スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業の検証に関する有識者会議(第1回) 議事要旨

第1回

1 日時

平成30年2月13日(火曜日)14時~16時

2 場所

文部科学省 東館5階 5F2会議室

3 出席者

帯野久美子委員、萱島信子委員、河村小百合委員、田代桂子委員、永井裕久委員、二宮皓委員
長尾篤志視学官、小幡泰弘国際教育課長、鈴木慰人課長補佐、矢田裕美係長

4 議題

(1)議事運営等について

(2)ヒアリング(4管理機関)

  1. 指定校管理機関による人的支援の例(長野県教育委員会)
  2. 指定校管理機関による取組負担の例(神戸市教育委員会)
  3. 特徴的な取組の例(渋谷教育学園)
  4. 先進的な高大連携の例(国立大学法人愛媛大学)

(3)自由討議

5 議事要旨

○事務局より、資料1「スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業の検証に関する有識者会議の設置について」、資料2「平成30年度スーパーグ   ローバルハイスクール(SGH)事業スケジュール(案)」、資料3「SGH事業の検証に関する有識者会議論点(案)」、参考5「秋の年次公開検証について」に基づいて説明が行われた。

○事務局より二宮委員を主査に推薦し、委員の賛同により、二宮委員が主査に選任された。

○別冊1「ヒアリング対象管理機関資料」に基づき各指定校管理機関より説明が行われた後、質疑応答を経て、資料3「SGH事業の検証に関する有識者会議論点(案)」、参考5「秋の年次公開検証について」に関連して以下のとおり意見交換が行われた。


【委員からの主な意見】

○SGHの今後の課題は3つほどあるか。1つ目はグローバルに関するコンピテンシーについてであり、グローバル、日本、各校、この3つの組み合わせをどうしていくのか。2つ目は成果に関して、進学先等の出口管理だけでなく、グローバルなことを学びたいという意欲をもって入学する生徒数等の入口管理も必要ではないか。3つ目はSGHが持続的に継続していくために、うまくマネジメントができて、既存のものから新しいグローバル教育に変容して、次の教育プログラムにつながる道筋ができているところが、今後のケースのなるのではないか。

○キーワードとしては、ダイバージェントとコンバージェント。各校が独自色をもってやっていく広がりがあるダイバージェントなのか、そうではなく、ハイポテンシャルな日本のグローバルリーダーを育てるための国際標準や日本標準に一部各校の伝統や文化を含めたコンピテンシーの育成に収斂していくコンバージェントなのか、分散と収斂について考えていくことが大切か。

○公立高校では全学対象にしたがために、SGHの効果はあったけれども進学実績が下がり、失われたものが多かったという声もある。渋谷学園の実践を聴き、進学実績が変わらなかったのは、学科横断的な教材開発がすごく大きかったのではないかと思う。これは公立高校でも可能か。

○トップ育成か、それとも全体の底上げなのか、最初から事業の目的をもっとはっきりさせてやるべきだったのではないか。だが、5年の目途がたつところできちんと検証するということなので、次にどうつなげていくかをよく考えた方がいい。

○各都道府県が地元のことを考え、独自で取り組むこともあると思うが、国費が投入される意味を改めて考えた方がよい。もう1つ大事なのは成果の把握である。今日の報告や事例を伺うと、SGHの成果は、留学生や大学入学者数だけでなく、きちんとした別の形で把握することもできるということをよく理解できた。この分野というのは客観的な成果の説明の仕方がまだまだ弱い。だが、やればできるところはあると思う。評価方法や狙い、集中して投入する対象などについてもよく議論した方がよい。

○この3月に出す指導要領改訂でも、教科のつながりというのは非常に意識されている。英語を学ぶのではなく、英語で何を学ぶかという点が重要となる。学校設定科目を各校で設定したとしても中身については、公立であれば教育員会のサポートが必要であり、校長のリーダーシップのもと校内体制を構築すること、教科横断的な授業を実施すること等、私立、公立など設置者の違いもあることを含めて検討が必要。

○グローバル人材の基になるのは、ある程度世界を見て、それで自信をもって自分の意見をもって、それを表現するということだと思う。それは英語でなくても日本語でそれをできるようになったら、言葉の問題さえクリアすればできると思う。今回のプログラムでも、日本語で自分の意見、考えをもって伝えて自信をもつということができていないという課題に取り組んでいることが多い気がする。まずは日本語でそこまでできるようにするのが大事なのではないか。

○英語力もやらなければいけないとは思うが、英語が苦手でも全国フォーラムの場で発表ができるようになったという生徒の事例が示すのは、おそらく伝えたい力があり、足りない英語力を補ったのだと思う。

○今のグローバル教育の最大の問題は英語教育が中心になっていることだと思う。SGHもSGUも、現場にいくと、やはり英語教育が中心になっている場合がある。次回はもう少し、目的を明確にするようなメッセージを発した方が良いのではないかと思う。英語運用能力は大切だが、ネイティブのようにというようなことは、あまり目指すことではないのかと思う。

○最後に、事務局より今後の開催スケジュールについて説明があり、閉会した。


以上

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