日本国内での実践知を反映したハンズオン素材の集約
鳴門教育大学
派遣現職教員の任地での活動を支援する目的から,平成19年度には「派遣現職教員の活動の幅を広げるハンズオン素材とその活動展開モデルの開発」を実施した。同事業においては,任地で手に入る廉価な材料を用いて,生徒を引き付ける面白みのある授業を展開できる「ハンズオン素材」の集約とその活動展開モデルを開発した。ハンズオン素材を集約するにあたっては,隊員間での成果伝達の橋渡しも兼ねる目的から,派遣中・帰国後の隊員に呼びかけ,実際に自分が任地において開発した教材の提供を図った。
同事業の成果集約及び評価から次の2点が課題として浮かび上がった。1)「大学の知の活用」という観点から,集約された素材はまだ不十分な点が多く,改善を必要とする。2)すでに相当数のハンズオン素材が集約されたが,各教科各単元が揃っておらず,隊員からの広範なニーズに応えられるだけの蓄積には至っていない。
以上のことから,国際教育協力に携わる大学教員によるハンズオン素材に対する評価・改善を行い,その質的向上を図るとともに,各大学で実施されている教育協力事業において開発されているハンズオン素材の集約を行う。また,ハンズオン素材が現地の言語に翻訳されていることによる利点は非常に大きいとの要請も多いことから,英語,スペイン語を中心として,可能な範囲で多言語翻訳を進める。
本活動の目標は,以下3点である。第1に,集約されたハンズオン素材に対して,教育の専門家の視点から検討を加え,評価・改善を行う。第2に隊員からのニーズに応えるべく,ハンズオン素材の充実を図る。今般のハンズオン素材集約方法は,隊員に対する呼びかけではなく,国内大学で実施されている国際教育協力事業の中で開発されたハンズオン素材の収集である。第3に,集約したハンズオン素材の多言語化を進めることである。
ハンズオン素材に対する検討の中では,個別のハンズオン素材の改善を行うのはもちろんのこと,授業改善への効果や有用性,扱う教師の力量に対する要求度など様々な観点から分類することで,利用する隊員及び現地教員への指標を提供できるようにする。こうすることでここの隊員の状況に応じた有益なリソースを提供することへとつなげられる。
また,ハンズオン素材が現地語に翻訳されていることで,現地教員(カウンターパート)等とも情報を共有することができ,授業構成に対する検討を隊員と現地教員が共同で実施することができるようになる。
鳴門教育大学では,ラオス,南アフリカ,タイ及びアフガニスタン等への教育協力実績に基づき,平成17年度より教員教育国際協力センターを設立し,開発途上国の理数科及びIT教育の質的向上に取り組む体制を整備している。加えて,その体制下において大洋州諸国やエチオピア等を対象とした受入研修を実施しており,上記の各地域と併せて,専門家,教員,派遣協力隊員,帰国協力隊員及びNGO等との人的ネットワークは実践的な形で構築されている。また,ハンズオン素材の開発・評価にあたっては,徳島県立総合教育センターや北海道立理科教育センターに協力を要請する体制づくりがなされている。
活動実施者である大学教員は収集・開発したハンズオン素材の分析・評価及びこれまでの開発経験に基づく協力・助言を行い,再開発に向けての課題を明らかにする。その都度,文部科学省からの助言を受け,総括していく。また帰国現職教員との共同研究体制を作る上でハンズオン素材開発・活用研究会を立ち上げると同時に,その運営に際してはJICA(ジャイカ)及びJOCAなど関係諸機関の協力を要請する。ハンズオン素材とその実践事例の収集・集約(英訳も含む)のために業務補助者を依頼する。
| 8月 | ハンズオン素材開発評価研究会(第1回)(活動実施者並びに実施協力者) |
| 9月〜11月 | 国内大学による国際教育協力事業で開発されたハンズオン素材集約 |
| 11月〜12月 | ハンズオン素材に対する評価・検討の実施,ハンズオン素材開発評価研究会(第2回) |
| 1月 | ハンズオン素材の多言語翻訳 |
| 2月 | 国内報告会における活動成果発表,「国際教育イニシアティブ」ライブラリへの登録 |
| 3月 | 成果集約 |
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