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初等中等教育分野等の協力強化のための「拠点システム」運用の基本方針等

初等中等教育分野等の協力強化のための「拠点システム」運用の基本方針


平成15年7月4日
文部科学省

1.「拠点システム」の基本的考え方
   「拠点システム」は、「万人のための教育」の実現等に向けた開発途上国に対する初等中等教育分野の教育協力に関して、我が国の教育経験の活用と教育専門家や現職教員など、人材の派遣を促進していくための国内実施体制として、国際教育協力懇談会の最終報告で提言されたものである。すなわち、個別の要請に応じて個々に協力の活動内容や教材等の検討を行い、しかも、派遣された専門家やボランティア個人による現地での努力に大きく依存するといった従前の協力体制を改め、
○あらかじめ我が国の協力経験やノウハウを体系化して整理しておくことにより、途上国のニーズに応じ教育援助関係者がこれらを自由に参照、活用することを可能とする。
○協力の質的、量的、さらには迅速性の観点からも、開発途上国の要請に対して、的確かつ体系的に対応できるようにする。
○このような目的を遂行するため、国際教育協力に実績のある広島大学及び筑波大学の「教育開発国際協力研究センター」を拠点システムの中核としつつ、国立、公立、私立大学及びNGO、民間企業等からなるネットワークを形成し、省別又は官民といった枠に縛られることなく、関係機関の協力の下事業を進める。
   等が同懇談会の提言の基本であり、「拠点システム」は、このような懇談会の提言の趣旨を基本にして、以下3.に掲げる具体的な活動の展開を図っていくこととする。
   なお、初等中等教育分野等においては、個々の国の文化や社会的な背景への配慮が不可欠である等、我が国における教育経験を直接開発途上国へ移転できないことは当然であるが、そのためにも、多様な協力の種類や形を整理しておくことが重要である。
   また、本拠点システム事業の成果の利用者としては、内外の援助機関、途上国政府、青年海外協力隊員等多岐にわたることが想定されるため、事業ごとの主たる利用者に配意し、利用者の視点も入れつつ、それぞれの目的に見合った取りまとめ方法を工夫する等、より多くの利用が図られるよう配慮する。
   さらに、本拠点システム事業の実施に関しては、外務省のみならず、これまで我が国の教育協力活動の実施に関して中心的な役割を果たしてきた機関であるJICA(ジャイカ)(青年海外協力隊OB/OGを含む)やJBIC(ジェイビック)とともに、教育委員会、ユネスコなど国際機関の教育プログラムへの参加機関等との緊密な連携を図る。

2.「拠点システム」のスキーム
   関係機関の具体的な役割は以下のとおりとする。
広島大学、筑波大学
   拠点システムの中核として、以下3.で述べる拠点システムの活動に参加する者の糾合、連携を図り、当該活動の全体取りまとめを行う。また、当該活動の成果を整理し、関係者の利用に供する。
拠点システム運営委員会
   文部科学省に設置。拠点システムの運営の基本方針、事業計画等に関し審議し、意見を述べる。
文部科学省
   予算や事業計画のとりまとめ。

3.具体的な機能と活動

(1)我が国の主力となる教育協力分野等を強化するための「協力経験の共有化」
   「理数科教育」、「教員研修制度」、及び分野横断的課題である「教育行政」や「学校運営」等は、「成長のための基礎教育イニシアティヴ(BEGIN)」においても、「重点分野」の柱とされており、かつ我が国の協力経験の豊富な分野である。これらの教育分野に関し、これまでの協力経験を蓄積・分析し、協力に共通して活用できる協力モデル(活動内容や教材等)の整備を図り、対外的に提案する。
   また、協力経験の浅い地域・国や、新たな協力手法等に関しても研究を実施していくことが必要である。
   さらに、個々の分野あるいは分野横断的な課題に加え、教育協力全般についても、他ドナー国の協力経験に関する情報収集や分析を行うことによって我が国の比較優位性の判断、先に述べた協力モデルへの反映に生かすこととする。なお、協力モデルの整備等各種研究については、適宜国内援助関係機関等と調整を行いつつ実施する。

(2)派遣される現職教員への支援(共有化された協力経験の伝達)
   上記に示した中核となる大学の助言の下、青年海外協力隊、シニア海外ボランティア等として派遣される現職教員に対して、蓄積された経験や協力モデルを伝達し、開発途上国での活動経験の浅い現職教員の適格性を培っていくことが重要である。
   具体的には、協力モデル等について、派遣前研修を通じて伝達し、現職教員に協力の内容や活動をイメージできるようにするとともに、インターネット等を通じた派遣中の相談を通じて、現地活動での課題に対する助言を与えていく。
   また、これら現職教員に対する支援を、可能な範囲で教育分野のボランティアに適用していく。
   なお、開発途上国の現場における現職教員の体験を、「拠点システム」と我が国の教育現場に還元させるための措置を講じ、我が国の協力経験に新たな付加価値を与えていくとともに、こうした派遣する人材の発掘、育成、成果の還元等のため、教育委員会関係部局等への周知、連携等の強化を図る。

(3)協力経験の浅い分野の活用促進に対する支援
   我が国としての協力経験の浅い分野(障害児教育、学校保健、環境教育、幼児教育等)に関しては、分野別のグループ、又は中心機関を形成していくことを促進し、我が国の教育経験の整理を行い、開発途上国との対話の過程等を通じ、情報提供を拡大していくことが肝要である。
   このため、拠点システムの中核となる広島大学、筑波大学が、このような当該特定分野の知見を有する大学のグループ等による検討会に参画し、教育行政などの分野横断的課題や、教育協力の国際動向等につき助言することで、協力経験の浅い分野の活用促進を図っていくこととする。
   なお、現職教員の支援と同様、協力経験の浅い個々の分野における協力の進捗や開発途上国での応用についても、「拠点システム」に還元させることとする。

(4)拠点システムのハブ機能、情報発信
   拠点システムの各事業において得られた成果を集積し、webサイト等を通じて関係者、利用者が閲覧できるようにする。
   また、定期的な国際フォーラム・シンポジウムの開催、国際援助機関との連携促進によって、得られた成果が幅広く途上国、援助機関等に浸透できるよう図る。

(了)



拠点システム構築事業基本計画

(大臣官房国際課国際協力政策室)

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