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文部科学省行政事業レビュー「公開プロセス」 1日目 議事録

1.日時

平成22年6月3日(木曜日)10時〜17時

2.場所

文部科学省講堂(東館3階)(中央合同庁舎7号館)

3.事業名

  1. 国公私立を通じた大学教育改革支援の充実
     産学連携による実践型人材育成事業
  2. 国公私立を通じた大学教育改革支援の充実
     先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム
  3. 国公私立を通じた大学教育改革支援の充実
     社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム
  4. 安全・安心科学技術プロジェクト
  5. 科学技術振興調整費
  6. 国際協力イニシアティブ

4.議事

【藤原会計課長】

 それでは、行政事業レビュー公開プロセスの開会に先立ちまして、まず中川文部科学副大臣からごあいさつを申し上げます。

【中川副大臣】

 おはようございます。ご紹介いただきました、文部科学省副大臣の中川正春でございます。
 特に有識者の皆さんには、ご多忙のところ、こうした形でご参加をいただきまして、改めて心からお礼を申し上げたいと思います。
 たまたま総理大臣の辞任、内閣を新しく組み直していくというタイミングに重なりまして、非常に恐縮に思っておりますが、この事業仕分けについては揺るぎなく、事業仕分けだけではなくて、今進めている新しい政治の在り方、改革については、これからも揺るぎなく進めていく、あるいは、さらに発展をさせていくという思いで我々も取り組んでいきますので、よろしくご理解をいただきますようにお願いをまず冒頭申し上げたいと思います。
 私も三役という形で省内に入りまして、22年度の予算に向けて、まず最初、既に組み上がっていたものを改めて見直していくという作業をしたのですが、その中で、やはり政策評価というのがこれまでどのようになされてきて、省内でそれがどのように反映されてきたかというのが、これが私たち、この省の中に入って、まず予算編成に向けて一番注目したところでありました。
 ところが、現在入っている評価システムというのは、平たく言えば、一つ一つの事業を正当化するために一生懸命それをへ理屈をつけたというような、そんな印象を受けまして、本来のサンセットにしていく事業、もう役に立たない、あるいは、それがほんとうに生きていない形で進んでいる事業に対して、ほんとうにメスが入れられているかと言うと、そんな観点からは政策評価は必ずしもできていなかったんだなということ、こんな印象を持ちました。
 それかといって、私たち三役だけで、改めて国民の視点からそれをしっかり見直していくというプロセスに入れるかと言うと、これもまたなかなかマンパワーからいって、あるいは視点からいって非常に厳しいという状況に直面いたしまして、そんな中で、先般、1回目の事業仕分けということをやっていただいたということであります。そうした意味では、やっぱり第三者的に国民の目線からこうした形で再評価をしていただく。そのプロセスをもって、正式に私たちがその意向を受けて最終的な政策のまとめをしていったわけですが、そのプロセス自体が、一つの、この文部科学省としての意思決定のプロセスになってくる、いわゆるサンセットにしていくための意思決定のプロセスになっていく、そういうことを実感いたしました。
 ですから、そうした意味では、2つの機能があるんだと思うんです。国民の目線で外からしっかり評価をしていただくということ、そのことを今度は基準にして、私たちが文部科学省としての意思を決めていく正式なプロセスになっていくということ。予算を追加していくときには、そのプロセスがあるんですね。それぞれが決裁をしていって、この文部科学省としての予算がこういうふうに決まりまして。ところが、廃止をするときには、考えてみたら、そのプロセスがないんですね。ということに気がつきまして、そこのところをこの事業評価、あるいは行政事業レビューという形で事業仕分けをしていただくことをきっかけにして、正式に決裁システムをつくっていくという、そんなこともあるのかなということ、これを今実感しております。
 そんな中で、今回もこの行政事業レビューに取りかかっていただくということでありまして、どうぞよろしくお願いをしたいなと。これ、毎年こうした形で繰り返していきながら、さらに有効な予算の使い方ということに対して、国民に対して責任を持った行政がしていけるよう頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 そういうことを前提にして、今日の公開プロセスで検証していただく事業については、継続的に取り組んでいる事業や、過去に問題点が指摘された事業、こういうことを中心に、改善の余地があるのではないかというふうに事前にチェックをして、その可能性のあるものを12の事業に集約しまして、今日ご議論をいただくということになっております。我々もこの12の事業について、行政サイドのほうからいわゆる問題意識を論点としてまずご説明をさせていただきたいと思っておりますので、そのことを前提にして進めていただければということでございます。
 それから、こうした形で、私たちみずからが公開プロセスということを前提にしまして、この事業の点検、改善を行っていく意識というものを行政サイドにも徹底していって、最終的には自立的な改革プログラム、これに結びつけていくということ、それをまた定着させていくということが大切であろうかというふうにも思っておりますので、そのことも含めてよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上、簡単ではございますが、今回の公開プロセスに関する私どもの考え方も含めてお話を申し上げて、ごあいさつにさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

【藤原会計課長】

 引き続きまして、後藤政務官からごあいさつ申し上げます。

【後藤大臣政務官】

 座って申しわけございません、政務官の後藤斎と申します。
 現在の昨日、今日の政治状況については、副大臣からご報告したとおりであります。今日までが基本的には鳩山内閣ということで、今日が副大臣、私も含めて、鳩山内閣としての最後の仕事になりますので、どうぞよろしくお願いします。
 先生方ご案内のとおり、文科省でも政府全体の予算監視・効率化ということを、昨年の事業状況を含めて、今、全省的に対応している、その一環の今日、明日の公開プロセスでございます。私自身が予算監視・効率化チーム、これは鈴木副大臣が責任者でありますが、私が行政事業レビューチームの責任者を現在させていただいております。そういう中で、今、副大臣からもお話がありましたように、今日、明日の部分、横ぐしでそれを、先生方のご評価を生かしながら、8月の上旬までに500すべての事業を同様ないろんな視点で見直していく、その一環でございます。
 私も以前、行政経験が実はあるんですが、そういう意味で、今日シートでお出ししている予算の流れというものを、本省から、例えば、独法、そのまた子、孫という形の予算の流れを、ある意味では公開の中で提示をしたというのは、多分、今回が初めてではないかなと思っています。そういう意味で、先生方はもちろんでありますが、多分、今日、インターネットも含めて、多くの国民の皆さん方がその事業の内容や予算の流れを見ながら、やはりここはこういうふうに改善をしたほうがいいのかなというふうなことや、いろんなご意見が多分あると思います。それはいずれかの時点でまた多くの国民の皆さん方からもご意見を賜るというふうに思っておりますが、いずれにしましても、今日は先生方のいろんなご意見を賜り、それぞれ最後の部分では一定の取りまとめというものを私の責任のもとでさせていただき、それを、先ほどお話をしましたように、予算効率化チーム、鈴木副大臣のもとで対応しているものに報告をするという流れでありますが、明日以降は私どもはどういうふうなスタンスになっているかよくわかりませんので、そこはきちっと新しい大臣、副大臣、政務官のもとに、きちっとお伝えをし、今日、明日の先生方のご議論がきちっと反映ができるような形をつくっていきたいと思っています。
 ぜひ活発なご意見の中で、有意義な公開プロセスになりますように、私の立場からも心からお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつにさせていただきたいと思います。どうぞ、本日はよろしくお願いいたします。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、早速、文科省の行政事業レビュー公開プロセスをスタートさせていただきます。本日進行役を務めさせていただきます行政刷新会議事務局の伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
 そのほか、本日ご参加の評価者の方につきましては、傍聴者の方、お手元の冊子の中に入っておりますので、そちらでご確認いただければと思っております。
 また、本日の作業の流れですが、私から簡単にご説明いたします。この後、まず政務官より事業選定の背景を簡単にお話をいただいた後、担当課の方からご説明をいただきます。説明をいただいた後に、論点の説明を政務官からしていただきます。その後、議論に入っていきます。コマにより時間は少し違いますが、大体1時間から2時間ぐらいで、最終的にコメントシートというのに書いていただいて、公表するという形になります。
 限られた時間の中で議論いたしますので、これは評価者の方、説明者の方、ぜひ簡潔にご質問やご回答をお願いできればと思います。評価者の方も、質問は原則として一問一答でお願いできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、先ほど政務官からもお話ありましたように、これはお金の流れを実際に見ていくという作業ですので、できる限り抽象論ではなく、具体論でご議論いただければと思っております。
 それでは、1つ目のコマをスタートさせていただきます。産学連携による実践型人材育成事業と先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム、社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム、午前中はこの3つの事業をまとめてご説明いただいた後に、少し議論は分けていきたいと思っております。
 それでは、ご説明をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 今、伊藤先生のほうからお話がありましたこの3事業、トータルとしたら、国公私立大学を通じた学校教育改革支援の充実というトータルの事業の中の3つのプログラム、事業であります。
 この選定にあたっての基本的な文科省としての考え方は、この3事業、そしてトータルの大学教育改革支援の充実という部分では、事業規模が大きく、そして、今まで政策の優先順位も非常に高い事業でありましたが、結果としての事業の成果との関係で、もっと見直しができるであろうという中の、自己点検も含めた中で選定させていただきました。お手元の資料等、後ほどご説明を申し上げますが、トータルで昨年、21年度、補正予算も含めて、60億弱の改革支援の充実という事業でございました。
 簡単ですが、選定の理由は以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご説明をお願いします。

【説明者】

 失礼いただいます。高等教育局専門教育課でございます。
 まず、当方、3つの事業ということで、国公私立大学を通じた大学教育改革支援の充実ということで評価いただくことになっております。
 1つ目、産学連携による実践型人材育成事業、2つ目、先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム、3つ目、社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラムでございます。後でご説明いたしますが、1つ目の産学連携による実践型人材育成事業、さらに3つの細かい事業になっております。
 それでは、通して説明ということでございますので、駆け足になりますが、ご説明させていただきます。
 まず、資料の1ページをごらんください。1つ目の産学連携による実践型人材育成事業についてでございます。事業の目的のところございますが、大学・短期大学・高等専門学校における産学連携による実践的な教育プログラムの開発ということを目的とする事業でございます。
 以下の3つのテーマということで、事業概要のところにございます。1つ目が長期インターンシップ・プログラム、2つ目がものづくり技術者育成、3つ目がサービス・イノベーション人材育成ということでございます。
 まず、1つ目の長期インターンシップ・プログラムについてでございますが、これからの社会人に対しては、現実の中で、現実の社会で問題解決できるような、そういう単なる知識のみではない実社会での役に立つ問題解決能力というものが求められております。その中で、インターンシップという手法は非常に有効だというふうに考えられておりますが、現在のところ、実施大学は大学数で申し上げますと7割以上ということになっておるんですが、参加の学生数は2%未満ということになっておりまして、なかなか実際定着してきていないということでございます。このインターンシップ、普及していくには、やはり企業の負担感、そういうものの解消がかぎになるのではないかというふうに考えておりまして、これまでどちらかというと職場体験とか就労意識の啓発という形で企業にお世話になる、そういう一方通行のインターンシップが多かったわけでございますが、これからこの長期インターンシップというものを開発いたしまして、産学双方にとってメリットのある建設的な双方向のインターンシップのそういう体制を構築できないかということで、プログラムの開発を実施しようということでございます。
 事業概要マル1にございますが、対象としておりますのは、そういった趣旨で、大学院に限ってという形で、3カ月以上のプログラムということでございます。
 実施状況のところにございますが、平成17年度で20件、18年度で10件を選定いたしまして、平成21年度、昨年度は30件に対して補助を行っているということでございます。5年間の継続支援事業ということでございます。約530人の大学院生が、このプログラムを通じましてインターンシップを実施したということでございます。
 2つ目でございますが、ものづくり技術者育成ということでございます。この背景といたしまして、若者のものづくり離れでございますとか、具体的な指標としてあらわれてきますのは、大学の工学部の志願者の減少といった状況が背景としてあるわけでございます。そういうことで、ものづくり教育について、これまで講義中心というような形であったものを、もう少し枠を広げて、学生みずからがものづくりの楽しさとか厳しさ、そういうものを実感しながら、ものづくりの意義についてしっかり学ぶ。また、ものづくり過程、断片断片ということではなしに、ものづくりの過程すべてを学生が実感できるような教育をということで始めているわけでございます。産業界と連携いたしまして、講義と実験、実習というものを有機的に組み合わせまして、そういうプロセスを通じて、ものづくり過程の全体を体験して、ものづくり過程全体を理解できるような、そういうプログラムづくりということをやっているわけでございます。
 事業概要ということで、マル2のところをごらんいただきますと、大学の学部、短大、高専を対象といたしまして、ものづくり過程の全体を見渡すことのできる技術者の育成ということに努めているわけでございます。
 実施状況のほうでございますが、マル2の実施状況のところをごらんいただきますと、平成19年度に12件、平成20年度に5件ということで、都合平成21年度は17件に対して支援を行っているということでございます。
 3つ目、サービス・イノベーション人材育成ということでございます。事業概要のところにございますが、サービスに関して高いレベルを備えた人材の育成ということでございますが、もう改めて申すまでもございませんが、我が国のGDPに占める3次産業、サービス産業の割合というのは7割以上になっております。ただ、その一方で、我が国のサービス産業の生産性の低さということが指摘されております。あるシンクタンクの調査によりますと、アメリカを100とすると、我が国のサービス産業の生産性は63だということを言われております。こういった意味で、これまでありますビジネスの知識とか、ITの知識、心理などの人文系の知識、そういう分野の融合というものを図りまして、サービスに関して高い能力を有する人材の育成をしようということでございます。例えば、ここで言うサービス・イノベーションというのは、いろいろさまざまな形はあろうかと思いますが、例えばiPodに象徴されますような、既存のサービスとサービスを組み合わせて、これまでなかったような非常に便利な革新的なサービスを開発するとか、例えば回転ずし、いかにしたら回転ずしの余り物、廃棄物を少なくするかという意味でのサービスの生産性の向上であるとか、あとは、ユーザーの視点で既存のサービスの在り方を見直す。例えば、運転者、ドライバーの方に負担を与えないような渋滞情報の提供等々、そういうさまざまな視点が考えられるところでございます。大学院、学部を対象といたしましてこの事業を行って、そういうサービスをリードしていただけるような人材の育成ということでございます。
 実施状況のところでございますが、19年度は6件、20年度は7件を選定いたしまして、昨年、21年度は13件の補助を実施したということでございます。
 あと、お金の流れということでございますので、1ページおめくりいただきまして、2ページ、3ページをごらんください。昨年1年間ということでございますので、左上、2ページのところにございますが、文部科学省の予算総額というのは、これに関しましては5億9,800万円という形になっております。1つ目の長期インターンシップ・プログラム、全30大学等に対しまして、2億2,000万という形でお金が流れております。2つ目のものづくり技術者育成につきましては、全17機関ということで、総額1億6,700万円というお金が流れております。3つ目、サービス・イノベーションにつきましては、全13の大学等に対しまして、2億800万円のお金が流れてきているということでございます。
 具体のお金の流れということで、3ページに沿いましてお話をさせていただきます。
 まずAのところ、長期インターンシップの東北大学の例ということでございます。この東北大学につきましては、工学研究科に「環境に優しい鉄鋼材料」ということをテーマにいたしまして、全国の製鉄所に対して学生がインターンシップを行うということでございます。みずからが研究している環境に優しい鉄鋼材料という、そういう研究課題と、実際現場でどのような製造、研究が行われているかということを比較いたしまして、どのような形での環境への貢献ができるかということを学生に考えさせる、そういう趣旨でのインターンシップであるということでございます。
 消耗品費ということでございます。企業におきますインターンシップ中に、企業において実験・実習を行うわけでございますので、その際の消耗品ということで、ガスでありますとか、試薬、溶液、器具等々の実習品、消耗品をここで購入しているという形でございます。あと、ここの場合、国内旅費ということで、ここの大学につきましては、学生を企業に派遣するための旅費等ということで、7名の学生の旅費をここで支弁しております。その他、印刷製本ということで、報告書等の作成経費等々がこの大学の経費ということで盛り込まれているところでございます。
 2つ目、Bの長岡技術科学大学、ものづくりについてということで。

【伊藤コーディネーター】

 すいません、一つ一つでいくとかなり時間がかかってしまうので、できるだけ要点だけでお願いいたします。

【説明者】

 わかりました。
 ものづくりについてでございます。地元企業と連携をいたしまして、試作品というものを繰り返しながら、熟練技術者のアドバイスを得て、ものづくりの製作を行うということでございます。3Dシステム、3Dプリンタというものを導入いたしまして、試作品というものを簡易に学校の中で行おうということで、借料を措置しております。あと、人件費につきましては、コーディネーター、企業の打ち合わせということで、地元企業9社との打ち合わせにあたるものということでございます。消耗品については、試作品を作成するということでございます。その他、謝金ということで、企業の技術者5名をアドバイザーとしてお迎えしているということでございます。学生16名に対するこういったものづくり過程への学ばせるという事業でございます。
 Cの東京工業大学でございます。東京工業大学の社会理工学研究科に、平成20年4月から、この大学につきましては、サービス・イノベーションに関するプログラムというものを開設しております。23科目によりこのプログラムは構成されているところでございます。人件費ということで、客員教員ということで、非常勤講師10名とか、事務補佐員の措置をしております。あと、国内、国外旅費ということで、教員の打ち合わせでございますとか、あと、この大学につきましては、実際に学ぶ学生が海外に行って、サービス産業について学ぶという、そういう武者修行を行っているという、その9名の海外の渡航旅費などを含めております。雑役務費として、教材の作成でございますとか、関係大学との情報交換、シンポジウムを行う諸謝金等々がここで工面されております。11名の受講者というものが昨年おりまして、8名が修了されたということでございます。
 以上が、まず1点目の産学連携による実践型人材育成事業ということでございます。この事業の詳細につきましては、5ページ、6ページ、7ページ、8ページ、9ページということでございますので、時間の関係で省略させていただきますが、ごらんいただければと思っております。
 2つ目の事業でございます。先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムということで、11ページをごらんいただきたいと思います。まず、この事業の概要でございますが、我が国の国際競争力に関わる、そういう深刻な問題として、IT分野における高度な専門性を有する人材の不足ということが産業界等から指摘されてきたということでございます。そのため、大学の枠を超えて大学が連携してということと、あと、産学の壁を越えて産学が連携して、そういう形で国内にそういう先導的なIT人材を育成する、そういう最高水準の拠点をつくっていこうというのが、この事業の目的のところでございます。
 事業概要のところにございますが、修士課程を対象としておりまして、平成18年度からソフトウェアの分野での拠点形成を支援しているということでございます。19年度からセキュリティ分野での拠点形成を支援しているということでございます。あと、20年度からということで、これまで各拠点が開発いたしました教材を集約いたしまして、それをその他の拠点とか関係大学の方、場合によっては研究者の方等々が使えるような、そういうポータルサイトの運営等々を行う「拠点間教材等洗練事業」というものを実施いたしまして、拠点が生み出したそういう成果というものを広く使われるように普及に努めているというところでございます。
 実施状況のところでございますが、18年度はソフトウェアの分野で6の拠点を支援、19年度はセキュリティということで、2つの分野の支援ということをしております。延べ36大学が参加いたしまして、68の企業と連携しております。これまで累計で506名の学生が修了しているという形でございます。また、実施状況のところにございますが、拠点間事業につきましては、これまで200の教材を収集いたしまして、ポータルサイトを立ち上げて、運用しているということでございます。あと、21年度補正限りの事業ということでございますが、この拠点間事業を行っております国立情報学研究所にクラウド・コンピューティング・システムを設置いたしまして、「クラウドで学ぶ、クラウドを学ぶ」という取組を実施しているところでございます。
 1枚おめくりいただきまして、お金の流れということでございます。12ページ、13ページをごらんください。文部科学省におきまして、18億5,700万円の予算をここで支弁しているところでございます。先ほど申し上げたとおり、この事業、大きく3つに分かれるわけでございまして、1つ目のところが8つの拠点、拠点の取組を支援ということ、2つ目のところが、拠点で開発いたしました教材の普及ということでございます。3つ目が、先ほど申し上げたクラウド・コンピューティング・システムということでございます。お金の流れにつきましては、拠点の取組と拠点の教材の普及ということは、左側のルートを通じて、Aの8の大学を通じて流れているということ、あと、補正につきましては、国立情報学研究所のほうに流れているということでございます。
 12ページ下のほうをごらんいただきますと、東大の拠点のお金の流れということでございます。東大の拠点につきましては、東大、東工大、国立情報学研究所がこの拠点を形成しているということで、東大からそれぞれ分担金が東工大と情報学研究所に流れているということでございます。あと、情報学研究所につきましては、8つの拠点の支援を行うんだ、教材の普及啓発を行うんだということで、この東大拠点の分と合わせてお金が流れているという形で、拠点の教材の普及を行うという形でやっております。
 13ページ、実際のお金の流れということでございます。東大につきましては、ソフトウェアを創造できる人材とか、ソフトウェアの開発過程を統括できる人材の育成ということで、3層構造のプログラムをやっております。基盤的な技術の教育と、あと先端ということで、新たに開発いたしました科目、6科目を夏休み等に集中実施する、そういうプロセス、3つ目が、実際の開発実践ということで、ソフトウェアの開発を、技術者等のアドバイスを得ながら、実際に学生みずからが設定したテーマに沿ってソフトウェアの開発を行うということでございます。
 お金の流れでございますが、A.東京大学につきましては、拠点を運営していくにあたっての教員の人件費でありますとか旅費ということでございます。あと、Bの東工大のところ、拠点のその2でございますが、拠点の1つとしての東工大のところには、同じような形で、教員の人件費でございますとか消耗品費等が措置されているところでございます。あと、Cの国立情報学研究所につきましては、拠点を形成するというその一環として、特任教員の人件費もございます。あと、あわせて、拠点間、拠点の教材の普及ということで、ポータルサイトの構築とか、ポータルサイトの開発支援ということでの役務費でございますとか、あとは、実際の拠点間の連携ということで、さまざまなシンポジウムとかマニュアルの作成とか、そういうものを行っているということでございます。その過程で、社会人文系の教材をつくるということで、ここのDのところで、三菱総研に一定の事務の委託をしているということでございます。あと、13ページ右肩のところ、Eの国立情報学研究所につきましては、21年度の補正対応ということで、クラウド・コンピューティング・システムの導入に要する経費ということでございます。
 あと、この事業の成果等につきましては、15ページから19ページまでに資料を掲げておりますので、それをごらんいただければと思っております。時間の関係で、恐縮ですが、省略をさせていただきます。
 最後になりますが、社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラムということでございます。背景として、社会人の再就職、キャリアアップ等が求められていたということでございます。大学、短大、高専におけるそれぞれの教育資源を活用した実践的な教育プログラムの開発を行おうということを目的としております。
 事業概要のところにございますが、特に社会人、職位を有する方であるとか、子育てにより就業を中断した女性、ニート、フリーターの方を対象とする形で、この事業を実施しております。また、関係団体としっかりそれぞれの地域で連携するということで、それぞれの地域の社会のニーズを踏まえてプログラムの形成を行うということ、あと、内容といたしましては、単なる公開講座ということではなく、体系的に構築されたものということでございます。
 実施状況のところをごらんいただければ、看護師等々のそういう資格関連のほか、農業、工業、一般事務など、幅広い分野でのプログラムが展開されているということでございます。19年度に126件、平成20年度に34件ということで、途中で中止したところがございますので、昨年度1年間は155件実施しているというところでございます。
 お金の流れということで、22ページ、23ページをごらんください。文部科学省の予算ということで、17億6,600万円ということで、昨年1年間、平成21年度は155の機関にお金が流れているということでございます。
 実際のお金の使い方ということでございます。広島修道大学の例が23ページにございます。この大学では、若年離職者、フリーターの教育、再教育を行うんだということで、6カ月のそういうコースで、計280時間の教育プログラムをやるという形にしております。基本となりますのは、学部での講義ということで、5科目をまず学ぶんだということで、約半分の時間がマーケティング、流通等々について学ぶという形で行われるということでございます。それに加える形で、資格取得であるとか、ビジネスマナー等とか、あと、企業の実際の第一線で活躍しておられる方の講演会を実施するなどという形で、職業意識の啓発を行うとともに、実際に役立つスキルをつくっていくんだということでございます。人件費ということで、これら受講生をいろんな形でアドバイス、サポートするキャリアアドバイザーの人件費とか、あと、事務の補佐員ということで、バイトの方を雇っているということでございます。受講生が、昨年1年間で60名ということで、半年ごと、30名掛ける2で60名ということでございます。うち43名がこの課程を修了されまして、22名が就職したということでございます。あと、これは事業が若年離職者、フリーターということを対象としておりますので、新聞広告を行うということで、広告宣伝費であるとか、学生貸出用のパソコンリース等々を行っているんだということでございます。
 実際のこの事業の実績等につきましては、25ページ、26ページをごらんいただければと思っております。特に26ページのところでございますが、この事業、いろんな形で現場でニーズありという形で、各大学とも手ごたえを感じているようでございまして、中ほどにございますが、この事業終了後に130件、約84%の大学がこの事業を継続したい、国の支援のなくなった後も引き続きこの事業を継続したいというふうなことを言っておるというところでございます。
 以上で、非常に駆け足でございますが、当方からの説明を終わらせていただきます。よろしくお願いします。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、後藤政務間より、論点のご説明をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 資料の27ページをごらんになっていただければと思います。
 先ほどお話をしましたように、私たちも論点をある程度整理しなければと、いろいろ検証してみました。その中で、まず事業の必要性でありますが、ここにもありますように、それぞれの事業が人材育成を行う大学の先導的な取組に対して支援する経費であるということはわかるんですが、その支援する内容が、実態として、先ほどの説明にもありましたように、ほんとうに大学本来の経常的な経費ではなく、上乗せや補てんになっていないかということ、さらには、それぞれの事業が3年以上経過しております。そういう意味で、現在の経済・社会情勢の中で、そういうニーズとの乖離はないかどうか。さらに、先ほど成果、実績があるという話で、課長からも話がありましたが、その成果を踏まえて、ある意味では見直しも必要ではないかということであります。
 次に、真ん中の有効性でありますが、3年以上ということもお話をしましたが、たくさんの交付実績があります。そういう意味では、これだけ国費投入をしたので、これまでの実績を活用すればいいのではないか、国費投入はこれ以上必要がないのではないかということであります。先ほど実績というものがありましたが、そういう意味では、もうそれを普及するというステージに、時間がたっているということもございます。そういう意味で、それぞれの大学等でどのようにその普及の利活用がされているかということも論点には上がるのではないかというように考えております。さらには、たくさんの大学、機構が関係しておりますが、今後、いろんな部分で大学改革、教育改革に進んでいくというふうに考えられます。そういう意味では、その他の経費との整理・統合というものも図られないかということでございます。
 最後に、執行方法でありますが、やはり採択時に、計画的な執行が行えるような十分な事業実施期間が確保されているのかされていないのか、さらに、確保されていないとすれば、それぞれの大学では年度末の、少なすぎて逆に執行ができないという事例も多分あるのではないかなというように、ある意味では、偏在性というものをどうするかということも論点に上がってくるというふうに思っています。
 簡単ですが、論点については以上であります。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、まず産学連携の事業から議論を進めたいと思います。こちらの中にも3つありますが、ひとまずは一緒に議論して、場合によっては、途中で分けさせていただくかもしれませんが。
 では、ご質問、ご意見お願いいたします。伊永先生。

【伊永】

 最初の産学連携ですが、省庁は違うんですが、経済産業省が、インターンシップにしても、ものづくりにしても、サービスにしても、少し本格的に取り組んでこられたと伺っておるんですが、その経済産業省で産業界を中心に進めてきた成果といいますか、今、既に経済産業省がやってきたことをどういうふうにこのプロジェクトに取り入れているのかということと、今でも経済産業省がやっているのと役割分担のようなところがあると思いますが、その辺の仕組みを少しご説明いただけますか。

【説明者】

 当方の事業につきましては、あくまでも大学におけるそういう教育プログラムの開発ということで、これまでなかなか大学の独自の経費だけでは踏み出せなかった長期インターンシップという、そういう取組についての支援を行おうということでございます。
 それで、経済産業省との連携につきましては、両省で産学人材育成パートナーシップという取組をやっているところでございまして、その場を通じて、いろんな情報交換なり意見交換をしている。特にインターンシップにつきましても、双方、産業界、大学のほうとも有用性をいうことを認識しておりまして、例えば、1つの取組として、産業界、学生の受け入れをしてもいいという、そういう企業のリストを双方のそういう取組でつくりまして、それを関係する大学に流すというような形で、お互い情報交換をして、産学連携しながらインターンシップの普及に努めているところでございます。

【伊永】

 つまり、文部科学省だけが独立してやっているということよりも、連携を重視していると考えたらいいんですか。それとも、大学をあくまで対象として、独立性を重視しているというふうに考えたらいいんですか。どちらでしょうか。

【説明者】

 この事業のほうは、平成17年度という形で、当方から早く始めたわけでございますが、ただ、産学ということでございますので、文部科学省は文部科学省でということではなしに、双方連携することが重要だと思っております。

【伊永】

 じゃ、ついでに、もう一つだけ教えてください。サービスについては、同じ文科省の中の科学技術振興機構で、研究として取り上げているのがありますよね。ちょっと名称を確認しますが、問題解決型サービス科学研究開発プログラムというのがございますが、このチームとの連携はどうなっておりますか。

【説明者】

 このサービス・イノベーションにつきましては、公募要領のところでもあるのですが、特定のサービス産業を深く掘り下げるというよりは、サービス一般についてのそういうプログラム開発を目的とするということをしているということと、あと、目的として、プログラムをつくりなさいというような形で、10単位から20単位のそういうプログラムの開発をお願いしているという形で、どちらかというと広いものだというふうに思っておりますので、今の我々の事務レベルで、科学技術のほうとの連携をしているわけではございませんが、若干趣旨が違うものだというふうに思っておりますので、当方として、今のところ連携をしているところではございませんが、また必要に応じて、そういう意見交換なり調整というものもしてみたいと思っております。

【市川】

 幾つかお伺いしたいことがあるんですが、例えば、インターンシップ・プログラムについてなんですけれども、これはインターンシップを企業に送り出すことを目的としておられるのか、それとも……。プログラムという表現が非常にわかりにくいと思うんですね。そのプログラムとは一体何を指していて、これ、こう拝見していると、例えば、9ページのところに慶應大学と東工大のプログラムの例というのが出ているわけですが、こういったものをつくることが目的であるのか、その目的はどこにあるのか、もう一回ちょっと明確にしていただけますでしょうか。

【説明者】

 すいません、9ページはサービスの。

【市川】

 これはサービスですね。

【説明者】

 ということでございますので、サービス・イノベーションに関する2つの事例ということで、慶應と東工大の例を挙げさせていただきました。
 それで、インターンシップにつきましては、5ページのところにございまして、ちょっと字が小さいんですが、京都大学、岡山大学、立命館の例を挙げております。
 京都大学につきましては、インターンシップ3カ月以上を全員に必修という、環境マネジメント専攻42名全員に必修ということで、そういうインターンシップそのものを10単位として扱っておりますが、それだけすればいいということではなしに、事前にどういう教育が必要なのかということと、この大学につきましては、インターンシップの成果を修士論文まで発展させようということまで目的としているわけですので、事後の教育はどうかということで、事前とインターンシップ事後を合わせたものを開発していただいているという。

【市川】

 ということは、教育課程のプログラム作成が目的であるということだとすると、1回これをやって、教育課程のプログラムができ上がった大学については、それ以降はもうプログラムがあるので、もう申請しないという認識でよろしいんですか。

【説明者】

 この事業につきましては、過去と同一・類似の取組については、募集を2回しておりますが、そこについてはだめというふうな話をしておりますので、例えば、同じ京都大学の地球環境マネジメント専攻が、同じような形で仮にもし新しい公募があって、申請してきたら、それはお断り申し上げるという形になるんだろうと思います。

【市川】

 ただ、むしろプログラム作成ということであれば、これは大学教育課程の中で、社会に人材を送り出すための本体業務ですよね、大学の。それに対して、なぜこういったプログラムを、一般会計から国費を投入してしなければいけないんでしょうか。

【説明者】

 理工系の分野につきましては、大学院生の分野におきましてもかなりインターンシップが行われている、大学数で見るとかなりあるんですが、やはり学生数が極めて少ないというふうになっております。それで、インターンシップの有用性というのは各大学は認めているということが、参加大学数、実施大学数の多さにあらわれているかと思うんですが、学生数が少ないというのは、やはり実施していくにあたっての実際上の問題上があるんだろうと思っております。それが、先ほど申し上げた学生の負担感で。

【市川】

 いや、その実際上の問題というのが、プログラムの問題なのか、それとも、受け入れ側の企業に対してコスト負担の問題なのか、そこをちょっと明確にしていただけませんか。

【説明者】

 成功している例を見ますと、コストの負担というより、成果、どのような成果があったのかということを企業に感じられるかということだろうと思っておりますので、そこをしっかり企業の方にとってもメリットが感じられるようなテーマの設定とか、学生のそういう参加の形態ということをしっかり構築していかなければいけないということだと思います。

【市川】

 では、具体的に、企業の側からどのような成果があったという指摘があり、かつ、それが最終的には企業で、社会に出て有用な人材の育成ということにつながっていくんだと思うんですが、どのような累積的な一般会計の投入が人材の育成につながったのかといったような、そういったような最終的なレビューというか、フィードバックというか、そういったものはお持ちなんでしょうか。

【説明者】

 いずれ今年度中に事業の事後評価というものを、まずこの平成17年度採択分にいたしますので、そこでまずしっかりしたいと思っておりますが、今のところ、5ページの一番下のところをごらんいただければと思っておりますが、企業アンケートということで、今、我々が把握しているものでございますが、特に一番右のところ、現場の課題を大学との連携のもとで解決する糸口が見つかったというふうな話とか、あと、その大学院生が来ることで、共同研究に発展するような、そういうようないろんな取組ができたということでございますので。

【市川】

 そもそも、でも、おかしくありませんか。17年度から開始されたものですよね。

【説明者】

 はい。

【市川】

 で、修士課程が2年であるとすれば、19年度、20年度には、もうこの課程を通られた方が世に出ているはずですよね。それに対して、現在22年度であって、本来であれば、もうこれだけの国のお金を投入しているものですから、どういった具体的な成果がこれによってあったのかということが検証されていなければいけないはずだと思うんですが、それが22年度になっても、「いや、17年度分を今年度に検証します」というところに大きな問題はあると思われませんか。

【説明者】

 失礼いたしました。この事業につきましては、5年間ということでございますので、中間の3年目に中間評価を行っているということでございます。それで、中間評価のところを見てみますと、うまくいっている事例という形で、インターンシップをしっかり体系的に教育課程に組み入れている等々のそういう指摘がございまして、中間的な成果として、まずは大学と企業との組織的な連携を図りましょうと。特定の先生にのみ負担を押しつけるのではなしに、大学と企業の組織的な連携をつくりましょうということと、あと、送り出す大学側としても、インターンシップそのものを、例えば、修士ですので、2年間のそういう教育課程にどのように位置づけていくかということを明確にと。京大はうまくそこが位置づけられている例だと思うんですが。

【市川】

 いや、基本的に、これ、インターンシップの方を7割の大学は採用しているけれども、学生の方で活動されているのは2%しかいないという、それが、これを使うことによってどれだけ増えたのかというのが、基本的にはやはり本来成果であるべきだと思うんですね。そこのところについて、どのような数字をお持ちになっているのか。特に、1つの大学で1回1つのプログラムをやった後は、もう一たん同様のプログラムはやらないということであれば、やらなくなった後も、そのプログラムを使って、企業との関係の中で、どれだけ継続的にインターンの方が出ておられるのかというところが、本来、その評価の基準になるべきだと思うんですが。

【説明者】

 この30大学につきましては、まずは基本的にこの国からの補助終了後も、形は場合によっては変わるかもしれませんが、こういう長期インターンシップを大学の負担で、大学の範囲の中で継続していきたいというふうなことを言っておられるということと、あと、実績……。

【市川】

 いきたいのではなくて、具体的な数字を。

【説明者】

 そこについては、17年度採択分については、この20校において、何らかの形で長期インターンシップを継続するという形での……。

【市川】

 したかどうかなんですね。したと同時に、どれだけの数の方がインターンシップとして出ておられるのか。例えば、17年度にこれで補助をしたものが、18年度以降補助がなくなったとして、18年度、19年度、20年度と継続的にその大学が、ここで形成されたプログラムと産学連携のスキームを使って、どれだけの方が続いておられるのか、ないしは、むしろ増えていなきゃいけないと思うんですけど。これは呼び水だとすればですね。そこのところを、もう少し数字的にデータを出していただけませんかという質問をさせていただいているんですけど。

【説明者】

 実際、30大学採択しておりまして、各大学で確認したところ、28大学は継続するということを聞いております。

【説明者】

 すいません、この……。

【伊藤コーディネーター】

 もう一回だけどうぞ。

【説明者】

 この事業、17年度から開始しているものでございますので、最初に第一陣が終わっているのが21年度ということでございまして、その後の実施状況につきましては、まだ我々として調査、まだ6月の段階でございますので、終わって今年が初年度と。17、18、19、20、21で。

【市川】

 でも、毎年経費計上しておられるわけですよね。ということは、最初の年にやられたときも……。毎年、一般会計から国費投入しておられるわけなので、そうすると、例えば、17年度にプログラムをつくられた大学がどのようになっているか、その後どうしているか、実際にそこでインターンシップの方が増えているかどうかというのは、数字的に把握していておかしくないですよね。

【説明者】

 単年度で終わるという事業ではなしに、ちょっとすいません、私の1回目の質問のお答えが悪かったのかもしれませんが、1つの大学は基本的に5年間継続してこの事業に取り組まれるということでございまして。

【伊藤コーディネーター】

 その5年間分の予算が毎年計上されているということですか。

【説明者】

 ということでございます。

【市川】

 ということは、一回もう採択してしまえば、5年間は、そのお金がどう使われ、どう成果が経年変化していようが、それは確認せずに、5年間はお金を毎年一定の金額を支出し続けるという仕組みになっているという意味ですね。

【説明者】

 すいません。先ほどの説明の繰り返しにもなりますが、5ページのところにありますが、5年間のうちの中間の3回目で中間評価というものを実施しておりますということで、そこで指摘された事項、例えば、改善したらいいのではないかという個別具体の話は各大学にお伝えして、例えば、連携企業数が少ないとか、大学が企業に任せっきりにして、インターンシップの内容について十分開発ができていないというような指摘は、具体の大学にお伝えしていますし、あとは、実地調査を行って、特に問題ありそうだというところについては、具体に審査委員の方に行っていただいて、個別具体の改善を促していると。

【市川】

 であるならば、17、18、19で既に中間評価をしているということは、20年度中には中間評価の結果がまとまっていて、経年としてどういう具体的な効果が出ているのか、出ていないのかということを、やはりインターンシップの方の数がどうなっているのかといったようなことを中心に評価されていなければおかしいですよね。そうでなければ、国のお金を投入してはいけないですよね。これ、一般会計ですから。そこのところがどういうふうになっているのでしょうかということをお伺いをしているんですけれども。
 つまり、はっきり言えば、3年目のところの中間評価の中においては、問題点があるかないかといったようなことは評価はされたかもしれませんが、具体的にこれでインターンシップがどの程度増えたかどうかといったようなことについては、基本的には数字を持っておられないということでよろしいですか。

【説明者】

 定量的なものということであれば、定期的に実施しているインターンシップの実施状況の調査がございまして、そこの中で、ちょっと数が少ないので、それをしっかりどうかということはあるんですが、平成16年度と19年度のそれぞれの長期インターンシップの調査がございまして、16年度におきましては、これがちょっと数が少ないんですが、3カ月以上の長期インターンシップを大学院で行ったのが88だったものが、19年につきましては、約290人になっているということでございますので、一定程度の普及は見られるわけですが、あと、これをどう分析するかということは、我々としてもまだ十分できていないところはあると思います。

【伊藤コーディネーター】

 ここで一たん整理させていただきます。ほかの方は。どうぞ、永田さん。

【永田】

 長期インターンシップの話になっておりますので、この長期インターンシップをする各大学に補助する、そのインターンシップについて補助するという、そういう事業ではなくて、プログラムの開発ですので、その開発を2年なり3年なりかかって開発されて、その成果を生かしていくということでありますので。
 したがいまして、私の質問は、このプログラムの開発ということであれば、例えば、京都大学が開発したプログラムをどういう形で他の大学が利用できるようにするか、これが大事なことだと。そういう意味で、プログラム開発ですから、個々の大学に何年間出したという問題よりも、その間、それだけの開発に時間が要るかという問題だと思いますが、それはちょっと置いておきまして、その出口で、各補助を受けた大学がどういう形でこれを発信するかということについて、どういう方針を持たれておるかということでございます。

【説明者】

 まず一般論で申し上げますと、それぞれの事業を受けられました大学で、しっかりとした形で、外部の方も交えて報告書をまとめていただいて、その成果をいろんなシンポジウムなり研修会なりの場を通じてやっていただくということが1つあろうかと思います。
 あと、国のほうといたしましては、全体で30のこの事業を受けていただいている大学があるわけでございますので、その成果というものをしっかりまとめて、今、当課のほうでインターンシップ・リファレンスという大学向けのそういう広報啓発用の冊子を、またこの事業とは別につくっておるわけでございますので、特に好事例について、なぜ成功したのかということで、企業との連携体制はどうだったのかということと、教育課程においてどのように位置づけられていたのか等々について、しっかりとした成果を取りまとめて、それを全国的に発信していきたいというふうに思っています。

【永田】

 ITのほうは、教材についてのポータルサイトを設けて、それを利用できるようにしているということですが、それと同じように、今、こういうプログラムの開発いずれもですが、その利用ということがあって初めて国費が生きると思うんですね。そういう意味で、利用報告書であるとか、フォーラムであるとか、そういうものは非常に役に立ちますけれども、もっと広く積極的に、実際利用できるようにするということで、その辺を必ず報告をする、あるいは、各ホームページできちっと使えるようにするということもされていると思うんですけれども、このあたりを、じゃ、うちの大学がそれをすれば、どういうプロセスでするか、それにどういう費用がかかるか、そういうようなこともわかるような、ある意味でフォーマットといいますか、必須事項を、各この補助を与えた大学に対して、最後のアウトプットの必須事項、公表の必須事項を書かれて、実際に他の大学が利用できるような、そういうものにしていけば、この国費は生きると、こういうふうに思います。
 今までのように、各大学にホームページで紹介してくださいよというのは、我々、いろんなプログラムを見ますけれども、実際、どういうプロセスで、どういう費用がかかるのかというのは必ずしも明確でないから、ある程度必須事項を決めた上で、各大学で公表されるというようなシステムをつくられる。それから、必ず問い合わせた場合に、どこが窓口で、どういう形の説明をしてくれるかというような仕組みを、最後のアウトプットの仕組みをきっちりつくられるということが必要だと思いますけれども、その辺はいかがですか、現状は。最後ですが。

【説明者】

 これまでの中間評価は、ともすればそれぞれの大学はどうだったかという観点での評価が中心だったと思いますが、事後でございますので、そういう具体的な成果と課題と、あとは、これはその他の大学で長期インターンシップをご活用いただくための、そういう一種先導的なパイオニア的な事業だと思いますので、そういう留意点、経費の面も含めて、抽出することが重要だと思っていますので、これから事後評価を行うわけですので、そこのところをしっかり課題分析をして、あと、いろんなチャンネルがございますので、このインターンシップについては、リファレンスという冊子を当方が定期的に発行していますので、それを使うとか、あとは、ホームページで広報するとか、いろんな形でそのチャンネルを使いながらやっていきたいと思っています。

【伊藤コーディネーター】

 次に伊永先生。

【伊永】

 ただいまの議論なんですが、市川委員おっしゃったのは、先ほど京都大学の例を出されましたけど、そこでやられたプログラムが、どんどん受講者が増えていくような価値あるものなのかどうかということをきちんと検証した上でやらなければ、京都大学だけには通用したけれども、ただ他の大学には通用しないかもわからない。あるいは、京都大学で使っていても、受講者の増加は5年間あまり認められなかったというようなところがあるのではないか。そういうところをきちんと検証した上で、使えるものなのかどうかがわからないじゃないですかということをおっしゃっているわけでして、そこを明確にご説明いただきたいんですが。

【説明者】

 京都大学の場合については、しっかりとした形でカリキュラム上位置づけられておりまして、それを全学的な体制でやるというところが、多分、うまくいっている秘訣なんだろうと思います。

【伊永】

 では、具体的に5年間で受講者の変遷を教えてください。京都大学の中のそのプログラムの。

【説明者】

 京都大学につきましては、初年度が25名ですね。17年度が25名であります。2年目は30名、3年目につきましては39名、20年度は42名、21年度は42名という形になっております。あとは、これ、すべての必修というふうな形にしております。

【伊永】

 必修ですよね。

【説明者】

 はい。ですので……。

【伊永】

 これは環境プログラムを京都大学で受講している中の何%になるんでしょうか。本来受講すべき人の全員というふうに考えたらよろしいですか。必修ということならば。

【説明者】

 そうです。必修ということでございますので、この専攻がございます。地球環境マネジメント専攻に所属する方は全員が、この10単位ということを必修の単位としておりますので。

【伊永】

 となると、必修であれば、ほんとうにそのプログラムには効果があるかどうかの評価とはなかなかなりにくいと。京都大学だから信用しようということももちろんありますが、ほんとうにフリーな形でどんどん受講者が増えていくような価値あるプログラムなのかどうかということを、市川委員は確認したかったんだと私は理解していますけど。全国的にそうなのかということも含めて。

【市川】

 ちょっとだけ口を挟みますと、これは明らかにインターンシップの方を、特に修士のインターンシップの方を企業において増やしていこうというプログラムであるとするならば、比較的目的は明確なんだと思うんですね。もちろん、プログラムをつくるということに重きがあるのかもしれませんが、一番大事なことは、そのプログラムを活用しつつ、どれだけインターンシップの方がほんとうに増えたのかということをちゃんと見ていくことだと思うんですよ。そこのところが数値としてもし経年的に把握されていないのであるとするならば、それはやはり国費を投入した事業としては非常に問題があるやり方をされているという判断をせざるを得ないんですね。
 5年間決めたから、だから5年後まで待ってくれというのは、それはおかしいですよね。途中の経過もあることですし、毎年毎年卒業生は卒業されるわけですから。ですから、そこでインターンシップがどれだけ出て、それが企業でどの程度きちっと採用され、社会の中に出ていかれているのかというところを見ていかれないと、この事業をやっていく評価というのは、いつまでたってもできないことになるんです。そう思われませんか。

【伊永】

 例えば、他大学で選択として扱っていて、5年間の継続的な受講者の確認ができるような事例はございませんか。

【説明者】

 今、手元の持ち合わせの数字でいきますと、2つ目の岡山大学の事例でございますが、ここは18年度から開催したということで、初年度が9名で、その後が21名、40名、36名というふうな形で、これは選択でございますので、必修というふうな形にしておりませんが、そういうものがございます。
 あとは、学生の中に、このインターンシップに参加することの意義というんでしょうか、それがどれだけ浸透していっているかということと、あと、受け入れる体制がどれだけ確立していっているかという受け手の側の双方で、バランスでそこのところが決まってくるんだろうと考えています。

【伊藤コーディネーター】

 ここだけで時間を取るわけにいかないので、一たん整理をしますが、多分、この事業の目的がどうしてもインターンということになれば、市川さんがおっしゃったとおり、どうやって学生を増やすかということに皆さん思うというんですが、一応これはプログラム開発だと先ほどのご説明でもおっしゃっていた。ただ、そうは言っても、永田先生がおっしゃっているように、全国展開するためには、やはり学生にとっても企業にとっても魅力のあるものがなければだめだというところがありますし、最初、政務官の論点にありましたように、コストがかなりかかっているわけですよね。例えば、21年度でいけば、2億2,000万円で参加学生が500人ちょっと、大体1人あたり40万から50万ぐらいかかっているという計算になってしまうわけですよね。多くの大学は、それはインターンを、もちろん、これは長期だからというのはありますが、コストを自分たちでかけてやっている部分もある中で、これはコストをかけることとほんとうにプログラム開発だけでいいのかどうか。やはりそこは先ほどから出ているような学生の数、どうやってインターン生が増えていくかということが大きな成果指標になるのではないかというところの論点だったというふうに思います。

【市川】

 もう1点だけ、最後に。
 まして、やはりたくさんの大学が、今、伊藤さんがおっしゃったように、独自のインターンシップの受け入れ先の開拓というのを苦労してやっておられるわけで、あえて30大学を選んで国のお金を投入するということは、やはりそこで開拓されたインターンシップの先に、例えば他大学の方も入れるようにするとか、そういったような具体的なインターンシップを国全体として増やしていくような取組につながっていかない限りにおいては、本来国費を投入するような事業ではなくて、これは大学が大学の意思でやるべきことということではないかと私は思いますけれども。

【伊藤コーディネーター】

 すいません、これだけ時間を取るわけにいかないんで、ほかの、ものづくりとサービス・イノベーション、西寺さん、どうぞ。

【西寺】

 文科省からいただいた資料、今の問題もそうなんですが、アウトプットは書いてあるんですが、アウトカムについて何の記載もないわけですね。そこがまずこちらが判断するときに、判断できないという問題が1つあるわけです。
 だから、今年はできないのかもしれないんですが、来年度からもしやるとすれば、きちっとアウトカムを出す、それをきちんと示すということが、それは毎年やらなければいけないことで、今のように中間でどうこうというような話ではなくて、やらなければいけないだろうというふうに思うんですが、まずその点についてご答弁願います。

【説明者】

 アウトカムのところについて、ここの資料の6ページのところに十分な記載がないというご指摘も、ごもっともだと思っております。
 ただ、当方として、アウトカムのきっかけというか、目出しとして、例えば、阿南工業高等専門学校、7ページのところに掲げている事例については、現場の産業界と密接に連携したコーオプ教育という、アメリカ型のそういうスタイルを日本においてもその高専流のやり方で導入しようということで、かなり見学者の方が来られているというふうなことを伺っておりますので、実際に見学者の反応はどうだったのか、見学された高専、大学当において、こういうコーオプ教育の要素を取り入れた取組がなされているかということも見ていきたいと思っておりますし、例えば、金沢工業大学につきましては、学生の募集ということで、この取組、その他の大学の独自の取組もあるわけでございますが、それについても学生の募集用にかなり使っているということですので、それが学生に与える影響がどうだったのか、ものづくり離れという点でどうだったのかというところも見ていきたいと思っております。

【西寺】

 結局、書いてあることは、要するに、すべて感想文なんですね。成果だと思ってみえるのが、みんな感想文になっちゃっているわけで。それが評価になるのかという、そういうことだろうと思うんですね。だから、それはまず一つ改善してもらわなければいけないだろうと思います。
 それから、先ほどのインターンシップのあれで、プログラムをつくって、それを広げていくというのが事業の主たる目的であるとすれば、東北大学がやっているのは、明らかにただインターンシップに出しているために使っている金なんですね。こんなところに交付してはいかんわけです、そもそも。どうしてこういうことが起きるんですか。だから、プログラムと書いちゃったので、プログラムをつくらなければいけないという、そういうことが主要の目的になっているんですが、東北大学はそんなこと全然やっていない。どういうわけですかね。

【説明者】

 すいません。当方からの説明が不十分だったのかもしれませんが、インターンシップの課題の1つとして、企業が行っている活動とか、企業が抱えている課題と学生のマッチングをどのようにするかということが、1つ重要な課題であるというふうに考えております。
 そこで、東北大学につきましては、学生をどこの製鉄所等に送るかということを実際に考えるにあたって、企業との連携を十分して、そこのところ、学生のセレクションとか、具体的なテーマの設定について努力をしておられるという、そういう意味での1つの模範だと思っています。

【西寺】

 そんなのをプログラムと言うんですか。それは普通に通常にやることじゃないですか。やらなかったら受け入れてもらえないんだから。そういうことでしょう。
 だから、市川さんの質問に対して、プログラムをつくることが目的だとおっしゃったじゃないですか。全然、じゃ、東北大学はそれに該当しない。インターンシップをやることが目的でということでしょう。

【説明者】

 東北大学を選定した理由として、そのテーマと学生のマッチングということでございますが、あわせて東北大学は、ここのお金のところではあらわれてこないんですけれど、事前教育と事後の教育というふうな形でプログラムを開発しているわけですので、ただ単にマッチングをして送り出しているということではなしに、事前の安全教育、事後の今後の研究成果につなげていくための、そういうつなぎの学習をどうするかということをやっておられるということで、プログラムとしてはあるんですが、お金としては、ここの中には3つしかございませんので、出てこないということです。

【西寺】

 じゃ、プログラムをつくるのにお金は要らないわけですね。

【説明者】

 すいません、この東北大学のケースはこうなっているんですけど、その他の大学でいきますと……。

【伊藤コーディネーター】

 ほかの大学のことは、多分、先ほどのご説明でわかっていると思うんですが、東北大学で、今、年間300万円かけて何人でしたっけ、インターン生は。

【説明者】

 300万で7人ということが。21年度の実績として、7人ということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 もうここは終了しますが、多分、そこのほんとうに7名に300万円かけて、まさにプログラムではなくて、事前と研修はあるにせよ、コストのバランスという話だったと思います。
 ここで仕切らせてもらいますので、ほかの部分でお願いいたします。

【西寺】

 ちょっと別のあれで、いいですか。

【伊藤コーディネーター】

 はい。

【西寺】

 ものづくりのほうでの話なんですが、この中に、本プログラムを経験して卒業した学生は1,350人で、就職したうちの7割が民間企業の技術関係部門に就職というふうに書いてありますが、もともと技術系の大学を出た人が、あるいは高専を出た人が、通常、技術部門に就職するだろうと思うんですが、ほかのところとの顕著な差があるんですか。

【説明者】

 数字上、明確な明らかな差があるわけではございませんが、学生のこの事業を通してものづくりの重要性がわかったということで、みずから進路をしっかりした確たるものと思って、このものづくりの関係の方面に就職していただいたということで、その他の学生と数字上は顕著な差はないと。

【西寺】

 技術者が会社や企業へ就職するのに有意な差がないのに、これが何かすぐれた事業であるとどうやって評価するんですか、我々は。

【伊藤コーディネーター】

 関連で、市川さん、どうぞ。

【市川】

 まさに西寺先生がおっしゃるように、統計的優位性が、本来こういうものについては検証されるべきで、もちろん、何もかにもが費用対効果だけではかれるとは思いませんが、ただ、この事業に関して言えば、やはり統計的に明らかに、お金を投入したことによって何らかのものがなければいけない。まして、学生がものづくりについて学んで、それが非常に満足度が高かったですというような内容に対して、本来、ものづくりの大学に行っている学生というのは、やはり何らかの形で、例えば、私学助成金にしろ、それから国立大学にしろ、やはり大学を応援するのに国のお金も入っているわけで、そこで学ぶ大学生について言えば、本来的にやはりものづくりについて学ばなければいけないと思うんですよね。そういう状況の中で、あえて国のお金を入れて何かをされたということは、やはりそこに対して、統計的にほかと比べて明らかに優位性がないといけないのではないかと思うんですね。そういったことの検証をしておられるかというのが追加の質問です。

【説明者】

 現時点ではプログラムの質に重点を置いて検証を行っておりますので、市川先生おっしゃるようなところは不十分だと思いますが、例えば……。

【市川】

 であるならば、質というのはどうやって評価をされるんですか。だれがどのように質を評価されるんですか。

【説明者】

 1つは、このプログラムに参加していただいている企業の方であろうかと思いますし、あと、その他のものづくりに携わる研究者の方、技術者の方の評価だと思っております。

【市川】

 ちょっと違う観点の質問をしてよろしいですか。
 12ページ目と13ページ目をごらんいただきながらちょっとお話をお伺いしたいんですが、この先端的ITスペシャリスト育成推進プログラムのお金のフローのところで、文部科学省の大もとの予算として18億5,700万円、これが補助としてEのところ、国立情報学研究所のところに9億6,000万円の支出があって、右側のほうを見ていくと、Eとして、物品購入費ということで、クラウド・コンピューティング・システムに8億9,000万円支出をされておられますが、国立情報学研究所が入れたこのクラウド・コンピューティング・システムというのは、まさにこの先端的ITスペシャリスト育成のためのみに活用されているものなのか、それとも、別の用途も含めて活用されているものなのか、その辺については把握をしておられますか。

【説明者】

 クラウド・コンピューティング・システム、21年度の補正でやっているものでございまして、先日から運用を開始したということでございます。それで、まずは拠点間のということでございますので、今年度につきましては、この補助も終了いたしました、これまでのソフトウェアとセキュリティの8つの拠点で使いまして、先ほど申し上げたクラウドで学ぶ、クラウド環境のもとでソフトウェアのつくり方について学ぶということと、クラウドそのものを学ぶということをやっております。あとは、その利用実績を踏まえて、他大学への展開も考えていきたいということでございます。

【市川】

 質問の趣旨は、つまり、この事業のためだけのみに、国立情報学研究所はクラウド・コンピューティング・システムを入れたということですか。

【伊藤コーディネーター】

 すいません、一番先に産学連携を終わらせてから、先端的ITに行きますんで。

【市川】

 すいません。

【伊藤コーディネーター】

 青野先生、どうぞ。

【青野】

 9ページをあけていただきたいと思いますが、サービス・イノベーション人材育成で、慶應大学と東京工大の例が出ております。それで、例えば、慶應大学、平成21年度、23名受講して、修了した人が2名しかいないんですね。この修了の要件は、26単位のうちたったの6単位取ればいいんです。それから、東京工大の場合も、平成20年度、32名中、4名しか修了していません。これも39単位中、8単位取れば修了できるんですが、それだけ取らないということは、そのつくったプログラムに魅力がないからではないでしょうか。

【説明者】

 すいません、資料を十分ご説明できておりませんが、慶應義塾と東工大それぞれにつきまして、所定の単位を取るということと、あと、慶應につきまして、上のところは修士論文を作成して、それが認められることということと、東工大につきましては、そもそも修士課程を修了することというふうになっておりますので、1年生の方で、単位は取っているけれど修了はまだという形になると、受講生には入っていても修了認定者にはならないという形になりますので、そこのところは若干のラグが生じるということでございます。

【説明者】

 あと、補足ですけれども、2年間のプログラムですので、20年度の受講者2名が21年度に修了しているということになります。

【永田】

 社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラムですが、こういう……。

【伊藤コーディネーター】

 恐縮です。先に産学連携で、今3つやっていて、ものづくり技術者育成とサービス・イノベーションを先に終わらせてから、次に進みますので。申しわけありません。

【永田】

 産学連携に学び直しは入っていると思うんですが。

【藤原】

 学び直しは3つ目です。

【永田】

 違いますか。ごめんなさい。失礼しました。

【伊藤コーディネーター】

 それでは。

【西寺】

 サービス・イノベーションのほうも、成果というふうに言われているのが、プログラム修了者の6割がサービス・イノベーションが期待される企業に就職、残りの4割はドクターに行ったというふうに書いてありますが、これ、どういうことなのかということと、それから、もともとサービス産業の生産性が低いというのは、どういうことで起きていて、それにどこを対応するために文科省はこういう補助をつくったのか、ご説明願います。

【市川】

 追加で。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【市川】

 先ほど、アメリカと日本とサービス産業の生産性を比べると、今の西寺先生のご質問に重ねてなんですけれども、日本はアメリカ100に対して63%であるというお話をされましたが、それは一体どういう根拠に基づいて、何をベースに生産性を出しておられるものなのかも、ちょっと教えていただけるとありがたいんですけれども。

【説明者】

 この事業を導入した背景ということでございますが、我が国のサービス産業の生産性が低いということの考え方として、例えば、サービスについてしっかりとした形での数量的な分析がなされていないのではないかというような話がございます。
 例えば、1つ、慶應大学のテーマであるんですけれど、学生のインターンシップをしたときのテーマであるんですが、電車の乗りかえをするときに、どのような形で乗客の負担感を減少することができるのかというふうなことについて学生が研究しているというのが、1つのサービス・イノベーションの例になるかと思うんですが、例えば、どのような動線をするのかという、そういう構造的な問題であるとか、人と人との流れをそれぞれの時間帯時間帯でどのように分析するのかということとか、表示をどうするのかとか、あとは、人の負担を減らすために色彩をどうするのかという意味で、そういう各分野での融合が進んでいなくて、例えば、建物なら建物の間隔だけでサービスというものがとらえられてきたのではないのかというような考えを持っておりますので、先ほど冒頭申し上げましたビジネスの知識であるとか、例えばオペレーションリサーチ等の理工系の知識であるとか、心理学等々の、そういう分野融合型の教育をサービスの分野で行えないかという観点で、この事業を発足させたものでございます。

【伊藤コーディネーター】

 あと、日本とアメリカの生産性の、市川さんからの、生産性の先ほどの指数の違いの根拠です。

【説明者】

 すいません、指数の根拠については、当方、十分把握しているわけではございませんが、先ほど申し上げたような、産業界としてそもそものサービスの質を数量的に分析をして、どのような改善策をつくっていくかという、そういう手法が定着していないからだと考えております。

【西寺】

 ほんとうにそうなんですかという感じがするんですが。日本のサービス業、そんなに劣るわけですか。それと、そういうことを、例えばやるコンサルタントがあったり、現場できちんと検証して頑張っている企業はいっぱいあるわけで、そういうことを評価できない、そういうところが欠如しているということですか。生産性の低い理由が、主にそこだということなんですか。

【市川】

 まして、ご説明の中に、生産性が低いということを、63%というアメリカに対する数字を挙げられて、生産性が低いという検証結果もありますというふうにおっしゃった検証結果が、それがどういう根拠かよく把握していない。ところが、このサービスについて、何でそれをやらなければいけないかというと、数量的分析がなされていないという説明をされておられるわけでありまして、ぜひとももう少し数量的な分析に基づく必要性というものを明らかにしていただけないといけないと思うんですけど。

【伊藤コーディネーター】

 永田先生。

【永田】

 今お聞きしていますと、サービス・イノベーションのそれぞれのプロジェクトは、要は、ビジネスモデルの作成という感じがするんですけれども、それを人材育成という形で、それを習得した学生のもう少し広い力量につなげるというような視点はどうなんですか。それぞれ企画されたものに取り組んで、一定のビジネスモデルを自分たちはつくった。その経験は生きると思うんですけれども、さらにそういう形の、もとに戻ったサービス・イノベーションの力となる人材の育成というところのつながりはどのようにかかってくるんでしょうか。

【説明者】

 この事業につきましては、特に新しい分野の開拓であるということで、いろんな形でのサービス産業界との連携と、あと、関係する大学との情報交換、意見交換というものも1つの柱だというふうに考えております。いろんな形で新しいものを研究して、それの成果を各大学なり産業界にお伝えするということも、開発していく上での1つの重要な使命だというふうに思っておりまして、8ページの左のところにございますが、シンポジウム、セミナー、ワークショップというものをそれぞれの拠点で精力的に開催していただきまして、今逐次という形ではございますが、それぞれの開発した成果の普及に努めていただいているということでございます。
 あと、この事業がまとまった後の報告については、先ほど申し上げたような形で、こういうそれぞれの13の事例があるわけですので、それぞれの成果というものをしっかり我々のほうで検証して、それをこの13大学を含めたすべての大学にお伝えしていきたいと思っております。

【永田】

 そういう形で1つの企画に参加してやっていくという、そこで得たノウハウを一般化してみんなに伝える、あるいは、自分たちができるようにしていくという点とのつながりが少し不明確なような気がしたんですが。

【説明者】

 この13大学につきましては、今まだ実施中のところもございますが、7つの大学でもう既にプログラムを開発という形で、実際に動かして、プログラムによる学生の受け入れと、修了生のそういう送り出しという修了者への認定という形をやっているわけですので、ビジネスモデルという形になれば、そのプログラムをどのようにつくって運営していくかという形になるかと思いますので、このプログラムをそれぞれの大学——慶應と東工大を9ページに例として掲げておりますが、そういうプログラムをその他の大学においてもどういう形で広めていくかということになろうかと思います。

【伊藤コーディネーター】

 椿原先生。

【椿原】

 この1のカテゴリーの中に、単年度で終わる案件が入っていると思うんですが、そのときに、いつ公募されて、そして審査され、決定され、そして当学校に通知されるか、その辺の時系列的な流れをご説明お願いしたいと思います。

【説明者】

 この事業につきましては、それぞれ基本的に、途中で実施をとめたというのもありますが、基本的には、この産学連携のは、皆さんそれぞれ所定の年数を今やっております。

【椿原】

 単年度はない?

【説明者】

 この産学連携3事業につきましては、途中でというのはございません。

【椿原】

 途中でというより、単年度で完結する案件。

【説明者】

 単年度はございません。

【椿原】

 全部複数年度。はい、わかりました。

【伊藤コーディネーター】

 この事業、多分、評価者の方、お手元に、今、これに関してのコメントシートは3枚あるかと思いますが、産学連携の事業については、コメントシートを書き始めていただければと思います。書いた方から事務局が回収をいたします。
 それでは、続いて、先導的ITスペシャリストの事業に移らせていただきます。先ほど途中になりましたので、市川さんのところからもう一度お願いいたします。

【市川】

 私、先でいいですか。すいません、先ほど勘違いして、こちらに入ってしまいましたけど、もう一回、12ページ目と13ページ目をごらんいただきながら。
 質問の趣旨は、国立情報学研究所がクラウド・コンピュータのシステムを導入された。そこには、この先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムのお金がどうやら入っているであろうと。このクラウドのシステム自体を国立情報学研究所がどのように使っておられるのかと。つまり、それはこの事業のために使っておられるのか、それとも、他も含めた用途として使っておられるのか、そこのところを把握しておられますかというのが質問です。端的にお答えいただいたんで結構です。

【説明者】

 先ほど申し上げたとおり、このシステムは今年の5月から立ち上げているということでございまして、今、その実際の利用の在り方をまさに進めているということで、当面は8大学にいたしますが、その利用状況を見て、他大学にも広げたいと。

【市川】

 他大学の別にこの事業にかかわらず、他大学でも使われるということですね。

【説明者】

 まず8の拠点に36大学がありますので、まずは当面は36大学を中心にして、それで利用状況を見て、例えば、一定の限界のあるクラウドシステムでございますので、容量の関係等を見て、もし余力があれば、その他の大学の利用に供することも考えたいという方針です。

【市川】

 大学しか使われないということですね。

【説明者】

 メーンとしてはそうです。大学の授業でお使いいただく。

【市川】

 メーンとしてはという意味は。

【説明者】

 大学の授業で演習とかで使っていただくということです。

【市川】

 ということですね。

【伊藤コーディネーター】

 藤原先生、どうぞ。

【藤原】

 この先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムに、大体4年間で506人に対して31億円が使われているわけですね。1人613万円という形になりますので、500人の学生に対して600万円の奨学金を投資しているのに近いですね。あるいは、本来企業が育成すべき、そういう人材に対して、先に大学で文科省を通じてそれを投資しているというような言い方も言えるのではないかと思うんですが。
 そこで非常に大事なのは、要するに、先導的なITスペシャリストが大事なことはよくわかるので。つまり、世界で競争していくにはですね。これ、ちょっと、ここに書いてある文章ではなく、澤川さんにはっきりと聞きたいんですが、先導的ITスペシャリストって、どんな仕事ができる人のことを指しているんですか。つまり、どんな人材を育成するのかということについて、非常に具体的なイメージを、ここにいらっしゃる官僚の方々が共有して持っていらっしゃるのかどうか聞きたいんです。

【説明者】

 例えば、1人の天才をつくるというふうなことでこの事業をやっているわけではないと思っております。それで、まずはこのさまざまなソフトウェアの分野については、ソフトウェアの開発過程というのがあるわけですので、その開発過程全体を見渡して、それぞれの技術を統括しながら、新しいものをつくり上げていく、顧客のニーズに合ったものをつくり上げていくということをリードしていける人材というのを、まず当面の目標という形で、あとは……。

【藤原】

 相当高度なOSまで開発できるようなプログラマーのことを言っているのか、それとも、大型の政府が使うようなシステムを開発するようなSEのことを言っているのか、そういう意味で、非常に具体的に答えていただきたいんです。これ、具体的なイメージがないままに30億円が投資されているというのは、大変なことなんですよ、これ。

【説明者】

 それぞれの拠点で得意とする分野、不得意とする分野がありますので、特色が出ているんですが、ここの事例で挙がっている東京大学につきましては、東大の拠点につきましては、特に演習を重視いたしまして、学生の創造性をということでございますので、ソフトウェアをみずからのアイデアで創造できるという、そういう新しいものをクリエートするんだという能力と、先ほど申し上げたシステム全体を統括するというふうな、そういう人材づくりをねらっております。

【藤原】

 システム全体を統括するマネジメントという情報処理のお化けみたいな力と、クリエーティブ、創造性とおっしゃいましたけど、相当相反するんですよ。その両方を追いかけてというのは、むしろ無理ですよね。こんな600万円ぐらいの投資では。1人に1億円投資しないと無理じゃないですか。だから、そこがあいまいで、何となく応募者にお金を配っているというような印象が僕にはどうしてもあるんです。
 したがって、その評価、当然、具体的なイメージがそこまでぶれていますと、評価そのものもできないと思うんですね。だから、結局、先ほど西寺さんおっしゃっていたけれども、全部ここに書いてある評価が感想文になっちゃっていて、例えば、シリコンバレーに行きましたと。見学してくれば、当然、刺激を受けると思うんですよ。それでよかったねというですね。それは行かないより行ったほうがよかったになると思いますよね。そういうことでは、国のお金を使って投じる、ほんとうは、多分、世界最高水準のというふうに文章にも入っているんだけど、世界最高水準のIT人材というのはできないんじゃないでしょうかね。これ、ちょっと使い方が僕は間違っているような気がしますね。
 最後に1つですが、この東大の例を取り上げますと、東大の例でも、先ほど市川さんが指摘した国立情報学研究所という、クラウドが全部発注されているところですね。そこに東大を通して、また発注が起こっているわけですよね。そうですね。これ、国立情報学研究所が何をやっているかというと、東大のためのポータルサイトの構築ですよね。そうじゃないですか。

【説明者】

 東大の拠点としての事業と、あと、すべての拠点のためのポータルサイトの運営という2つの側面を持つということです。

【藤原】

 わかりました。たまたま東大にあると。で、東大が元を請けていると。そういうことですね。
 それに、ぱっと見て、細かく計算すると、ポータルサイトの構築だけで数千万円から1億円かけているんですよ。これ、相当な投資だと思うんですが、これ、要するに、世界中からのアクセスがあるようなポータルサイトなんでしょうか。1つだけ僕が聞きたいのは、このポータルサイトに参画している世界レベルの企業が何社あって、どこが参加しているか聞きたいんです。

【伊藤コーディネーター】

 説明の方、もうちょっと声を大きくでお願いいたします。

【説明者】

 失礼いたしました。
 このポータルサイト、3月から運用したということで、毎月5,000件のアクセスというふうな形になっておりまして、まだ……。

【藤原】

 5,000件?

【説明者】

 はい。まだ実態が少ないということがありますので。

【藤原】

 それ、個人のホームページじゃないの?

【説明者】

 このポータルサイトにつきましては、例えば、90分の授業をしっかりと見ていただくということで、学生の方とか、あとは大学の教員の方、大学の研究者の方が見ていただくというのが、今の主な用途になっておりますので。

【藤原】

 すいません、ここで世界最高水準のIT人材を育てるということであれば、例えば、グーグルとかマイクロソフトとかのもう最先端の技術者ががんがんアクセスしてくるような、そういうサイトでなければ日本の大学生だって育たないと思うんですけど、ちょっと、それ、認識ずれていませんか、どうですか。

【説明者】

 今年度もやっている事業で、件数が少ないということは事実だと思っておりますので、そこをいかに拠点大学の学生が数多く使うかということと、拠点以外の大学生の方についても、これは開かれる、それぞれの学生について許可するというシステムをとっておりますので、開かれていくことが重要だろうと思っております。
 あとは、海外のところについては、いかにどうやってそこに登録する教材の質を高めていくかというふうな話になるんだろうと思っておりますが、そこのところはまた今後の課題だと思って。

【藤原】

 わかりました。
 もう一つだけ最後に確認ね。もう一度聞きますが、このポータルサイトをつくるのに参画してきた世界レベルの企業が何社あるんでしょうか。それとも、そういう企業は、後から暇だったら利用してくださいよというだけなの?

【説明者】

 ポータルサイトの構築そのものについては、いかにして見やすいかとか、それを登録する先生方が教材としてつくりやすいかという観点でやっておりますので、ここで言うところの三菱総研等々に運営の支援をしていただいたり、日本人の研究者の方がつくっていただくという形で。

【藤原】

 これ、例によって三菱総研とNTTデータに発注されているんですけれども、これで世界最高水準のIT人材って育つんですか。世界レベルの企業ががんがん入ってくるようなサイトでなければ育たないでしょう。それはおわかりになりますよね。

【説明者】

 各拠点において、いろんな形で最先端の企業の方に、この拠点の産学連携という形でご協力いただいております。一部ではございますが、16ページのところに実績ということで、68企業のうちのごく一部ではございますが、そこのところのリストを挙げているところでございます。

【藤原】

 すいません、ちょっと最後に、国立情報学研究所というのは、これは例によって文科省と科学技術庁からの天下りがいるような組織ですか。
 えっ、答えられないの。

【説明者】

 いわゆる退職公務員というのは、たしかいなかったと思っております。いわゆるOBの。

【藤原】

 もう一回言いますよ。文科省か科学技術庁から人材を受け入れているような、そういう機関ですか、この国立情報学研究所は。

【説明者】

 出向者はたしかいたかとは思いますけれども。

【藤原】

 出向者の形でいる。

【説明者】

 はい。

【藤原】

 はい。以上です。

【伊藤コーディネーター】

 市川先生。

【市川】

 藤原先生にもかかわりまして、先ほどお伺いしたことの追加なんですけどね。これ、結局、この形を見ていると、結果から言えば、国立情報学研究所にクラウド・コンピュータを導入したいと。そこに先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムというプログラムを乗っけてしまっているような、そういうお金の使い方の印象に見えるんですよね、これでいくと。
 つまり、藤原先生のご質問ではないですけど、どこが先導的ITスペシャリストかということがよくわからない中で、クラウド・コンピューティング・システムを入れるところに総予算の半分弱が使われていてということになって、それをどう活用していくのかということについてもいま一つはっきりしないということになると、ここにこれを入れるために、あたかもこれだけのお金が使われているような、そういう印象になってしまっているんですけど、それは私の全く勘違いですかね。

【説明者】

 例えば、まず1つとして、ソフトウェアをつくるという、そういう中で、クラウド・コンピューティング・システムを導入することで、いろんな形での可塑性というんでしょうか、それぞれ特定のソフトウェアを研究するにあたって、特定のソフト、ハードを準備しなければいけないという、そういう手間が大きく省けて、学習の効率が上がるということですので、それは1つ意義があることだろうと思っております。
 あと、外部のクラウド・コンピューティング・システムを借りたというふうな形になりますと、特に研究者の方が物理的にクラウド・コンピューティング・システムを改変して、これがどうなっているのかを学びたいということをするときには、やはり自前のものでなければできないということでございますので、この拠点、36大学が参画しているわけですので、クラウド・コンピューティングを学ぶとか、クラウド・コンピューティングを使って学ぶという観点で言えば、導入することにはそれなりの重要な意義があるんだろうと考えているわけでございます。

【市川】

 そもそもIT教育をするというのは、これはやはり理工系の大学を中心に、大学の本分であると思うんですね。ですから、それが例えばクラウドであるとか、新しいものが出てきたときには、常にそれに対応していくのは、それはまさに大学が本体業務として行っていかなければいけないことではないかと思うんですけど、それに対して、あえて36大学という極めて限定的な参加の中で、これも国のお金を入れてこれをやられる、本来大学がやらなければいけない業務について、お金を入れていかれるということの、その意味がどこにあるのか、なぜそうなのかということがいま一つ理解できないんですけど、そこをもう少し、なぜこのためにあえてお金を入れなければいけないのかということを、もう少し具体的に説明していただけないでしょうか。

【説明者】

 冒頭、そもそもの背景として、高度IT人材という形で、これまでとかく我が国で欠けていた実践的なIT技術者の育成ということを大学においてもしようということでございますので。

【市川】

 いや、それはもし実践的なIT技術者を大学が教育しきれていないとすれば、それは大学の教育そのものが大きく間違っているということなのであって、それにこういう補助金的な予算をつけて何かをするということよりは、むしろ大学に対して、もっと実践的な人材が育成されるような教育をしてくださいということをきちっと指導するのが、本来の文部科学省の行政ではないんでしょうか。

【説明者】

 それについては、まずはこれまでのそれぞれの大学の強みを持ち寄って集まってください、産学の壁を越えて拠点を形成してくださいということを条件に、よい、やる気のある、アイデアのある大学を引き上げていこうという形でやっているわけですので、これまで弱かった実践的なそういう教育を、そういう手法で改善していこうということであります。

【伊藤コーディネーター】

 先に、1つ目の事業のコメントシートがまだの方、後ろに事務局がおりますので、ご提出ください。こちらのほうも書きながらでお願いします。
 伊永先生。

【伊永】

 先ほどの事業でもお伺いしたんですが、このITの人材も、文部科学省だけがやっているのではなくて、いろんな省庁がやっていますよね。その中で、例えば、経済産業省あたりは、IT人材育成強化加速事業というのをやっておられますが、それも2つの課ぐらいがすべてここに力を結集してやっているような力の入れ方なんですが、そのあたりとの情報交換も同じようにやっておられますよね、連携は。

【説明者】

 通常のIT人材の育成につきましては、経済産業省、総務省、内閣府のIT本部と連携をとりながらやっているところでございます。

【伊永】

 そうですね。

【説明者】

 はい。

【伊永】

 その結果かどうかはわからないんですが、今回採択されております8件の中で、複数の大学が経済産業省とだぶっています。その事実は把握しておられますか。重複があるというか。

【説明者】

 承知しております。

【伊永】

 中身を細かく見ておりませんので、はっきりしたことは言えないんですが、どういうふうに切り分けて採択しておられるんでしょうか。
 こういう高度なことがやれる対象は、大手の大学でもそんなに学科とか学部が多いわけはないので、なかなか簡単に先端的、それも世界最高水準となると、できるところはもう非常に絞り込まれておると思うんですが、そのあたりはどういうふうに重複を避ける形になっていますでしょうか。

【説明者】

 産学、パートナーシップの議論を通じまして、もともと私どもの先導的ITスペシャリストの事業が先にありましたけれども、大学院レベルの非常に先端的な人材育成をするにあたっては、やっぱり学部レベルの教育をしっかりしないといけないということもありまして、その学部レベルの実践性を高めていくということについてのレベルアップというものは、経産省さんでありますとか、そこのIPAさんでありますとかが支援をする。私どもは先導的な部分のところを支援するというような形での話し合いをしております。

【伊永】

 その場合の人件費の負担は、どういうふうに考えて分けておられますか。多分、こういうふうなのは、単に大学の人材だけではとても賄えなくて、産業界から非常勤講師のような形、あるいは客員教授のような形で招いた人材に対してペイしていると思うんですが、その辺のお金の切り分けはどうなっていますか。

【説明者】

 当方の事業に、拠点で、例えば、特定の講義を持っていただくとか、演習にいろんな形で教員の方と一緒に参画していただくという、そういう用途を確認して、当方のほうでお金を。

【伊永】

 切り分けているということですよね。

【説明者】

 はい、切り分けていると。明確に用途を確認した上で、お金を渡しているという。

【伊永】

 それでは、さらにお伺いしますが、世界最先端の人材育成となりますと、もう常に人材のスキルアップといいますか、質問もたくさん出ていましたが、どうやってその世界最先端を維持し続けるのかと。昨年のスーパーコンピュータでも似たような議論はあったように思うんですが、事業仕分けで。結局、常に世界の最先端を維持するって、もう生半可なことではないと。それに対して、この事業のスキームがそのように持続し続けられる形になっているとは思えないんですが、そこはどういうふうにして担保しておられますか。

【説明者】

 事業の持続可能性ということで見れば、特に金銭的な負担になっているのは、産業界から実務家として教員を招く方の人件費という形になるのではないかと。この事業の主な用途はそういう形になっているわけですので。残念ながら、6拠点については、21年度限りという形で、この補助は終わっているわけでございますが、基本的にすべての大学でこのプログラムの継続は行われて、その場に産業界のほうからも、この事業の有用性を認めていただいて、実務家にあたる優秀な方を派遣いただくという、そういうルートができているということですので、この事業を通じて有用性が産学双方に確認されて、継続するそういう素地ができ上がったと考えています。

【清水】

 いいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【清水】

 今のお答えで大分わかってきたんですけど、産学連携で学の役割というのは大分よくわかったんですけど、産は、具体的に連携のためにはどういうことをしているんですか。

【説明者】

 まずは優秀な技術者、それを派遣していただいて、学生にそういうことを教えていただくというのが、まずは主力になるかと思います。
 あと、あわせて、これにつきましては、16ページのところにございますが、まさに生きた最先端の課題を提供していただくということで、それぞれの企業が抱えているその最新の課題をもって、教材を開発したり、事業を運営していただくという形になると思います。例えば、実際に企業の実問題をという形で、PBLという形で、ある大学におきましては、企業秘密という問題がありますので、そこのところをクリアした上で、現実に企業の中で問題となっているような、そういう課題を演習に提供しているという、そういうご協力をいただいています。

【清水】

 いいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【清水】

 最先端の技術者の派遣とおっしゃったんだけど、それを養成するのは企業がやるんですか。

【説明者】

 企業の中で養成されている方もいらっしゃいますし、企業から大学に行ってという方もいらして、それでまた企業にという方も、実際の実務家教員のそういう経歴を拝見させていただきますと、いろいろなルートがございます。

【伊藤コーディネーター】

 西寺さん、どうぞ。

【西寺】

 ここの拠点大学というのは、日本で言えば基幹的な大学がずらっと並んでいるわけですね。その大学の、しかもマスターやドクターの人たちに対する補助なんですが、ふとこの事業を見て思い浮かんだのは、中高大と8年間英語を学んで英語がしゃべれない日本の教育みたいな、そういうこととものすごくよく似ているなというふうに思ったんですが。少なくとも情報系の学部、それから大学院へ進んでいる人たちが、正直と言えば正直な評価ですが、レベルが低いということを文科省が言っているわけですね。これは一体何なんだろうということです。
 だから、これまでの教育が不足していたものがある。それを、こういう形で、補助金のような形でやるのか、それとも、大学の今の教育の在り方そのものを見直していくのかという問題にするのか、どっちかだろうと思うんですけど、そこのところはどういうふうに考えてみえるのか。

【伊永】

 西寺先生にちょっとかぶせますが、世界最高の人材であれば、世界中から引っ張りだこの人材ができるはずなんですが、その部分もついでにご説明いただきたいと思います。そういうふうな人材の実績があるかどうか。

【説明者】

 この事業を実施していく過程で、いろんな方とお話をさせていただきますと、大体共通して我々として認識しているのは、やはりこれまでの我が国の大学におけるIT教育の問題ということで、理論についてはかなり世界の最高水準をいくような研究というのは、多数サイエンスの世界ではあるけれど、あとは、それを実務の世界にどのように伝えていくかというかけ橋の問題だというふうな話で聞いております。
 ですので、この事業を通じまして、外から人を招くようなことをして、最先端の課題を教材化して、それを使って実際に演習するというふうな取組をしたいんだというふうに我々は考えております。
 ですので、いろんな手法、課題があるものを解決して、引き上げていくにはいろんな手法はあるかと思いますが、我々としては、各大学連携、産学連携ということを条件にというんでしょうか、それをお願いすることで、拠点として強力に支援していきましょうというふうな形で考えております。
 あと、留学生については、若干名おるかと思いますが、必ずしも多い数字ではございませんで、我々として、今のこの時点で、何人中何人という形でのデータは持ち合わせておりませんので、ちょっとおわびしたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 永田先生、どうぞ。

【永田】

 テーマが違います。次のところです。

【伊藤コーディネーター】

 では、皆さん、コメントシートのご記入を終わった方からご提出をお願いいたします。
 少し整理しますが、今の話、多分、一番最初の藤原先生の話につながると思うんですが、この目的として、ご説明の中で、1人の天才をつくるわけではないというところの話があった。ただ、一方で、ここにかかっている金額、一番最初に藤原先生からご紹介があったとおり、4年間で30億円かけて修了者が500人ですね。1人あたり600万円ちょっとかかっているというものですよね。そこに対しての、やはりこれは、じゃ、その後どういう人材が育っていくのか。今、この就職企業の例を見ていると、基本的に日本の大企業に入っていて、多分、この方たちはSEか何かになられて、さらに高収入になるという想定もされるわけですので、そこはやはりもう少しどういった具体的な人物像というのが必要だという、一番最初の藤原先生のご指摘につながるのではないかなというふうに感じています。
 すいません、私から1点だけ。東京大学の拠点の中で、国立情報学研究所にもう一回分担金として出しているのは、この決定権は東京大学が持っているんですか。

【説明者】

 申請はそうです。東京大学から申請がございますので。

【伊藤コーディネーター】

 分担金になっているというのは、どういうことなんですか。

【説明者】

 もともと東京大学と東京工業大学と、それから情報学研究所が3連携という形での申請をしておりますので。

【伊藤コーディネーター】

 ということは、最初の公募の段階で、この3つで手が挙がっているんですね。

【説明者】

 ということです。そこで役割が決まっている。

【伊藤コーディネーター】

 なるほど。これはもう意見でしかないんですが、国立情報学研究所のそもそもの業務が、こういう拠点をつくることであるというふうに認識をしていまして、先ほど議論、一番最初に市川さんから話があったように、クラウド・コンピューティングを使うこともそうですし、ここでやることも、もちろん、1つのプロジェクトでやっていることは、今までやってきている業務が違うという意味で、ここに乗ってきているとは思うんですが、だからこそ国立情報学研究所にも運営費交付金が出ているというふうに私は感じていました。
 ここで少し整理をさせていただきまして、次の社会人学び直しプログラムのほうに移らせていただきます。
 では、ご質問、永田先生、どうぞ。

【永田】

 先ほどは失礼しました。
 こういう雇用状況、環境の中で、雇用につながる事業に文科省がかかわるということは極めて重要だと思いますけれども、その対象が社会人、職業を要する人、子育て、あるいはニート、フリーター等も対象にするということになりますと、どうしても最終的に雇用につながるという、その目的が強調されると思うんですけれども、そうなりますと、大学が、あるいはその他の大学等が、自分たちが持っている人的・物的資源を投じて、この社会人の学び直しに参画していく意味ですね。よそにそういうコンサルタントを頼むとか、講師を頼むとかして、結局、他のそういう就職支援のそういうプログラム、そういうものに重なってしまうので、要するに、大学が大学の人的・物的支援を生かしたこういう形の学び直しという意味がきっちり貫徹されているかどうかという点についてお尋ねしたいと思います。

【説明者】

 大学は、それぞれの地域において人材育成という、そういう機能で見れば、大学に限られるわけではございませんけど、相当大きな資源を持っているということは間違いないことだと思います。あとは、それをどのように実際に地域のためにご活用いただくかということで、地域の人材ニーズをどのように大学が発掘して、それを実際のニーズにつなげていくか、そういう観点でこの事業をやっているところでございます。
 大学は純然たるボランティアとしてやっているということではなしに、実際に、例えば、看護師の再教育をやっているところですと、静脈注射についての取り扱いが以前とは変わってきたというふうなことで、現場の看護師が静脈注射をどういうふうにするかということで、いろんな戸惑いがあるというふうなことを聞いて、このプログラムを開設したという大学も1つございます。ですので、現場の方の悩みとか、現場の実態をよりリアルに大学そのものが直接受講生を通じて把握して、必要なものについては、実際、今、学部生の教育プログラムの改善に役立てていくということもできるということで、大学にとっても、一方通行ではなしに、メリットがあるものだと考えております。

【永田】

 今の例は非常にそういう連携してやっていく意味があると思うんですけど、一般的に就職のそういうサポートをするという、そういう一般にやられているカルチャーセンター的なもの、あるいはハローワークがやっているようなものに傾いてはいないか、すなわち、大学が特に大学の教育内容、あるいは先生方がちゃんと関与した、そういうプログラムになっているのかどうかという点について、どういう認識をされているかということであります。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 市川先生。

【市川】

 まさに今の永田先生の質問に関連するところなんですが、やはり大学は大学にしかできないことというのがきっとあるのであろうという前提のもとにお伺いしますが、21ページ目の行政事業レビューシートの実施状況というところを拝見しておりますと、看護師、助産師、薬剤師、保育士等、いわゆる仕業の方に含め、介護、一般事務、農業、工業等ということになっていて、対象としては、先ほど専門的な職業をお持ちの方からニートの方も入っていると。要は、何でもありという。なぜそれを、ニートの方の教育を、大学という組織を使ってやっていかなければならないのかと。
 ご案内のように、厚生労働省系の、これも厚生労働省の事業仕分けもやらせていただきましたので、そのときもいわゆる就業支援というのは非常に大きな課題であるということでありまして、その意義自体はわかるんですけれども、なぜそこで厚生労働省系のところで、例えば、ニート対策とか、非常に大きなお金を使って対応しておられる上に、さらに、かつ大学という組織を使って、そこにお金を入れて、こういった対策をしなければいけないのかというところがいま一つよくわからないんですね。そこのところをもう少しご説明いただけないでしょうか。

【説明者】

 この事業につきましては、実際の社会のニーズがどこにあるかということを大学が……。

【市川】

 先ほど冒頭のご説明の中に、広島修道大学の例を挙げられて、フリーターの再教育でビジネスマナーですというようなご説明があったんですね。フリーターの方の就業支援というのは、これは大事なことだと思うんですよ。思うんですけど、なぜそこで広島修道大学という、大学である最高学府を使ってビジネスマナーを教えなければいけないのかということですよね。そこになぜ国のお金を——広島修道大がご自分の意思でそれをやられるのであれば、それはそれで立派なことだと思うんですけれども、なぜそこに国のお金を大学に入れなければいけないのかというのがわからないという意味です。

【説明者】

 広島修道大学の例は、大学の講義をまず第一といたしまして、その上で、就職に役立つものをつけ加えていこうという趣旨だと思っております。ですので、大学の教育資源を活用して、ニート・フリーター対策何ができるかということを考えていただくということでございます。
 これは継続3年間という形で、その後はそれぞれの大学で自立的にこの事業を運営していただくというふうな形をしておりますので、なぜ国が支援するかというと、そういうニーズがあるかどうかをこの期間の間に確かめて、地域のニーズありということであれば、大学がその自立した運営に踏み出していただきたいという趣旨で、初期投資ということで、このお金を我々のほうとして支援しているということでございます。

【市川】

 これは実は経済産業省もやっておられますが、厚労省、経産省等のいわゆる職能開発、就業支援といったようなこととの連携はどういうふうにお考えなんでしょうか。

【説明者】

 この155の事業を運営していくにあたって、それぞれについて国レベルでやっているわけではございませんが、まず要件として、地域の団体、地方公共団体との連携をしっかりしていただくということが、この採択にあたっての前提としておりますので、そういう意味での現場現場での連携ということを確認した上で、これの事業についてのそれぞれの採択を行っているということです。

【伊藤コーディネーター】

 西寺先生。

【西寺】

 まず、例えば、社会人の再教育のためにやるという話と、先ほど出ました厚労省もやっているフリーターだとかニートの人たちの問題というのは根本的に違うだろうというふうに思いますし、例えば、社会人がみずから再教育するためにこういう機会をつくるということであれば、有料できちっと取って、大学がやればいいわけですよね。ところが、そうでない部分もあるのに、それがごっちゃになってしまっているというのが、まず1つわからない。
 それから、広島修道大学の例ですと、だれでも入っていいですよというふうになっているんですが、例えば、1週間に4日ですかね。4日拘束されるわけですね。そうすると、その4日に来れる人というのは、もうほとんど全日制の大学と同じになっちゃうわけです。そういうところで来れる人が、例えば、非常に偏りのある構成になってしまう。例えば、専業の主婦のような人が集中して来てしまうというようなことになりはしないかということですよね。だから、例えば、夜間にやるというならば、いろんな働きながらやるというようなことはできるんですが、全日制の大学へ3カ月も4カ月も通える人というのはフリーターにはいないんじゃないかなというふうに思うんですが、どうなんですか。

【説明者】

 155ございまして、かなり多種多様な事業になっておりますので、例として掲げた広島の大学のように、ニート・フリーターを対象としているものもございますし、あとは、有職者とか、かつて有職していたけど離職した人を対象としている事業があるということは事実ですので、わかりづらくなっているというご指摘はある意味で当たっているかというふうに思っております。
 それで、この広島修道の例は、実際、朝から夕方までというふうな形になっておりますが、あとは、例えば、有職者の方については、授業を夜にやったりとか、あとは、夏休みとか特定の時期に集中したりというようなプログラムもございますので、あとはそれぞれの現場現場のニーズで、プログラムの時間帯とか、時期とか、そういうことについてはお考えいただいているという形になっております。

【西寺】

 例えば、社会人の再教育というようなことを課題に挙げている大学の例を教えてほしいんですが、例えば、それで授業料をきちんと取っているのかどうか。そういうところでも、この補助金を使って無料でやっているみたいな話だとか、極めて低廉な価格でやっているということになれば、それはちょっと問題ではないかというふうに思いますけど。

【説明者】

 この事業につきましては、この支援期間については、プログラム開発ということですので、授業料を必ず取りなさいというふうな形にはなっておりませんが、一部取っているところもございます。例えば、岩手大学で農業技術者の育成というふうなことにつきましては、1人あたり数万円の受講料を取っているというふうな実態もございます。
 ですので、今の期間については、必ず取りなさいというふうな形になっておりません。ただ、この事業、既に補助が終了しているものもございまして、国の補助なしで、支援なしで実施している例もございます。それについて、まだ費用負担の関係がどのようになっているかということを、我々、網羅的に把握しているわけではございませんが、大学の負担とするのか、受講生の負担とするのか、あと、場合によっては、業界団体の負担とするのか、いろんなやり方はあろうかと思いますので、そこのところはそれぞれの現場現場のニーズで決まっていく形になると我々は考えております。

【西寺】

 だから、1つの補助のメニューの中に全く性格の異なるものが入り込んでいるというのは、これはおかしいなというふうに思いますね。だから、社会人の再教育をやりたいなら、それはそれでやればいいわけですし、そうでない、今の就労対策のため一環でやる事業は、事業としてもう一度再構築するというのが普通の常識的な考え方じゃないですかね。それを、学び直しというようなことで一つにできるということを考えるほうがおかしいんじゃないかなという、そういうことで。

【伊藤コーディネーター】

 青野先生、関連で。

【青野】

 今の西寺先生のお話に賛同いたします。看護師さんとか助産師さん、薬剤師さん、保育士さんなどは、1年間育児休暇を取りますよね。そうしまして、もう1年休んで、2年間取ったとしますと、医療技術は非常に進みますので、その間、また再就職するのが非常におっくうになるんですね。不安があるんです。だから、そういう意味でのキャリアアップ事業というのは、これは非常に有効だと思いますけれども、先ほどから出ていますように、ニート・フリーターの教育をするのには、職業技術を身につけさせるという意味で、もう少しきちっとした長期の長時間の本格的な教育が必要ではないか。ここで文部科学省がちらっとやって、就職はある程度していますから、どういう経路で就職したのか知りませんけど、そういう結果はある程度出ていますけれども、本来の趣旨から言えば、もう少しきちっとした教育をすべきであって、それを文部科学省がほんとうにここで取り扱うべきかどうかというのは問題ではないかと思います。
 先ほどから出ています広島修道大学でも、キャリアアドバイザーに、2,100万円のうち800万円を使っておりますが、就職支援ももちろん非常に重要な業務ではありますけれども、これを大学がやるべきかどうか、ハローワークの仕事ではないかなと思います。

【伊藤コーディネーター】

 今の部分、ちょっと数字で確認いたしますが、多分、受講されている方は、全部で今1万3,800名ぐらいおられて、文科省から出ている26ページの資料でいくと、その中で就職を目的としている方というのが1,178名で、就職を実際された方が677名ということでよろしいですか。

【説明者】

 そうですね。受講生の方に、この中ほどの1万3,851人の内訳で正規社員、非正規社員おりますので、そこを除外して、あと、ごく一部でありますが、自己啓発という形で、明確な就職意識がなかった方も受講生の方に入っておりますので、それを除くと1,178という形になっております。

【市川】

 今、実は大変なことをおっしゃっているんですけど、自己啓発の方も入っているわけですね。じゃ、自己啓発の方に対しての、この事業を行っている中で、ちゃんと自己啓発の方のコストを負担していただいている部分とかというのは把握されておられるんでしょうか。

【説明者】

 明確な就職目的を持たないということを自己啓発という形でしておりますので、特に自己負担云々については、先ほどご説明申し上げたとおりで、この支援期間中、やっているところとやっていないところがあるという形でございます。

【市川】

 そもそも青野先生が今おっしゃりかかったところなんですけど、23ページ目のところの、すいません、これはここしか例が挙がっていないのでどうしても、別に広島修道大学に恨みがあるわけでも嫌いなわけでもないんですけど、ここしか例がないので、ここを例に挙げてご質問させていただかざるを得ないことは、広島修道大学の関係者の方に大変申しわけないと思いつつなんですが。今、青野先生がおっしゃっておられましたように、この費目を見ると、人件費というところに、全体のコスト2,100万円のうちの800万円が使われていて、これが就職支援を行うキャリアアドバイザー及びアルバイトであるということが書かれているわけですね。さらには、これは冒頭のほうのご説明にもありましたけれども、雑役務費のところには広告宣伝費といったようなことが書かれている。これは明らかに、本来、ここで目的とされておられる社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラムという原理原則から大きく乖離した使われ方がされておられるのではないかというような、そういう内訳になっていますよね。
 ですから、その辺のところを一つ一つ、150幾つある中で、大変だとは思いますが、ただ、これまで少なくとも過年度分に関して言えば、年間十数億円、20億円近い支出をされていく中で把握をされておられるのか。さらに言えば、例として挙げられた広島修道大学がこういう状況であるということですから、そういう意味において、果たしてこの事業が適切なのであるかということに対して、疑問を抱かざるを得ないんですが、いかがでしょうか。

【説明者】

 広島修道大学の事案は、大学の学部の講義とその他の講座を組み合わせて、ニート・フリーター対策何ができるかという、そういう発想の事業でございまして、22年度、今大学から話を聞いているところでは、規模は縮小するかもしれないけれど、引き続き維持をしたいということでございまして、費用負担のところまで、我々、詳しくお伺いしているわけではございませんが、大学として、こういうやり方をすれば、学部の講義と一定の外部講師を含めた講義を組み合わせることによって、一定の貢献ができるのではないかということをこの3年間でご確認されたということだと思いますので、お金の使い方等々、いろいろあるかと思うんですが、まずは地域のニーズがあるかということをしっかりと。この広島修道大学、計5回、こういう講習プログラムの提供をしておりますので、その5回のプログラムの中で、これを改善しながら、しっかりとした貢献ができるということをご確認いただいたということだと思います。

【伊藤コーディネーター】

 皆さん、コメントシートを書きながらでお願いします。書いた方は提出をお願いします。
 清水さん、どうぞ。

【清水】

 最初の説明で、途中で中止したという説明がありましたね。今の市川先生の、この事業が適切かどうかにちょっと関係するんですけど、どういう理由で中止をしたんですか。そして、それは何かやめたことによって弊害は生じているんですか。

【説明者】

 個々人のケースまで当方として把握しているわけではございませんが、例えば、ドロップアウトした……。

【清水】

 委託事業でしょう。

【説明者】

 はい。

【清水】

 それはもう何かの理由で、理由もなく、「もうやめます」ってやめちゃうということ? 把握していないというのはどういう意味ですか。

【説明者】

 例えば、理由として考えられるのは、授業がつらくてやめたというドロップアウトのところと、あとは、受けている最中にほかに職が見つかったんでやめましたという方もいらっしゃいますので、やめている事由はさまざまだと思います。
 ですので、それぞれの事業を検証していく中で、このプログラムが有用だったかどうかという、うまくいった人の確認と、うまくいかなかった人の確認という双方が、これからしていかなければいけない話だと思います。

【伊藤コーディネーター】

 いかがでしょうか。
 もしコメントシートがまだの方がおられたら、書いていただければと思います。
 この事業、ずっと出ているのは、ある意味、共通していて、目的が複数になっているという部分で、効果が見えにくくなっているというところかなというふうに感じます。再就職やキャリアアップに資するということになると、今回ちゃんと数字も出していただいているんで、よりわかりやすいんですが、就職している方が670名、非正規から正規になっている方は69名しかおられないわけですよね。そうなると、ほかの方たちについては生涯学習の一環じゃないかというふうに、これはやはりどうしてもとられてしまうと思いますし、じゃ、そこを国費を使ってやるのかと。実際、いろんなところで地域でもやられている部分もありますので、そこのところは大きな論点だったかというふうに思います。
 もしどなたかご意見等ございましたら、お願いいたします。どうぞ。

【伊永】

 こういう社会人の再教育というのは、大変大事な国のやるべきことだというふうに理解しています。ただ、今回のは、議論になりましたように、やはりいろんなプログラムが混在している。本来、国が国費を投入してでもやらなければならない事業もあれば、受益者個人の負担に帰すべきではないかというような性格のものも混在しているというところが一番ポイントだったように思いますが。
 私、この機会にお願いしたいのは、やはり社会人の中には、行きたくても大学教育を受けることができなかったという人はたくさんいると思います。そういう方に、すごく長い時間をかけて大学の課程を修了できるようなプログラムにつながっていくこともあっていいんじゃないかと思っておりますので、欧米では盛んにそういうことを力を入れてやっています。タクシーのドライバーをしていて、10年間かけて大学を卒業した、キャリアアップしたから、いよいよまた違う職に変わるんだというようなことがよくというか、聞く事例なんですが、そういうことには、このままではつながらないような気がしますので、ぜひそういうスキームも入れて再構築されることが正しいのではないかなと思います。コメントでもいいですし、お答えいただいても結構です。

【説明者】

 一定の塊のある学習の成果を大学が公に認める制度として、履修証明制度というのはもう学校教育法の中で盛り込まれておりまして、この事業についても、約3分の1の大学において、修了生の方に対して履修証明書を発行する。それが就職の際に活用されたというふうなケースも聞いておりますので、それが広がる1つきっかけとしてご活用いただきたいと思っています。

【伊永】

 履修証明にとどまらないで、最終的にはそれが学士の学位につながるというところまでスキームを固めていただければと思いますが。

【市川】

 では、もう1点確認をさせていただきますが、もう一回、行政事業レビューシート、21ページ目に戻っていただいて、事業実施状況、看護師、助産師、薬剤師、保育士の方というのは、比較的データが把握しやすいところだと思うんですね。この部分で、平成19年度からこの事業を始められた中で、この全体として修了者が1万90人おられるわけですが、そのうちのこういった特殊技能を持った方が何人ぐらいおられて、その方たちがこの受講をされた後にどうなっておられるのかといったようなことについては、データを把握しておられますでしょうか。

【説明者】

 まず受講生というより、件数でご説明させていただきますと、26ページのところ、学問分野というふうに見ていただきますと、人社系78件、理工農系、医療系とありますので、看護師等々の方については、この36件に該当するというふうにごらんいただければと思っております。
 それで、追跡調査をやっているところも相当数ございまして、これは歯科衛生士の事例なのでございますが、例えば、1年後に昇進したという方が、歯科衛生士については、ある大学の例では25%とか、そういう形で、再就職以外のキャリアアップに活用された例が、歯科衛生士について25%、歯科技工士について50%とか。
 あと、それぞれの講義の満足度について、1年を振り返ってみてどうでしたか、仕事に役立っていましたかという観点で見ますと、大体90%前後の方から満足度をいただいているという。

【市川】

 満足度は評価対象にあまりならなくて、それは、例えば無料で受講させてもらえば、皆さん、それは満足だと言うのが普通でありまして、それは自分がかけたコストに対してどういう効用があったかというのが、多分、満足度の評価の基準なのであれなんですが。
 ただ、じゃ、例えば、看護師の方。今、医療現場は看護師の方が不足しておられて大変であって、こういった看護師の方で、例えば出産された方で、再復帰されるようなことを支援するのはとても大事なことだと思うんですが、それについて、実際に具体的に何人ぐらいの受講者がいて、その方たちが受講を終えた後にどうなられたかといったような数字の把握を、もう一回ちょっと確認したいんですけど、しておられますか。

【説明者】

 個別の看護師については、申しわけございませんが、やっておりません。

【市川】

 すいませんが、やはりこういった事業を行われるときは、必ず……。あまりここで大変な調査をやると、今度は逆にそこでまた国費を食うことになりますから、そこまでする必要はあるかとは思いますが、ただ、少なくとも数字の把握というのはきちっと、国費として投入されたものについてはされるべきではないかというふうに思います。

【説明者】

 すいません、個々の大学について、ここの事業主体について、どのような形で就職したかという形でのフォローはしておりますが、それを取りまとめて、看護師、複数ございますので、そのそれぞれのコースが合体した数字がどうなっているかということについては、今の時点で我々としてはやっていないということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 よろしいでしょうか。
 それでは、集計結果がまとまりましたので、私から数の公表をした後に、後藤政務間より取りまとめをしていただきます。
 まず1つ目です。産学連携による実践型人材育成事業につきまして、今回の傍聴者の方、また、見ている方なんですが、評価の仕方は全部で大きく3つあります。見直しの余地なし、要改善、廃止、この3つの選択肢の中でお答えをいただいています。ただ、要改善は非常に幅が広くなっていますので、一応改善内容というもので、実施主体、事業規模、事業内容、予算執行、その他というふうに、5つの選択肢で書けというふうになっております。
 1つ目の事業、要改善という方が4名、廃止という方が4名です。要改善の中は、事業内容の見直しと、また、そのほかの見直しという方がおられました。
 2つ目の事業です。先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム、要改善が4名、廃止が4名です。こちらも事業内容と予算執行の見直しという方が、要改善の中にはおられました。
 続いて、社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラムです。こちらも要改善が4名、廃止が4名です。要改善の中には、事業規模の見直しと事業内容の見直しという方がおられました。
 それでは、政務官より取りまとめをお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 今、伊藤先生からご報告があったとおりであります。
 幾つか先生方から今後の具体的な指摘事項ということで、幾つかご紹介をさせていただき、最後に結果について話をさせていただきます。
 産学連携による実践型人材育成事業、これにつきましては、先ほどいろんなご意見が出ました。事業評価が的確に行われていないので、成果が国費投入にふさわしいものかどうか判断ができない。よって、事業の定量的・数値的評価基準が構築されるまで、一たん、すべての事業を廃止して再検討すべきである。さらには、通常の大学の任務に任されており、国費をつぎ込むことは必要ないというふうなこと。さらには、成果の把握が不完全。成果の評価が不十分。評価方法について、さらに十分研究する必要があるという等々のご意見。
 一応見直し、要改善と廃止が4対4でありましたが、先ほど私も皆さん方のご意見を聞きながら、また、役所側からの意見も踏まえて、不十分ということも私自身も認め、廃止という結論といたします。ただし、要改善というご意見の中でもありましたように、事業のアウトカムの検証や評価の考え方の基準をまず確立をし、新たな検証・評価体制をしっかり行うべき。その上で、評価の高いプログラムの普及・活用を図るべき。2点目は、産学連携のための長期インターンシップの実施は、プログラム開発等の必要性はあるものの、それについては、そもそも大学教育活動の強化も含めて、大学自身の本来業務であり、大学の経常経費で行えるよう、基盤的経費の在り方も含めて検討していきたいというふうに考えております。重ねてでありますが、この事業につきましては、廃止という取りまとめにさせていただきます。
 2つ目の先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム、これにつきましても、要改善4、廃止4ということでありました。このプログラムにつきましても、この主目的であります、世界最高水準のIT戦略育成には成功しているとは判断できない。したがって、この事業によるIT人材育成の正確な費用対効果が明確でない以上、国費投入を継続することはやめるべきである。さらには、IT人材の育成については、大学の本来業務である。なぜ特定大学に対して補助金を出す必要があるのか理解できない。ほんとうに先進的スペシャリストを育成するなら、科研費で大学の研究を支援すべきである。先ほどの事業と同じでありますが、大学院・大学教育などの強化が先ということであります。
 これにつきましても、結論は廃止という形にさせていただきたいと思います。4対4という改善の分も含めて、先ほどもお話をしましたように、この事業がどのような人材を育成しようとしているのか、その戦略など、事業の目的、手法、投資効果などをこれからさらに明確にしていきたいと考えています。さらには、IT分野のスペシャリストの育成は、当然大切なことでありますが、そもそもの大学や高専の本来業務という部分の整理、さらには、本来業務であれば、大学の活動強化という部分も含めて、大学の経常経費で行えるよう、基盤的経費の在り方も含めて検討すべきという形で対応させていただきたいと思います。
 社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム、これにつきましても、要改善4、廃止4という先生方からのご意見であります。これにつきましても、ほんとうのこの問題というのは、先ほどの2つの事業とも関連いたしますが、大学が現在多すぎる、学部の過多ということも実際あるのではないかと、本質的な意見の中で、「一応」大学生になっているという、そういうふうな厳しい指摘の中で、ほんとうにこの職業教育に、きちっとしたこれからの精度の高い視点の中で職業教育訓練に重点を移していくというふうなご意見や、社会人の再教育というのは、当然、これからの少子高齢化時代の中で、大学教育のある意味では発展的ビジネスとして有望な分野でもあるにもかかわらず、本来、国が支援する教育と受益者の個人的負担で行う対象が混在している。そういう意味で、この事業は一たん廃止をして、国費投入が必要なプログラムかどうかということを真に絞って再構築すべきであるというご意見。
 さらには、厚労省、経産省との連携が不透明という中で、この学び直しニーズ対応教育推進プログラムにつきましても、廃止という形にさせていただきたいと思います。ただし、再就職支援は、当然、厚労省、経産省も含めて対応をこれからも進めていかなければいけない事業でありますが、文部科学省が大学教育を所管しているという中で、ほんとうにこれから何を真に文科省として支援をしていくかということを明確にしながら、さらには、学生さんという個人に着目して、受益者負担という観点も整理をしながら、区分の明確化も含めて整理をさせていただきたいということ。さらには、この事業の成果という部分について、検証が十二分でないということで、これから、もう何年もたっておりますので、検証・評価という体制をきちっとして、もう一度再構築をするということ。さらには、ビジネスマナーという、当然、社会に出るときには最低限必要なものがメーンになっている学校もあるようでありますが、少なくとも社会人の学び直しというふうな形での再就職やキャリアアップに対応した教育というものは、そもそも大学の本来業務ということで、ぜひ大学の経常経費の対応、これからの在り方も含めて、きちっと検討すべきだという前提も含めて、廃止という形で対応をこれから進めさせていただきたいと思います。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 これで午前中の議論につきましては終了させていただきます。ご説明の方、ありがとうございました。
 少し時間は押しておりますが、午後の再開は予定どおり、13時30分からとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

( 休憩 )

【伊藤コーディネーター】

 これから午後の部を再開いたしますが、冒頭、川端大臣お越しですので、一言ごあいさつをちょうだいいたします。

【川端大臣】

 皆さん、こんにちは。文部科学大臣の川端達夫でございます。今日はありがとうございます。
 文部科学省でも、今日は12の事業を対象に、今日からいろいろレビューをやっていただくことになりまして、ご協力に心からお礼申し上げたいと思います。
 去年の事業仕分け以降、やはり行政の横断的なむだのない仕組み、有効な施策の実行ということの方針で、いろんな取組をやってきていただきまして、筋肉質でぜい肉のない健康な体につくり直すという意味での2回の仕分け等々の皆さんのご努力で、トレーニングのやり方は大体わかったのかなと。それを各府省において、1回限りではなくて、不断にいつもそういうことが実行できるようにという趣旨の今日はスタートだというふうに理解をしておりますので、どうか今までいろいろ事前にもご調査いただいて、ご協力いただいてまいりました。実のあるご議論をいただく中で、筋肉質な体質に文部科学省もなっていくように、我々も努力したいと思いますし、今日のご議論もしっかりとやっていただきたい。感謝を込めながらごあいさつにしたいと思いまして、脳みそだけは柔軟に、筋肉質でないように、ひとつ体は筋肉質であるように、我々心がけたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 明日の午前中で内閣が変わることになりました。しかし、この民主党政権においては、こういうことを不断にやって、ほんとうに行政の仕組みをつくっていくということにおいては、みじんの変更もありませんので、しっかりとこれを引き継ぐべく、スタートの場に私もおられたことを大変光栄に思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、午後の事業を再開いたします。事業番号4番になります。安全・安心科学技術プロジェクトです。午後の部から有識者の方、数名変更になっておりますので、傍聴者の方は、また冊子のほうでご確認いただければと思っております。
 それでは、冒頭、後藤政務官より、事業選定の背景をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 この安全・安心科学技術プロジェクトを選定した理由は、この上位政策というのが、29ページにもございますが、安全・安心な社会の構築に資する安全技術の推進と、非常に大きなテーマです。逆に言えば、非常にアバウトな部分がございます。そういう意味で、政策の優先順位をこれからどうするかというご議論を多分賜ることになりますが、公募型研究資金として、この経費も含めて、総合的な整理が必要だということでテーマ設定をさせていただいたところでございます。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご説明をお願いいたします。

【説明者】

 事業の概要をご説明させていただきます。資料の34ページから図を用意させていただきましたので、それに沿って説明をさせていただきたいと思います。
 まず、本安全・安心科学技術プロジェクトでございますけれども、もともとは第3期科学技術基本計画の場で、科学技術、これを社会に還元していかなければいけないという基本的な考え方は今までずっと持っておったんですけれども、従来の経済的な意味での還元以外に、社会の安全や安心に資するような形で科学技術を実社会に展開していかなければいけないという、そういう大きな命題が出されました。それを踏まえて、今後、科学技術をこういう分野でも活用していこうということが重要であるということで、本プログラムを始めさせていただいたという、まず背景がございます。
 実際にどういうことをやっているかということでございますけれども、平成18年度に第3期基本計画をスタートしまして、まず総合科学技術会議のほうで、科学技術という観点から、この安全に資するものをどういう戦略、どういう分野で技術を使っていけばいいかということの議論がなされました。
 次のページ、35ページに、どのような議論がなされたかということの概要をつけさせていただいております。大きく7つぐらいの分野が、おそらく科学技術が大きく貢献するだろうということが、まず考え方として出されまして、その中で科学技術というものをしっかりと展開していくということが重要であるということ。それから、科学技術の仕組みの中では、もちろん、シーズ側の提案、これが一番重要ではございますけれども、実際に規制等を行うニーズ側とのマッチというものを十分に図っていかなければいけないというところ。それから、国がやるべきところ、テロみたいな例示もございます。それから、実際には自治体ベースでやっているところ。安全・安心というのは非常に幅広いところでその活躍の場がありまして、その実施主体も大きく変わるということで、それぞれの内容に応じた取組の仕方を変えていかなければいけないというところ。それから、一番右下に書いておりますけれども、どのようなことが今一番ホットになっていて、どのようなことが技術的に解決すべきかということのネットワーク、そういうものをしっかりつくっていかなければいけない、そういうことが考え方として出されております。その中で、本安全・安心科学技術プロジェクトというものを走らせていただきました。
 34ページに戻りますけれども、現在、このプロジェクトという名前で動いている業務は、大きく2つの要素がございます。
 1つは、研究開発の部分でございまして、この研究開発の部分につきましては、さらに大きく2つの分野を現在手がけさせていただいております。1つがテロ対策の科学技術ということで、これについては、平成19年度からプログラムを開始いたしまして、19、20、21と3回ほど課題採択をいたしました。これは21年度時点では6課題ですけれども、ちょうど21年度で3課題が終わりまして、現在3課題が継続中でございます。
 それから、もう一つの地域社会の安全・安心の確保に係る研究開発ということですが、これは平成20年度に採択いたしました。こちらについては、特に地域社会の安全・安心でも、20年度の場合は、防災、特にコミュニティがやるような防災の部分で、技術でどういう形でそこを高度化できるかということをメーンにテーマ設定をさせていただいております。
 それから、最後は、安全・安心に関わる知・技術の共有化ということで、ここの部分が、こういう科学技術を応用するにあたって、この分野でどういうことが重要であるかということ、それから、実際にはこの科学技術を展開するにあたっては、実際の地元の方、それから国の今度は規制側、そして研究者、場合によっては海外の機関、そういうところとの連携を図っていかなければいけないということで、そういうところをターゲットにした調査研究、それからシンポジウムの開催等々を行っている、そういう大きな3つの要素を実行させていただいております。 それぞれの簡単なイメージを見ていただくために、その後ろに図を設けております。36ページはテロ。これはものを見ていただくのが一番わかりいいだろうということで、終了の3課題と、あともう一つ、今かなり実用化に向かっている部分というもの、こういうものをやっているという写真でございます。テロ対策と言っても幅広うございまして、ここの部分に関しましては、特に技術が生かされる、日本の技術が一番進んでいるのはどこかと言いますと、いろいろなものを検知する技術、それから、ものを同定する技術、こういうところが非常に技術が進んでおりますので、その部分の技術開発というものが、テロ対策の中でも非常に有効に働くのではないかと考えまして、その分野での研究開発を進めさせていただいております。具体的には、こういう具体的な実機を使って、技術がほんとうに現実の場で実用化できるのかということを実証するというのがターゲットになっております。
 それから、次の地域でございますけれども、これは特に実際の自治体が、特に防災の場合ですと、自助、共助、公序と言うんですけれども、特に高齢化が進んでおりますと、お互いに助け合って避難をしなければいけないというような状況の中で、特に情報技術を中心といたしまして、自治体が実際に防災の際の活動をする際に、どういう形で技術を使えばいいかということを、単にデータベースを開発するということではなくて、それを実際に使っていただく自治体が、その使っていく過程をまた分析させていただいて、どういう形で技術を定着させるか、使いやすい形にするか、どういう形でその技術が地域に根差していくか、そういうことも定着のプロセスみたいなものも、これは社会科学的な研究のアプローチになりますが、そういう融合分野としてやらせていただいているというのが、この地域に係る現在やらせている研究課題のテーマでございます。
 それから、最後、知と技術の共有化というわかりにくい表題になってございますけれども、先ほど申し上げましたように、こうした安全分野というのは、非常に情報が重要になってきます。すなわち、どういう脅威にさらされているか、どういう問題があるのかということをしっかりと認識した上でなければ、技術開発には進めることができません。ただ、先ほども申しましたように、安全・安心の部分というのは非常に範囲が広うございます。その中で、特にこれはテロとかそういうものは、国が基本的には対策をとるという分野でございまして、ここはなかなか国ベースでないと情報をとるのが難しいということで、この部分に特に焦点を当てまして、先ほど言いましたような調査研究、情報収集、それから、実際の規制の担当者、これは国内の実際に警察ですとか国交省さんですとか、いろいろなそういう実際に現場にあたっていただく省庁さんとの間、それから実際にこういう分野の研究をなさっている研究者の方々、それから海外の規制機関、そういうところとネットワークをとりながら、お互いに情報を共有するということをやっておりますし、さらには、こういうネットワークを使って、今まで申し上げましたような、今度は文部科学省が行ってから研究課題の成果というものを発信していって、それを海外のほうにもきちっと知っていただく。そういうことを、この取組を通じて行っております。
 以上、雑駁ではございますが、事業の概要でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、政務官より論点のご説明をお願いします。

【後藤大臣政務官】

 39ページをお開きいただきたいと思います。
 この事業の論点は2点、事業の必要性、事業の有効性ということでまとめさせていただきました。先ほど室長のほうからお話をしていただいたように、29ページの見直しの要旨というところで、他のプログラムの活用も含め、より効果的な実施方法について検討を行うという自己点検もございますが、まず、事業の必要性につきましては、この事業が文科省の事務事業を他課に委託させて対応させて対応させているという、内局委託費という形で執行されているという点。その際に、今、事務方からも説明したように、他府省との、また自治体との協働による地域振興策や産業界との連携という、かなり他府省の競争的資金との関連というものがたくさんあるということでございます。特に今説明をしたように、自然災害、食品安全だけではなく、テロ対策技術と地域社会の安全・安心の確保と2つの事業に特化した枠を設定しながら対応しているというのが、特に文科省という主体が内局委託している事業で、実質有効性がどうかというところが1つの論点であります。
 もう一つ、有効性という点につきましては、テロ対策の事業、先ほどもご説明をしましたように、警察庁や国交省、特に港、飛行場を含めて、たくさんの機関との連携の中で当然進めていかなければいけないということで、そういう意味での成果目標というものが、文部科学省の中だけではなかなか成果目標も決めにくいというものが1つございます。
 さらには、地域社会の安全・安心の確保という点につきましても、それぞれの自治体も当然防災システムの構築をし、実施をしております。そういう意味で、国と地方の回り方、国がどこまで関与すべきかどうか、対応すべきかどうかという点で、国税をどの程度まで投入して、どの程度の成果が得られるかというふうなことを、その成果の検証というものをどういうふうに見ていくべきかというふうなことが、今後、この事業が仮に存続するという結論に達すれば、その成果の検証というものも、事業の継続の妥当性も含めて、論じられるべきだというふうに考えております。
 そして、地域自治の共有化ということもご説明申し上げましたが、それ自体、当然、非常に大切なことだというふうに私たちも思っておりますが、それがテロ対策というものに特化した形で、知・技術の共有化というものの実施を今後とも継続していくかというふうなことが疑問というか、論点として先生方にご議論賜ればと思っております。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見お願いいたします。

【西寺】

 議事進行で。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【西寺】

 失礼なことを言うかもしれませんが、この事業の直接の委託先の方が評価者の中に見えるんですが、そういうときはどうするんですか。

【伊藤コーディネーター】

 すいません、選定については事務局ですね。ちょっとお待ちください。

【藤原会計課長】

 ちょっと事務方から説明申し上げますが、一応、私のほうでは事前に、対象事業との関係で、具体的に関係する方がこの会合に出るということがないようにチェックはしているということはございまして、具体的にどういうことなのかちょっと把握していないんですが、事前にチェックはしているという状況でございます。

【西寺】

 現実に見えるわけですので。個人には何の恨みもないんですが。そういう、事業仕分けのときにも、それをある意味で自主的に退席されたんじゃないですか。

【後藤大臣政務官】

 いいですか。私が言ってはいけないかもしれませんが、どういう経緯で西寺先生おっしゃっているのか、多分、この中にどなたかということだと思うんですが。主体が事業仕分けという行政刷新会議が主体の部分では、そういうルールは確かにあったようであります。当然、それを意を踏まえて、予算効率化チームのもとでの行政事業レビューということで、今日、先生方にご意見をということでありますが、多分、意見、質問等はなく、この議事もすべて、インターネットも含めて、公開の中で対応していますので、もしそういう関係者がいても、一般の傍聴者と同様ということで、どの方がどうかということではありませんが、聞いてもらっても別に私個人は問題ないのかなと思うんですが、先生方のご意見がなければ、そういうふうにさせてもらってもいいのかなというふうに思います。

【西寺】

 委託先の独法の方が、この評価者の中に見えるので、それをどうするんですか、第三者機関で評価していると言っている建前上、それはまずいんじゃないですかというふうに言っているわけですよ。

【後藤大臣政務官】

 じゃ、鳥井先生、すいません。この安心・安全部分で、私の部屋に行って、お茶でも飲んでいてください。

【鳥井】

 わかりました。

【伊藤コーディネーター】

 多分、見ている方はよくわからないので、少し整理しますが、1つ、事業仕分け、刷新会議でやっていた事業仕分けのときには、委託されている団体の方等、直接な利害関係のある方というのは仕分け人としては一たん外れていただくという明確な仕切りをつけておりました。これは刷新会議がやる事業仕分けのときです。今回、各省でやる行政事業レビューの場合においては、一応、仕分け人の選定権は各省がお持ちですので、透明性の確保だけは担保してくださいという形をとっておりましたので、今、対照的に、政務官のお話の中でも、一たんこの事業についてはお外れをいただくという形で整理をさせていただきます。よろしいでしょうか。
 それでは、議論に戻らせていただきます。市川さんからお願いします。

【市川】

 それでは、34ページ目に基づいて質問をさせていただきたいと思いますが、34ページ目に、重要研究開発課題の研究開発というところがあって、そこにテロ対策技術等に係る研究開発の中で、各年ごとにどういったものをやっておられるかというところを挙げていただいておりますが、1つ具体的にお伺いしたいんですが、例えば、平成19年度採択プロジェクトで、「ウォークスルー型爆発物探知システム」、これは日立製作所、それから、「ミリ波パッシブ撮像装置の開発」、東北大学といったような支出をしておられるんですが、これは現時点において、今、具体的にこの両者の、日立さんがやっておられたのと東北大学さんがやっておられた、これは今どうなっているんでしょうか。

【説明者】

 まずミリ波パッシブのほうですけれども、こちらのほうは、先ほども言いましたように、一応試作機の1号までがこのプロジェクトでできた形になっていますが、現在、ちょうど今後7月から、国土交通省さんのほうで、成田空港を使ったボディスキャナの実証実験をやることになってございまして、5機種その対象になっておるんですけれども、その1課題としてお選びいただいて、国交省さんのほうで実証実験をしていただけることになっております。
 それから……

【市川】

 それは東北大学の事業として出しておられるんでしょうか。

【説明者】

 プログラム自体は終わっていますので、一応うちの成果ということにはなりますけれども、実証の部分は、このプログラムの外ということになります。

【市川】

 じゃ、そこに実際に応募しておられるのは、主体はどこになっているんですか。

【説明者】

 東北大学ということになっています。

【市川】

 東北大学となっている、はい。
 で、日立のほうは。

【説明者】

 すいません、今明確に言えないんですけれども、少し実証実験をしたいという話が来ておるんですが、今の時点では公表できないことになっておりまして、具体的な話は避けさせていただいてよろしいでしょうか。

【市川】

 何ゆえその質問をさせていただいたかと言いますと、戻っていただいて、32ページ目になりますが、テロ対策等に係る研究開発のところで、具体的な支出先というところを挙げていただいております。1番が大阪大学ですが、2番に東芝、3番に日立製作所、4番目に中央電子、6番目がマスプロ電工、7番目がクボタ、10番目が三菱重工ということになっておりまして、要は、一般事業会社に対して研究開発費という形でお金を出しておられるということになるわけでありまして、これは、もちろん、テロ対策に係るところについて、国として対策を立てるという、これは非常に重要なことであろうかと思うんですが、何ゆえこういった企業に対して、企業の技術開発に対して、直接文部科学省の予算を使ってお金を出される必要があるのかというところがよくわからないということであります。

【説明者】

 本プログラムが対象としておりますのが、一応プルーフ・オブ・コンセプトという言い方をしているんですけれども、要は、実際に技術的にできるということがわかっているのが、ほんとうに実社会で必要なスペックを満たしたかということを証明するということをターゲットにしております。そうした中で、現実の社会で実際の現場につくるような、ある種、試作機という言い方をしておりますけれども、そういうものをつくるにあたって、やっぱり企業さんの側が非常に重要であるということ、それから、成果が実際に出て、この技術が使いものになるということがわかったときに、できれば製品化につなげていただきたいということで、まず基本的な考え方として、ここで応募するときに、企業さんと必ず連携をして、大学だけでない形で応募してきてほしいという条件をつけています。その中で、こういうところの企業と組んで名前が挙がってくるということになっております。

【市川】

 では、もう1点。もし試作機であって、こういったものというのは広く汎用的なニーズがあるものではないので、最終的なエンドユーザーの数は相当限られるということを理解した上で申し上げますが、試作機ということで、最終的には何らかの形で、例えば、この東芝なり日立なりがこの研究開発の委託を受けたものの製品化を進めて、例えば、国の組織に売却をするということになるんだと思うんですね。であるとするならば、むしろ最終的なエンドユーザーであるところの国の組織等がお金を出されるということなら理解はできるんですけれども、何ゆえ、ただでさえ教育、科学研究のところで非常に予算の厳しい文部科学省がこういったところにお金を支出されるのかというところが、さらによくわからないところではあります。

【説明者】

 基本的な考えでございますけれども、実際の省庁さんもいろいろ研究開発をなさっていて、ターゲットがしっかり決まっている場合は、多分、そのやり方で非常にうまくいくと思います。我々はその部分でなかなかいかないような、大学に実際に技術はあるんですけれども、それが実際にどういう形で使えるかということを、むしろ実際の現場の方ですとか省庁さんに示すという役割があるというふうに考えておりまして、例えば、先ほどのパッシブのミリ波の話でございますけれども、これは最近はたまたま実際に去年の12月ですか、非金属の爆発物のテロがありましたので、ニーズが非常に明確になったと思いますけれども、19年当時は、あまりそこまでニーズはないんですけれども、実際にこういうことは実現可能だと、これによって実際のテロ対策というのは向上させられるのではないかということを、技術側のほうから提案するというのが基本的な発想で、そういう観点から文部科学省で実施させていただいているプロジェクトでございます。

【伊永】

 この事業の立て方でちょっと教えていただきたいんですが、第3期の科学技術基本計画に沿って、多分、総合科学技術会議の指導のもとに、こういうふうになってきたのかなというふうに勝手に予測していますけれども、テロと地域社会の安全・安心というのを挙げておられると。他の府省でも、もちろん、平成19年度から一斉に安全・安心のいろんなプログラムが出てきているものとは切り分けているという前提で質問しますが、お宅の局で抱えておられる科学技術振興機構に、やはり平成19年度から「犯罪からの子どもの安全」というプログラムが動いておりますが、こちらのネーミングだけを見たら、こちらのほうがむしろ文科省らしいプロジェクトではないかというふうに思いますが、なぜこのやや民間企業の名前が乱立するようなテロとか地域社会のものを本省の局がやって、外であるJSTがもっとふさわしいようなのをやることになったのか、その辺の経緯がありましたら教えていただきたいんですが。

【説明者】

 まず、個々によって少しずつ違うんですけれども、テロに関しましては、これは先ほどちょっと詳しく述べませんでしたけれども、やはり実際にどういうものを測定するかとか、どういうものがどのぐらい危険かとか、そういうことというのは結構国の機密情報ということになっております。飛行機を例に挙げて考えていただくとわかりやすいんですけれども、飛行機を海外に飛ばすためには、海外の規制とも関係してくるんですね、日本の技術というのは。そういうところの情報収集というのはなかなか独法では難しいということがありまして、これは国でないとなかなか進められないだろうという考え方がございました。
 犯罪に関しましても、できましたらやりたかったんですけれども、これは限られた予算の中で優先順位をつける中では、まず一番最初にテロを手がけたというのが平成19年のスタートでございます。

【伊永】

 ただし、子どもの安全ですから、旧科学技術庁が少し距離があるというのも大変まずいことなので、旧文部省はほんとうに子どもを扱っているところなのに、これを他の独法に任せてしまうというのはちょっと理解しづらいんですが、そこをきちっとご説明ください。

【説明者】

 なぜそこをやっていなかったかという答えに関しては、非常に難しいんですけれども。我々のプロジェクトで、基本的には技術開発的要素が強かったものでございますので、技術開発要素がどういう形でできるかという調査をしたときに、ちょっと我々の調査不足かもしれません、残念ながら、子どもの安全・安心という部分でうまく技術を生かせるというきちっとしたテーマ設定を我々が見出せなかったというところが、すいません、我々の力不足だと思います。

【伊永】

 ぜひ、重要なことですので、最終的な成果が本省のほうにも還元されるように、連携を深めていただきたいと。19年から24年までの6年間のビッグプロジェクトですので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん、どうぞ。

【船曳】

 先ほどの市川さんのご質問のほうにまず戻らせていただきたいんですが、なぜ日立の、例えば、先ほど例が挙がったウォークスルーの探知システムの研究に、元科学技術庁のほうが補助をされるかということなんですけれども、まだちょっと私も腑に落ちない点がありまして。と言いますのも、ホームページを見ていましたら、文科省の科学技術・学術政策局の方が、このメンテナンス面やコスト面で、純国産のこうした機器が開発・実用されることを切望しているというふうに国交省から言われたということで、これの実際産業面での実用化というのを、非常に省を越えて希望しているということが書いてあるんですね。
 そして、先ほど最終ユーザーということは、文科省自身がそれは国交省だろうということを認めているということも言えるし、それから、実用化ということは、具体的には日立が製品をつくるということであって、そういう意味で言えば、産業総合技術研究所、産総研などでもう既に日立とかそういうところから出向者を迎えて、そういう研究をするという機関もあるわけですから、なぜ文科省として、元科学技術庁としてこれを行わなければならないか、いまだに腑に落ちないで、もう一度ご説明いただけますか。

【説明者】

 基本的な考え方といたしましては、我々としては、今回、確かに日立の技術も一部入っておりますけれども、民間企業なり大学にある研究的な技術シーズというものを実際の社会に展開していきたいというのが、大きな政策の我々のミッションだというふうに考えています。その中で、今回の、先ほども何度も説明したとおり、基本計画の中で1つの出口として、そういう安全・安心な社会というものの中にその技術をどういうふうに取り入れていくかということの道筋をしっかりつくっていかなければいけない。その部分は、ある種、研究開発の延長の、1つの研究開発の流れをきちっとつくる話だというふうに理解しておりまして、そういう考え方で進めさせていただいて。

【船曳】

 ということは、日立に、今、この表を見ますと、4,300万円委託費を払われていると。

【説明者】

 はい。

【船曳】

 委託費から研究開発資金として、どちらかの大学に研究費が行っているわけですか。

【説明者】

 いえ、これはここから大学に流れるという形ではなくて、先ほど内局の委託費という言葉が出ましたけれども、これは全部日立が担当している部分の研究費で、複数の機関で組んでいるものに関しましては、それぞれの契約……。

【船曳】

 今、私、日立のことを質問しているんです。

【説明者】

 ですから、日立だけでございます。そこから大学に行くことはありません。

【船曳】

 ですから、大学、機関と連携してというのは、ちょっと話が違うんじゃないですか、ご説明の。

【説明者】

 すいません。

【船曳】

 的確にご回答いただきたいと思います。

【説明者】

 日立の件に関しましては、これは民間の技術でございます。先ほど言いましたのは、すいません、ちょっと別のプログラムとごっちゃにしました。日立に関しましては、日立のところで持っている基礎技術の部分というものを、この分野で実際に使えるということを実証するということで、これは日立さんにお願いしている技術で、おっしゃるとおりでございます。

【市川】

 今、大学にある技術をできるだけこういったテロ対策に役立てるためにというお話があって、ところが、32ページ目の表を見ていくと、この中で、例えば、大学がものすごく多くて、企業の数が少ないのであれば、そういうことなのではないかなという気もするんですが、実はこれを見ている限りにおいては、支出先としても、件数としても、産総研が入っておりますが、大学よりもむしろ企業が6社あって、ここに合計すると1億8,800万円という金額になっているわけでありまして、今ご説明になっておられる本来の趣旨と、実際の支出先というのが実は合っていないのではないかという気がするんですけれど。まして、今、船曳さんのご質問の中で、日立は日立の持っている技術を使っておられるということだとするならば、先ほどのご説明の中で、大学の持っているという部分については、ややそごを来すのではないかと思いますが。

【説明者】

 たまたま日立の例が出てしまったので、日立は単独でやっておりまして、日立ですとお答えをしました。
 例えば、先ほどのミリ波ですと、基本的な技術の部分というのは東北大学でやっております。ただし、それを実際に実機をつくる段階では、マスプロ電工さんですとか中央電子さんの力をかりておりまして、それが1つの課題の中で動いているんですけれども、委託費という契約上、個々に契約を結んでいるものですから、それがそういう形で出ておりますので、ここは、例えば、この3者は、確かに企業の名前はそのうち2つがございますけれども、基本的には東北大学の技術を実証するという1つのテーマの中で、そういう3者が共同しているという話になります。同じような形で、ほかの課題もです。

【市川】

 例えば、マスプロ電工が東北大学の技術を使って何らかの製品をミリ波のところでつくって、それが、例えば国交省に採用されていくということにもしなるのであれば、それはマスプロ電工が東北大学に対して、むしろきちっと製品化をするための資金を払い、それは国交省が最終的にこれを採用して売上に立ったときに、マスプロ電工に対しては、その分の売上としてのメリットが落ちるという、それが普通ルールですよね。
 ですから、大学の技術に対して支出をされるということであれば、科学技術庁としてまだわかるんですけれども、繰り返し申し上げているように、なぜそのときに企業の負担まで旧科技庁がして差し上げる必要があるのかというところの説明としては成り立っていないというふうに私は思わざるを得ないんですが。

【説明者】

 2点ほど、我々のスタンスを説明させていただきたいと思います。
 まず1点ですけれども、コアになる技術、先ほど確かに大学のコアになる技術を実社会に生かしたいという気持ちがあるということでこのプログラムをやっているのは、そのとおりでございます。ただし、実際には科学技術力というのは、もちろん、大学だけではなくて、日本の場合には、かなり企業の部分が基礎研究の部分も担ってやっている部分がございまして、そういうものもまず展開していかなければいけないというふうに思っているところもございます。
 それから、もう1点でございますけれども、実は確かに企業さんが最初から製品化すると、道筋がある場合は、利益を計算して研究開発ができると思います。でも、実際には、ほんとうにこの技術がニーズがあるのかどうかということをまず実証しなければいけないという部分が、かなりリスクが高い部分がございまして、そこの部分のリスクをクリアしないと、なかなか企業も手を出せない分野であるということ。それから、そのマーケットが、先ほどもどなたかの発言の中にはございましたけれども、やっぱり非常に限定的に小さいという、特にテロに限定すると、そういう特徴がございまして、この部分というのは、なかなか単独企業で利益を前提に研究をしてくれというには、少しリスクが高すぎる分野であるという事情がある。これは、企業の方からそういうふうに言われたということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 屋敷先生。

【屋敷】

 今、この科学技術開発をなぜ大学がしないで民間に任せたかという、第3期科学技術基本計画にこういうことをやりなさいと、今、文科省に来ている。それで、こういうテロに関する科学技術開発というのは、なかなか企業は手を出したくない。というのは、つくっても販路がない、非常に狭い市場であるということで、むしろ民間はこれに参加したくないだろうと思うんです。しかし、大学で、それでは、こういうふうな基本的なもの、開発というよりも、いろんなシステムを組み合わせた今の日立の開発ですから、研究ではないというところに、非常に問題がそこにあるのではないかと。やはり最初からミリ波のように、東北大学というシーズがあって、それを開発していくのならば、大学と民間のコラボレーションが出てくると思いますが、やはり今回の日立のもの、これは非常にすばらしい、世界でも例を見ない技術を,今、組み合わせているだけですけれども、基本的な技術、根本的な技術というものは、既にいろんなものがあったものを組み合わせたシステムをここで構築していると、私は今のこの報告を見て感じた次第ですが。

【伊藤コーディネーター】

 船曳先生。

【船曳】

 別に屋敷さんのご発言に反対するも賛成するも何もないですね。きっとすばらしい技術だろうとは思うんです。ただ、市川さんのご疑問に、何も今までのところ答えられていない。それがニーズがあるのは国交省なのか防衛省なのか、ほんとうにニーズがあるのか。そこのニーズから来るのであれば、お金の流れとしては、国交省、防衛省の予算で、委託研究ということで日立製作所に出されるべきだというのが普通の考えだと思うんですが、これについてはいかがなんでしょうか。

【説明者】

 まずどの省庁がというターゲットでございますけれども、実際には必ずしも国交省だけということではなくて、例えば、爆破物を見つけるという場合には、複数の省庁がそれぞれニーズを持ってございます。そして、1つの技術が複数の省庁でまず使えるということがありまして、そういう意味では、文部科学省のほうがむしろ技術のほうから、こういうものが探知できる技術があるということを示して、それが各省で使えるという形になったほうがいいのではないかというふうに思っているのが1点と、それと、日立の例も難しいんですけれども、やはり最初からターゲットが決まっている研究開発ということではなくて、我々のミッションは、どちらかというと、今ある技術、日本の持っている科学技術の力でどういうことができるかということを示して、むしろそれがそちらの行政サイドでほんとうに使いものになるのかということをお示しするというのが、基本的にこのプログラムの基本の部分かなというふうに考えております。

【北川】

 慣例してちょっと別の角度から質問させてもらいますが、欧米と違って、日本は多国民族でもないですし、あと、周りが海で囲まれた島国ですから、日本国民自体が非常に安全とか、テロに対して意識が非常に低い。欧米に比べてですね。私、そう思うんですが。
 その中で、文科省がこのプロジェクトをやっているというのはなぜかなということを考えたときに、私個人的に思ったのは、やはり文科省ですから、科学技術、もしくは人材育成という観点が重要だと思うんですが、その点で、欧米の大学に比べて、日本の大学ではこういった、例えばテロ対策の技術、そういうところは非常に弱いと思うんですよね。例えば、そういうところの技術のシーズの掘り起こし、もしくは、人材育成という観点でも、非常に今日本はおくれていると思うんですが。こういうところの人材育成というのは非常に重要だと思うんですが、こういうお金はそういうところにも十分、掘り起こしと人材育成というところが非常に重要だと思うんですが、そういう観点はこれまでになかったんでしょうか。

【説明者】

 人材育成という意味で言いますと、もう一つのプログラムのほうでございまして、知の共有化というちょっとわかりにくい言葉になってございますけれども、そこの部分で、やっぱり研究者間のネットワーク、どういう研究活動をしているか、海外の事例の紹介、それから、逆に研究者とそういった行政と機関をつなぐということ、逆に、大学なんかでどういう技術が眠っているかということを、そういう行政機関に知らせること、そういうことは、共有化と名づけているプログラムの中でやらせていただいています。教育というところまでではなくて。

【北川】

 あと、共有化に関して、我々日本人は、サリン事件とか、あと、今、アジアを取り巻く、日本を取り巻く環境で、ようやく意識が高まってきたのだろうとは思うんですが、そういった日本国民に対する啓蒙といいますか、意識、そういうところの活動というのも重要かなというふうに私は思いますので、文科省ならでは、そういうところも、そういう観点ではこれまでされていなかったんですか。

【伊藤コーディネーター】

 西寺さん。

【西寺】

 最初にこの説明を受けたときに、なぜ文科省というイメージを持ったわけですね。1つは、テロ対策のようなものを、組織横断的に、国として調整をした上で、その役割分担をして、それを文科省がやっているという話ならば非常にわかりやすい。ですけれども、そういう説明は全然ないですし、あっちもやっています、こっちもやっていますということが答えで返ってくるんですね。これはテロ対策ですので、国としてどうしていくのかという方針を明確にして、各省庁が役割分担するということが、まず第一の問題だろうというふうに思うんですね。ですから、勝手にそれぞれの省庁が動き出して、どんどん進んでいっちゃうというような話ではないだろうというふうに思うわけです。それで、唐突に何か文科省がやっているなというイメージを受けるということは1つあります。
 それから、地域社会の安全・安心というのも、いろんな自治体で、既にいろんな実験がやられているわけですね。それに対して、言葉は悪いですけど、今さら文科省がやるのという、そういう感じがするんですね。ですから、これも、例えば総務省とかいうところと実際の関係とかいう問題があって、そこにどうして文科省がまた参入するんですかという、そういうことをどういうふうに考えてみえるのか、さっぱり理解できないんですよね。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【市川】

 すいません、西寺先生にまた重ねさせていただきますけど。どういうものに使えるかわからないけれども、とりあえずこれはもしかするとすばらしいかもしれないということであれば、本来、こういった費目を設けて特定してやるのではなくて、科研費の中で研究開発をすべきことであって、それがある程度技術に結びついていったときに、今西寺先生のお話もあったように、また船曳さんのお話もあったように、国としての戦略に基づいて、それをどう使うかという議論に多分なっていくんだと思うんですけれども。どういうものに使えるかわからないようなすばらしい技術について、こういった個別の費目を設けて、そこでお金をつけようとすることが、実は非常にこの物事をわかりにくくしているということでもないかと思うんですけど、そう思われないでしょうか。

【説明者】

 では、今、科研費の例示が出ましたけれども、おっしゃるように、科研費というのは非常に重要な役割を果たしておりまして、それが非常に日本の科学技術力のある意味の基盤をつくっているということは、おっしゃるとおりだと思います。ですけれども、そのままの形ですと、ただそれは知識として終わってしまうという部分がございまして、そこの部分を、実際にその技術が実社会できちっとこういう形で役に立つんだということを見せるということは、やはり1つ大きな役割は必要だと思っております。それは科研費が今ターゲットにしている研究開発から一歩進んだ形で、何らかのプログラムが、それは……。

【市川】

 でもあるならば、これは文科省系ではないですけど、例えばNEDOとか、それから産業技術総合研究所、産総研とかいうようなところは、より技術に寄ったところをやっているという建前になっているわけですよね。

【説明者】

 そのとおりです。

【市川】

 ですから、むしろそちらのほうを通して。ですから、最初の科学のところで科研費を使ってやられる。そこから先は、むしろ政府としての方針の中で、産総研とかNEDOを使ってやっていくということのほうが、企業に対してのお金が出ていっているということも、より明確に整理できるのではないですか。

【北川】

 私、ちょっと市川先生の考えと違うんですが、科研費は、基本的に自然発生的なボトムアップ型なんですね。ところが、先ほど、私、言いましたように、日本国民自体が意識が低くて、大学の研究開発も、欧米に比べるとこういうところは弱いんですね。だから、ミッション・オリエンティッドなプログラムというのはやはり必要だと私は思います。だから、そういう観点でも掘り起こしがこれまでされていなかったのかというのが、私の先ほどの質問だったんですが。

【西寺】

 いいですか。先ほどの答弁いただいていないんですが。

【説明者】

 すいません。

【西寺】

 国としてちゃんと整理できているんですかということを答えていただかないと。

【伊永】

 ちょっとかぶせさせてください。この関係ですけど。

【伊藤コーディネーター】

 一回答えをもらいます。

【説明者】

 国の関係ということでございますけれども、実際にこのプロジェクトを回すときには、内閣官房とも相談させながらやっていただきますのと、あと、今年度からでございますけれども、実は科学技術振興調整費のほうで、またこのプログラムを発展させる形で立てさせてもいただいております。そちらのほうは、より各省の連携を図るということに着目いたしまして、この後で、多分、また事業仕分けの対象になっていると思いますけれども、移し替えの予算があるという調整費という仕切りがあって、それは内閣の総合科学技術会議の方針のもとに運営するプログラムでございますが、その中で各省の連携をより深める形で、今年度からまた新しいプログラムを立てさせていただいております。

【西寺】

 そんなことを言うと、自分で落とし穴に落ちるようなもので。ほとんど移し替えなんかしていないわけで、そういうことで、そっちの話はそっちの話として。
 政務官に質問してもいいんですか。国としてテロ対策をどこで省庁が役割分担するかというようなことは、整理はついているんですか。

【後藤大臣政務官】

 基本的には政府全体ということで言えば、内閣官房ということに当然なりますが、それぞれ、先ほども冒頭論点というところでお話をさせていただいたように、当然、国防という部分で言えば自衛隊、水際・航空・港湾ということで言えば国土交通省、そして、海上保安庁、警察という形で、そういう意味での省庁はばらばらでありますが、当然、テロ・治安ということで言えば、トータルで調整していることで、なかなかそれが見えにくいという部分については、私も同様の、先生と同じ意見を持っています。

【西寺】

 地域社会の安心・安全の話なんですが、本来、主体になるべきものは地方自治体だろうというように思うんですけどね。それが大学であったり、企業であったりして、それがいわば自治体を実験場にして試験をしているという、そういう話になっちゃうわけですよね。だから、そういう地方自治体が主体であるべき話が、こういう研究施設、あるいは企業というようなことになってしまう。そこのところの問題は何か考えてみえるわけですか。

【伊藤コーディネーター】

 ちょっとお答えいただく前に、先ほどテロ対策のところで、まだ積み残しの分がありますので、それが終わってから、このご質問のお答えをいただくようにいたしますので。伊永先生のお話があった後に、北川先生の先ほどの部分とあわせてお答えをいただけますか。

【伊永】

 このテロ対策の日立の技術ですが、先端的でないところがいいというふうに私は理解しておりますが、私はこの技術はそんな先端性は全くないと思います。おそらく、私が間違えていなければ、質量分析をセンサーに使っているはずなんですが、単なる既存技術の組み合わせであることはご説明いただきましたけど、質量分析については、もう日本とアメリカ、ヨーロッパで大変な差がついていますので、こういうふうにサポートすることを私は否定はしませんが、予算規模からいっても、研究者の人口からいっても、この技術で日本が世界を取れる可能性はほとんどないんです。こういう仕組みの組み合わせによって日本の特徴を出そうとしていることは認めます。しかしながら、本質的な質量分析の検知部が日本の技術がトップであるかのように最初ご説明ありましたけど、これは少し違うのではないかというふうに私は認識していますが、私の認識が間違っていたら教えてください。

【説明者】

 すいません、1つの技術の説明になってしまうんですけれども、こちらの技術は、揮発性の爆発物を、おっしゃるように、質量分析で分析しようという機械でございます。ただ、これは、正直申しまして、すべての国があきらめました。それを、実際には非常に微量なものを分析、つまり、原理的に分析できるということと、実際に微量のものを分析するというのは、技術的に……。

【伊永】

 だから、そこはいいと思うんですが。

【説明者】

 その部分は、やっぱり日本の技術というのがすぐれているところです。おっしゃるとおりに、質量分析機というのは、もう完全に原理はわかっています。ところが、実際にこれを実社会に装備する場合には、サイズとかを小さくしてはいけないところで、ここは非常に微細なものを高密度な部分をつくらなければいけないという、コアな部分の技術というのは日本がすぐれているとか——従来の質量分析機がそのまま使えるというのであれば、おっしゃるとおい、既存の技術なんですけれども。その中に高度な研究開発要素があるという意味においては、私はこれは結構高度な研究開発要素を含んだプロジェクトだと認識しているのですけれども。

【伊永】

 そういうふうなご説明でなかったわけですけれども、時間の関係で省略されたんですが。そういう前提だとしても、これは非常に応用性の高い、本来文部科学省が取り上げる基礎研究に近い部分とはかなりかけ離れた、実用を目指したものであって、本来取り上げられるべきものなのかどうかという最初の立て方のところに私は疑問を持っておりますが、もう一言だけコメントいただけますか。

【説明者】

 そういう意味で言いますと、研究開発というのは、結構、実際の社会に出る前に長い期間がかかります。つまり、基礎研究、すぐ製品化というふうに、単純な研究フェーズではございません。実際に原理的にできるものが、ほんとうに実際の社会の中で実用レベルの性能を発揮するかどうかということをまず証明しないと、企業化には移れないですね。さっきプルーフ・オブ・コンセプトと私が言ったのはその部分でございまして、そこの部分をしっかりやっておかないと、安心して企業が研究開発に取りかかれないという、その1つ手前の部分が本プログラムのターゲットだというふうに理解いただくと、答えになっているでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 多分、今の部分は、論点はずっと同じ部分があるんですが、中身が重要だという部分と、じゃ、それをほんとうにこの事業の中でやるのがいいのか、もう少し文科省としては違う部分、まさにこの後お答えいただくことになりますが、北川先生がおっしゃっていたような人材育成で知の共有の部分をやっていたようなところであるとか、そういうような、もう少し違う部分ではないかというのが、大きな論点だったというふうに感じております。
 北川先生のところで。

【北川】

 ですから、繰り返しなんですけれど、日本がこの分野がおくれているのは、欧米に比べて、まず大学人があまりこういう研究をやっていない、意識が低い。ですから、やっぱりそこをしっかり、これを超すような戦略的なプログラムであるべきだと私は思います。
 産総研とかは、もちろん、その中でやっていると思いますけど、圧倒的に研究者、単なる人口で言えば、大学のほうが多いので、やっぱりそこは日本は活用すべきだと私は思いますし、人材育成という観点でも、以前のサリン事件でも、やっぱりそういうことが起こったときに全然対応できないわけですから、やっぱり常に大学の知を使うような仕組み、それをしっかりやっていただきたいですし、そういう人材育成、あと、P4レベルの施設というのは日本は非常におくれていますので、そういうところはいかがですか。

【説明者】

 個別のお答えになりますけれども、今出た中で、人材育成は確かに我々のプログラムの中で手がけていない部分で、あくまでも皆さんの意識を高めるという意味でのネットワークづくりというところへとどまっているのは、ご指摘のとおりで、弱点だと思っております。
 それから、P4は、日本はいろいろ周りの理解という問題もあって、実際に稼働していないというのはおっしゃるとおりなんですけれども、それに関しましては、知の共有化のプログラムの中で、アメリカやイギリスで実はP4施設は既に動いておりまして、そういうところを使わせていただいて研究者を訓練できないかとか、そういうことも話をつなげようという動きは少しやっております。

【北川】

 ですから、私自身は、やっぱりバイオテロとかのことを考えると、日本もやっぱり規制のことはよく考えていかないといけないと、私は個人的には思っています。

【伊藤コーディネーター】

 皆さん、コメントシートを書きながらでお願いします。書き終わった方は、事務局に提出をお願いいたします。
 まだ議論は続きますね。テロのほうで、市川さんは。じゃ、最後でね。

【市川】

 先ほどのご発言の中で、企業が安心して技術開発ができないという話があったんですけど、そもそも企業が安心して技術開発をする環境なんていうのは、本来ないんですね。企業というのは、これはリスクを取って技術開発をして、それによって利益を上げる人たちが企業であって、そういう意味において、企業が安心して技術開発を行える環境というのは、むしろそれは非常にいびつな社会であるというふうに思います。
 その上で、要は、企業がこれに取り組むということの前提条件としては、やはり製品化があって、国のやるべき仕事というのは、企業はリスクを取ってやるんだけれども、国がその技術を必要としているので、国がこういった技術というか、例えば、空港のゲートのところの技術が欲しいということであれば、その段階で国がこういったものを競争で発注すれば、それに対してこたえようという企業が出るか出ないかという話だと思うんですよ。
 そういう意味では、やはり繰り返しになりますけれども、企業のやるべきこと、それから、基礎的な研究を含めて大学がやるべきことというのは、やはりあると思うんですね。もしそこの枠組みをきちっと決めないということであれば、何でも国がお金を出して必要なものをやらなければいけないということになってしまうので、そこらあたりのところはもう少し整理をされてお考えになられたほうが、ほんとうに限られた予算の中で、いかにこのお金を有効に使うかというところに資するのではないかと思うんですが。

【説明者】

 では、2点だけ。
 まず、先ほど企業が安全にということを言いましたけれども、これはテロ固有の問題がございます。実際に見つける違法薬物とか、そういうものは簡単に入手できません。それから、そういう情報もなかなか企業が単独で、ぽっと役所に行って教えてくださいと言っても、教えてもらうことができません。つまり、企業が入手できる情報量に非常にハンディキャップを負っているというのは、ほかの分野との違いであるということを1点だけ言わせてください。
 それから、もう1点、1つだけ例を挙げさせていただきたいんですけれども、この中でミリ波の研究というのは、我々、平成19年から始めさせていただきました。実際に事件が起きて、この認識が起きたのは去年の12月でございます。やっぱりこれは追いかけっこになるんですね。金属探知機が発達して、金属を使った爆発物が見つかると、それでつかまらないものを探そうとする。そのときに、それが出てから、それが必要だ、技術開発をしたでは遅いということで、何らかの形でその技術を常にエンハンスしていくような取組というのは、やっぱり文科省がやっておく必要がないかというふうに我々は考えております。
 ただ、今の予算規模は十分に役割を果たしているかという質問に関しては、非常に微力であるとは思いますが、その努力はやはりやめてはいけないということと、やっぱり研究者の中にそういうマインドをつくるというような、これは先ほども話にありましたけど、科学技術政策局に我々はおりまして、その大きな科学技術政策の中の1つの課題だというふうに認識してございます。

【伊藤コーディネーター】

 ここで一たん切らせていただいて、先ほどの西寺さんのご質問に戻ります。地域社会の安全・安心の部分で、これは地方自治体が担う部分ではないかというご質問についてのご意見をお願いします。

【説明者】

 実際に責任を負うのは自治体というのは、まさにおっしゃるとおりだと思います。我々が研究課題としてターゲットとさせていただいておりますのは、そういう自治体が実際に安心してそういう対策を練れるように、どういうツールがあるか。自治体が独自に、自分たちの地域にどういう危険があって、どういう対策をすればいいか、そういうやり方ですね。そういうものというのは、結構科学技術が貢献できる部分があると思います。そういう、こういうやり方をやればいいということをきちっと——資料の中で形式知化という、これは大学の先生に教わった言葉なんですが、それを使ってわかりやすい形でツールにすることによって、それを使ってどの自治体も横断的に自分たちのそういう防災の能力を高めていける、そういうようなツールを提供するというのは国の大きな役割ではないかという考え方でやってございます。

【伊藤コーディネーター】

 西寺さん、よろしいですか。

【西寺】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 シートを書き終わった方から、ご提出をお願いします。

【伊永】

 この事業も、先ほどのテロと同じなんですが、先端的でないところが非常に文部省らしくなくていいなというふうに感じておりますが。やはりほんとうに文部科学省がやるべき事業なのかどうかというのがどこまでもついて回る立て方だと思いますので、これは十分にご検討いただいたほうがいいと思いますが。
 特にこの地域社会の安全・安心の技術、組み合わせといいますか、出口をはっきり見据えた技術であるとは思いますが、先ほどからやはり、これも文部科学省がやるんだというふうに、テロも含めてご認識のようですけど、ほんとうにこれも文部科学省がやらなきゃいかん事業なんですか。やっぱり地方のためという理由のもとに。

【説明者】

 この部分は、実際には、もちろん、これは防災というふうにテーマを絞っておりますけど、一番重要なポイントというのは、科学技術というものをそのままぽんと出して、社会に使えるようにはなりません。それを実際に実社会でどういう形で使える形で皆さんが認識いただくかという部分が、1つの大きな研究課題になっておりまして。ですから、このプログラムの特徴は、そういう社会科学の部分と協力して研究開発を進めているというのが大きな特徴になっております。
 それは先ほどのテロの話と全く違いまして、テロの場合は、どちらかというと、訓練された方、比較的トレーニングを受けた方が技術を使うのに対して、そういうものではない、むしろもう少し普通の身近なところで、そこに技術を実は導入すると非常に安全が高まるということがわかっていながら、それをどう定着させるかという部分も、1つ大きな課題になっていて、それは文科省が研究するテーマで、その題材の1つとして、今回は防災というものを対象とさせていただいたという。

【伊永】

 ぜひさらに地域の人材を育成するというような視点も加えると、文科省らしい立て方になるのかなというふうに思いますので、コメントさせていただきます。

【説明者】

 ありがとうございます。

【伊藤コーディネーター】

 先に私から確認をさせていただくんですが、この地域社会のほう、トータルコストでいくと幾らになる予定なんですか、3カ年合わせて。

【説明者】

 これは大体1億弱ですね。3,000万ぐらいですから、3件ですので1億弱です。

【伊藤コーディネーター】

 年間じゃなくて。

【説明者】

 年間でです。

【伊藤コーディネーター】

 トータルコストですね。

【説明者】

 トータルコストって。

【伊藤コーディネーター】

 1年で終わりですか。

【説明者】

 ごめんなさい、それが3年間でございますので、トータルで3億になります。ざっと3億弱です。

【伊藤コーディネーター】

 3。掛けて3ですね。

【説明者】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん、どうぞ。

【船曳】

 今、その安全・安心なんですけれども、実際、具体的な地域社会の安全・安心ですね。支出先、熊本大学とか、3大学、4大学挙げられておりますけれども、実際、その研究内容、それから研究に従事している方々というのを拝見しますと、それぞれの大学のその専門家、まさにその研究をされている方々が中心というか、ほとんどでいらっしゃるんですね。ということは、まさに研究自身をそこで行っているわけだから、なぜここで安全・安心プロジェクトと言って、別途予算を立てなければならないのかというのが理解できないんですが。

【説明者】

 研究開発プロジェクトはみんなそうだと思いますけれども、実際の研究室はございますけれども、研究室が使えるリソースには限りがございます。そういう中で、やはりテーマを決めて、この分野を加速していくということは重要だということが1つございます。
 それから、これは、こういう形で、目に見える形で、それぞれの研究室がばらばらにやるのではなくて、一応はプロジェクトという形で固まって、3課題ではございますけれども、その相互の中で、やはり情報共有とかもさらに進めていくということが。それから、我々のほうでは評価委員会をつくって、その評価委員会の中でコメントしていくということで、そのプロセスについても意見を申し上げて、そのプロセスの向上というのを図るなど、かなり課題管理にも力を配っておりまして、単にお任せしっぱなしということではなくて、そういうのを含めながら、この分野というものをしっかりと確立したいということで、このプロジェクトをやらせていただいております。

【船曳】

 ご趣旨はわからなくはないんですけれど、実質的に幾つかのプロジェクトをホームページで見ていきますと、そんなに1プロジェクトあたり多額な費用がかかっているわけではないと思いますが、かかっている費用のおそらくは、推測ですけれども、地域で具体的に、例えば、避難行動を起こしたときにどういうシミュレーションがあるかとか、机の上だけでは実証しにくいものを現実に現場で行うということに多分費用はかかっているんだろうなと推測するわけなんですね。ということであると、これは先ほどの西寺様のご指摘がありますように、実際の地域の、例えば防災活動とかいうところと完全にだぶるわけで、それは各地の自治体にご協力いただくということで、本来はそれほどというか、ほとんど費用をかけずに行われるべきものであるし、行われるのではないかというふうに思うんですが。

【説明者】

 おっしゃるとおりに、実際の防災訓練というのは、このプログラムの中でやるというよりは、自治体の防災訓練の場を借りてやるのはおっしゃるとおりで、そこは費用をかけておりません。それはやっぱり意図的にまたこの研究のために防災をやるというよりも、実際の防災のプログラムの中に、ここで開発した技術ですとかシステムを導入していただくということを自治体にご協力いただいて、その調査にご協力いただいているというのが実態でございまして、そういう意味で、防災訓練そのものにお金をかけているということではございません、というのでよろしいでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 その意味で、この研究をするにあたって、自治体の方の声が入る仕組みというのはあるんですか。

【説明者】

 もちろん、そうでございます。というか、むしろ自治体の声を聞かなければ、実際の研究というのは意味がないのでございまして、1つの例を取り上げますと、実際に自治体に防災訓練をやっていただいて、どういう問題点があったかというのを大学が一緒に入っていって分析をする。次に、こういう技術を導入したときに、それがどう改善されたかということをまた自治体の方に見ていただく。そういうプロセスを経ることによって、自治体のほうも意識は高まるんですけれども、それとともに、どういうプロセスを踏めば、そういう形で技術というものがきちっと自治体にその重要性が認識されるか、そして、その技術の重要性が認識されないと、実効性が生まれないというのが基本的な考え方でございまして、そこの部分をどうやって定着させていくかというのが、先ほど言った定着化のプロセスという部分で、そこが今研究の大きなテーマになっております。

【伊藤コーディネーター】

 西寺先生。

【西寺】

 先ほどのテロの話と同じように、例えば、この遠軽町の例が出ていますが、これを単独でここだけで終わらせるということになっちゃうわけですね、今のあれで言いますと。だから、あとは、例えば、これに参加している企業が売り込みをしていく。だから、テクノという会社が、自分の財産として商品化できるということですよね。

【説明者】

 そこはちょっと誤解があると思います。本プログラムの場合は、ここでつくり上げたシステムのソースコードというのは、基本的に公開することを前提にしておりまして、ほかの自治体が使いたいというときには、そのまま使えることになっております。

【伊藤コーディネーター】

 権者はどこですか。

【説明者】

 国です。

【伊藤コーディネーター】

 国ですね。

【西寺】

 国が管理して?

【説明者】

 はい。

【西寺】

 そうです?

【説明者】

 そうです。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん。

【船曳】

 先ほど、どういうところへ費用がかかるかというところが、まだよくわからないんですよ。実際、1つの例ですけれど、ある大学での開発において、多分、ここにお金がかかるんだろうなと私が思ったのは、情報連携システムを開発すると。この開発用に費用がかかるのではないかというふうに思ったわけなんですね。
 ただ、それは最終的に確実な定着が期待できる自治体情報システムを開発するとあるんですよ。実用に供せられるような自治体情報システムを開発する。ということは、これは自治体が購入してもよろしいんじゃないですか。

【説明者】

 まず、システムそのものを、きちっとソースコードまで公開するというのは、1つ意味がございまして、要は、ブラックボックスのまま自治体が購入してしまいますと、自治体のニーズに合わせた改良というのは非常に難しくなっております。
 そして、今、企業がという話もございましたけれども、これはどちらかというと大手の企業ではございませんで、地元の企業でございまして、ソースを実際に公開するということによって、地元の企業が直接メンテナンスができるような、そういうシステムをそれぞれの自治体でつくれるような形にするというのが1つの、ここに例示に挙げたプロジェクトはコンセプトになっておりまして、それは大きな理由がございます。どういうことかと申しますと、中央に大きな会社があって、そこのシステムを使うということで、実際に事故があったときに、事故があるということは、通信手段とか交通手段とか、そういうところにトラブルが起きる状態なんですね。それよりは、きちっとシステムをできるだけ公開する形にして、地元でメンテナンスする形に、そういうシステムというものが自治体が安価で入手できるような形で提供するという形にすると、防災力が増すのではないかという考え方のもとに、プロジェクトを進めております。

【船曳】

 これから各地の地域の自主性にという方向性はあると思うんですけど、現段階では、国税から相当地方交付金が行っているわけですね。1自治体が購入したものがブラックボックスに入るというのが全然理解できないんですが、なぜそれは公開できないんですか。それは文科省の問題ではないと思うけど、一般常識の問題として。

【説明者】

 一般的には、いわゆる商業製品というもの、ソースコードまで公開してしまうと、簡単にまねができる、知的財産以前の問題だと思いますけれども。

【船曳】

 今、企業の話をしているのではなくて、自治体が購入されたらいかがですかと言っただけですが。

【説明者】

 企業からですよね、それは。

【船曳】

 はい。

【説明者】

 ですから、企業から購入したという、その企業が持っているシステム自体はブラックボックスなんです。それで公開はできなくて、データベースとか何とか、そういうのを例えば買ってくるときに……。

【船曳】

 ということは、例えば、この研究結果、情報連携システムというのは、これ、ITではないと思うんですよ。この言っている、社会システムの問題だと思うんですよ。

【説明者】

 いや、ITシステムも入ってございまして。

【船曳】

 それは、社会システムの部分が極めて高額だということですか、おっしゃっているのは。

【説明者】

 システムという中で、今、ITの部分も入っておりまして、おっしゃっている高額の部分は、実はITの部分でございまして、その部分は、ソースコードを公開すると先ほど言っているのは、実はその部分でございまして、そういう形にすることで、企業の方が直接メンテナンスができる形になるという、そういうお話ですが。

【船曳】

 だけど、1プロジェクトあたりの、そんな高額じゃないですよね。ということは、企業が自己負担で非常に高額な情報連携システムを構築していて、そのうちのわずか10分の1——もっとけたは1つ下でしょうか——の部分だけをこの補助金が補助しているということですか、例えば、いろんな大学が研究開発して。話が全然かみ合わない気がします。

【説明者】

 すいません、私もごっちゃに話しています。
 このプロジェクトの中でやっているのは、京大の防災研のシステムとか、そういうのを活用しながらやっていて、その部分は非常にローコストでやってございます。それで、先ほど例に挙げましたのは、それではなくて、一般に自治体が買ってくれればいいんじゃないかとおっしゃった部分に関しては、いろんな企業は、実はそういう自治体向けのシステムをつくっております。もちろん、そういうものも商品としてございます。ただ、そういうものに関しましては、企業の商品でございますので、そういうソースコードの公開とか、そういうことができなくて、何か必要があれば、企業のほうにお願いして、もちろん、改良とか、そういうことはできるんですけれども、そういうような運用の形になって。

【伊藤コーディネーター】

 今おっしゃっているのは、ソースコードを公開できるのは、今、国が持っていて、だからこそ全部オープンにできるんですよという意味でお話をしているんですね。

【説明者】

 そういうことでございます。

【伊藤コーディネーター】

 多分、船曳さん、最初のご趣旨は、そうであっても、自治体が使うものであれば、多少、利用料なり何なりの負担をもらってもいいんじゃないか。今、これは3,000万円かかっているというお話でしたので、その分は、ただ公開をして、ただで使ってくださいということだけではなくて、そういった負担を求める選択肢もあるんじゃないかというところも含めて可能というふうに考えているんですか。

【説明者】

 そういうところまでは理解していません。申しわけありません。そういうことは今後の検討課題と思います。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートがもしまだの方がいらっしゃいましたら、ご記入をお願いいたします。
 もしご意見等ございましたら。安全・安心の地域社会のほうに限らず、全体的なところでご意見ありましたらお願いいたします。

【屋敷】

 よろしいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【屋敷】

 今、このプロジェクトが開発して、成果が出てきたと。それで、地域が購入すべきであろう。そして、何らかの費用を還元するというようなお話がありましたけれども、安全・安心に関することで、末端の使用者側がみずからこれが国交省関係の鉄道事業者であって、何かこういうシステムが、日立がつくったようなものが開発された。それを購入してくださいと言っても、各事業所は、そういう危機意識をまだ持っていない状態で、みずからがたくさんのお金を出して、みずからの会社の危機管理をやるかという、まだ意識はそこまでいってないですよね。
 ですから、それは、やはりこういうふうなプロジェクトでできたものは、国が買い上げて、各事業所に配るとか、何かそこは大きな国として考えていただかなければ、せっかくこういうふうなシステムをつくったとしても、やはりそこで終わってしまうような感じはするんじゃないでしょうかね。

【市川】

 実は、今、この議論をずっとお伺いしていて、非常に大きな逆転というか、発想の違いがあるなと思ったんですけど。実は行政刷新会議の事業仕分けの宝くじ系のところという非常に微妙なところで、自治体衛星通信機構というところの、これは各自治体さんが宝くじのお金を使いながら、衛星通信を使って、激甚災害のときにもちゃんと情報ネットワークが確保できるようなシステムというのを実はつくっておられるんですね。これが話題になって。
 そのときに枝野大臣が、この機構の理事長との間で交わされた議論というのは、こういうものは、本来国が持つべきシステムなんじゃないですかと。全国ネットワークでやるものというのは、国が本来コストを負担すべきものであって、自治体にやっていただいているということは、それは国の実は怠慢なんじゃないんですかという議論があったんですけど、これは多分逆転していて、これは本来自治体がしっかりやるべきことであって、全体としてトータルのネットワークを構築するというのは、本来、国がやるべき仕事というところで。
 文部科学省さんとは直接関係ないところかもしれませんけど、国の一元的な仕事の中で、国と自治体のやるべき仕事が、もうこの防災について、今お話をお伺いしていると、逆転しちゃっているんですよね。そこの整理をきちっとされたほうがいいんじゃないですかね。

【後藤大臣政務官】

 今、市川さんたちにお話しいただいたように、先ほどの論点でもお話をしたように、そもそもこの事業は、国がどこまでかかわるのか。やはり自治体の主体の中で、先ほど室長からも累次にわたってご説明したように、ではその手段の提供という部分であれば、そこに特化した形で、どうぞこれをお使いくださいという形で、総務省を通じて流してもいいんでしょうし、そこの在り方というのは、今日は時間の制約もあって、必ずしも十二分にご議論いただけませんでしたけれども、私たちがこの事業を見ても、やはりそういう論点をこれからきちっと整理をし、やっぱり防災というものは、ある意味では安全・安心という、一番の治安も含めて、根幹の部分ですから、そこについてやはり積極的に、今日のご議論も踏まえて、冒頭から申し上げているように、この行政レビューというのを23年の事業にどう生かすか、それと、大臣も先ほどお話しのように、継続的にどういうふうに効率的に国費の投入を極力もっと有効に使っていくのかということで対応をお願いしている部分もありますから、そこについては、十二分に今日の議論をまた踏まえて、総務省や各省とも連携をしながら、その一番のベストの在り方というのを模索していきたいというふうに思っています。

【市川】

 ありがとうございます。

【西寺】

 いいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【西寺】

 先ほどの地域社会の安全・安心の話なんですが、平常時、行政情報システムとして4本使うということが書いてありますが、遠軽町にとってはこれで今十分機能を果たすんだというふうに多分思われているだろうと思うんですが、全国的な水準からいって、この4本だけが、特異なのは、図書館のシステムが突然入ってきているという感じなんですが、こういうことで水準を満たしているというふうに思ってみえますか。

【説明者】

 すいません、別にこの4つのデータベースだけを導入するという話ではなくて、ここの部分はちょっと詳しく説明しなかったんですけれども。
 ここのプログラムの1つの大きな特徴というのは、防災のシステムというのが、平時のシステムと別にあると、ときどき、やっぱりなれていないということで、いろいろトラブルが起きたりするということがございます。それで、平時のシステムの中に、防災のときに切りかえて、そのまま防災で使えるようなシステムを構築できないかという部分が、1つ、この時空間データベースシステムという難しい名前になってございますけれども、研究開発要素の1つでございまして、それを使うと、例えば、平常時のこういうものにも応用が効くんですよという部分をご説明した部分でございまして。

【伊藤コーディネーター】

 最後でお願いします。

【西寺】

 多分、そうじゃないでしょう。平常時、何も使わないで、非常時にだけ備えていることなんかできないので、平常時のシステムを何本か入れなきゃいけないということになったんじゃないですか。もしそうだとして、遠軽町の例が、この4本のシステムを導入するということでやろうということだろうと思うんですが、これが今のほかの自治体の水準からいって、十分クリアするようなシステムを平常時に使っているのかという、そういうことを聞いているわけです。

【説明者】

 資料のつくりが、多分、それは我々のミスだと思います。これは実際には、住民台帳ですとか、土地台帳ですとか、そういうのにも全部システムが入っておりまして。そうすると、これの一番の特徴は、地図で、ここの場所にどういうものがあって、だれがいるのかというのをリンクさせるというのがこのシステムの特徴でございまして、そういうものが平時に動いておくと、実際に事故が起きたときの安否確認でも、どこどこ町の何々さんというリストだとわかりにくいんですけれども、地図の上でここ、ここ、ここと確認していくと、例えば、避難がしっかり終わっているかどうかということが非常に確認しやすい。そういうシステムを開発するという説明の中に、実はそういうシステムがこういうところにも応用できるんですという話があった部分を、そのまま切り出して使ったものですから。これは別にこの4つのシステムだけに導入するという話ではなくて、住民台帳とか、そういうものも全部、このシステムを導入することで、そのシステムの、個人情報の問題はちょっとあるんですけれども、そういう人を特定する情報というのが災害時にそのまま流用できるような形のシステムが組めるということを立証するプログラムでございます。

【西寺】

 いやいや。ちょっとすいません、最後。
 しかしながら、下のお金のところに4本しか載ってないじゃないですか。

【説明者】

 これは、実は試算をしていただいて、これは本来のプロジェクトの外の話だったんですけれども。実はこのシステムを導入して、もともとは防災に強い平時のシステムをつくるというところが研究開発だったんですけれども、実際に平時のシステムのコストが下がるという結果が出ているという報告があって、その分析をしたのがこの4つのシステムだったということで、その資料を流用したものですから、誤解を招くような資料になっていたとしたら、申しわけございません。

【伊藤コーディネーター】

 多分、これはわかりにくいと思います。

【説明者】

 申しわけありません。

【西寺】

 最後に。だから、今、4本だけじゃないとおっしゃいましたけれども、遠軽町の行政情報システムとしては、水準が低くないというふうに思っておられるわけですか。

【説明者】

 少なくとも、遠軽町からはそういう報告をいただいています。

【西寺】

 いやいや、そんなことは聞いていません。全国レベルの自治体の今の行政情報システムのレベルに比べてという意味ですよ。

【説明者】

 すいません。そういう意味であったら、ここのシステムで運用できるものというのは、先ほども言いましたように、戸籍情報ですとか、住民情報ですとか、土地台帳ですとか、そういうものが全部管理できるということになっていますので、基本的なスペックは満たしていると判断しております。

【伊藤コーディネーター】

 ここで終了させていただきます。
 集計結果がまとまりましたので、私からご報告をいたします。安全・安心科学技術プロジェクトにつきまして、要改善という方が4名、廃止という方が3名です。要改善の中には、実施主体を見直したほうがいいという方、事業規模を見直したほうがいいという方、事業内容を変えたほうがいいという方がおられました。
 それでは、政務官、お願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 今、伊藤さんのほうからご報告したとおり、要改善4、廃止3ということでありました。
 それでは、先生方からのご意見、先ほど私自身も冒頭論点でお話をしている、確かにテロ対策も地域の安全・安心の確保というのも、当然、それぞれ大変重要な事項であります。ただし、テロ対策というのは、もっと国が一元的に管理して行う。その中で文科省がきちっとした役割分担を明示しながら対応するように、やはりこのプロジェクトを整理しなければいけないというご意見。さらには、このテロ対策は、お話をしたように、絶対欠かせない事業であるけれども、文科省が今やっていることも含めて、やはり縦割りというイメージが強く、もっと政府横断的に、より効率的な責任体制の主体も明らかになるような形で実施すべきだというご意見。さらには、地域安全・安心確保の部分では、やはり結局は主体はもっと自治体により特化した形で対応すべきであろうというご意見。さらには、両テロ対策、地域安全・安心確保も、戦略的にやはりもっと大学のシーズを残し、人材育成という観点も含めて、より文科省、教育も含めた連携が対応できるような事業に対応すべきということを含めたご意見の中で、私自身の判断としては、要改善というご意見が多い中ではありますが、やはり廃止も含めた抜本的な見直しをすると。
 ただし、先生方からのご意見を踏まえまして、やはり政府の中でより横断的な議論をしながら、責任の主体を明らかにする。その中で、文科省のより積極的な責任、そして、明確な責任体制を構築する必要性、さらには、企業、エンドユーザーの方の役割が必ずしも明確でない部分があります。その点につきましては、文科省だけではなく、政府全体が一体となって、より国家、地域の安全・安心に資するこの両事業、並びに安全・安心科学プロジェクト全体の見直しを、廃止を含めた抜本的な見直しということで結論を出させていただきたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、この事業につきまして、議論を終了いたします。ありがとうございました。

( 休憩 )

【伊藤コーディネーター】

 それでは、再開いたします。
 事業番号5番です。科学技術振興調整費です。
 それでは、政務官より、事業選択の背景をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 先ほどの安心・安全確保プロジェクトと同様、この事業は、21年度補正後予算で349億円と、かなり巨額な事業規模になっております。なおかつ、後ほど論点でもご説明をしますが、平成21年度不用額52億円ということで、非常に不用額が多いということも含めて、先生方のご議論を賜りながら、補正を出していきたいというふうなことで選定をさせていただきました。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、ご説明をお願いします。

【説明者】

 それでは、ご説明させていただきます。お手元の資料の41ページをご参照ください。
 科学技術振興調整費でございます。事業シートの事業の目的というところをごらんください。総合科学技術会議の方針に沿って、この振興調整費というのは、科学技術の振興に必要な重要事項の総合調整を行うための競争的資金というものでございます。科学技術システム改革、それから戦略的に対応が必要となる分野、それから国際化の推進に係る取組であって、各府省の施策の先鞭となるもの、各府省単独ではできないようなもの、機動的に取り組むべきものに活用するということになっております。
 第3期の科学技術基本計画では、幾つかの科学技術システム改革の必要性が示されまして、そのような第3期科学技術基本計画に基づく先導的なプログラムが、この振興調整費ではとり行われております。本件は文部科学省予算でありながら、総合科学技術会議の方針に沿って、文部科学省が課題の審査や課題の管理・評価、予算執行の管理等の事務をしているものでございます。
 この流れでございますが、後ろのほうのページ、48ページをご参照ください。また、別添に、お手元に平成13年3月に総合科学技術会議のほうで取りまとめていただきました、科学技術振興調整費の活用に関する基本方針というものがございます。その基本方針に基づきましてできました総合科学技術会議と文部科学省の役割分担というものを、簡単なポンチ絵で紹介させていただいています。
 まず8月に、総合科学技術会議のほうで実施すべきプログラムの概要について決定していただき、提示をいただきます。それで、それを受けまして、右のほうに移りますが、文部科学省のほうで、プログラムに係る概算要求、概算要求の基本方針にのっとった概算要求を8月末に行います。予算折衝がございまして、左側でございますが、政府予算案が大体取りまとめられたような段階におきまして、総合科学技術会議のほうでプログラムの内容、それからプログラム別の概算等を盛り込んだ、配分の基本的考え方というのを取りまとめられます。また右のほうでございますが、その配分の基本的考え方にのっとりまして、プログラムにおける実施課題の公募に必要な公募要領を作成いたしまして、総合科学技術会議の確認の後に公募を開始いたします。それが大体1月ごろでございまして、約2カ月間公募をいたします。3月ごろから実施課題、実施プロジェクトの審査に入りまして、審査の結果は、総合科学技術会議のほうにご報告いたしまして、ご確認をいただきます。ご確認いただいた後に、7月ごろに交付をする、こういう流れになってございます。予算が交付された後は、実施課題、それぞれのプロジェクトの管理、進捗状況の管理につきましては、文部科学省のほうが責任を持ってやらせていただいております。それから、一つ一つのプロジェクト、課題でございますが、それの中間評価や事後評価、これについても我々のほうでやらせていただきまして、その結果は総合科学技術会議のほうに毎年ご報告させていただき、確認をいただいているという状態でございます。他方、総合科学技術会議のほうでございますが、一番下に書いてございますが、プログラム評価の実施ということで、一つ一つのプロジェクト、課題の評価とは別に、個々のプログラムがほんとうに政策効果があったものであるかどうかということを、中間・事後評価されるということになっております。
 この流れと若干異なる流れで支出しているものが、49ページ、それから50ページに書いているものでございます。49ページに書いているものは、重要政策課題への機動的対応ということでございまして、機動的に対応すべき研究開発、それから、司令塔である総合科学技術会議の機能強化のための基盤整備、あるいは政策ニーズに基づく調査研究ということを、司令塔である総合科学技術会議のほうでみずからお決めになったことを実施していくというものでございます。
 それから、50ページでございますが、革新的技術推進費というのがございます。これは、右の下のほうに書いてありますが、経済財政改革の基本方針2008というのがございまして、これにのっとりまして、総合科学技術会議のほうでプログラムを設計されたものでございます。これが先ほどと唯一違うところは、実施チーム等の選定というのがスキームの中に書いてございますが、いわゆる課題プロジェクトの選定というところでございますが、そこにつきましては、大臣・有識者議員ということで、総合科学技術会議のほうで行われるということでございます。
 このプログラムでございますが、昨年度できたものでございますけれども、実は年度の途中で最先端研究開発支援プログラムというものが、また新たに補正でできまして、それについての審査も総合科学技術会議のほうで行われました。重複排除の観点から、その調整をされたということを聞いておりまして、最終的に革新的技術推進費のそれぞれの課題が決まったのが今年の1月28日ということで、右側の参考に書いてあります3課題ということでございます。これが、そういう意味で、革新技術推進費でございます。
 もとに戻っていただきまして、事業シートでございますが、実施状況、先ほど申し上げましたとおりのプロセスに基づきまして、14個のプログラム、約249個の課題が21年度は動いているところでございます。
 それで、本予算は、各府省に移し替えが可能という特徴を持っております。移し替えというのは、予算を取った後に、それぞれの課題、プロジェクトが決まった後に、各府省へ移し替えていくということができる、そういう機能でございまして、極めて特異的な予算でございます。そういう機能を持っておりまして、例えば、42ページにフローシートがございますが、大半の部分は我々の補助金Aと書いてあるもの、それからFで書いてある総合科学技術研究開発委託費というもので、それぞれの、例えば大学の研究開発とかが進められておりますが、Gというところに移替予算というのが書いてございまして、これはお金の流れで見ていただきますと、46ページに移替予算というのが、どういうところに移し替えをしているかということが書いてございます。このうち、2番目から8番目までが、いわば国立の研究所でございます。これは、我々のほうから補助金や委託費が出せないところでございますので、移し替えというプロセスをとっております。ただ、これが2番から8番までの移し替えでございますが、平成22年度でとりあえずすべてが終了する形になります。ということで、平成21年度までスタートしていたプログラムにつきましては、移し替えされるものが完全に終了するということになります。
 10分ということでございましたので、とりあえずこのあたりで切ってよろしゅうございましょうか。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、後藤政務官より論点のご説明をお願いします。

【後藤大臣政務官】

 資料の53ページをごらんになっていただきたいと思います。
 今、戦略官から説明をさせましたが、かなり複雑系になっています。この調整費というのは、今も説明がありましたように、総合科学技術会議が示す方針に基づいて、執行事務を文科省がする事業であるということで、ある意味では、非常にプロセスが複雑化をしているという点がございます。先ほどもちょっとお話をしましたように、そういう複雑化の中で、不用費が、特に平成19年は3.7億円ということでありましたが、21年には52億円を超すというふうなことで、不用額が、ほかの事業に比べるとかなり大きいという部分がございます。そういう意味で、この事業の執行プロセスについて、さらに改善をしながら対応すべきではないかというのが1つの大きな論点でございます。
 さらに、審査や決定の方針というものが、総合科学技術会議が入っているということで、そういう意味では、この執行の在り方という改善の余地という部分につけ加えて、今後どういうふうにしていくかという点もぜひご議論を賜りたいと思います。
 さらに、事業の必要性ということでありますが、確かにこの事業は、ほかの事業にはない他府省への移し替えが可能ということで、ある意味ではかなり柔軟性のある事業、予算でございます。そういう意味では、特殊、特別ないい面をもっと最大限に発揮するような事業執行、特に単独府省で予算を執行するのがほとんどの予算の在り方でありますが、ある意味では共通予算的なものになっております。そういう意味で、現在、たくさんの事業で、先ほどもご議論があったように、府省横断、府省連携、縦割りだけでなく、横軸をもっとさせというご議論にこたえるためにも、ある意味で改善をしながら、対応がもっといい事業になれないかという点も大きな論点になると思っています。
 先ほど最後に、4月の独法の事業仕分けになった中にもあったと思いますが、総合科学技術会議がこれからどういう在り方になっていくのか、それと、研究開発法人がどういうふうになっていくのかというふうなご議論をしていただき、そういう中で、科学技術政策全体をどういうふうに今後まとめ上げていくのかというふうなことも、ぜひ先生方からのご意見を闊達にいただきながら、これからの在り方にぜひ生かしていきたいということも含めて、ご議論をぜひお願いしたいと思っています。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 ご説明にもありましたとおり、この事業は総合科学技術会議との関係もありますので、本日は総合科学技術会議から事務局の方にもご参加をいただいておりますので、ご紹介いたします。
 それでは、ご質問、ご意見等お願いいたします。どうぞ、市川さん。

【市川】

 まず、具体的な事業についてちょっとお伺いしたいんですが、ここに平成22年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方というのが、平成22年1月7日総合科学技術会議ということでございます。皆さんの検討資料にはないと思うんですけど、それの平成21年度科学技術振興調整費の配分予定額というところをちょっと見ておりますと、例えば、若手研究者養成システム改革というところに、21年度予算額が99億5,000万円、22年度111億円、女性研究者支援システム改革というところに、平成22年度20億円ということで、若手研究者支援とか女性研究者支援といったようなところに資金の配分が来ている。これは何ゆえこういう配分のされ方を、なぜ若手と女性だけを対象にして、こういう資金の配分のされ方をしているのかということを、まず具体的な事業としてお伺いしたいんですけれども。

【説明者】

 これは、52ページをごらんください。52ページに、21年度まで走っていたプログラムは下に書いてございまして、22年度に実施しているプログラムとございます。先ほど市川先生からご紹介があったのは、この22年度のものでございまして、これに基づきまして公募して、審査をしてつくったものでございますが、その中で、おっしゃっているのは、若手研究者自立、これはテニュアトラックという制度のもの、それから女性、こういうのもございます。これは平成18年度から行っているものでございまして、第3期の科学技術基本計画で、こういうものをやるべきだということが決められて、プログラム設計されたものでございます。
 補足的に、もしあれでしたら、総合科学技術会議から。

【説明者】

 なぜ女性、若手ということだと思いますけれども、今戦略官のほうからお話ございましたように、第3期科学技術基本計画のほうで、科学技術システム改革ということで、まずはもっと若手の研究者の方を活用できるような環境をつくっていこう、女性の研究者の方をもっと活用できる環境をつくっていこうということで、そういうことに振興調整費というものを活用すべきだということがございまして、特にこの人材ということでは若手と女性ということになっているというふうに理解してございます。

【市川】

 では、これは、これだけの大きな金額、22年度予算ベースで、若手で111億円、女性で20億円、両方合わせると131億円というかなり巨額のお金を投入していくわけですけれども、一体これの成果というのはどういう形で我々は見ることができるんでしょうか。

【説明者】

 お答え申し上げます。
 まず、若手研究者の関係でございますけれども、これはテニュアトラック制の導入というものを推進するという形で進めておりまして、これは22年度の新規採択の大学も含めまして、40大学に既にこのテニュアトラック制というものの導入が進みつつあるというところでございます。まさにこのテニュアトラック制というのは、若手の研究者が公正な選抜によって、また、国際的な競争力のある研究者が採用されていく採用の仕組みということで、こういったものがこれから研究開発の拠点となるような大学において広がっていくということが大きな目的となってございます。今、40大学にまで拡大をしている。
 また、女性研究者につきましては、これは女性研究……。

【市川】

 いや、目的はわかるんですが、じゃ、今までの累積的な支出について、若手の方、それから女性の研究者がどういうふうに育って、日本の科学技術の研究に対して貢献をされているのかというところについて、何か具体的なデータはありませんかという質問なんですが。

【説明者】

 まず、例えば、若手研究者について言えば、これは国内外のさまざまな科学技術関係の受賞者というものも輩出しているところでございます。これは全体を取りまとめている数値データがないんですけれども、それぞれの個々の研究者の活動状況というものは、個別の課題管理として、私どもは承知しているところでございます。

【市川】

 これぐらいでやめておきますけれど、そもそも国の科学技術研究というものは、戦略的に国が一体どういう科学技術として知見を持つべきであるかというものに基づいて行われるべきであって、その中で、この研究、こういった分野についての研究開発について資金を投じていくということであれば話はわかるんですが、特定の若手とか女性とかというところにターゲットを絞って、実際のところ、それが具体的にどういう成果をほんとうに上げているのかというのはよくわからないような形で、実はこの調整費の半分とまでは言いませんが、かなりの部分が使われているという、これはやはりお金の使い方として相当問題があるのではないかという、私は問題意識を持たざるを得ないと思います。

【伊藤コーディネーター】

 関連か、もしくは、どうぞ、船曳さん。関連でよろしいですか。

【船曳】

 今の若手科学者、女性科学者、おそらくそれは、ここにありますもともとの政策目的である国際競争力に耐えうる科学的技術システムを構築するということで必要だと。そこまでは理解するんですけれども。
 この評価というのは、国際的競争力を持つということなわけですから、外国の評価員を入れているんですかという質問をしたいと思います。

【説明者】

 このテニュアトラック制の導入にあたりまして、その採用選考の中では、国際公募であること、それから、大学の学内に閉じた選考ではなくて外部の人、当然、外国人研究者も含めて、開かれた採用選考プロセスをとるということを原則としてございます。
 評価についても、それぞれの大学の中での研究者の、テニュアトラックですから、トラックの後のテニュア審査というものも、これは明確なテニュア基準を定めて、第三者的な評価をした上で、テニュアを付与するというような仕組みになってございます。ご指摘のとおりの仕組みが導入されているというようにご理解ください。

【船曳】

 では、もうそもそものところを伺っちゃってよろしいでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【船曳】

 こちら、調整費ということなので、調整費って何なのかというのが、最初伺っても頭にぴんと来なかったんですけれども、それは科学技術振興調整費の活用に関する基本方針というのを、平成13年総合科学技術会議のほうはお出しになっている。これはこのまま、途中でこの内容が改変されるということはないんですね。平成13年のもともとの趣旨のまま、今運用されているというふうに理解してよろしいんですね。
 その場合、そうすると、調整費の活用の考え方ということで、各府省の施策の先鞭となるもの、それから、各府省間ごとの施策では対応できていない境界的・融合的なもの、複数機関の協力により相乗効果が期待されるもの。大きくこういうことが書かれているわけですが、一般的に調整費というふうに聞いたときには、文科省1省では対応できない、もっと大きい、総合科学技術会議でもって判断した省庁をまたいだ政策が必要だから調整費を使いますということに思えるんですが、そうでしょうか。

【説明者】

 そういう面もございますので、府省連携ということが書いてあるということでございます。

【船曳】

 調整費と言うからには、それが主目的ではないんですか。

【説明者】

 主目的の1つだと思いますけれども、もう1点、先ほど戦略官のほうのご説明がありました、各府省の施策の先鞭となるということと、あるいは年度途中で機動的に対応しないといけないということについても使うという。そういう意味で言いますと、3つが目的ですので、先生ご指摘になった点は、主目的のうちの1つというふうに理解してございます。

【船曳】

 もうちょっとよろしいですか。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【船曳】

 そうしますと、具体的にそこの基本方針に書かれていることなんですが、まずは境界的・融合的なもの、それから複数機関の協力が必要なもの、それがまず最初に書かれていて、その上で、さらにというふうに書かれているところなんですけれども、まず1つは、ここに書いてあるところですが、科学技術システムを改革しますと。これが先ほどの若手研究者、女性研究者のところへあたると思いますね。それから、2番目に、将来性の見込める分野、領域への戦略的対応。ただし、これは突発事態とか、それから機動的な研究、突発事態に対する機動的な対応の研究とか、それから領域を超えて展開する可能性がある萌芽的な研究とかいうふうに書いてあるんですね。3番目に、科学技術活動の国際化の推進というふうに書いてある。この3つが実際的にこの調整費を使うときの大きな指針というふうに理解してよろしいんでしょうか。

【説明者】

 はい、結構でございます。

【船曳】

 では、それで、まずその基準があるということで伺うんですが、実は前回ヒアリングさせていただいたときに、先ほどの女性研究者、若手研究者も含めて、ほかのいろいろな研究について、簡単なシート、1枚ずついただいているんですよ。それを、もちろん、私の主観的な判断ですから、いろんなお考えはあると思うんだけれど、ほとんどこれに合致するところはなかなか見つからない。今の3つの方針に。
 というのは、これ、一つ一つ挙げていくと非常に時間も取りますし、皆様にご迷惑をかけるので、取り上げないんですが、あえて言えば、私などは先ほどの若手研究者、女性研究者のほうが、まだ科学的技術システムの改革ということで、まだその部分は合致する。でも、ほかのほとんどが、他省庁がやればいいじゃないのということに全部見えちゃったんですね。何かそういうご反省といいますか、今までこれの調整費を使ってきた内容について、この使い方は少しずれているというご認識はありますでしょうか。

【説明者】

 基本的に総合科学技術会議の方針ということで、有識者議員が中心に検討されているもので、事務局が答えるのはどうかというのはあるかと思いますけれども、今どういう議論をしているかというと、先ほど後藤政務官のほうから話がございましたが、今、総合科学技術会議を新たに科学技術戦略本部に改組するという話がございます。もう一つ、先ほど第3期科学技術基本計画という話がありましたけれども、基本計画は5年間でございますので、平成18年度からということでやっております。そういうことで、平成23年度からは新たな第4期の科学技術基本計画というものがございます。

【伊藤コーディネーター】

 今後の話は、今、わかるんですが。

【説明者】

 そういうことがありますので、今、振興調整費については、やはりちゃんとしっかり見直そうという話がございます。その中で、今、船曳先生がおっしゃいましたような、女性とか若手についても、そういうことでやること自体はいいんだけど、そもそもこれは先鞭的にやっているのであるから、その後追随してちゃんとやってもらっているのか、しっかり評価しないといけないだろうと、そういうふうなご指摘がありまして、そういうことをちゃんとしていくということを、今、検討しているところでございます。

【伊藤コーディネーター】

 現段階のプロジェクトで合致していないものもあるなという反省があるということでよろしいですか。

【説明者】

 そこまで私が申し上げるのはあれですけれども。

【伊藤コーディネーター】

 わかりました。

【説明者】

 要は、しっかりとプログラムを評価しろという議論があるということは言えると思います。

【伊藤コーディネーター】

 伊永先生。

【伊永】

 同じように、そもそもの話を伺いたいんですが、なぜこういうふうな立て方に、先ほど13年の基本方針があるにもかかわらず、42ページのような使い方になっているのかが、ちょっとバランスを欠くなというところから話をスタートしたいんですが。42ページ、皆さんここを注目しているんですが、移替予算はたったの5億円であって、300億円の中の1%か2%しかないと。なのに、基本方針では三本柱のように書いてある。このあたりのバランス感覚はどのようにお考えでしょうか。

【市川】

 伊永先生、ちょっと重ねてよろしいですか。
 重ねてご質問をさせていただくと、この表の中にも、例えば、科学技術推進補助事業のところに、産業技術総合研究所、産総研が入ってきているわけですね。それ以外にも、例えば、45ページ目のFの科学技術総合研究委託事業のところには、科学技術進行機構、日本学術振興会、日本原子力研究開発機構といった、いわゆる独立行政法人が入ってきている。ですから、一たん調整費に入ったお金が、独法は独法でお金が入っていながら、また調整費から独法にお金が入ってくる。これは、例えば、先ほど船曳さんがおっしゃったように、不要不急の何か、突発的事故が発生したがゆえに、だから、例えば、ここに今お金を入れなければいけないということならば、まだ話はわかるんですけど、恒常的に行われるということは、本来、これは独立行政法人がちゃんと予算を獲得していかなければいけないところではないかと思うんですね。その辺のところが、こっちへ入って、また戻ってみたいな、そういう形の予算の立て方をしておられるという、そこにも問題は、今、伊永先生に重ねてなんですけど、あるのではないかという気がするんですが。

【説明者】

 まだ基本方針のお話ですので、私のほうからまずはご説明させていただきたいと思いますけれども。
 おっしゃるとおり、基本方針でそう書いてあるのに移し替えが少ないのではないかという話につきましては、第2期のときから、そういう科学技術システム改革ということでやるということになると、どうしても人材という話になりますので、そうしますと、研究機関ということが多くありますのが文部科学省ということでございますので、振興調整費、もともとあります文部科学省のほうで執行されていることが多いということが1つあるかとは思ってございます。
 それと、もう一つ、市川先生のご指摘でございますけれども、これは振興調整費は競争的資金ということでございまして、今、私の理解で、まず研究開発というものは、一方で、独立行政法人は運営費交付金でやる研究開発にあわせまして、競争的資金を使って研究開発をやるということでございます。その競争的資金として、この振興調整費というのを使っている、そういうふうにご理解いただければと思います。

【伊永】

 私、振興調整費は興味を持っておりまして、ずっとウォッチしているんですが、ここ10年ぐらいを見ても、国の先導的なプログラムになっているという認識は、私は持っておりません。総合科学技術会議が主体性を持って、文部科学省のほうに指示しながら動かしておるという仕組みも、あまり感心しないなと。振興調整費そのものの本来の機能を損なうような、悪い言い方をすれば、小さな玉ばかり扱っているという感じを受けております。
 これは、やはり本来、他の府省との連携をやることによって、我が国の研究開発で得られた成果、成果物が実用に移っていく段階で、国の中にいろんな規制があって、直ちにその実用が進まない。実用が進まないから経済成長に貢献できないという、隘路がまだ幾つもあります。そこにぜひ予算の大部分を振り向けて、その解決にあたるというのが、その振興調整費の本来の目的ではないかというふうに私ども思うんですが、その辺のご認識は、総合科学技術会議に聞いて、あと、文科省のほうにご認識を教えてください。

【説明者】

 まさにそういう認識もあるからこそ、今、平成22年度から、そこに書いてあります、初めの実施指定プログラムの3つ、気候変動に対応した云々というのと、健康研究、あるいは安心・安全というもの、これはまさにそういうことで、総合科学技術会議と主として文科省とが連携して、加えて各府省にも移し替えするという、こういうプログラムをつくっているということだと思っております。
 いずれにいたしましても、これまでの調整費についての、そういう今のご指摘等については、総合科学技術会議の先生方のほうにもご報告させていただきまして、今後、先ほど申し上げていましたように、総合科学技術会議としても、振興調整費の在り方というのについては真摯に検討しておりますので、そういうものに活用させていただければと思います。

【説明者】

 51ページをご参照ください。今、総合科学技術会議の参事官のほうから説明がありました新しいプログラムでございますが、これは今までのプログラムと本質的に違っているところがございます。これは気候変動に対応した新しい社会をつくるということで競争的に公募したものでございまして、平成22年度、40件も応募があって、4件だけ採択されたものでございます。
 これは採択されたものの1つの例を申し上げますと、慶應大学は、グリーン社会ICTライフライン・インフラストラクチャーをつくろうというもので、気候変動によって高温になったときに都市が脆弱化する。それに対して、ICTを使って、いかにして地方自治体がその脆弱性を乗り越えていけるかと。当然、そこに規制が発生する。規制問題がぶつかる。それにどう取り組んでいくのか。規制の問題を洗い出して、それを変えていくというプログラムです。例えば、高齢者の家にセンサーを置いて、それで遠隔医療をしたい。ところが、利用法の20条で、対面の診査しかできない。そういう問題があらわになってきます。そうしますと、この上に書いてあります社会実証戦略委員会、これが総合科学技術会議のもとに置かれまして、そこで、このトップの中でそういうことがトライアルできませんかという話を相談していく。そのときに、その医療部門に対して、インパクト評価、リスク評価だとか、あるいは国民の負担、あるいは行政コストはどれぐらいになっていくのかということについての行政経費が発生する。そういう行政経費に移し替えをしていく、こういうふうなものでございまして、今までやってきたような研究費を移し替えしていくというのとちょっと性質が違うようなプログラムを新しくつくられた次第でございます。

【伊永】

 この、さっきご説明のプログラムは、本来目的に近いと仮にしましても、やはり振興調整費を研究費として大部分というか、90%以上使っているということは、どうも目的とのかみ合わせはよくないなと。特にA事業のように、ほぼ大学に出していくのが260億円あって、独法に出していくのが、産総研なんかも含めますと、170億円ぐらいあるわけですか。そうじゃない、17億円ですか、これは。
 いずれにしても、300億円のうち、もう90%以上がこういう形で出るという形ではなくて、例えば、一例で、今、規制の隘路に立っている技術としては、メタノールを使った燃料電池で、メタノールを使い回すことがなかなか自由にできないというようなことに対して、この振興調整費が突破口を開いていくというような役割を期待するんですが、総合科学技術会議と文科省のご見解はいかがでしょうか。

【説明者】

 最終的に総合科学技術会議で決めるのは、繰り返しの話になるんですけれども、まさにそういうご指摘のような点も、今後の振興調整費の活用の1つの柱として考えていくというふうに、今、議論がされているという認識をしてございます。

【説明者】

 冒頭、後藤政務官のほうから問題提起がありましたとおり、まさしくそういう形での新たな、振興調整費の持っている特性を十分に生かしたようなプログラムをどんどん進めていくべきだと思っております。

【伊永】

 では、最後の質問にしますが、このAとかFとかいう事業は、AとかFというのは42ページですが、大学とか独法に出すようなお金は、23年度以降には激減する、あるいはなくなるというふうに理解したらいいですか。この場ではどう理解したらよろしいですか。

【説明者】

 18年から22年までの5年間ということで、新しいプログラムをやっていくということで、先ほど申し上げましたように、23年以降は新しいプログラムで、それを今考えているということでございます。その中で、今、1つの方向といたしまして、先生がおっしゃったような、そういうものにプログラムをしていこうというのはございますけれども、それ以外にいろいろまたある可能性はありますので、そうすると、どうしてもその場合には、大学とか独法も重要なプレーヤーとして出てくる可能性がある可能性を、今、私がこの場で否定はできませんので。いずれにしても、こういうご指摘を踏まえて、総合科学技術会議の先生方もご検討いただけるものと考えてございます。

【伊永】

 じゃ、簡単にイエスかノーで答えていただきたいんですが、微調整をしようとしているのか、大幅に変えようとしているのかという、どちらですか。

【説明者】

 大きく新しくプログラムを考えようということでは、大きな修正をしようと考えていると思いますが、その内容がどうなるかということについては、白紙というか、今は申し上げられないということだけはご理解いただければと思います。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん、どうぞ。

【市川】

 冒頭、後藤政務官から、科学技術費全体の在り方についても、見直しにつながるような議論をということでしたので、それに勇気づけられてお伺いしたいんですが、まずこのそもそもの予算のつくり方として、予算は文部科学省が要求をします、しかしながら、使途については、これは国の機関としての法律の立て方があるとは思いますが、機関としては総合科学技術会議がその使途を決めますといったような、そういう二重構造の仕組みというのは、やはり機能していく上で非常に問題が生じつつあるのではないかと思うんですが、その点について、それぞれ、総合科学技術会議と文部科学省のご意見、ご見解をお伺いできるとありがたいんですけど。

【説明者】

 総合科学技術会議の先生方のご議論といたしましては、総合科学技術会議は科学技術予算全体を見ていて、その中で特に必要な施策というものをやるツールという形で振興調整費というものを考えてございます。そういうことで考えておられますので、全体の方針に従って、必要なものに対して必要な方策を、総合科学技術会議の指示でそういうものを実際にやっていただくということは非常に重要だと考えておりますので、今のスキームというものを非常に重要視されているということだと思っております。

【説明者】

 我々でございますが、事業シートをもう一度ごらんください。各府省施策の先鞭となるものと書いてございますとおり、先ほどの女性の問題だとか、テニュアトラックの問題、これは最初つくるときは確かに先鞭でありました。国立大学が独立行政法人化したときに、こういうものをスタートするときに非常に役に立った。それで、5年たったわけですけれども、我々、かなりの自信が出てきて、今後どういうふうな形で、女性を増やしていくべきか、あるいはテニュアトラック制度を増やしていくべきかということは、私たち自身で考えることができると思いますので、この自己点検の見直しの余地というところに書いてございますが、現在実施中のプログラムやその後継プログラムについては、移し替えの必要のないプログラムは、調整費から切り離して、我々の独自の施策としてやらせていただくというのが適切ではないかというふうに考えております。

【市川】

 そもそもこれは、これもまた事業仕分けの話を申し上げて大変恐縮なんですけど、これはご存じかと思いますが、事業仕分け第2弾の前半戦の理化学研究所の仕分けの際にやはり出た議論として、あのとき一連、理化学研究所、日本学術会議、その他、研究開発法人のところの仕分けをさせていただきました。私たちが議論をさせていただいた感じとしては、やはり総合科学技術会議が機能していないのではないかと。つまり、本来であれば、国の戦略に基づいて科学技術の開発予算というものをきっちり決めていかなければいけない。国のお金が入る以上、原則としては、やはり科学技術、研究開発であったとしても、国の戦略を反映したものでなければならないということだと思うんですが。ところが、いろんな機関がそれぞれ別個に、例えば、ナノテクノロジーの研究をしておられたりとか、いろんな研究を別個にしておられる。そういったところを、やはり総合科学技術会議の見直しを通じて、機能強化と言ったらいいのかもしれませんが、もっと整理をすることによって、中間的な間接コストを減らして、より実際に研究をしておられる現場にお金をきちっとつける仕組みができるのではないかと。
 実際に科学技術研究に使われている予算というのをちょっと調べてみると、これは膨大な金額であって、特会も入れれば3兆5,000億円ですよね。そういう意味では、もっとここのところを、この調整費も含め、そろそろ抜本的に、先ほど23年から見直すといったようなお話もあったかと思うんですけど、抜本的に見直す時期に来ているのではないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

【説明者】

 そこにつきましては、まさしく今、政治主導で総合科学技術会議を科学技術戦略本部に改組するということが検討されておられます。その中で、今先生がおっしゃったようなことで、その中で調整費の意義というものも含めてご検討していっていただけるものというふうに考えております。

【市川】

 それはいつごろまでに結論が出、いつごろから。これは事務方の方にお伺いすることではないのかもしれないんですが。

【後藤大臣政務官】

 今、市川先生がおっしゃっていただいたことは、私たちもこの何カ月間、常に毎日考えてきたことでありまして、たまたま先ほどごあいさつを申し上げました川端大臣も、今、科学技術担当大臣を兼任しているということも含めて、本来であれば、6月、もう成長戦略が新しく具体化も含めて策定をし、その中に少なくとも工程表も含めて、科学技術司令塔の部分の在り方というものをより明示的にということで、できるだけ早くということは、法改正が当然前提になりますので、多分、来年の通常国会というものを1つの目安にして対応していくというふうなことになってくると思っていました。
 多分、明日、新しい内閣になっても、その方針が大きく変化をすることなく、おおよそそのような日程の中で、検討を含めて、そして、あわせて、司令塔だけではなく、さっきもちょっとお話をしたように、いろんな機構が、国立研究開発法人がございます。それも新しい部分で、やはりもっと頭脳循環、世界的な競争の中で耐えられるような仕組みということで、これも法律改正を伴いますが、大きく人材の育成、研究基盤の充実、そして、その中でのやはり司令塔という中で、きちっと総理に科学技術的な観点から進言をする、やはりスピーディーな体制が必要だということで、トータル的に来年度、多分、今くらいにはいろんな方向性が出て、私の希望では、法改正の議論も進んでいるということを非常に期待しております。

【市川】

 ありがとうございます。一言だけ。
 これは一連の事業仕分けを通じてもずっと思っていることなんですけど、決して科学技術にかける国の研究開発費を減らすことによって財政を健全化させてほしいなんていうことは、実は思っていないんですね。むしろ、そこをより有効に活用していただくことによって、やはり経済成長を通じて税収が上がるような経済構造をつくっていかれることが非常に重要なのではないかと思うんですね。ですから、その中で、やはりいかに効率的に研究開発費を使って、実際に研究をされている方がちゃんとそれを使って研究開発ができるような仕組みを、ぜひ皆さんで検討していただければなと思います。すいません、一言だけ。

【伊藤コーディネーター】

 ちょっとお待ちください。一たんコメントシートを書いていただきたいと思いますが。多分、今、全体の在り方と事業のと2つ議論が出ていると思います。在り方についてはなかなか評価になじまないと思いますので、コメントに書いていただいて、評価の部分には、この事業が必要かどうかという観点で評価をしていただければと思います。
 船曳先生。

【船曳】

 調整費ということで今までお話が進んできたんですけれども、1点、ちょっと不安に思いますのは、事業概要のところに、「文部科学省の予算でありながら」と書いてあるんですね。このもともとの調整費がどこから生まれてきたものか、私は知らないんですけれども、では「ありながら」って、どういう書き方なんだろうと。だって、毎年毎年予算要求されて、それが国会で認められるわけですね。では「ありながら」という、何かそういう歴史的な背景というものがあるのだろうかというのが一点。
 ということは、先ほどの女性科学者は、個人的にはもう要らないと思いますが、若手科学者研究、若手の中にだって女性、男性はいるわけです。これは個人的には何とかしたいとは思いながらも、これをもう一回文科省に引き受けさせてくださいみたいな発言があったように思ったんですね。それは違いますね。ですから、事業は文科省でやるけれども、予算立てはこの調整費から戻します、文科省に戻しますということではないですね。

【説明者】

 この「文部科学省の予算でありながら」と書いてあるのは、すいません、このように書いてありますが、要するに、私たちが要求をしているということでございます。要求はしているものの、総合科学技術会議はプログラム全体をつくっているということでございまして。国民の税金でございますから、私のものではございません、そういう意味では。
 それで、どうしたいかということは、若手の研究者を増やしていきたい。まさしく私たち自身の事業であると思っています。ただ、ここで振興調整費で平成18年度にスタートされたテニュアトラック制度が、ある意味では先鞭となり、きっかけとなってきたのは事実です。だけども、それを含めて、今後どういうふうにさらに発展していくべきかということを、私たちの中でやっていきたい。それを総合科学技術会議に、この振興調整費という枠組みではなくてやっていただくことはできないかなということでございます。そういう意味で、切り分けてという意味でございます。

【船曳】

 多分、私、誤解していないと思いますが、この調整費が、例えば廃止になったとして、今年度どうするかというところは、もうそれを実際若手研究者に充てるということがある程度決まっているときにどうするかという、そういうことはあると思いますけれども、基本的に廃止になったら、それはないと。もしそういう若手研究者の助成が必要だったら、文科省の別予算でまた新しくやりますという理解でよろしいですね。

【説明者】

 ちょっと違っていまして、私たちは、今走っている若手のプログラム、あるいは女性のプログラムで雇用されている人たちがたくさんいるわけですけれども、その人たちが一たんここで路頭にさまようということは、これは僕はやってはならないことなのではないかというふうに思っています。
 そういう意味で、若手テニュアプログラム、これ自身は、実は今年度で新規採択は終わりになるわけで、だんだんフェードアウトしていく、そういうプログラムでございますので、その中で、それとあわせて、その次のプログラムというのをもう考えていかなければいけないと、そういうことを申し上げている次第でございます。

【伊藤コーディネーター】

 清水先生。

【清水】

 今の制度の中で移し替えというのがあるんだけど、これは機動的、あるいはタイムリーに行われているという評価をしておられるんですか。それとも、こういうところを変えたらもっといいということがあるんですか。

【説明者】

 すいません、趣旨がちょっと理解できなかったんですが、機動的対応についてのお話ということでしょうか。

【清水】

 要するに、計画をするところと、それから、予算要求して、その予算をいろいろ執行する、違うわけでしょう。そういうふうに聞いていいんでしょう。

【説明者】

 機動的な対応につきましては、基本的には内閣府。

【清水】

 移し替えがうまくいっているのか。

【説明者】

 移し替えがうまくいっているかどうか。

【清水】

 ええ。

【説明者】

 移し替えは、だから、それぞれの採択をします。プロジェクトを採択します。そのときに、その採択されたプロジェクトの中に、その参加者の中に、例えば独立行政法人の研究者が入っていたとなると、私たちは独立行政法人に補助金を流します。でも、その参加者の中に国立研究所が入っていた場合には、そこに対して私たちが移し替えをするという形でお金を持っていく、こういう形になるんです。
 今走っているプログラムでは、今のところ、移し替えをしているところは、さっきペーパーにあった幾つかの機関、これは国立の研究所でございますので、移し替えをしているということでございます。ただ、これらのプロジェクトも、平成22年度には完全に終わってしまうプロジェクトですので、そういう意味では、移し替えはなくなってしまうということになります。
 それとは別に、内閣府に機動的対応予算として移し替えている部分はあります。それは、内閣府のほうからいろんなところに委託をされているということです。

【伊藤コーディネーター】

 北川先生。

【北川】

 関連してなんですが、政策誘導型の府省横断型の戦略的な予算というのは、多分、これだけではないかなと思うんですけど。私自身は、これをなくすと、今までやっぱり国の科学技術政策というのはかなり縦割りですね。府省の縦割りで。それに対して逆行することになるので、それはどうかとは思うんですが。
 ただ、やっぱり先ほどからいろんな意見が出ていますように、CSTPが予算に実質的に持っているというところに若干問題があるのではないかなというふうに。要は、国の科学技術政策を決める司令塔というのは絶対必要なんです。これがなくなったらおかしいので、そこは一つ絶対持たないといけないと思います。ただ、そこがしっかりと指令を出したことを、各省もしくは府省横断型できちっとやる仕組みをやっぱりつくるべきだと思います。今の現状では、そこはやっぱりどうかなと思うところはあるので、そこはやっぱり改善していただきたいということはあります。
 それと、もう1点、先ほどから船曳先生、市川先生がおっしゃられているように、これがもし先ほどの若手とか女性支援のことが単なる若手支援とか女性支援ということだったら、先ほど言った意見のとおりだと私も思うんですが、一応資料を見ていますと、それは、要はテニュアトラック制度、これはどういうことかというと、欧米ではある期間、テニュアトラックに乗って、キャリアパスの中で審査されてテニュアになる。日本の場合は、ポスドクが何をやっていても先は見えないという状況があって、非常に若手の研究者が育たない環境がある。そういうところのシステム改革だと私は思うんですけれど、それは単なる若手支援とか女性支援ではないと思うんですけれど、先ほどの説明だとそういうふうに聞こえたので、一般の人の理解を得られないのではないかと思うんですけど、その辺、もう一度ちょっと説明していただければと思います。

【説明者】

 先ほどの説明、言葉足らずで申しわけございませんでした。
 まさにテニュアトラック制でありますとか、あるいは女性研究者を養成していくというプログラムについては、これは単に個々の研究者の研究を支援するというのではなくて、大学等における採用のシステム、それから養成のシステムを変えるということが主な目的でございます。
 ですから、日本の場合ですと、言葉は悪いですけれども、徒弟制というようなものでありますとか、あるいは、何となくコネがあって採用が進むといったようなことではなくて、能力のある人が、中立的な立場の人たちによって客観的に評価をされて、それが認められて、きちんとテニュアのポストにつけるというようなものを広げていこう。また、そういった中で、女性研究者の養成もあわせて行っているというようなところでございます。
 ですから、まさにこのプログラムのアウトプットとして言えるのは、システム改革がどれだけ大学で進んだのか、そういったシステム改革に乗り出す大学等がどれだけ増えたのかというところかというふうに考えてございます。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 関連ですか。

【説明者】

 すいません、先ほどの北川先生の初めのほうのことについてご説明させていただければと思います。
 司令塔機能というところについては、現在、平成23年度の新しい予算について、科学技術重要性アクションプランという形で、その司令塔機能の強化ということについて検討しております。その中で、まさに総合科学技術会議の有識者の議員の中で、ほんとうにそういうことまでするのであれば、調整費というものがツールとして必要なのかどうかという、そういう議論も実際ございます。その中で、戦略的にやるという中で、そのアクションプランというものがあれば調整費は要らないのか、それとも、アクションプランと調整費をうまく相乗的に使っていくのか、そういう議論は今しているところでございます。

【伊藤コーディネーター】

 先ほどの若手研究者のところの関連があれば、先に受けますが。市川先生、どうぞ。

【市川】

 今、表現が適切かどうかということで、徒弟制度的な、つまり、若手研究者が、先ほど北川先生もおっしゃっておられましたけど、ポスドクで先が見えないような状況になっている。それは確かに日本の研究現場におけるゆゆしき状況ではないかと思うんですが、ただ、それが、例えば、この111億円の支出によって、確かに救われる部分はあるのかもしれませんが、やはり抜本的に、その問題がどこにあるのかということを改めていかない限りにおいては、いつまでもこういった補助金的な状況が続いていくわけですよね。ですから、そこをどうするのかというところを、もっと本質を変えられるようなお金の使い方というのはできないものなんでしょうか。

【伊藤コーディネーター】

 多分、今のお話は……。

【市川】

 これはお金の使い方だけではなくて、多分、制度設計そのものの在り方の問題ではないかと思うんですけど。

【説明者】

 テニュアトラック制につきましては、18年度から今のシステムでの募集を始めて、それで、22年度、今年度が1つの区切りであるというふうに私どもは考えてございます。したがいまして、23年度以降、来年度以降どうしていくのかという制度設計のところは、今いただきましたご意見も含めまして、改めて抜本的な在り方というものを考えてまいりたいと思ってございます。

【伊藤コーディネーター】

 そういう意味では、先ほど、一番最初の話の中で、テニュアトラック制、40大学で今進んできているという、1つの成果指標としてお話をされているんですが、増えていけばいくほど、まさに市川さんがおっしゃったとおり、ポスドクがその後ほんとうにどこに行くのかというところとセットの部分になって。多分、それがほんとうは先に決めておかないと、ここに110億円つぎ込むことの正当性は言えないんだろうという意味でのご指摘だと思います。
 西寺さん。

【西寺】

 財政の問題として、調整費というのは、多分、例外的なものだろうと思いますし、地方自治体で調整費なんかつくって、予算編成して執行したら、多分、総務省からクレームがつくと思います。
 現実の予算編成の過程で、先ほど説明されたもので、ちゃんと予算に盛れるものというのはかなりあるはずなんですね、その時点で。全然まだ予算を決めたときは、大枠だけでしか決めないわけですか。個々の配分を、予算をつくる段階で決めてないということになるわけですか。

【説明者】

 もう一度そのスキームをご説明させていただければと思いますが、48ページを見ていただきますとわかりますとおり、予算を12月の段階で取るときは、調整費という形で、中身が決まっていない形ではあるんです。

【西寺】

 いや、だから、それを決めようと思えば決められるんですか。

【説明者】

 それを、だから、審査をという右のプロセスを経て、個別具体的に決めていく。それで、すべてどこに配るかということを決めてしまう、こういうことです。

【西寺】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【西寺】

 じゃ、予算編成の過程で、結局、予算にすべての支出、歳入もそうですし、歳出も、きちっと使途を明記するというのが原則ですよね、財政の。その中の例外として調整費があるわけで、そうした財政の原則を破ってまで維持するということが必要なのかどうか。この審査も含めて、予算を決める段階で、もうその手続きを済ませておけば、調整費が要るのは、多分、緊急的な課題だけになるということですよね。ですから、そういうふうにして、調整費そのものを変えていくということが、要するに、予備費としては確保しておいたとしても、調整費として持つ必要があるのかどうかという議論はあり得ると思うんですね。それがなぜだめなのかということを。

【説明者】

 おっしゃるところ、まさにその歴史的な経緯を少し説明させていただきますと、昭和56年にこれができたときは、国の研究機関というのは、ほとんどが国立の研究機関でございました。したがって、何かプロジェクトを起こそうというときに、そのプロジェクトの中身は決まっていない段階で、それぞれの、例えば、厚生労働省何とか研究所へ幾ら幾らというのは積み上がらなかったというわけです。したがって、プログラムを決めた上で、個別のプロジェクトを後でつくって、その後に積算をつくって、各省の国立研究所に幾ら配りましょうということをつくったということで、後からその使途が、プロジェクトが決まった後でできてくる、そういうものであったわけです。
 そういう意味で、移し替えという機能が非常に多かったときには、目未定経費というのはものすごく有効なツールであったということでございます。それに加えて、先ほどの機動的対応があったように、予備費的な形で機動的に使っていくためにある一定のお金を用意していく、こういう機能もあったと思います。だから、そういう2つの機能があって、目未定経費という、おっしゃったとおり、予算をつくったときに詳しい積算ができていないというようなものができ上がっていたわけでございます。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【西寺】

 そうだとすれば、スケジュールさえ調整する、あるいは、もっと前の時点でいろんなプロジェクトを募集するとかいうようなことをすれば、調整費自体が、ある意味では、そういう原則を破ってつくっている経費ですので、本来の姿に戻せるのではないかというふうに思うわけですよね。ですから、そういうことは可能かどうかだけ答弁してください。緊急的なものは、予備費をつくって。

【説明者】

 それぞれのプロジェクトは、課題というものが他省庁にわたっていて、それが幾らであるかというのがわかっていれば、それを積み上げてやることができると思いますし、その場合は調整費である必要もなく、それぞれの役所がそれぞれ予算要求すれば済む話だと思います。それは、今後、総合科学技術会議のほうでも、アクションプランというものでどこまで調整できるかということが、多分、議論されるとは思います。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん、どうぞ。

【市川】

 多分、今の西寺先生の議論というのは、当初、これが付け替えと予備費的なものとして発生してきたというのは、それはそうだと思うんですけど、実はそれが長年たつうちにだんだん固定化してきていて、極めて機動性のない予算になってしまっているのではないかということではないかと思うんですね。ですから、それは先ほど来見直しをされるということでありましたので、やはり本来あるべき、あった姿で、それは今でも有効であるとするならば、やはりそういった目途に向けて、資金の性質をもう一度戻していくべきではないかという感じではないかと思うんですが。

【説明者】

 総合科学技術会議におきましては、今、そういうご指摘もあった旨も先生方にお伝えさせていただいて、検討させていっていただければと思います。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートをまだ提出されていない方、回収をお願いいたします。
 もしご意見等があればお願いします。
 私から1点お聞きしたいんですが、移替予算の下に、委託で調査研究で出ていますが、これは多分8機関のうちのどれかということですか。それとも、全体で調査委託が出ているんですか。

【説明者】

 おっしゃっているのは、Hの話ですか。

【伊藤コーディネーター】

 そうです。

【説明者】

 Hは、47ページを見ていただければ、1から7まで書いてございます。これ全部がたしか内閣府からの委託。

【説明者】

 こちらは、先ほどからお話がございました機動的対応の中でやらせていただいているものとしての調査ものでございまして、それについては、内閣府に移し替えをしていただきました後、内閣府から今こちらのほうに、当然、入札をかけた後でございますけれども、やっているというものでございます。

【伊藤コーディネーター】

 例えば、どんな研究でこういう下に委託されているんですか。というのが、移替予算のイメージとしては、幾つかの府省であったりというものを共同にやるために、こういうところへ持ってくると思うんですが、実際に半分ぐらいはこっちの研究、調査委託をされているという感じなので。

【説明者】

 例を1つ挙げさせていただきますと、例えば、総合科学技術会議におきまして、人材の問題等について検討しているわけでございますけれども、その中で、その審議に資するために、EU諸国における若手研究者の育成システムに関する調査研究というものをしたりとか、そういうものでしております。

【説明者】

 あくまでもそれは第4期基本計画とか、そういった政策の立案のために、我々としても調査研究をしないといけないものですから、そういったものを充てているということでございます。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【伊永】

 46ページの今移し替えをやっておられる支出先について、ちょっと確認させていただきたいんですが。2番以降、幾つかの国立の研究所が並んでいますが、どちらかと言えば、これ、調査ものに対して予算を移し替えているということではありませんか。

【説明者】

 Gのほうですね。だから、46ページ。

【伊永】

 はい、46ページ、Gです。

【説明者】

 そのうちの2番から8番までは、それぞれのプログラム、14個ほどございましてですね。

【伊永】

 研究費なのか調査ものなのかという。

【説明者】

 研究費です、これは。

【伊永】

 ああ、そうですか。

【説明者】

 2番から8番までは研究費です。一番上は、内閣府に行っていますので、そこから調査だとかという形で。

【伊永】

 なるほど、内閣府から調査がおりて、それぞれの研究所は実験、研究に充てていると。

【説明者】

 そういうことです。

【伊永】

 それも、単独の府省では解決できないテーマに限定しておるんですか。

【説明者】

 2番から8番は、先ほどありました幾つかのプログラム、例えば、重要課題の解決型研究とか、あるいは科学技術連携施策分とかいうのがございますが、こういうところのプログラムの中の一端を担っているということです。

【伊永】

 わかりました。

【伊藤コーディネーター】

 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告をいたします。
 科学技術振興調整費につきまして、見直しの余地なしという方はいらっしゃいません。要改善が4名、廃止が3名です。要改善の中は、実施主体の見直し、事業規模を見直す、内容を見直す等々の方がいらっしゃいました。
 それでは、政務官、お願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 今ご報告があったとおり、本事業につきましては、要改善4、廃止3というご意見を賜っております。
 先ほど来、お話をお聞きしても、この事業というものが、もっと本来の主目的に立ち返るべきだと。特に事業実施スタートして30年近くが経過したということもございます。そういう中で、従来からご議論がありますように、先生方のご意見では、総合科学技術会議の機能強化、それと連動しながら、国の研究開発予算がほんとうに国家戦略という目的に基づいてさらに有効的に活用され、成長にも資するよう制度設計を抜本的にもう見直す時期であるというご意見。さらには、総合科学技術会議と文科省の関係の在り方も、非常に複雑な形になっているので、さらに見直し、検討が必要であるというご意見。そして、先ほどもお話をしたように、まず原点に戻ってこの調整費というものを考え、国家戦略会議等、各省連携、役割分担の中で、国家予算として用途を考えるべきだというご意見がございます。
 そして、トータルとして、先ほど冒頭論点の中でもご報告しましたように、現在の政府の中で、総合科学技術会議も含めた科学技術政策全体の抜本的な見直しということも現在検討し、私が先ほど報告したように、多分、来年の3月、年度内にはいろんな方向性が出ると思います。当然、この調整費という本来の目的に立ち戻った形で、より役割を明確にしながら、今後の事業の運用を見直すようにということで、総合科学技術会議、内閣府とも今後調整を進めるという前提の中で、事業の主体、内容の見直しも含めた抜本的な改善を含めるということで、結論とさせていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いします。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、これで議論を終了いたします。ご説明の方、ありがとうございました。
 ちょっとだけ時間は押していますが、次の事業は4時15分から再開とさせていただきます。

( 休憩 )

【伊藤コーディネーター】

 それでは、本日最後の事業に参ります。
 レビューシート、事業番号6番になります。国際協力イニシアティブです。
 それでは、まず政務官より選定の背景をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 55ページにございますように、この事業は、平成19年からスタートしている事業であります。国際協力の推進という観点から事業を開始しておりますが、必ずしも当初の目的と事業の成果が上手にあらわれていないということで、皆さん方のご意見を賜りたいということで選定をさせていただきました。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 では、ご説明をお願いします。

【説明者】

 事業の概要を説明させていただきます。資料の55ページ、レビューシートを参照願います。
 目的でございますけれども、この事業につきましては、我が国の大学の教員等がそれまで教育・研究の中で培ってきた専門知識や経験というものを生かしながら、開発途上国の支援のプロジェクトを行うというものでございます。また、この取組を通じまして、大学における国際協力活動の企画あるいは実施を担当する人材を発掘・育成するということも、あわせて目的としております。このプロジェクトには大学院の学生等を参加させることによりまして、学生にもそういう国際的な視野を身につけるということもあわせて行えるものというふうに思っております。 ページをめくっていただきまして、56ページにお示ししている図がございます。この構成でございますけれども、協力イニシアティブとしましては、A、B、Cという3つのプロジェクトからなっているというところをお示ししてございます。1つが国際協力イニシアティブ委託事業ということで、これが大学等に公募委託しているものでございます。また、このAをサポートするようなセンタープロジェクト機能というのがございます。それから、この調査研究事業というのが、Cというのがございます。
 さらにページを進んでいただきまして、59ページをごらんいただきたいと思います。ここからさらに詳しい説明資料をお示ししてございます。59ページの下の2という表をごらんいただきたいと思います。これがイニシアティブの体制図といいますか、そうなっております。今言った目的におきまして、Aというのは基幹をなす事業でございます。それを業務支援という形でサポートする、Bというサポートプロジェクト、それから、情報提供を行う、Cという調査研究という成り立ちでございます。
 さらにページをめくっていただきますと、少し中身を詳しく説明させていただきたいと思います。
 まずAの基幹の国際プロジェクトのほうでございますけれども、カテゴリーを少し分けてございます。1.教育研究成果の活用という中で、(1)としまして、教育協力モデルの形成という事業がございます。これが基幹、一番大きなものでございまして、まさに途上国の現場で国際協力に携わる人々が活用できるような研究成果、あるいは、実際に大学の研究者等が途上国に赴きまして、途上国の開発支援を行うプロジェクトというものでございます。
 それから、(2)というものがございます。これは青年海外協力隊等派遣教員の活動支援とございます。これは、青年海外協力隊に現職の初等中等教員を派遣する特別制度というのがございます。この特別制度によりまして海外に派遣される教員を、派遣前に研修を行ったり、あるいは、派遣中にその教員に適切なアドバイスを行ったり、また、その派遣中に教員が使うような教材、資料を提供する。そして、その教員が帰国後に、現地での経験を生かして国内で国際教育等を行う際に、そのために役立つような資料を提供するというものでございます。これに特化した事業というのが(2)でございます。
 それから、(3)でございますけれども、知的支援ネットワークというのがございます。これは、研究分野ごと、例えば、教育ですとか、工学、あるいは農学といった分野ごとに、国内の大学を中心としたネットワークを組んでいただく。そして、開発途上国からの協力要請に効率的にこたえるために、そのネットワークが機能できるようにするという、そのネットワークの構築事業というものでございます。
 それから、(4)としましては、これら(1)から(3)までのプロジェクトの成果物を収集いたしまして、「ライブラリ」というものをつくってございます。この成果物を収集したライブラリをホームページ上にアップいたしまして、どなたでもごらんいただくことができる。ホームページ上から、この成果を、開発途上国の協力に携わる方々に活用していただくというものでございます。
 それから、下の4番でございますが、これは先ほど言いました業務支援のプロジェクトの内容でございます。今申しました各国際協力プロジェクトに関しまして、国内の報告会というのを年に2回開いてございます。それから、国際協力の進め方の検討にあたり必要となるような情報提供、あるいは、その情報の収集・整理といったものを行うということがございます。また、国内の大学で行われているような国際協力活動に関する情報の収集・提供ということも行っております。それから、この国際協力イニシアティブの事業自体の広報活動というものをここで行っております。パンフレットを作成したり、あるいは、国際協力のイベントへ出展をするというようなことがございます。
 それから、Cの事業でございますけれども、APEC等の国際協力の会議に出席するということを含めまして、情報の収集をいたしまして、この国際プロジェクト等に役立つ情報を提供するというプロジェクトからなっているというところでございます。
 その次のページは世界地図をお示ししてございますが、これは平成21年度に、先ほど申しましたAのプロジェクトの、具体的にどの大学が、どの地域で、どういうプロジェクトをやっているかというものをお示しした図でございます。平成21年度は、合計23件のプロジェクトが行われておりました。それを簡単にお示しした図でございます。
 この中から、活動事例といたしまして、1件だけご紹介をさせていただきたいと思います。それは次のページの6からでございます。これはミャンマー等におきまして実施されています、学校保健分野における国際協力プロジェクトということでございまして、大妻女子大学が行っているものでございます。この活動につきましては、開発途上国で子どもたちの健康管理、あるいは学習環境の改善活動を通じて、学校保健分野における教員の能力の向上といったことに取り組むプロジェクトでございます。
 これは、具体的には、ミャンマーの政府、特に教育省でございますけれども、そこが所管する教員養成大学、あるいは教育大学等の大学の教員、それから、その大学に通っています学生を対象として、研修会というのを実施いたします。そこに日本の大学の研究者が、その研修会で講義を行う。その研修会に使用するマニュアル等も作成をして、それをもとに講義を行うといったことを行っております。これの中では、日本的といいますか、日本で実施している、例えば、学校保健の項目等を組み入れまして、ミャンマーでの学校の点検評価制度、そういう健康管理の点検評価制度といったものを作成する、そのための支援というのを行っております。また、大学と地域の学校の連携モデル、そういったものを構築するということの指導を行っております。また、ミャンマーにおきまして、児童のデータ収集を行いまして、その発育データを解析して、ミャンマーの民族ごとの発育、栄養の標準値というのを算出いたしまして、その標準値をもとに、栄養補給プログラムというものをつくるといったことの指導というのを行っているというような事業でございます。
 こうしたことを行いながら、ミャンマーの子どもたちの健康状態、あるいは学習環境の改善、効果という取組をミャンマーの中で進めていただくということでございまして、中心的には、大学教員、ミャンマー自身の大学の指導者養成ということにつながっていくというプロジェクトでございます。
 後ろのほうには、写真等で具体的な測定等の現場のところをお示ししているところでございます。
 以上でございます。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、後藤政務官より論点のご説明をお願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 64ページをお開きいただければと思います。
 まず、この事業につきましては、事業の必要性という部分で言えば、今、担当のほうからご説明をしましたように、我が国の教育研究開発関係者の有する知見を踏まえた途上国の教育協力モデルの構築・検証ということで、大学法人に委託をしているという事業でございます。
 ただし、今日、全体を通じてご議論がありましたように、本来の大学自体の持つ研究の取組と重複していないかどうかという論点、さらには、事業の有効性ということで、事業実施から既に3年がちょうど経過しています。どのように成果が得られ、どのように有効性が活用されているのかということについても、ぜひご議論を賜りたいと思っています。さらには、当然、必要性というものはあるわけでありますが、さらに国費投入というものをどうやって縮減をしていくかどうかということも論点にはなると思います。
 そして、委託先の決定プロセスでございますが、これにつきましても、特に科学技術国際協力センターに2,700万円委託しておりますが、このセンターにつきましては、この委託にあたって競争性が確保されているか、さらには、OB等がその中にいるかどうかという点も論点だと思いますので、それも踏まえてご議論を賜りたいというふうに思います。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見。まずは西寺さんからお願いします。

【西寺】

 具体的に教えていただきたいんですが、61ページの活動対象地域一覧という世界地図があるわけですが、この中で、先方からの要請に基づいて派遣をする、あるいは仕事に協力するというようなものは、23件中幾つぐらいあるんですか。

【説明者】

 先方からの要請というのがあれなんですけれども、要するに、このプロジェクト自体は、日本の大学が主体的に行っているプロジェクトということでございまして、先方の政府等々の要請に基づくものではございません。日本の大学の研究者が、例えば、その国、ミャンマーならミャンマーの研究者と交流を持っているというところからスタートするという形を多くはとっておりますので、先方要請に基づくものというものは、基本的にはございません。

【西寺】

 国際協力をしていく場合に、例えば、日本のNGOは共同して現地で何かのプロジェクトをやろうとか、あるいは、現地からの要請に基づいて、それにこたえるような形で何かをやるというのが、多分、原則だろうというように思うんですね。
 今おっしゃいましたように、直接そういうのはなくて、日本の研究者が、自分の持っている興味を相手の国へ行って押しつけるようなことになるわけですね、結果的に。そういうことがまず1つ問題ではないかというふうに思います。
 しかも、教育プログラムがほとんどなので、教育プログラムを、あるとき行って、そこで仕掛けをして、それで引き上げてきてしまうというようなことをしたときに、相手への一種の裏切り行為みたいになって、非常にまずいことになる危険性というのは大いにあるわけですね。そういうことを文科省はきちんとフォローしていくのか、あるいは、研究者がそういうことをフォローしていくのか、そういうことは保証されているんですか。

【説明者】

 ご意見ありがとうございます。
 その点につきまして、まず最初の押しつけになっているのではないかという点ですけれども、さっきご説明いたしましたように、やはり研究者同士の交流のようなものからこういうものが芽生えておりますので、その点は完全に押しつけということではなくて、やっぱり相手方にもニーズがあると。相手方の研究者が、場合によっては政府につないでくれて、政府もこれをバックアップしてくれるというようなこともございます。
 それから、成果でございますけれども、もうやりっ放しで引き上げるということではなくて、今回のミャンマーの学校保健のプロジェクトにつきましても、その成果をミャンマー語でマニュアルをつくって、それを相手国の政府も採用して、この学校保健の普及を図っていただくというようなことにつながっています。基本的には、これ、やりっ放しということではなくて、そういう成果をより広く広げて、普及して、使っていただくというのが目的になっています。

【西寺】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 西寺先生。その後、市川先生。

【西寺】

 ただ、そういうことが全くどこにも保証されていないわけですよね。

【説明者】

 その保証の仕方は、公募いたしますので、その審査の段階でそういう基準を設定して、そういう目で審査を外部の有識者にしていただいております。

【西寺】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 関連で、市川さんが言ってから、とりあえず。

【西寺】

 ちょっと、もう1つ。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ。

【市川】

 押しつけでないというふうに言われるわけですが、ODAが批判されたのも、実は自分たちは国際協力のためにやったというのが、相手の国から見たら押しつけになっちゃっていた、あるいは、日本の企業のためにやっていたという、そういう議論になっているわけですよ。それと同じことをまたこんなところで繰り返すんですかという、そういうことだと思うんですよ。

【伊藤コーディネーター】

 あわせて、市川さん。

【市川】

 これ、典型的な目的の不明確な事業ではないかと思うんですけど、要は、ここに2つのことが書かれているんだと思うんですね。それは、1つには、これは国際貢献ですということが書かれていて、もう一つは、大学における国際貢献できるような人材の育成ですというようなことが、この行政事業レビューシートの中に書かれていて。要は、二兎を追っているということなんですか。

【説明者】

 ご意見ありがとうございます。
 基本的なミッションは国際協力だと思っています。それは大学の人材を活用した国際協力ということなんですが、その過程で、国際協力に携わる人材の発掘とか養成にもつながるということで、それも長い目で見れば国際協力だというふうに考えていただければいいと思います。

【市川】

 これ、もともと予算の出所がODAなので、原則として国際協力となっていなければいけないはずなんですが。では、この国に対して、例えば、大学の研究者の方を送り込んで何かをするというときに、国際協力であるとしても、ODA予算を使っているということは、やはり外交的見地がなければいけないわけで、なぜその国のそこにその研究者を送り込むのかということについての戦略的な発想というのをきちっとお持ちになって、日本の外交戦略の中でそれをやっておられるということですか。

【説明者】

 このプロジェクトの基本的な成果からして、研究者間での交流にその芽生えを見出すという形でございますので、その部分は必ずしも強い外交的な戦略性があるとは言えないと思います。

【市川】

 さらに、こちらにいただいているものの中で、これはミャンマーのプロジェクトの中で、事前のヒアリングでは申し上げましたけれども、要は、例えば、座高の測定とか、猫背を真っすぐに治すとかという、大学の研究者の方がいらして、ミャンマーにおいて背筋を真っすぐに伸ばして座高を改善するといったようなことをやることに、意味がないとは言えないのかもしれないんですけど、ほんとうにそれは意味があるのか。
 実は、これ、ほかの例も調べてみたんですね。多分、一番まじめにレポート書いておられたのが北海道教育大学で、「サブサハラの基礎教育におけるESDモデル単元カリキュラム・教材開発」というやつなんですけど、これも中を見ると、例えば、水の使い方とかいうのになっていて、読み取りカードの例として、「水源を守るにはどうすればいいですか。川の土手や丘に木を植えます」、「飲み水が汚れているとどんな影響が出ますか。人間や家畜が病気になります」とか、一部分だけを取り上げてどうだということを申し上げてはいけないのかもしれませんが。ただ、おおよそ大学の知見を持って相手地域に行って何かを協力する。それも、もちろん、大学の方がご自分自身の意思で研究として行かれるのであれば、それはすばらしいことだと思うんですけど、ODAという、本来国家戦略に基づいて外交的に使われるべきお金を使ってこういったことをされていることというのは、果たしてどうなのかなというふうに思うわけですが、これについて何かご意見はありますか。

【説明者】

 先ほどの1つ、ミャンマーの例でございますけれども、日本から行く研究者、あるいは学生が、直接向こうの子どもたちの身体測定をする云々ということではございません。これはミャンマーの国の中で、例えば、子どもたちの発育・発達の標準値というのか、基準というのか、そういうのがミャンマーにはない状態でありまして、そういう標準値をつくるというところから始めると。そういう標準値をつくるためには、そういうデータが必要なわけで、そういうデータをミャンマーの先生方にお願いしてとってもらう。その標準値をつくる手法といいますか、そういうところを国立の教員養成大学の先生、あるいはその学生さんにそこを指導して、その標準値の割り出しといったところも、ミャンマーの研究者といいますか、方が自分たちでできるような、そういう指導を行う。その標準値の割り出したものをもとにして、健康的なミャンマーの子どもたち、例えば、それは食事につきましても、どういう食事を与えればいいのかとか、そういう分析も行いまして、それを指導する。それは日本人が行うというよりも、ミャンマーの方々にそういうことを行っていただく能力を養成するという形で、その研修を行っているわけです。それは、実際にミャンマーの教育省では、それを実際に教育省の中で全国的なそういう研究とかに取り入れていただきまして、それを全国に広めるということを今行っているという状態です。
 ですから、日本の大学のそういう研究者の知見というものを、そういうことを生かして、ミャンマーの大学の人材養成を含めて、ミャンマーの方々が自分たちでそういう子どもの健康管理を行っていくような、そういう仕組みをつくるというプロジェクトであります。

【市川】

 そのプロジェクトであったとして、具体的にミャンマーにおいて、これはいつ行かれたんですか。何年に行かれたんでしょうか。

【説明者】

 これは平成19年から行っております。

【市川】

 平成19年に。

【説明者】

 はい。平成19、20、21と3年間。

【市川】

 ずっと3年間予算を支出し続けているということですね。

【説明者】

 はい、これは3年間出しております。

【市川】

 そうすると、それにおいて、ほんとうにミャンマーの中で、先ほど西寺先生からもご質問ありましたけど、ミャンマーにおいて具体的に身長測定等のシステムが定着をしたということの検証は、一体だれが、どういう形でされておられるんでしょうか。

【説明者】

 実際的なその検証ということにつきましては、我々のほうで現地に行ってということはまだしておりません。そこは、この大妻の研究者の方々からの報告を聞くということで、我々は理解しているところでございますので、実際に文部科学省がその検証に行ってはいないというのは事実でございます。

【市川】

 ということは、お金をお渡しして、現地で何かやっていただいたけれども、それが最終的にどういう成果を上げたのかということについては、基本的には把握はできていないということですか。

【説明者】

 報告書の中で、ミャンマーの教育省がそういうことを採用したということもございますし、ミャンマー政府からのそういう文書というのも報告書の中でいただいております。

【伊藤コーディネーター】

 西寺さん、どうぞ。

【西寺】

 先ほどの続きですけれども、補助金を出している間は、研究者はこれはやりますよね、きっと。ですけれども、補助金が切れた途端に、じゃ、今の検証もそうですし、それを定着させるための活動だとか、そういうのが要るはずですし、それをずっとフォローしていかなければ、教育プログラムがほとんどなので、それが中断しちゃうということだって心配されるわけですよね。ですから、フォローする体制、あるいは、補助金をどうやっていくのかというようなことを明確にしない限り、ヒアリングのときに、ずっとやりますかと聞けば、だれでも、それはやりますと言うに決まっているわけで、そんなことは全然保証にならないわけですね。
 だから、フォローをどういうふうにしていくのかということをきちんとしてもらわないと、こういうことを無責任にやるとえらいことになっちゃうという。研究者の趣味でやるようなことになると、非常に国の間だっておかしなことになるということもあり得るわけですよね。だから、そこをきちんとしてもらわないといかんというふうに思います。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん。

【市川】

 同じ観点からなんですけど、昔、バブルだったころに、例えば、私は証券会社におりましたけど、えらいもうかって、もうかったんで、お金をどう使おうか、税金払いたくないしということで、結構海外研修というのがはやりまして、海外に行っていいよ、特に若手は行きなさいと言われて、行って、報告書をつくるわけですね。でも、実際のところというのは、報告書をつくることが目的になっていて、ほんとうにそれが何に役に立ったのかというのはだれもわからないという状態であったんですね。
 今はもうこういう厳しい経済環境ですから、民間企業においてはそういうことはなくなったと思いますし、また、国の厳しい財政事情から言っても、そういうことは極めて少なくなってきているのであろうなというふうには思いますが。ただ、やはり自己検証がなかなかしにくいものに対してお金をつけるというのは、極めて慎重であるべきことではないかと思うんですね。

【説明者】

 まず西寺先生のほうのご指摘、どうもありがとうございました。
 もう一度繰り返しになりますけれども、大学の先生方が現地でプロジェクトをやって、それが一定期間たつと終わると。そこで放り出すということではなくて、その成果が広く活用されるように何らかの形に残していくというのが原則です。これは実際の実例でございますけれども、ミャンマーの場合には、こういうミャンマー語のマニュアルを残して、これがミャンマー政府が採用してくれたという形で、あとはもう現地の人たちの手でこれが利用されていくという形で残していくと。
 だから、ほかのプロジェクトも、ホームページにそういう成果をアップして、それが活用されるようにという形で、このプロジェクト自体は終わりになるという形になるんですけれども。

【伊藤コーディネーター】

 西寺さん、どうぞ。

【西寺】

 形として、例えば、教科書、テキストみたいなものをつくるということが目的ではないわけでしょう。現地に行って、そこの子どもたち、あるいはそこの人たちに有効な教育プログラムを設定できるかどうかということが問題であって、成果物である教科書なり何なりができればいいという問題ではないはずなので、だからこそ、教育プログラムであるというのはものすごく重いことだというふうに思うわけです。
 ですから、人の問題も当然あるでしょうし、時間の継続性というような問題もあるので、きちんとフォローしないととんでもないことになりますよという、そういうことが起こり得る、それをどうするんですかと聞いているわけです。フォローをどうするんですか。ただそれだけです。

【伊藤コーディネーター】

 船曳さん。

【船曳】

 同じことを、もうちょっと私なりの言葉で言いますと、多分、リスクがあると思うんですね。これが小学校の健康保育プログラムの提供というんで、非常にニュートラルなものであれば、何もわざわざミャンマーまで行って、特殊環境をそこで研究者が学んで、それ用のプログラムをつくる必要はないんですよ。もうそれは日本全国、いわゆる小学校の先生に差し上げるカリキュラムをミャンマー語にして渡せばいいわけですから。だから、やはりそこで現地で研究して、そこでの特殊性を入れ込んで、研究プログラムをやるということは、極めて特殊になるので、属人的に極めてリスキーなことになるかもしれない。西寺先生のご質問に、その部分では私は共鳴いたします。いかがでしょうか。
 いわば社会化教育と言ったら極端な話かもしれないですが、内容は保証できないです。日本人はその辺ナイーブですけれども、向こうにとって思想教育だと受け取られかねないような教育プログラムだってあり得るわけですよ。いかがなんでしょうか。

【説明者】

 おっしゃる意味は、私どもも理解いたします。100%保証できるかというと、確かにそれは途上国ということもありますし、その国の政府の体制が変わったりすると、そこはどうなのかということも当然あります。
 ただ、私どもとしましては、このプロジェクトがほったらかしということではなくて、先ほどからも言っていますように、ミャンマーならミャンマーの教育省が今これを取り入れていただいています。それはミャンマーの国内で、教育省の力でこれを普及させていくということを、今、実際行われています。それは確かなことでありますし、それが、ですから、保証できるのかというと……。

【西寺】

 ミャンマー以外のことで言いなさいよ。ミャンマーのことはわかった。それはたまたま偶然教育省とくっついたプロジェクトだということを言いたいだけですよ。ほかのことを言わなくちゃ。一般的に言わなきゃ。

【説明者】

 ですから、その検証をするということにつきましては、このプログラムの中では、そこは、我々、文部科学省なりが検証するというところは、確かに欠けているものだということは、これは承知をしております。

【伊藤コーディネーター】

 伊永先生、どうぞ。

【伊永】

 同じところで、もう一度確認しますが、59ページにせっかくいい図をつくっておられて、Aという事業をするのは各大学であると。Bという部分までは必ずやるんだと。2年間の間にAとBはやり通すということでご説明を受けました。そのBをやるのは、56ページにある社団法人の科学技術国際交流センターであると。Cについては、やったりやらなかったりだというんで、これが東京工大の役割だというふうなご説明があったんですが、なぜこのスキームをつくるときに、今、お二方の先生がご指摘になるようなリスクヘッジのためにこの仕組みを利用できるように組んでいないのか。特に59ページを見ますと、科学技術国際交流センターにはかなりの金額を入れているわけですが、ここがその役回りを果たせないのかということについて確認させてください。

【説明者】

 今の点については、確かにご指摘のとおり、このプログラムの設計の段階で、そういう配慮が足りなかったのかもしれません。その点は、今後、チャンスがあれば見直させていただきたいと思います。

【伊永】

 少なくともODA予算を使って、大学発知のODAだというすばらしいネーミングを考えておられるんですから、きちっとその仕組みを立て直すことは必要なことだと思います。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん、どうぞ。

【市川】

 57ページを見ると、例えば、今伊永先生がご指摘になった社団法人科学技術国際交流センターのところの使途の費目を拝見すると、旅費が500万円、全体で2,700万円の支出がある中で、旅費が500万円、職員等の人件費が800万円ということになっているんですね。今までのご説明からいくと、何ゆえこんなにここにお金がかかるのかというのがまずよくわからない。
 加えて、実際現地に行っておられる、ここでは名古屋大学の例を挙げておられますが、名古屋大学も、実は旅費のところが1,000万円で、人件費が200万円ということですから、それはもちろん現地に行って何かをされることが大事であるということなのかもしれませんが、何となくこれを見ていると、旅費の補助をしてあげているためにこのお金が使われているような、そういう印象に、少なくともこれを見る限りにおいてはなっていますよね。

【説明者】

 1つ、この点はご理解いただきたいと思うんですけれども、大学の主要な機能として教育研究とございますけれども、第3番目の役割として社会貢献、その中でも国際協力という分野がございますけれども、この分野、なかなかインセンティブがつきにくい分野だと思っています。というのは、大学の先生方から見ますと、こういう途上国支援というのは、自分たちの日常業務に加えてワークロードが発生するということで、そういう点はなかなか、自分たちのある意味エネルギーの持ち出しの部分でございます。したがいまして、人件費の部分が計上されておりませんけれども、ほとんどありませんけれども、その辺は先生方が自分たちの持ち出しとして頑張っていただいているという点がございますので。

【市川】

 でも、それはおかしいですよね。これ、公募委託ですよね。公募しておられるということは、ご自分のほうからこれをやりたいと言ってこられているわけですよね。ですよね。今のご説明だと、こちらのほうから、文部科学省のほうからお願いをしてやっていただいているのであればそうなのかもしれないんですけれども、これは公募委託ですから、皆さんが応募しておられるわけで、そういう意味ではですよ。
 さらに、もともと、例えば日本国内において、日本国内においてのためだけに何らかのことをやっていたのを、国の施策に従って行ってください、そこで相手国の実情に応じて何かをやってくださいということに対してお金を支出するのであれば、話はわかるんですけれども、多分、これで行かれている方というのは、そもそも途上国において何らかの事業をやること、研究をやることに興味がある方ですよね。ですから、今、インセンティブがないとおっしゃいましたけど、本来、インセンティブがあるものに対して、お金を後からつけにいっているという、そういうふうなイメージに見えるんですね。そうではありませんか。

【説明者】

 全くインセンティブがないわけではないと思います。先生方がご関心があるからこそやっていただける分野だと思います。しかし、やはりそれを実現するためには、相当程度の自分たちの余分の仕事をやらなくてはいけないという面は、これは確かだと思います。日常の教育研究に加えて、この分野で貢献しようと。それは先生方のある種の、自分たちの価値に従っての活動だと思いますけれども、そういう面で、このプログラムは、そういう一押しするためのインセンティブを与えているというふうにご理解いただきたいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 船曳先生。

【市川】

 もう1点だけいいですか。すいません。
 そもそもお金のつけ方を間違えておられるんじゃないかと思うんですよ。先ほど言っておられたように、大学の主な機能として、これは私はほんとうにその機能があるのかよくわかりませんけれども、社会貢献が大学の主な機能のうちの1つであるということであるのであるとすれば、社会貢献をしている大学に対して何らかのインセンティブをかけてあげればいいことであって、こういう個別の事業に対してお金をかけることになると、今までのご指摘のような問題が起こってくる可能性すらあるわけですよね。ですから、そういう意味において、お金のつけ方自体をもっと変えて、社会貢献をしている、それが大学の本分であるということであれば、例えば、運営費交付金、大学の基盤的交付金を増やしてあげるとか、何かそういう仕組みにしないと、非常に持続性のない属人的な、下手をすると趣味の部分の研究に対して国がお金を出しているようなことになって、それもODAからお金を出しているようなことになってしまいかねないと思うんですが。

【伊藤コーディネーター】

 船曳先生、どうぞ。

【船曳】

 私の周りにも大学の教師が、夫をはじめとしてたくさんいますので、割合大学の現状というのを知っております。今は非常に少子化にあって、学生を集めることが困難になっております。その中で、学生をある意味集めやすい学科というのが国際協力学科なんですね。昔はキャリアを追求するというのが女性に非常に人気があったと思いますが、今は社会貢献、国際貢献というのがとりわけ若い女性にとって魅力的な学科になって、学問とは言えないかもしれないけれど、学科にはなっている。
 今、そういう学科とか、そういう専門の大学とか、多分、かなり出てきていると思います。昔人気だった学科の人気が衰えちゃったら、同じ大学の中でも国際協力学科のようなものをつくり上げて、そちらのほうに重点的に大学の中でも予算配分する。それから、スタッフも拡充する。専門教員も増やす。そういう時代であると私は認識しております。
 そういう認識のもとであると、先ほどからの非常に重い負担を、社会貢献という形で先生方にやっていただかなければならないと。それは違うんじゃないかと。まず大学にすれば、こういうODAの予算を取って、こういう研究を続けられるという、これは非常に大学にとっては、いわば広告宣伝効果が高い。しかも、先生方にとって、そういう学問に従事しているということは、みずからのテニュアが保証されるという側面があると私は思っているんですが、ご感想はいかがでしょうか。

【説明者】

 ありがとうございます。
 私ども、実際にこの国際協力プロジェクトに携わる先生方にいろいろとお話をお聞きする機会がございます。ただ、そのときに、自分の所属している大学の中では、こういう国際プロジェクトを実際に行っていることに対して、大学がどのようにその研究者を評価しているのかというようなところを、やっぱり研究者にとっても関心があるわけでして、それは先生おっしゃったように、今確かに若い女性方は、特にそういう国際協力とかは関心が高いと思いますけれども、では大学の中でそういったところに予算等を投資しているのかというと、必ずしもそうではないということも返ってきますし、また、この国際協力プロジェクトを実際に行っていて、例えば、その大学の名前が海外でも上がる、売れるというようなことがあると思いますけれども、そういったことに対しても、その大学は実際にこのプロジェクトを行っている研究者を、そういう国際貢献といいますか、そういう面で評価をしているかというと、そこは少しまだ疑問が残るところでございまして、私ども、昨年からその辺のことに関して各大学に調査を行っております。
 例えば、国際貢献ということで、外部からこういう国際協力プロジェクトを獲得した研究者に対して、何か大学のほうで評価なり何なりがありますかとか、その辺のところを聞いておりますけれども、主の教育研究という面以外で、こういう国際貢献でその研究者を大学として評価をするというところが、まだ日本の大学ではそんなに進んでいない。一部の大学ではそれを評価するというところもございますし、ある大学では、その面については全く考えていないというところもあるというような状況をお聞きしたところでございます。

【船曳】

 私は、それは随分経営努力を怠っている大学が多いんだなという感想になりますが。
 では、もう一つ伺います。学生を育てるという意味合いもあると。これは主目的ではないというふうにおっしゃいましたけれども。例えば、平成21年度、これで世界に教育プログラムを提供されたプロジェクトの中で、学生を現地に同道させた——もちろん学生の費用は自己負担だと思いますが——プロジェクトというのはあるんでしょうか。

【説明者】

 学生と言っても、いろいろなレベルの方がいらっしゃいますので、大学院生とか、マスターの方、ドクターの方がいらっしゃって、例えば、名古屋大学で実施された事業なんかですと、1カ月ぐらい向こうに張りつきで活動に取り組まれていた院生の方もいらっしゃいましたが、そのような形で主教官と一緒に行かれる場合もありますし、個別に行かれて、主教官が行かれたときの活動をフォローアップされている方もいらっしゃいました。

【船曳】

 質問は、昨年の事業の中で、教員、教官、いわば准教授以上が行かれるときに、大学院生レベルにしても、教官ではない方がどのくらい同道されたか、そういう事業の比率はいかがですかということを伺っております。

【説明者】

 すみません、人数の統計はちょっととっておりません。

【船曳】

 大学の数です。というか、この補助事業を受けたプロジェクトの数です。人数ではないです。

【説明者】

 失礼しました。行っていらっしゃるということは、私は最終的な会計の金額を確認するために、何校かの大学を回って会計の検査をしていて、院生の方が行かれているというので承知はしているんですが、ただ、それが何大学あるのかということについては、数字を持ち合わせておりません。

【伊藤コーディネーター】

 政務官、どうぞ。

【後藤大臣政務官】

 ほんとうは僕が聞いてはいけないんですけれども、ちょっとベーシックなことで。23事業を21年度で大学がこのプロジェクトを使っていますけれども、大学の先生方は、長期派遣、1年以上とか半年というのか、それとも、短期で1週間とか2週間で帰ってきちゃうんですか。その辺の割合はどういうふうに23大学でなっているか、ちょっと説明してください。

【説明者】

 このプロジェクトで長期に行っているという方はいらっしゃいません。基本的にはすべて短期でございます。短期と言いましても、2週間から、長い方で一月行っている方はいらっしゃいますけれども、せいぜい長くて一月という感じです。
 また、短期にしましても、年に1回ではなくて、短期で年に2回、3回と行かれるという方もございます。

【伊藤コーディネーター】

 コメントシートを書きながらでお願いいたします。書いた方は、ご提出をお願いします。
 次に、鳥井さん。

【鳥井】

 教育系の大学のビヘイビアってよく知らないんですけど、大学の先生って、基本的に論文にならないことはあまり熱心におやりにならないんでね。先ほどこういうお話があったんですね。日本の大学の質を上げるためのプロジェクトなのか、相手国の教育をよくするためのプロジェクトなのかというお話があったと思うんですね。日本の大学の質を上げるんだと、論文になるということがかなり大きな要因かもしれないんですが。相手国の教育をよくするというと、論文にならないことをやらない人が業務としてやるのは、あんまり適してはいないですね。ですから、なぜ大学なのか、大学へお金を出すのかというのが、なぜ大学でなければならないのかというところを少しご説明いただけるとありがたいですが。

【説明者】

 これは、1つは、このプロジェクトの性格自体が、大学間の結びつき、途上国と日本の大学間の結びつきというのが前提に一応ございます。そこで、我々としては、人材養成ということでは、途上国の大学の教官の資質向上というのか、そういうことにあたるだろうということで、日本の大学の教官の方々にその辺の役割を負ってもらうのが、国際協力、途上国の協力としては、やはりこのプロジェクトということは一番適切ではないかなというふうに考えた次第でございます。

【伊藤コーディネーター】

 北川先生、どうぞ。

【北川】

 国際協力というのは、友好とか、平和とか、人道的な立場からというのが1つの原則的な考え方だとは思いますけれど、先ほどこの予算がODAのほうから来ているというお話を聞きましたが、国策というのもその一方であると思います。
 そういう観点で、日本の国益に資するというものがやっぱり背景にないといけないと思うんですが、そういう観点で、この情報公開もしくは情報発信ですが、これは国際開発協力サポートセンターというのが担っているんだろうとは思いますが、ここが委託経費の総額のうち18%も使っているわけですので。これは私個人が思うに、国内で情報発信するよりは、先方国、相手国でこれだけやっていますよということを、向こうで発信しないと意味がないと思うんです。国益に資するという意味で。その辺の、先ほどミャンマーのほうでは、そういう向こうの言葉で書いたものをつくっている。これは十分に情報発信になっていると思いますが、このサポートセンター自体がそういう取組というのはされているんでしょうか。

【説明者】

 サポートセンターでホームページを開設しておりますが、この中で、例えば、ESDという持続可能な発展教育というような分野の活動をしているものにつきまして、それは……。失礼しました。わかりづらいので。
 アフリカ開発会議というTICAD4というのが開催されましたが、このフォローアップとして、アフリカに関して事業を実施しているものだけをまとめて、英語のホームページをつくって、そういったページをつくって掲載しているといった形での広報等を行っております。

【北川】

 これから日本はどんどんグローバリゼーションが進んでいって、今、グローバル30とか、そういうことで、国際貢献とか協力というのは、こちら側、日本に対する見返りというのは大分時間がかかることだと思うんですよ。地道にやらないといけないと思うんですね。それで、向こうでしっかり貢献して、向こうの若い人が成長するにあたっていろいろな貢献ができれば、将来的にそこで育った優秀な人が日本に来て、また活躍して、また日本に就職するというふうな流れをつくるような、このイニシアティブをとれるようなことにぜひしていただきたいなと思います。

【伊藤コーディネーター】

 どうぞ、清水さん。

【清水】

 論点の中に、この入札の競争性ということが1つ論点になって、今までの話と全然違うんですけれども。例えば、2,700万円を社団法人科学技術国際交流センターに出していますね。このときの入札の状況を聞きたいんですが、何社応札してきて、落札率ってどのぐらいだったんですか。

【説明者】

 平成19年度からこれは一般競争入札で行っておりますけれども、今まで1者のみでございます。

【清水】

 すべて1者。

【説明者】

 はい。

【伊藤コーディネーター】

 これ、すべてこの法人が応札しているということでよろしいですか。

【説明者】

 そうです。入札説明会までは2者とか3者とかいらしていただけることもあるんですが、実際に応札される方というのは、すべてこの法人だけです。

【伊藤コーディネーター】

 あわせて、論点に書かれているOBの方はいらっしゃいますか。

【説明者】

 はい。平成21年、昨年度時点では、役員の中に旧科学技術庁のOBが理事として5名、それから、文部科学省からの監事が1名、これはともに全部無給、非常勤でございます。ただ、平成22年度、今年度になりまして、文部科学省のOBが専務理事ということで有給で1名、それから、数は減っておりますけれども、旧科学技術庁のOBが理事、これは非常勤、無給で2名という形でございます。

【伊藤コーディネーター】

 職員はいかがですか。

【説明者】

 職員の中には、旧OB、部長が1人いらっしゃいます。

【伊藤コーディネーター】

 市川さん。

【市川】

 もう一回ちょっと確認の上でなんですけど、この科学技術国際交流センターのやっているサポート業務というのは、これはこの中にサポート業務とは何ですか、調査・広報・報告会など国際協力イニシアティブの支援業務となっているんですけど、例えば、広報というのは、どこに対して広報を行っているんでしょうか。

【説明者】

 先ほど北川先生のほうからご質問をいただきましたが、そのときにお出しすればよかったんですが、このような形でパンフレットをつくっていて、先方の国に対して、こういったことをやっていますよという広報もやっておりますし、もう一つには、国内の大学等、関係機関に対して、こういった活動をしているということで、広報を行ってございます。

【市川】

 相手、対象は先方政府ということ。

【説明者】

 失礼しました。政府ではございません。相手の国、あるいは大学。国というのはおかしいですね。地域とか、大学とか。

【市川】

 ポータルサイトがあるという話があったので、今、ちょっとポータルサイトを見たんですけど、これ、確かに英語はあるんですけど、英語しかないんですよね。もちろん、ほかの言語をつくろうとすると、非常にコストがかかる話なので、コストがないから英語だけということなのかもしれませんが。ただ、実際に途上国向けの支援事業をしていくときに、逆に、この英語だけしかないポータルサイトにおいて、これ、文科省も同じだと思うんですけど、例えば、スペイン語があるか、ポルトガル語があるかというと、これはないわけですよね。そういった中で支援事業ということが果たしてほんとうに効果的に成り立つのかという問題もありますよね。ですから、そこは、今、ミャンマー語のテキストブックがあって、これは現地語になっているから役立つのであって。やはりそういう意味において、なかなかこの事業の有効性というのを見出すのが難しいような気がするんですが。

【説明者】

 日本語あるいは英語をベースとして作成されておりまして、事業を実施する先生方が、使われる地域に合わせて翻訳をしていただくという形を一般的には考えております。例えば、今おっしゃいましたけど、ポルトガル語もスペイン語も何語もというような話になってきますと、基本的にコンテンツは同じで、翻訳経費だけがかかってしまうので、私どものほうでそこまで全部を面倒見るわけにはいかないので、主対象としている国で使う言語及び英語、あるいは日本語といったような形のものを作成していただいております。

【市川】

 いや、それは現地に行った研究者の方がそういう対応をしておられるかもしれないという話であって、逆に、国際協力サポートセンター、今、私が前提としてお伺いしたのは、広報活動とはどなたに対してやっておられるんですかという私の質問に対して、現地の方に対してのための広報活動をやっておられるということだったので、そこは違うんじゃないですかという。英語でやっておられるということだとすると、必ずしも本来この事業を必要としておられるかもしれない国に対しての広報活動として、国際協力サポートセンターが十分に機能しているとは言えない可能性があるのではないですかという質問なんですが。

【説明者】

 サポートセンター機能については、おっしゃるような面も確かにあろうかと思います。この辺も、チャンスがございますれば、ぜひ見直したいと思います。

【伊藤コーディネーター】

 その意味で、先ほど鳥井さんからご質問があったときに、この事業はまずは大学と他国の国際協力という観点でやろうとした事業。ただ、そこには、鳥井さんのご意見で、そもそも大学教員がこういうことになじむかどうかというところのたてつけのところからの論点が一番大きかったように思います。であれば、一番最初に西寺さんがご質問になった、ニーズがあるのかどうかというところで、もしかしたら——これはほんとうに実際わからないですが、マニュアルをつくることよりは、実際にNGO団体がやっているような、そこでほんとうに食事を提供することであったりとか、そういうことのほうがもしかしたらニーズに合っているのではないかという観点で皆さんがご質問されていたところがずっと、多分、なかなかやりとりがうまくできていなかったのかなというふうに感じています。
 コメントシートがまだの方、いらっしゃいましたら、よろしいですか。
 それでは、集計結果がまとまりましたので、ご報告いたします。国際協力イニシアティブについきまして、要改善という方が3名、廃止という方が5名です。要改善の中は、実施主体を見直すべき、あとは、内容を見直すべき、予算執行を見直すべきという方がいらっしゃいました。
 それでは、政務官、お願いいたします。

【後藤大臣政務官】

 今ご報告がございましたように、廃止5、要改善が3ということのご意見を賜っています。幾つかの厳しいご意見も含めてご紹介しますと、事業目的、外交戦略上の位置づけ、相手国の要望の的確な把握がないまま、この事業は進んでいる。文科省として、これらの考え方を明確にすべきである。さらには、報告書の作成というものもございますが、やはり成果の検証・評価というものがきちっとできていないし、そのフォローの体制が不十分である。そのための、いずれかの時点で基準や仕組みというものもきちっと作成をすべきだということ。さらには、この事業が大学みずからの知見を活用して、国際協力人材の育成のためのカリキュラムを作成するというふうなことが主目的でありますが、そもそもその人材育成ということは大学の本来業務であり、今日、類似の事業でもご指摘をいただいたように、基盤的経費の増額等で、きちっとした教育のコストとして対応することも含めたやり方を検討すべきということで、この事業につきましては、トータルとしては廃止をしたいというふうに思います。
 いずれこの3つの課題が整理ができた時点で、北川先生もお話をされたように、相手国のというふうな論点も含めて、これから23年度の事業について、違った視点でまた組み立てをしていきたいというふうに思います。
 以上です。

【伊藤コーディネーター】

 ありがとうございました。
 では、これで事業を終了いたします。ご説明の方、ありがとうございました。
 以上で本日の行政事業レビューは終了いたします。明日も、状況にかかわらず、10時から予定どおり事業レビューをいたします。よろしくお願いいたします。

—— 了 ——

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-- 登録:平成22年07月 --