【船曳】

 これはすばらしい仕組みで、ほんとうに理想的に思えるんですが、ただ、私は自分の子どもを育ててまいりまして、つい7年前ぐらいまで、もう十何年間ずっとPTAを、幼稚園から高校まで、しかも公立、私立、国立と全部やってまいりまして、そのPTAの苦労というのは相当あります。これはよくご存じの、PTAのクラス委員のなり手がないんですね。役員のなり手がないんじゃないんです。役員のなり手はいらっしゃるんです。もう政治的な動きでもっておありになります。ただ、今、子育てに忙しい母親、もしくは、そのとき一生懸命外で稼いでこなければならない父親が、ほかのお子さんの面倒も見るような、こういった地域支援活動に具体的に入ることは極めて困難なんです。
 そうしますと、各学校の中で、PTAを中心としてこれが組まれてしまうと、形はできるけれども、内容は空疎になりかねないというところがある。それで、私は藤原さんが部屋を1つ用意しましょう、それはいいと。部屋があって、そして、外部からNPOの方なり、ある程度60代とか、団塊の世代が退職されて時間がある方が、自分の居場所はそこにあるというのはすばらしいと思います。しかしいわゆる体制づくりというもの、とりわけ教育委員会から行うという形を先行させてしまってはいけないと思います。一律 先ほど1万のうちの5,000ぐらい必要だと。5,000、これが半強制的にどこもやりなさいというと、教育委員会からの指導でもって、どんなことが現場で起こるか、非常に危ういので、そのあたりのご意見を伺うということではなくて、その運用の仕方は極めて丁寧に、自発性を担保する形でやっていただきたいと私は思います。

【伊藤コーディネーター】

 大宮先生。

【大宮】

 最初に、学校支援をこういう形でやらざるを得ないというか、やらないともう非常に危機的だというのは、ほんとうに地域でいろいろ活動していますと、小学校、中学校を核にして大人の新しい公共をつくっていくということの必要性は常に感じます。だから、これはほんとうにしっかりやってもらわないと困るという。
 もう一つ、学校支援というよりも、これから高齢者がものすごく増えて、地域で暮らす割合がどんどん増える社会になってきたときに、高齢者だけではなくて、子どもや高齢者が移動しないで、そこで生きて、そこでかかわって、自分たちの生きがいをつくっていくという、非常にそういう大切な社会になっていくときに、コミュニティが非常に希薄化しているという大きな問題も、地域の問題もありますよね。ほんとうは学校支援ということと地域支援ということを2つ合わせて取り組まないと、この事業というのは多分成功しないだろうと。教育委員会だけでやっても、なかなか広がらない。リーダーシップも必要ですけれども、地域の理解なしにこれはうまくいかないので、その辺の学校・地域支援本部という、「学校支援地域本部」ではなくて、「学校・地域支援本部」みたいな形の発想と方向性に持っていくということが必要なんだと思うんですが、その辺はどうお考えですか。

【説明者】

 まさにご指摘のとおりだと思います。先ほどの船曳委員のことにもかかわるのですが、やはり教育委員会のほう、あるいは国のほうから、こういうのをやってくださいということで、いわゆる上意下達型のものでやってもこういうものは長続きしないというのは、これはもう長年の我々の経験でもよくわかっていることですので、いかに地域の皆様の自発的なところをきっかけに、そこに国のほうなり自治体のほうで支援していくというような形をとることが必要、そういう形で広げていくというのが必要だと思います。そういうプロセスを経るために、ある程度時間がかかるとか、そういうことは、私はある程度やむを得ないことではないかと思っております。
 それで、そこの地域づくりということにつながる、そこがやっぱり学校支援という面と地域づくりという面と、おそらくこの事業はやはり両面持っていなければならないと思っていまして、そういう意味では、最初に151ページの上のポンチ絵がありますように、例えば、地域教育協議会のように、まずは学校関係者、地域の関係者が一堂に会して、どういう学校にどういう活動が必要なのかというようなことを、やはり最初の段階でよく議論をしていただいて、その上で企画をし実施に移していくという、そういうプロセスが大事だと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 大宮先生。

【大宮】

 もう一言。
 委託から補助になって、この実施能率がやっぱりちょっと心配ですよね。これだけ大事なもので、これがうまくいくかいかないかで随分違ってくるというものに対しての担保というか、こんな工夫をしてきちっとやっていくという、その方向性みたいなものは、今のところはどうですか。

【伊藤コーディネーター】

 今、これだけいい取組だという中での執行率が低い理由とあわせてお願いします。

【説明者】

 予算上の、確かに執行率、特に20年度は低かったわけですが、これは積算上の問題が一番大きいです。例えば、コーディネーターに要する経費ですとか、それから消耗品費ですとかいったようなものに対して、一言で申し上げれば、我々が当初見込んでいた予算よりも安い額でも一応本部としてはやっていくことができるというようなところが多かったために、結果として執行率が下がったというのが20年度の実態でございます。
 それから、今後の補助事業に向けてということですが、補助となりますと、当然、都道府県なり市町村にもご負担いただくということで、そこのところがなかなか苦しいという自治体も多いわけですけれども、これについては、国として、この事業の必要性というのを訴えていくのはもちろんなんですが、それとあわせて、やはり地域本部の現場でご活躍されている皆様とも連携しながら、私たちとしては普及に努めてまいりたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 赤田さん。

【赤田】

 大変ご苦労さまでございます。
 学校が忙しい、先生が忙しい、子どもが多様化している、地域の教育力が低下している、そして、保護者がどうしようもないという状況で。であれば、それで地域支援本部というものを立ち上げてというように私は聞こえるんですけれども、これを立ち上げて、じゃ、ずっと学校がある限り、それを支援される、補助をされていかれるわけですか。その点がまず1点。
 それから、47都道府県中、18県市がやっていないんですが、今後、それはどのようにされて、それは地域によって、それぞれの地域性があると思うんですが、全国一律に同じような形で、いろんな検討する余地はあるにしても、同じようにやっていかなければいけないという、その2点をお聞かせいただければありがたいと思います。

【説明者】

 まず、補助事業をずっと継続するのかということについては、先ほども少し触れましたが、例えば、NPO法人という形で学校に対する支援というものを継続的にやっていく、それが、そのNPO自体が自立することで、国の補助がなくてもやっていけるというようなやり方も考えられますし、それから、自治体のほうで、もう国の補助なしで単独でもやっていきますという、実際にそういうことで活動しているところもありますので、そういう形で続けていくということが考えられると思います。これも、いつまでも補助をずっと続けていくという性質のものではないと、私どもは認識しております。
 それから、未設置の市町村に対する働きかけ、これはやはりなぜ設置できないのかというような地域ごとの実情を見ながら対応する必要があると思っていまして、おっしゃるように、全国一律に同じようなものをつくってくれというつもりはなくて、先ほどPTAというお話もありましたが、PTAだって、なかなか役員が決まらないというところばかりではなくて、今でも活発なところがたくさんあります。ですから、PTAがそういう学校支援の核になってやっていくところがあれば、それはそれで、私どもは1つのやり方だと思っております。

【赤田】

 関連で。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【赤田】

 ありがとうございます。
 ということは、ある程度そういう道筋をつけるまでは、しっかりと国の責任としておやりになるということでよろしいでしょうか。

【説明者】

 そのとおりです。

【赤田】

 ありがとうございました。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん。

【市川】

 お話を伺っていると、これ、そもそも藤原校長だからうまくいった話だというふうに聞こえるというか、そういうことで、つまり、ボトムアップでやっていくからうまくいく話なんじゃないかと思うんですね。これを、こういった形で地域のコミュニティを立ち上げていくというのは非常に重要なことである一方において、実はものすごく難しいことであって、それはたまたまある中学校に非常に優秀でやる気のある校長先生がおられて、その方が頑張ったとか、たまたまその市の市長さんがものすごくやる気で、そういったことをやったとかいうようなことで立ち上がってくることのように聞こえるんですね。
 それを国として支援していくというのは、お話を聞いていると、実は非常に……。例えば、実際に採用されていないところがいっぱいあるというお話に対して、どういうふうなことをされるんですかというご質問に対して、具体的なところというのは、それは説得をしてとかいう。実際、なぜやらないかというと、多分、地方財政の問題を抱えているということと、それから、その地域その地域自身にそういったインフラがない、人もいないということのような感じがするんですけど、もう少し具体的に、一体何をやっていくのかということについてお答えをいただくことはできないでしょうか。

【説明者】

 この地域本部事業というのは、つまり、だれかそういう傑出した校長がいるから、あるいは傑出したコーディネーターがいるからできるということでは、おっしゃるとおり、長続きしない。それは、普通の人たちが、あるいは普通の校長とやっていってもある程度持続していけるというような形でないと、これは続かないだろうと。
 そういう意味での1つのキーとしては、日常的に学校と地域の人たちが集まるような組織をまずはつくっておくというのが1つのやり方でしょうし、それから、特に未設置のところに対してどうするかということについては、財政的なことに対しては、やはりそれに対して、お金が問題であるのであれば、そこに国が引き続き支援していくということを考えなければいけないでしょうし、それから、コーディネーターのようななり手がなかなかいないということであれば、例えば、しっかりやっているところのコーディネーターに行っていただいて、いろいろアドバイスをしていただくとか、あるいは研修をしていくとか、そういうことを具体的に考えて……。

【市川】

 正直に言って、これはもう文部科学省の事業の範囲を超えているんじゃないんですかね。確かに、中核として皆さんが一番わかりやすいところとして、地域の学校があります。これを核にしてということかもしれない。それは非常にいいと思うんですけど。ただ、それはあくまでプラットフォームが学校なのであって、実は、自治体とかということになってくれば、じゃ、総務省とどう連携していくかとか、そういうところにつながっていかないと、文部科学省の予算だけでこれを広げていくというのは、もう限界のような気がするんですね。それはどうですか。実際、そういった取組をこれまで、例えば、総務省と何らかの連携をしてこられたのかどうか。総務省だけではなくて、これはもうほんとうに内閣府の問題かもしれないですし、されてきたのかということと、それと、そういったことを今後していかれるつもりがあるのかという、その2点です。

【説明者】

 総務省の連携ということで申し上げれば、まず、補助事業に対して都道府県や市町村が負担する分、これについては地方交付税で措置していただいているという、そういう意味での総務省との連携というのは今まで図られておりますが、おっしゃるように、それをまちづくりにまで発展させていくということに関しては、もちろん、私どもでもノウハウも足りないとこがありますので、そこは、そういうソフト面でのより連携なりお知恵をおかりするという場面は、当然出てくると思います。

【伊藤コーディネーター】

 土居さん。

【土居】

 平成23年度以降のことについては、これまでに何人かの評価者の方からの話を総合すると、ほんとうに国としての補助事業でやっていくべきなのかどうなのかということが1つの論点になろうと思うんです。特に今の段階で、例えば、平成22年では、もちろん、委託事業があるからではあるんだけれども、第1次募集で195本部にしか補助をしないということになっている。さらには、152ページにあるように、別に必ずしもすべての県で地域本部ができているというわけでもないということだと。
 極端に言えば、委託事業がなくなって、全額国庫補助ということにはならないけれども、3分の1補助で、薄く広くまけば、影響力もまた薄く広く及ぶんじゃないかというふうなやり方では、さすがに単純にこれをそのまま継続してよろしいというわけにはいかないと。つまり、全額補助で委託事業でやっていると、そうすると限られたところにしか支援ができないけれども、3分の1補助だと、仮に予算が3分の2になっても倍出せるとか、そういうようなことになりはせんかと。
 そこで、お伺いしたいのは、一応この153ページの仕組みで、平成23年度はそうされるかどうかはまだお伺いしていないので、そこはお伺いしたいんですが、平成22年度までの補助事業のやり方だと、要は、都道府県を経由していた。政令市、中核市以外のところであれば、都道府県を経由してやっている。そのときに、さっき私がお伺いしたように、県レベルの教育委員会が、国からもらった額をすべては市町村の実行委員会には回さないというようなことが、この補助事業のところでも起こっているのか、単にほんとうに3分の1補助ということであれば、それがそっくりそのまま市町村に渡っているということだと理解してよろしいんでしょうか。

【説明者】

 やり方としては、基本的なお金の流れとしては、補助の場合も委託の場合も変わるものではないということです。

【土居】

 変わるものではないということは、ちょっと言い方は悪いけれども、県レベルで一部抜いて、それで市町村に回すという意味では変わらないということですか。

【説明者】

 補助の場合は、国が3分の1補助という形になるわけでございますけれども、これは今の委託費と同様に、本部事業全体の経費を積算いたしまして、対象になったもののうち3分の1を国が補助するというふうなことでございますので、事業の内容につきましては、委託事業も補助事業も変わらないということでございますので、仮に補助事業になった場合であっても、今、委託事業は、県において県レベルの実行委員会という経費を執行して、また、あるいは一部の県市の部分を執行しているわけでございますけれども、同様の部分を県が行うということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 多分、委託事業の場合は、県でやっている研修であったり何なりというのは、ある意味お願いをしますよね。委託でやるから。補助金になった場合は、なくてもいいという形かどうかのご質問だと思うんですが。

【説明者】

 それは必ずしもなくても構わないわけですが。

【土居】

 わかりました。
 もう1点だけ。そうすると、補助事業にしたときに、どれぐらい効果が上がるのかと。つまり、委託事業だと、当然、全額補助していますから、相当な関与を持って、国が適正にやってほしいということを強く言えるということはあるわけですが、3分の1しか出していない。もちろん、ある程度、3分の1補助であるから、国の関与は当然あるんだけれども、じゃ、それが今までどおりに、委託事業のように国がこういうふうにやってくださいということを、その意図を伝えられる、補助事業でも同様に、委託事業でやっていると同じぐらいの影響力で、御省が各地域本部にそれなりの意図を伝達するというようなことはできるとお考えでしょうか。それとも、補助事業になったら何らかの変化があるということなんでしょうか。

【説明者】

 事業の趣旨としては、委託事業の3年間の間で、私どもとしては自治体、都道府県、市町村に対して十分伝わると思っておりますので、そういう意味では、補助事業になれば、当然、その分、県なり市町村なりが負担するわけですから、その分に応じた県なり市町村なりの自主性が発揮されるものと期待しております。

【土居】

 すいません、最後に1点だけ。
 そうすると、確かに、先ほど官房長からの指摘で、論点シート、156ページで、執行率が低かった、それを平成21年度には上げたということなんですけど、確かにこれは委託事業なので、そもそも根っこが何もないところに、新たに地域本部をつくるという、立ち上げという意味で、多少促すということは必要なんだけれども、今度、補助事業になれば、補助はもう要らない、自分たちでやっていけるから別に補助は要らないよという地域が出てくれば、それを無理無理、予算を消化させるがごとく、いやいや、そうは言わずに補助を応募してくださいよというふうなことはなさらないということだと理解していいわけですか。

【説明者】

 そのとおりです。

【伊藤コーディネーター】

 多分、今まで出ている、何で増えてこないのかというところで、実際は普及拡大のために毎年3,000万円使っていたわけですね。調査研究されていますよね。そこでちょっと市川さんに。

【市川】

 まず、今、伊藤さんがおっしゃったように、論点が変わるんですけれども、これ、148ページ目を拝見していると、一番上の文部科学省からの19億4,200万円の流れの中に2つの流れがあって、今までは左側のほうの流れの議論をしていたわけですが、ちょっと右側についてお伺いしたいんですけれども、調査研究の実施ということで、2,900万円を3団体に支出しておられるんですが、これはそれぞれ、手短で結構ですから、何をしておられるのかということをお伺いしてもよろしいでしょうか。

【説明者】

 三菱総研に対しては、事業の成果の検証ということで報告書を出していただきました。それから、u-school推進コンソーシアム及びキャリアリンクにつきましては、普及啓発のための資料を作成していただいたということです。

【市川】

 それでは、三菱総研に対して、成果の検証を1,300万円かけて依頼をされたということですが、これが具体的な事業にどのように役立てられているかということについて、ちょっと教えていただいてもよろしいですか。

【説明者】

 これは実は普及資料のほうもそうなんですけれども、21年度に委託して、それで、つい最近、どちらもでき上がったばかりという状況ですので、これから活用していくということになります。

【市川】

 実はこれ、私、いただいておりまして、一通り目を通させていただいたんですが、実はこういった事業の一番悪いところを見てしまったような気がするんですね。つまり、何か形をまとめないといけないということで、こういったシンクタンクに依頼をされて、マテリアルをつくる。だけど、実際、中を見ると、今、皆さんがどうして問題があるんですかという質問に対してお答えになった以上のことは、ここには書いてないんですよ。書いてない。それ以上のものがないということを検証されたということにおいては、1,300万円の意味はあったのかもしれないんですけど、それ以上のものにはなっていないんですね。
 先ほどご説明の中に、学校や地域でそれぞれ実情に応じた問題があってというような流れの中で、こういったものにお金を使って何かをまとめることに果たしてほんとうに意味があるのかという、そこのところを考えれば、そろそろこの手のものをシンクタンクに依頼をされるのはおやめになられて、むしろ、問題点があるところについては、文科省及び内閣府、総務省で議論をされ、自治体の意見を聞かれて、ご自分たちの中できちっと対策をまとめていかれるべき段階に来ているのではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。

【説明者】

 貴重なご意見だと思います。そういう方向で検討する必要もあると思います。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートにご記入をお願いいたします。
 赤田さん、どうぞ。

【赤田】

 152ページなんですけれども、学校支援地域本部設置状況なんですが、長崎県の設置状況と鳥取県の設置状況のところを、もしおわかりであれば、ちょっと聞かせていただければありがたいと思います。長崎県が435本部数ありまして、鳥取県は5本部数になっているんですが、どのような形でこのようになっているのかというところをちょっとお聞かせ願えればありがたいんですが。

【説明者】

 鳥取県につきましては、1市町村ごとに1本部をつくったということです。それから、長崎県の場合は、さらに、それよりももっと細かく、中学校区ごととか、そういう形で、1つの市町村の中に複数の本部をつくったということです。
 ですので、実際にこの本部がカバーしている小中学校の割合ということで見ますと、鳥取県の場合は全体の12%の学校をカバーしている、それから、長崎の場合は約80%の学校をカバーしている、それがこの本部数の違いにあらわれていると思います。

【赤田】

 ありがとうございます。
 もう1点なんですが、自立して、国からの委託とかはなくてやってこられているところもあるというふうに伺いましたが、そこの県はどちらになるんでしょうか。

【説明者】

 例えば、群馬県は、4市町村で本部数が8となっておりますけれども、それ以外の大半の市町村は単独事業でやっております。

【赤田】

 ありがとうございます。

【伊藤コーディネーター】

 今のこの数字に載っていない部分で、独自にやられているものがありますよということですか。

【説明者】

 はい、そうです。

【伊藤コーディネーター】

 藤原先生、どうぞ。

【藤原】

 幾つかの質問に、私のほうが詳しいので、答えたほうがいいかもしれないので。
 まず、先ほどの市川さんの、和田中だけが、僕がやったから先進例としてできたんじゃないかという。このせりふは、さぼり屋の校長がよく使うせりふなんですよ。そうやって、自分のところができない理由をつくるんですね。でも、実際、今どうなっているかと言いますと、京都では、京都の教育長、市長をやりました門川さんが、全校をコミュニティスクール化するということで、下京中学校が典型的ですが、和田中を超えるぐらい、例えば、地域の方々に図書室を全部運用を委託しているとか、そういう形、あるいは、大学生がものすごい勢いで入ってきているとか、同じことがもう既に起こっています。京都市の全域で起こっています。
 それから、大阪についても、大阪市がちょっと取組は遅かったんですが、大阪市、堺市、政令市以外には全部入っていまして、とりわけ池田市池田中では、先ほどちょっと山岸さんに言いましたけれども、その活動が3年して、今年NPOになっていますね。そういう活動が起こっていますし、大阪にも広がっています。それから、大阪市は、遅ればせながら、全中学校に何とコーディネーターを配置するんですね。それを決めました。このコーディネーターをどこに配置するかがすごいんですが、職員室に入れちゃうんですよ、1人ずつ。これは多分効果が出ると思います。そういう。
 あるいは、仙台でも、諏訪でも、杉並区も、すべての小学校、中学校区に全部地域本部ができます。今年中にですね。というようなわけで、もう既にそういう状況に今なっているんです。
 一応PTAとの違いなんですが、小学校については、もうこれは赤田さんがよくご存じだと思うんですが、PTAやPTAのおやじの会のほうがこういう補完的な機能を果たせる可能性があります。ですが、中学校だと、中学生って、あんまり親がうようよ入ってくるのを嫌いますので、逆に、息子や娘の学校にいない人たちがボランティアで入ってくる。おじいちゃんだったり、おばあちゃんだったり、団塊の世代のおじちゃんだったり、おばちゃんだったり、あるいは、大学生のお兄ちゃん、お姉ちゃん、これが非常にいいんですね。彼らの精神衛生上もいいんですん。斜めの関係というふうに僕が言う関係が非常に保たれて。そういうことです。
 それから、資金については、基本的には足りません。例えば、今の杉並区でさえも、どんどん盛んになってきているんだけれども、杉並区が出すボランティアへの報償費が減ってしまっています。使えなくなっているので、これは、この3年ぐらいは少なくとも頑張って、この予算を増やしていただくぐらいの感じでですね。要するに、各校長が地域本部で払うボランティアの報償費、もうとにかく1日いても交通費の1,000円とか2,000円ぐらいのものです。保険を含めまして。そういう細かい有償ボランティアというのを増やしていくというようなことが必要なんですね。これをどんどん地域の人たちがやれば、その地域の人たちの市民としての意識も高まりますし、何より新しい公共というのはそういうものなんじゃないかなと思うんです。
 新しい公共という場をどこを核につくるかというのが、おそらく今回の政府の主たるテーマにもなるでしょうが、じゃ、今さら神社を核につくりますか。無理じゃないでしょうか。商店街ですか。これも厳しいんじゃないでしょうか。あるいは、自治会ですか。町会ですか。これも、町会長とか自治会長はもう70代、80代と非常に高齢化していまして、非常に難しいです。だから、私は、学校を核にして、小中学校を核にして、そこを核に地域社会を再編する、再興するのが一番じゃないかというふうに思っているわけです。そこにどんな校長を送り込むかということがものすごい課題になるわけです。
 そこに関連して、最後に、なぜ執行率が低いか、3つの理由を申し上げます。
 1つ、最初、委託事業で始まったときには、この予算が非常に使いにくかったんです。例えば、県に協議会をつくりなさい、市町村に協議会をつくりなさいと、まず会議をやれというわけですね。その会議費みたいなものになっちゃって。それから、まずパソコン買いなさいみたいな話があって、そういうふうに使途が非常に限られていまして、細かいボランティアを1,000人、2,000人使う、そのときの報償費として1,000円とか2,000円の交通費程度を出すというようなことがなかなかできなかったんです。この使途が限られていたことが非常に大きいです。私は、使途を限らず、細かい有償ボランティアにどんどん払えるようにするということが非常に大事で、日本にはやっぱり有償ボランティアということをもっと考え方として増やす必要があるんじゃないかなと思います。
 2つ目は、これ、立ち上げが生涯学習局であったことは、非常によかったと思います。社会とともにやるんだと。社会教育主事とともに指導主事がやるんだということで、立ち上げが生涯学習局であったことはよかったことなんですが、ここからやっぱり初中局が乗り出して、校長の責任にしていかないと、だれが責任を取るのかわからない感じになっちゃうので、そのように部局替えが必要なのではないか。あるいは、初中局と生涯学習局がもっと混じることが必要ではないかなと思います。
 最後ですが、だれが結局この予算を使って、だれが責任を持つのかということが、結局は最後、大事なんですね。うまくいっている地域本部といっていない地域本部は、もうはっきりしています。校長のマインドが開いているか開いていないかです。校長がマネジメントができるかできないかです。先ほど普通の校長でも地域本部ができるようにとおっしゃいましたが、私はちょっとそこは不満でして、今、1万校ある中学校の校長1万人のうち、非常にはっきり申し上げて、7,000人ぐらいがマネジメントをしておりません。管理はやっているんですが、マネジメントという創造的な行為をしていないし、地域社会を再編したり、地域社会の人たち、そこにある教育資源をすべて、学生だろうと、塾の講師だろうと、あるいは退役して戻ってきた人のうち、昔、例えばベネッセで進研ゼミの採点をやっていたなんていう人はいるんですね。そういう人を何とか、頭を下げても学校に連れてくるというマインドの、そういうある意味では営業マインドのある校長というのは、ほんとうに少ないです。これを増やしていかなきゃだめですよ。
 これを増やしていくためには、補助金の在り方も、例えば、自治体が勇気を出して公募して、そういう営業マインドのある、地域社会を再編できるような、そういう民間人校長が登場したら、そこに優先的に予算を配分するぐらいの、それぐらいの覚悟が必要ではないかなと思います。つまり、日本の学校の鎖国を解くという、その鎖国を解くための、これは公共投資だと私は考えるべきだと思います。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 コメントシートまだの方がいらっしゃいましたら、提出をお願いします。
 ご意見、もしございましたら、いかがでしょうか。山岸さん、どうぞ。

【山岸】

 ここで言うことかどうかわからないですが、NPOが教育界と組もうとするとき、一番壁になるのは教育委員会と学校なんですね。まず門戸を開かない。頼んでくることはするんだけれども、我々が組もうと言って、オーケーして握手ということはまずあり得ないぐらいの状態なんですね。どういう神経かといつも思っているんですが、その辺の意識改革なりあれがないと、今後の住民なり市民なり、NPOと一緒にやる開かれた形の教育ってなかなかできないんじゃないかと思うので、その辺のところを根本的に解決していけるといいと思っているんですが。

【説明者】

 よろしいでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【説明者】

 先ほどは事業の継続性という観点からお話をしましたので、普通の校長でもというような言い方をしましたが、校長のマネジメント能力全体を上げていくべきという点は、もう藤原委員がおっしゃるとおりだと思っておりまして、そういう面では、初中局との連携をさらに深めていきたいと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告をいたします。
 学校支援地域本部事業につきまして、見直しの余地なしという方はいらっしゃいません。要改善が6名、廃止が2名です。要改善の中で一番多いのは内容の見直し、その次が実施主体の見直し、続いて予算執行の見直しというふうになります。
 それでは、官房長、お願いいたします。

【山中大臣官房長】

 この学校支援地域本部事業でございますけれども、2つありまして、2つというのは、今回対象にしているのは委託事業として、丸抱えで全部持っているという部分でございます。これと、もう一つ走っているのは、これは名前は同じといいますか、実質やっていることは同じですけれども、補助事業として、市町村に対して、県と市町村のほうから補助している、国も3分の1補助している、こういう事業で、この2つがやっていて、今回対象にしたのは、学校支援地域本部事業の、委託で全部丸抱えでやっているほうの事業ですけれども、この委託事業という形については、一応廃止という形にして、今後、今までございましたように、地域主体の取組をしっかりと支援していく。その地域から上がってくるのを国でもとらまえて、それをしっかりと質・量とも充実した形で支援を図っていく。そういう形で改善していこうということでまとめさせていただけたらと思います。
 学校支援地域本部の推進、これが1つのモデルを示してやっていくということはあるんですけれども、そこのところも前提に、今までの事業を前提にしながら、国が丸抱えの委託ということから、地域がそれに取り組むべきことを国としてもしっかりと支援していくという形での補助事業としていく。この場合、その補助事業について、何人かの方からもございましたように、マネジメント能力の高い校長、これがしっかりと迎えられて、しかも、そういうところにしっかりと助成していく。それによって、この学校支援地域本部というものが、形だけでなく、しっかりしたものになっていくというふうに工夫をすべきというところがございました。また、総務省とか他省庁との連携というものもしっかり図るべきである。また、調査研究という事業がございましたけれども、これはシンクタンクに委託というより、その辺の必要性とか有効性、この辺はしっかりと見直していくということ。それから、教育委員会主導の上からの普及ということではなくて、地域の力を引き出して、広がるような工夫・取組というものを重視していくという形にしていこうということでございます。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 以上をもちまして、学校支援地域本部の事業につきまして、議論を終了いたします。ありがとうございました。
 それでは、少し休憩をします。40分から再開とさせていただきます。

( 休憩 )

【伊藤コーディネーター】

 事業レビューの最後の事業になります。事業番号12番です。生涯学習フェスティバルにつきまして、まずは官房長から、選定の背景をお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 生涯学習フェスティバルの事業ですが、これは平成元年の事業開始ということですので、20年以上経過しているということで、長期的、継続的に取り組んでいる事業ということで、その必要性、今の目から見た見直しという点について、議論していただければと思います。

【伊藤コーディネーター】

 では、ご説明をお願いいたします。

【説明者】

 お手元の資料の160ページをお開きいただければと思います。
 生涯学習フェスティバルでございますが、平成元年から実施しているものでございます。生涯学習に係る活動を実践する場を全国的な規模で提供するということでございまして、生涯学習におけます唯一の全国的、総合的な実践発表の場でございます。また、地域間の交流の場、ネットワーク形成の場でもあるわけでございます。これによりまして、生涯学習への意欲を高める。そして、学習活動への参加を促進するということを趣旨、目的とするものでございます。
 事業の内容でございますが、開会式、閉会式、あるいは全国の市町村の団体、企業等による展示、体験教室、あるいは成果発表等で構成されているものでございます。
 開会式には、毎年、秋篠宮同妃両殿下がご臨席いただいているところでございます。
 昨年、第21回目が埼玉であったわけでございますが、入場者数が224万人ということで、過去最大でございます。そういう意味では動員力といいますか、人気、ニーズがあるものでございます。
 また、平成22年、高知が今年でございまして、平成23年、岩手までの開催が決まっているものでございます。準備の期間を2年から3年かけておりますので、平成23年度以降につきましても、現在、希望しておられる県といろいろとご相談をさせていただいているところでございます。
 開催効果でございますが、160ページ、埼玉県、昨年の例でございます。224万人の参加があったわけでございますが、アンケートに見られますように、生涯学習を身近に感じ、成果発表や体験活動を通じ、実際に自ら取り組むための動機付けになったということが言えるのではないかと思っております。
 また、参加団体にとっても、さまざまな交流等が促進されておるわけでございます。
 161ページでございます。これは平成19年度の岡山の例でございます。生涯学習フェスティバルの開会の前後でどのような効果があったかということでございます。前後で見ましても、例えば、生涯学習のネットワーク、ボランティア活動の活性化、生涯学習講座への参加者数、あるいは公民館における地域活動の事業数等につきましては増加が見られておるわけでございます。開催の前後で活性化が見られておるという状況が伺えるわけでございます。
 また、161ページの下でございます。広域的な効果の例ということで挙げさせていただいております。平成12年度に行いました三重県の例でございます。その周辺県の状況として、講座、あるいは講座への参加者数がどのような状況かということでございますが、いずれも全国的な伸びを上回っている様子が伺えるわけでございます。
 また、参加団体等の聞き取りの結果といたしましても、特に全国団体とそれぞれの各県の間でのネットワークが強化されるなどの効果が伺えるわけでございます。
 次のページ、162ページの上でございます。かといっても、それで十分だったのかどうかということでございますが、実をいうと、私ども、昨年、平成21年度に、21回たちまして、それなりの効果が上がってきたのかどうか、あるいは見直すべきところがないのかどうかの検証を行ったわけでございます。ここにございますように、延べ1,690万人の参加が見られます。また、生涯学習の認知度も80%に達するなど、生涯学習を認識し、理解し、活動のきっかけ、動機付けになるという面におきましては、成果があるのではないかと考えております。
 ただし、生涯学習というのは本来、学習活動と学習の成果を生かすことがともに実現されるべきものでございます。それが単に、趣味・教養にとどまらず、社会貢献、あるいは職業にもつながっていくということが重要なわけでございますが、その点につきましては、教育基本法の第3条におきましても、「学習の成果を適切に生かすことができる社会の実現」ということで規定されておるわけでございます。しかしながら、実際はどうかという国民的な調査をいたしますと、生涯学習の成果を生かしている割合が17%ということで、依然として低いという状況があるわけでございます。
 また、認識度を上げるということ等のために、ややもすれば、祭典的な傾向が強くなっていたのではないだろうか。祭典化することによって規模が拡大しがちになることによって、開催県の負担が大きいのではないかという反省がございました。そのようなことを踏まえまして、平成22年度、今年の高知大会からでございますが、生涯学習活動を通じて、社会的活動の解決を図るような取り組みを推進する場として位置づけるべきではないだろうか。また、継続性を重視するべきではないだろうか。県内外の人的ネットワーク形成の視点が不十分だったものに、そのような仕掛けというものをインプットしていくべきではないかというような問題意識のもとで見直すこととしたわけでございます。
 新しい公共が重要と言われているわけでございますが、教育は新しい公共の主要な分野の一つでございますが、ほかの分野におきましても学習活動が基盤となりながら、そういうものが達成されていくべきなのだろうと考えております。そのようなものとして、生涯学習フェスティバルを活用していきたいと考えているわけでございます。
 地方自治体の段階での生涯学習フェスティバル等でさまざまな知恵、経験、手法が見られているわけでございます。そのような情報を共有し、集約し、深め、新たなものを生み出す。分野や地域を超えて実現していくための仕掛けとして、見直しをしていこうということでやっているわけでございます。
 162ページの下段でございますが、そのようなことから、従来、やや規模が大きくなったものを全体として見直し、期間につきましても5日間から3日間ということでコンパクトにする。また、開会式、閉会式は祭典化しているということもございましたので、簡素化していこうと。一方、フォーラムやパネルディスカッションを地域課題の解決に向けた取組として、新たなものとして仕組んでいこうということで見直しを行ったものでございます。
 163ページ以降が高知の取組の事例でございます。高知では4つのフォーラムをやりまして、解決のための継続的な取組として、フォーラムの開催だけでございませんで、事前の取組、事後の取組も重視しながら取り組んでいこうと。また、その際には、全国から参加するNPO、企業、行政、教育関係団体等がフォーラムの成果をベンチマークに各地で取組が推進できるような形でやっていこうという形で見直しをしたものでございます。
 また、高知では新しい形でのフェスティバルということで実施いたしますので、やはり検証もきちんとやっていくべきだろうということで、高知大会の効果については外部有識者による検証委員会を設けて検証し、必要な見直しについては継続的に行っていきたいと考えております。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、官房長より論点のご説明をお願いいたします。

【山中大臣官房長】

 論点は164ページでございます。事業の必要性ということで、平成元年からの20年以上の事業ということで、生涯学習等が普及していくという意味においての国がやる意義が達成されたのではないかというのが一つ、大きなポイントだと思っております。
 また、有効性という点では、こういう生涯学習の普及・啓発・振興という目的について、フェスティバルという形のものが有効なのかどうか。現時点で入場者数は昨年の埼玉は非常に多いんですけれども、そういう点での見直しはどうだろうかと。毎年、県を回っていくんですが、これはどこまでこうやるのか。全国を1回回ればいいのか。そこが目的になっているような感じですが、その辺の有効性でございます。
 最後に、決定プロセスで無理やりお願してやっているのではないだろうか、過度な負担を求めているのではないだろうかという点でございます。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、ご質問をお願いいたします。

【市川】

 162ページを見ながら何点かお伺いします。
 まず、生涯学習が何なのかというのは非常にわかりにくいので、これは定義しにくいと思うのですが、「見直し状況1.」に「課題」があり、これに「生涯学習の成果を地域や社会での活動に生かしている割合は17%と低い」と。これの定義は一体何なんですか。これはアンケート調査か何かをやられて、その中で、「いや、私は生かしています」と言った方が17%という意味ですか。

【説明者】

 ※印でございますが、これは内閣府で平成20年度に行いました「生涯学習に関する世論調査」で、これで生かしているか、生かしていないか等々を聞きまして、生かしているという割合が17%ということで低かったということでございます。

【市川】

 要は、17%というのは何が何に対して17%なのかがよくわからないのです。加えて、成果のところに、国民の生涯学習の認識度が80%に達する これも※印で生涯学習に関する世論調査ということになっていますが ということをこのフェスティバルの成果の一つとして挙げておられるわけですけれども、どうしてこのフェスティバルの成果が生涯学習の認識度の80%に貢献しているとおっしゃれるのでしょうか。

【説明者】

 おっしゃられるとおり、このフェスティバルのみで達成された数字ではないと思っております。最初の段階では認識度が低かったわけでございますので、生涯学習フェスティバルも含めたさまざまな施策、市民、国民の方々のいろいろな状況、あるいはマスコミの報道もあるかもしれません。さまざまなものの中で達成されたものだと思います。その中で、生涯学習フェスティバルというものの役割を果たしているということで認識しております。

【市川】

 何でそんなことをあえてお伺いしたかというと、埼玉の例は少し派手だった、華美だったというご認識で、高知では見直されるということだと思うのですが、今、埼玉で一体何をやられているのかというので、メーンのけやきひろば野外ステージの出演スケジュールを見ながらお話しさせていただきます。例えば、東京ディズニーリゾート「魔法の教室」、埼玉YOSAKOIフェスティバル、ゆる玉応援団、大正琴・星照りの会、さいたま新都心バリアフリーまちづくりボランティア、あと、これは何をやっているのか知りませんけれども、NTTドコモ。おおよそ、ほとんどのものが、私の常識が世間とずれているのかもしれませんけれども、世の中の常識としてのいわゆる生涯学習とはかけ離れたところにあり、これに国費が1億円投じられている。そして、224万人集まって、それが生涯学習の認識度……、これは平成20年のあれですからここには入っていないのかもしれませんけれども、認識度が80%へ上がっているのが成果であると。多分、今まで繰り返されてきたことというのは、こういうレジャー的な要素があるんだと思うんです。もちろん、人を集めるためにレジャー的な要素を入れられるということは、それはそれで、考えようによってはあるんですけれども、あまりにも今の日本の置かれているいろいろな状況、社会的成熟度、逆の意味での財政の問題とかを考えていくと、結論的なことを言ってはいけないのですが、そろそろこういったフェスティバル的なものは考え直す段階に来ているのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。

【説明者】

 市川さんからいただきましたように、埼玉の段階ではそのような事業に対しては国費は投入されていないということでございます。基本的にいうと、そのようなそれぞれの団体が行う事業につきましては、それぞれの団体、あるいは企業の方にお金を出していただきながらやっていくのが基本でございます。

【市川】

 でも、会場の設営とか全体としての、実際に出し物を出している方はそれぞれ持ち出しで来られて、手弁当で来られていると思うのですが、実際の会場の設営、広告には国費と埼玉県のお金が入っているわけですよね、そこも入っていないのですか。

【説明者】

 埼玉の段階では国費は出しておりませんが、埼玉県のお金は入っております。また、それ以外にも、ほんとうに多彩な催しといいますか、展示等も行っております。
 また、それぞれの、今挙げておられた企業に対しても、単に企業の宣伝をするというだけではございませんで、できるだけ生涯学習の趣旨に合うような形で……。

【市川】

 では、もう少し言います。屋内体験教室で体験というのは、お香づくり、折り紙、魚の帽子づくり、トランプとなっているんです。あと、「ステージに注目!」というところでは、オカリナ、少林寺、獅子舞、ストリートダンス、子どものステージ、これはもしかすると広い意味で生涯学習なのかもしれませんが、今おっしゃった意味はこれのことなんですか。

【土居】

 今の市川さんの話をもっと別の言い方で言うと、結局、何を目指しておられるのかがよくわからないわけです。つまり、生涯教育というのは、一つの側面としては、個人の生きがいを見出すためのものという可能性があるわけです。そうすると、まさに、市川さんが列挙されたようなことに親しむということも一つの生涯学習ということかもしれないけれども、162ページの市川さんが指摘された課題の生涯学習の成果を地域や社会での活動に生かしている割合は17%と低いと言ってしまうと、生涯教育というのは地域や社会での活動に生かすものだけに限定するのかというと、どうもそうでもなさそうだと。
 結局は、個人の生きがいを見出すためという話だったら、こういうアンケート結果は載せるべきではない。つまり、個人の生きがいであって、別に地域や社会にそれは直接貢献するものではないということであれば、このアンケート結果を示すこと自体、意味がないわけです。だけれども、そっちの面もあり、こっちの面もありということでアブハチ取らずというか……。結局のところ、何を目指してこのフェスティバルをやっているのかというところについては、いま一度、きちんとご説明をいただかないと、このまま、ぜひ、どうぞ、来年度以降もしていただけたらいいんじゃないでしょうかとはなかなか申し上げにくいところがあります。

【説明者】

 生涯学習でございますが、先ほど、市川委員から言われたものも含めて生涯学習の範囲内に入っていると思います。生涯学習の理念が教育基本法に書かれているわけでございますが、その中では、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会にあらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことができるような社会の実現という形で生涯学習の理念が言われているわけでございます。それを趣味や教養という形で生かすのも一つなのかもしれません。それだけでございませんで、それを社会貢献、人に対して貢献していく、あるいは職業に生かしていくというつながりも含めて生涯学習……。

【市川】

 いや、そんなことを言ってしまったら、何でもお金を出さなければいけなくなりますよ。むしろそれだったら、このお金を使ってボランティアの活動であるとか、そういったものを支援されるほうがよっぽど有効ですよね。もちろん、国が豊かで、個人の趣味による豊かな生活にまで国がある程度お金を出せるような、すばらしい財政状況であればいいんですけれども、そうじゃないわけですから、その中で、どう効率的に文部科学省予算を使わなければいけないかということを考えると、そろそろ見直しの段階に入っているのではないかと思います。

【説明者】

 おっしゃられるところは、私どもがどうして高知のときに見直したかというところにも共通するところがあるんだろうと思います。個人の趣味等だけのためでいいのかどうかということについて、私どもも考えております。
 高知の段階では、生涯学習を通じて社会的課題の解決にどう取り組んでいくのか、そのようなことを重点的にやるということで見直すということでございますので、私どもの生涯学習フェスティバルも、そういう方向に重点化をしているということでございます。

【船曳】

 昨年の埼玉が224万人集めて、埼玉県として50億円の経済効果があったと書いてある。ならば、埼玉県がご自分でやればいいじゃないかというのが素直な感想です。50億円の経済効果をもたらすようなフェスティバルは、いただいた別資料で、開会式と閉会式と体験広場の運用を実際に受託したのが電通と太陽テント。私はその専門だからすぐにわかるんですけれども、その内容を見ますと、使っている機材のグレードからいって、完全にフェスティバルです。いわゆる何か習い事、体験学習について、そこで真摯にフォーラムとか何かをやりましょうというのではなくて、まさにイベント機材がそこに投入されている。ですから、9,600万円もかかっているんです。その反省で高知でやるとおっしゃいますが、費用的には埼玉ほどの規模ではないにしても、開会式と閉会式のところの見積もりを見ましたら、それを同じく電通と太陽テントがとるかどうかは知りませんけれども、やはり同じような機材が並ぶのではないかなと予想しております。

【伊藤コーディネーター】

 最初の50億円の経済効果というところを答えていただけますか。

【説明者】

 50億の経済効果は、埼玉県の統計部局で試算したものでございます。例えば、都道府県単位で生涯学習フェスティバル的なものを行っている例がございます。大体のところは、都道府県の生涯学習のセンター、あるいは公民館等を中心にやっておるものでございますが、大体の動員といいますか、参加者が数千人規模から1万人規模ぐらいだろうと思っています。そういう意味では、普及効果というのが難しいんだろうと思います。

【伊藤コーディネーター】

 というよりも、県がこれだけの経済効果があるのであれば、国費を投入するのではなくて、県が独自でやったらいいのではないかというご質問です。

【説明者】

 この中にも書かせていただきましたけれども、お手元の資料の161ページの下段でございますが、「広域的な効果の例」ということで、当該県だけではございません。その周辺に、どちらかというと同心円的に広がるということになるかと思います。参加者はどうしても、県、あるいは近くの都道府県のほうが多いわけでございますので、そういう形で、県を超えた形で効果がある。また、今後、さらにネットワーク化を進めていこうということで考えておりますので、そのようなことから、県を超えた形での効果が見られますので、国としてもそれをやっていきたいと思っています。

【土居】

 逆の質問をさせていただきます。もし、御省がこのお金を出さなければ、生涯学習フェスティバルはなくなってしまうのですか。

【説明者】

 全国的な生涯学習フェスティバルはなくなるのではないかと思っています。

【土居】

 つまり、このお金がなくても実施主体、そういう関係団体に働きかけるということだけ、つまり、お金は投じないけれども、御省が何らかの形で協賛なり何なりのかかわりを持てば、フェスティバルは全国規模で維持できる。ただし、同じようには維持できないかもしれないけれども、少なくとも、お金をつぎ込まなければ直ちに消滅してしまうということではなくて、お金は使わないけれども、何らかの形でかかわれば維持できるということはないんですか。

【説明者】

 今のお話でありますと、例えば、各団体が集まりながら展示をするということについては、小規模であれば可能性はあるのかもしれませんが、そのような形でほんとうにやってくれるところがあるのか、ないのか、非常に難しいかもしれません。ただ、こういう形で、極めて多くの団体にお集まりいただきながら実施するということは困難ではないかと思っております。

【市川】

 さっきの船曳さんのご質問にちゃんとお答えになっていないと思うのです。そもそも50億円の経済効果があるということは、もうこれは啓蒙活動ではなくて、事実上、ビジネスですよね。さらに、それが県外に波及しているかもしれないから広域的にやるということかもしれませんが、埼玉県は埼玉県内の経済波及効果が50億円と言っているわけであって、もし、ほんとうに各県単位においてそれをやることによって、そんなに大きな経済効果があるのであれば、むしろそれは各県ないし、市町村になるのかどうかわかりませんけれども、その方たちがどんどんやっていかれることであり、何も国がそれに対して支援する必要はないというのが普通の考え方ではないかと思うのですが。

【説明者】

 多くの例がそうだと思いますけれども、国、市町村、都道府県、いろいろな企業の方々も含めてやって、これだけの規模があるからこそ、多くの参加者が見込まれるということなんだろうと思います。
 都道府県レベルでやっている例もございますけれども、数千、あるいは1万人ぐらいというのがほとんどでございますので、そのような形ではなかなか難しいのかなと思います。

【伊藤コーディネーター】

 ということは、この224万人という数字自体に疑問点はありますが、224万人が集まった理由というのは、国が9,500万円を出して、実際にやられているのは電通や、先ほど船曳さんがおっしゃったような機材ですが、それがあったからこそ、これだけの人数が集まったということになるんですか。

【市川】

 それともう一点いいですか。
 224万、225万人というのも、伊藤さんが言うように、数字がどうなのかというのはよくわからないのですが、今、県でやったら1万人しか集まらないとおっしゃいましたけれども、ほんとうのところ、生涯学習について、県や市が生涯学習に真剣に取り組んで集まった1万人と、東京ディズニーランドから「魔法の教室」がやってきて集まった何万人との間を単純に人数で比較することはできないですよね。もし、それを数で比較しようとするのであれば、それは生涯学習そのものを語ることにすら意味がないということになってきますよね。

【説明者】

 幾つかありますけれども、今、市川先生からお話しいただいたもので言いますと、ディズニーランドの件は取り上げられるわけでございますが、それだけでありませんで、例えば、地域の子供は地域総がかりで育てようという教育系大学からの発信とか、ほんとうに盛りだくさんの催しがあるわけでございます。その中の1つ、2つを取り上げていただいて、そういう面もあるというのは事実でございますけれども、さまざまな内容のものがなされているということで、参加者の方がそれぞれの興味、関心に応じながら、学習意欲を高めるために活用されているということでございます。
 それから、先ほど、船曳先生からいただきましたけれども、ちょっとイベント色が強いのではないかというのは、実を言うと、私どももそれを思っています。したがって、今回、イベント色の強過ぎるような開会式はいかがだろうかと。で、高知はそういうことではないような形でやろうということで、見直しを行ったものでございます。その辺は埼玉の段階でそうだったというご指摘については、私どももそのような要素があるのではないかと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 次、赤田さん。

【赤田】

 愚問なんですけれども、例えば、取りやめになった場合、平成23年度は岩手県で開催されることになっていますが、これをやめることについては可能なものなんですか。国ではもうやめましたとなったら、岩手県はどうなるんでしょうか。愚問なんですが、お教え願えれば……。

【説明者】

 岩手県は公式に県民に発表されておりまして、準備がかなり進んでおる段階だろうと思います。また、政府の中でといいますか、各府省の間でもいろいろな調整のもとで日程の設定がなされているという状況でございます。

【赤田】

 ということは既に進んで、大きな行事ですから準備されているということで認識しておりますけれども、埼玉県については非常に華美であったり、開会式、閉会式に問題があったりということで見直されたということは、見直しをしてまでもこれをやる意味があるということでお考えですか。

【説明者】

 今、ご指摘いただきましたように、埼玉県のときの反省に立ちながら、高知以降については、いま一度、趣旨、目的を明確にし、先ほどありましたように、単に集まって体験をするというだけではございませんで、生涯学習をどう生かし、それを社会的な課題の解決にどう結びつけていくのか、あるいはそれぞれのネットワークをどう形成していくのかということに重点を置きながら実施していく必要があるということで、そのような形で見直した上で実施していきたいということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 1つだけ。赤田さんの関連で。自治体、やる場所の確定のプロセスは都道府県から応募があり、その中から文科省の中で採択をして、今のところ、2年後である来年の平成23年度までは決まっているということでよろしいですか。

【説明者】

 そういうことでございます。

【伊藤コーディネーター】

 ちなみに、埼玉のときの応募数は何自治体ですか。

【説明者】

 埼玉県のときは埼玉だけだったように記憶しております。

【伊藤コーディネーター】

 平成22年、平成23年度の高知と岩手についてはいかがですか。

【説明者】

 その2つもそうです。基本的に、かなり大きな事業でございますし、県全体でやる事業でございますので、各都道府県の知事さんがいろいろな方とご相談しながら応募される例が多いと考えております。

【伊藤コーディネーター】

 もう1点だけ確認させてもらいます。これは都道府県側から希望があったんですね。

【説明者】

 そうです。

【伊藤コーディネーター】

 1年に1つずつなので。

【説明者】

 私どもとしては、いろいろな都道府県に生涯学習についてご説明する場がありますので、そういう場面で、こういうのがあるので、ぜひ、応募してくださいというお話をさせていただきます。もちろん、いろいろなご説明等はやりますけれども、私どものほうから無理強いとかそういうことをしているわけではございません。

【市川】

 ちょっと関連なんですけれども、埼玉と高知を見ると、総予算額が埼玉は3億1,970万円、高知は1億6,400万円になっているんですけれども、実は、国費負担はけたがちょっと違うだけでほとんど変わっていないのです。片側が1億200万円、9,600万円。何が違うというと、大きく違うのは県費負担が違うだけなんです。これって結局、単純に言うと、県の財政負担力がもともと各県において開催するという前提条件があり、県の財政負担力がたまたま埼玉県は比較的豊かで、埼玉も財政は厳しいですけれども、まあ、その中でも豊かで、高知は今、坂本龍馬で潤っているかもしれませんけれども、ちょっと厳しい。なので、そういう規模にならざるを得ないようなイメージを受けるんですけれども。

【説明者】

 県独自でやれる分については、県ご自身の財政の範囲内でやられればいいので、そこに対して、私どものほうは大きいとか小さいとか言うつもりはございません。ただ、私どものほうが特にお願いしております……。

【市川】

 だったら、見直しだと、抜本的な見直しで埼玉からやり直していくということであれば、国費自体も減らすべきではないですか。何で国費が両方ともほぼ1億円なんですか。

【説明者】

 それ以前、埼玉以前ですけれども、ごらんいただきますと、以前から比べると総計は2割ぐらい減っているわけでございます。埼玉のときには、埼玉のほうのご希望もありまして、どちらかというと割合が減っているわけでございます。もともと、それぐらいのお金が必要だろうということで、平成20年以前は出してきたということでございます。このような形でやる以上は、必要なお金については国としても支出する必要があるということで、このようなことになったわけでございます。

【伊藤コーディネーター】

 大宮先生。

【大宮】

 実は、去年1年間、抜本的な見直しの検討の委員になっていましたので、随分時間をとられて、これで廃止となると、いささか、あの時間は何だったんだろうという気もあるので、ちょっと発言させていただきます。
 確かに、私自身も、皆さんがご指摘になるとおりで、去年の埼玉でコンサルにこれだけ投げて、お祭りみたいなものをやっている内容であれば、もう廃止をするべきだと昨年度も検討の委員会で感じました。
 それで、これがいいのかどうかはわかりませんが、実は、163ページの抜本的な見直しという、やめるか、継続するかというところで何回も何回も議論したのは、皆さんご存じかと思いますが、生涯学習フェスティバルは各県、市町村でそれぞれの形でやっています。ところが、生涯学習に関して、あるいは市町村、都道府県の全国的な研究ネットワークとか全国的な情報交流の場はないんです。なぜ、残そうというふうに私たちが議論したのかというのは、そういうお祭り的なものはもう要らない。開閉会式にこれだけのお金をかけてやる必要もない。それで、そこのところを抜本的に見直しをし、生涯学習に関する研究家であったり、事業家が全国から集まり、継続的に研究をするような仕組みは、もし、可能であれば必要ではないか。そのためには、地域課題のテーマをその地域に合わせてしっかりと設定し、継続的にやっていくということであれば意味があるということで、163ページの環境フォーラムとか地域再生フォーラム、地域コミュニティフォーラム、地域人材、特に龍馬ということで、そういうふうに装いを変えてやってみて、その成果を2年か3年で、それがだめだったら廃止というつもりで転換を切ったという、そのことだけは伝えて……。
 例えば、162ページの費用がいいのかどうか。例えば、埼玉で開閉会式にこれだけ使い、73,540千円というのがあり、これが16,350千円で7分の1ぐらい減り、6分の1ぐらいになっていますけれども、これでも多いのか少ないのか。あと、どこにどうかけていくのかというのは、かなり厳しい意見が出て当然なのかなと思いますが、転換を図ったということだけは了解いただければと思います。

【土居】

 大宮先生のご指摘は私もよくわかりました。全国的なフェスティバルを自発的にできるという方向に持っていくならば、私はそれでいいと思うのですけれども、あえて、ここで国費を投入、しかも、これはかなり限定された部分に国費を投入するということはどうなのかということについては、まだ私は腑に落ちていません。
 コメントシートで、1点、コーディネーターか取りまとめ役かにお伺いしたいのは、ここで「廃止」というのが選択肢の一つに入っているのですが、これはフェスティバルの廃止というよりかは、むしろ国費の投入を廃止するということだと理解していいわけですか。

【伊藤コーディネーター】

 そうです。

【土居】

 もう1点、ご担当局にお伺いしたいのは、先ほど、岩手県の平成23年の話がありましたけれども、岩手県は準備を進めておられるということなんですが、既に国費が大体どのぐらい投入されるというような見通しをお示しになられたり、岩手県とのお話し合いの中で、何か目ぼしい金額というものをある程度念頭に置かれて、この準備を進めておられるということなんでしょうか。

【説明者】

 岩手県のほうには確定の数値についてはご連絡をさせていただいておりません。ただ、今までの予算がこれぐらいであるということを念頭に置きながら、ご準備を進めていただいているものと考えております。

【土居】

 もし、来年度、仮に国費が出なくても、岩手県はなさるということなんでしょうか。

【説明者】

 最終的な決定は、そのような結論が出た上で、おそらく、知事のご決定ということになるかと思いますが、かなり厳しいというお話は担当者のほうからは聞いておりますけれども、それがほんとうにどうかというのは、また違う話なんだろうと思います。今、国は主催という形で加わっているわけでございますが、国が主催という形にはなりにくいものになるんだろうと思いますし、そういう場面として、多くの団体の方、あるいは企業の方がほんとうにご協力いただけるかどうかということもわかりませんので、そのようなものも含めてご検討されるのではないかと思います。

【土居】

 今のご説明はちょっとおかしいと思うのです。
 まず1つは、国がお金を出さなければ主催となれないのかという点です。
 もう1つは、162ページにあるように運営費そのものは国費を出さずに運営なさっておられるわけですから、それぞれの出し物をお出しになる方々は別に国費を当て込んで出そうと思っておられるわけではない。確かに、国の後ろ盾みたいなものは、主催とかそういうところにあったほうがいいとは思うけれども、別に国費を当て込んで、国費が補助されるから、では、このフェスティバルに出そうかというふうに個々の団体、組織は思っておられないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【説明者】

 国費云々なのかどうかわかりませんけれども、国がこれだけ力を入れてやってきているというところを評価いただきながら、各団体、企業のほうはご参加されているんだろうと思っております。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートを書きながらでお願いいたします。
 赤田さん、次、船曳さん。

【赤田】

 関連です。先ほどから、国の仕事、投資に対することなんですが、お金を出して、全国を交代でやっていくということについて、何か意義があると思うのですけれども、国費を投じて岩手県の次はどこかの県でやる、そのように各県を回す意義について、何かお考えがあればお聞かせ願えればありがたいと思います。

【説明者】

 フェスティバルの効果でございますが、例えば、161ページのところで効果の話を申しましたけれども、これを分析していきますと、開会県に一番効果といいますか、明確な伸びがあるわけでございます。その周辺の県につきましても、この10年間ぐらいを見てみますと、7割ぐらいの県で全国の平均を上回るような形で伸びが見られるわけでございます。そのような形で、おそらく、比較的参加しやすいところに広がりやすいというところもあるんだろうと思っています。それぞれの地域の課題をとらえながら、それを素材として回していくことによって、さまざまな社会的な課題、あるいはそのような手法、知恵なども吸収しながらやっていくことができるのではないかと思っています。

【伊藤コーディネーター】

 ただ、これは都道府県の希望をとってやるんですから、場合によっては同じ場所になることもあり得るわけですよね。

【説明者】

 もちろん同じ場所になることもあるかもしれませんけれども、私どもの選考の場合について、例えば、2年続けてとか、近接しているというのはできるたけ避けるような形で持ってきております。もちろん、それしかなければどうなるんだと言われれば、それは違いますけれども、今までは連続して近接しているとか、同じ県ということはございません。

【伊藤コーディネーター】

 というよりも、20回で2回目をやった都道府県はあるんですか。

【説明者】

 2回やった都道府県はございません。

【説明者】

 これはなぜないかと申しますと、今までは、どちらかというと生涯学習ということ、学習活動の取り組みをどんどん進めていこうというのが主たる目的でございました。今後は、特に、それをさらに社会のいろいろな活動の中につなげていく。例えば高知の場合でしたら、環境の部分、学校・家庭・地域の連携という新しい公共、国民一人一人が日本の社会をよりよくしていくためにいろいろな活動に取り組んでいこうというところにシフトしてきているわけですので、こういう課題解決という視点から見ますと、今後、一つの県で複数が開催するということが生じてくるかもしれません。それは地域性や全国の広がりとかをいろいろ勘案していくものだろうと思っています。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん、お願いします。

【船曳】

 今までのフェスティバルのありようをごらんになって、各県の方々が国もここまで生涯学習を推してくれるのだということをすごく期待して、我が県にもというふうにおっしゃられたのですが、それは多分違うと思うんです。大宮さんのご発言があったように、昨年1年間見直しを図られて、今までのイベント的な要素を極力排していこうと。そうなると、今後、徐々にそうなるか、ドラスティックになるかはともかくとして、これから県が、国がここまでやってくれるのだからという期待の水準が異なってくると思うんです。それが1つ。
 もう1つは、今回、高知県の取組から、具体的にそういうことにかかわる専門家の方々にフォーラムを組んでもらおう、皆さんに集まっていただこうと。ならば、こんなお金なんか全然かからないですよ。私、こういうことは今まで、何十、何百とたくさんやってきているからよくわかるんです。
 例えば、ここにある環境フォーラムであれば、それぞれの団体の中で、日本全国の中で環境フォーラムを独自でやっているところなんて、ごまんとあるんです。ただ、そこにこういう場所を用意しますから、皆さん、ここにジャンボリー的に集まってくださいと言えば、ほとんど費用はかかりません。とりわけ高知であれば、多分、場所の借料は極めて安いだろうと。そして、開会式も閉会式も要りません。4つの場所は全然違うところでやるから、みんなの一体感を持たせるために開会式、閉会式とおっしゃるんですけれども、今、この時代です。今、ここでやっていることをインターネットで全国で見ているわけです。会場にそのような装置をつければいいわけだから、極端な話、もう10分の1以下の費用でもできるんです。なぜ、そういうことをお考えにならないか、極めて疑問です。

【説明者】

 会場に来られた方がフォーラム以外にいろいろな形でいろいろな経験をしながら、生涯学習に向かってどうやっていこう、あるいはそれをどう生涯学習の成果を生かすことに結びつけようという部分も必要になってくると思います。やはり、専門家だけではなくて、もっとウイングを広げるような形での部分もあわせてやる必要があると考えておりますので。

【船曳】

 私はあまり実態をご存じないお言葉だと思います。

【伊藤コーディネーター】

 よろしいですか。
 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告をいたします。
 生涯学習フェスティバルにつきまして、見直しの余地なしという方はいらっしゃいません。要改善が3名、廃止が5名です。要改善は、内容の見直しという方が多かったです。
 それでは、官房長、お願いいたします。

【山中大臣官房長】

 生涯学習フェスティバルですけれども、今ございましたように、要改善が3、廃止が5ということですので、廃止の意見が多いということを踏まえまして、廃止という結論にまとめさせていただきたいと思います。
 生涯学習フェスティバルの目的・趣旨を明確にする。今までの成果を踏まえた上で、国費の投入については、これを再検討すべきではないかということではなかったかと思います。ただ、生涯学習に関します研究者、いろいろな団体の方が実施されているような研究とか交流、ネットワークの形成への取り組みへの支援は必要ではないかと。あと、岩手県まで開催が決まって、準備を2年前からしているという実態があるので、岩手県までの実施というところまでは考えておいてもいいのではないかというコメントがあったということは付言させていただきたいと思います。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 多分、今のコメントでいきますと、岩手県については、今後の協議の中で決めていくということになろうかと思います。
 それでは、これで終了いたします。ありがとうございました。
 以上で文科省の行政事業レビュー公開プロセスはすべて終了となります。
 最後に、山中官房長より、一言、ごあいさつをちょうだいします。

【山中大臣官房長】

 公開プロセスの終了に当たりまして、取りまとめ役、大臣政務官、また、昨日は大臣も出席させていただきまして、気合いを入れて、しっかりとその事業を見直していただきたいということで取り組んでいたところでございますけれども、先生方には昨日、本日と2日間にわたりまして検証を行っていただきまして、大変ありがとうございました。ご多忙な中、これだけ長時間ご協力いただきましたことに、心より御礼申し上げたいと思います。また、この会場で傍聴されました国民の皆様方、あるいはインターネットで中継されておりますので、見ていただきました皆様方にも、この検証作業の中に参加していただきまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 公開による事業検証、前は外部の形でやるというのが、今回は文部科学省の中でもこういう公開の形で事業をそれぞれ検証していこうということで、幾つかの事業、それぞれ特徴があったわけですけれども、取り上げさせていただきました。結果として、事業の廃止6件、委託事業としては廃止1件、廃止を含む抜本的な改善1件、要改善1件という形になっております。また、事業そのものというよりも、幅広く展開できるものですけれども、契約のあり方という、実際に、具体にどうするんだというところについて、今日の午前中に検証をいただきました。随意契約や競争という契約のあり方、あるいは予定価格の設定の仕方について貴重な、改善のご意見をいただいたと思っております。検証作業は文部科学省の予算、あるいは事業も、これだけではなくてたくさんの事業がありますので、本日、昨日いただきました委員の皆様方からの意見、改善のためにどういう観点が必要なのかということ、これをほかの、文部科学省のすべての事業について、今後、見直し、また、来年の概算要求という作業に入っていくわけですが、そういう際に生かしていきたいと思っております。
 また、これらの検証結果につきましては、文部科学省のホームページの中でしっかりと公開し、いろいろな方に見ていただきたいと思っております。
 また、そこについて検討したのはいいんだけれども、結果はどうなったんだというところ、そこの点も含めて、文部科学省としても、これはこれで終わりということではなくて、ここで検証を受けたことを具体的に、さらに検討していって、次の予算にどう結びつけるのか、あるいは、一体、いつ、それが実施できるのかというフォローアップもしっかり行っていきたいと思っております。
 以上、簡単ではございましたけれども、閉会に当たりまして、皆様方に心より感謝を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 ほんとうにありがとうございました。

【伊藤コーディネーター】

 以上をもちまして終了いたします。
 皆さん、ほんとうにお疲れさまでした。

――了――

お問合せ先

大臣官房会計課

-- 登録:平成22年07月 --