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平成17年度 拠点システム運営委員会(第2回)議事録

●日時 平成18年3月20日(月曜日)14時〜16時
●場所 古河総合ビル6F F2会議室
●会議内容
1. 平成17年度拠点システム構築事業報告
2. 拠点システム構築事業の評価説明
3. 平成18年度拠点システム構築事業案


1. 開会・挨拶(大山室長)

拠点システム事業も3年目を迎え、4月に開催された第1回運営委員会の通り、今回は評価を実施する。
3年の1タームを終え、ある程度成果は出たと言えるが、すぐに途上国・援助現場で使用できるものではない。
課題間の横繋がりが薄かった。
事業の目的、またその出口について、文部科学省からの指示が明確ではなかった。
従来の事業のシステムの成果を生かしつつ、来年度以降拠点システム構築事業の見直しを図る。
国際教育協力懇談会などで指摘を受けた、大学の知の活用、教育協力のあり方、事業評価の必要性を考慮し、国際教育協力懇談会と拠点システム構築事業を関連付けて展開することも視野に入れる。


2. 平成17年度事業報告

金光専門官より資料説明および平成17年度事業報告が行われた。

3. 拠点システム構築事業の評価説明および質疑応答

1 拠点システム構築事業の評価(牟田委員)

【問題点】
本事業に対する具体的な目標設定がなかったために、評価を行うことが困難であった。また、平成15年度から17年度までの3年間で何ができるかという目標が不明確であった。それゆえ、各事業が個々で設定した目標や成果を自己評価という形で評価してもらうことにした。
事業の成果物に対する具体的な枠組みがなかったために、成果物の水準に差が生じ、成果物がないグループさえあった。

【提案】
成果物の提出を義務化し、成果物に関する枠組みを取り決める。
事業の有効性などの観点から、随意契約ではなく、事業選別を行う必要がある(公募制の実施)。

【評価点】
3年間を通じ、各事業団体が多様な組織と協力体制を構築できたことは、評価できる。今後も関係機関と綿密な関係を構築していくことが重要である。
成果物に差はあるが、多様な成果物(CD-ROM、データベース、人的ネットワーク、報告書など)は、今後の事業でも役立っていくと考えられる。


2 質疑応答

研究対象地域について

(佐藤委員代理)   今後、文部科学省は研究対象地域をアフリカ中心にするのか?

(金光専門官)   実際は基礎教育協力分野ではアフリカが対象地域の中心となっている。教育協力現場で有効活用できる情報を提供することが拠点システムの目的であるので、アフリカに着目していかざるをえないのではないか。

(佐藤委員代理)   南アジアを飛び越えてアフリカ中心になるのは日本の国策に沿った方針なのか?

(末森委員)   JICA(ジャイカ)は、アフリカ地域の教育分野に関して、地域協力方針を作成し、理数科教育、基礎教育協力等、アフリカ支援に力を入れる方針があるが、それが政府の方針になるかはまだわからない。南アジア地域に関しては、アフリカに対して相対的に協力量が少ないわけではない。アフリカと南アジアは並行的に協力していると考えてもらいたい。

(牟田委員)   アジアは教育協力に関する経験や知識の蓄積があるが、アフリカ地域はそれらが少ない。それゆえ、アフリカ教育協力のための研究量は増えていくだろうし、拠点システム構築事業の役割はそこにあると考えられる。ただし、南アジアに対する援助量は減るということはないのではないか。

(荒木委員)   アフリカだけでなく、未だ教育の質が高いとは言えないアジアの途上国にも目を向けるべきではないだろうか。


協力体制について

(佐藤委員代理)   JICA(ジャイカ)と連動していくことになるのか?

(金光専門官)   JICA(ジャイカ)と連動していく部分もあるし、大学が自主的に国際協力を行うこともある。

(佐藤委員代理)   アフリカに行って、一から研究を始めるよりも、援助経験や知識の蓄積のあるEU旧宗主国などとネットワークを形成しないのか?

(荒木委員)   日本がアフリカに援助する場合は、旧宗主国と別々に行うのではなく、旧宗主国のバスケット方式の援助予算に組み込まれることになる。それゆえ、旧宗主国の影響の大きいアフリカ教育システムの中で、日本は何ができるかを考えるべきだ。また、アフリカに対する教育協力の基本方針・戦略を打ち出す政府の司令塔が必要である。基礎教育分野では他の先進国がアフリカで尽力しているので、日本としては、高等教育や科学分野での協力を進めるべきではないか。

(末森委員)   JICA(ジャイカ)は従来高等教育や職業訓練に重点を置いてきた。また、理数科教育などは30年以上協力隊員を派遣し、理数科以外の初等中等教育分野に対する協力は、90年代中ごろから本格的に実施している。EFAの観点からも、アフリカの初等中等教育協力に重点を置くべきだ。ただ、ODA予算の伸び悩みで、予算の割り振りが難しくなってきたということはある。


4. 平成18年度拠点システム構築事業案

大山室長より平成18年度拠点システム構築事業案の説明およびスケジュールの説明があり、質疑応答や提案が行われた。主な論点は以下の通りである。

1 来年度のイメージ(案)の各ターゲットについて

(牟田委員)   一つひとつの事業はどのぐらいの予算規模なのか?また海外事業を行う際は、予算を増やすことができるのか?

(金光専門官)   過去3年間は契約を単年度で行ったが、3年度を一つの区切りとして進めてきた。予算は単年度で300万〜500万円程度であり、海外事業の場合は、文部科学省の他の予算を追加配分する等の対応を行ってきた。

(牟田委員)   公募の段階で予算の規模のモデルを文科省が提示するとわかりやすいのではないだろうか。

(牟田委員)   国の予算は使いにくい面もあるため、他の機関などと予算の負担の分担をし、多様化を行ってはどうか?

(片山委員)   従来の予算は調査費用をカバーするのみであったが、プログラムの有効性を調べ、経験の蓄積を行うために、プラグラムをフィールドで実施するための費用も予算に含んでほしい。

(金光専門官)   平成18年度拠点システム構築事業イメージのターゲット3は自由型だと考えている。つまり、予算が比較的自由に設定できるので、それが両委員の提案に沿うものになると思われる。

(佐藤委員代理)   平成18年度の事業案のターゲット1および2は、内容に制約が多いため、ターゲット3に応募が集中しないか?また、事業予算は完全に三等分するのか?

(大山室長)   完全に三等分するわけではなく、応募があり次第適宜振り分ける予定である。

(片山委員)   ターゲット2は大学間のネットワークに限定するのか?また、大学間だけでなく、他機関とのリンケージはないのか?

(金光専門官)   大学間に限定せず、NGOや研究所などともネットワークを形成することを推奨している。広大のように、UNESCOや国連大学と連携している大学もある。

(片山委員)   そもそも大学間ネットワーク形成(ターゲット2)はニーズがあるのか?

(金光専門官)   経験の浅い分野、例えば環境教育、幼児教育、家庭科教育などの分野では、情報交換および経験の共有化は様々な大学から要望が出ている。少なくとも課題ごとで連携を組んでもらうことを想定している。

(片山委員)   コーディネート機関に対して具体的な考えはあるか?

(金光専門官)   具体的な計画は今のところない。

(牟田委員)   コーディネート機関に限らず、人材が豊富である世銀や関係機関、国際協力の有力大学などに対してしっかりと広報し、今後の拠点システム構築事業を活性化する必要があるのではないか。


2 関係機関との関係について

(末森委員)   様々な大学が参画することで、JICA(ジャイカ)が案件を出す際に選択肢が広がるという点では歓迎できるが、大学間の調整などが必要になるので、工夫をしていただきたい。

(大山室長)   ターゲット1のJOCV関連事業では、JICA(ジャイカ)との調整を行うつもりである。

(荒木委員)   国際教育協力懇談会と拠点システムの関係はどうなるのか?

(大山室長)   現在、運営委員会で見直しを行っているので、その経緯を懇談会に諮るというのが基本である。国際教育協力懇談会の討議も参考にしながら、拠点システム構築事業の一層の充実を検討する可能性もあると考えている。

(荒木委員)   大学の知の活用や、高等教育への援助も考えてはどうか。

(佐藤委員代理)   世銀やUNESCOでも高等教育に関する関心が高まっている。今後、これらの議論を参考にしながら、拠点システム構築事業の研究課題を選定するほうがよいのではないか。


3 課題の選定および分野について

(早川委員代理)   課題の選定のメカニズムはどうするのか?

(金光専門官)   運営委員会の先生方に検討していただくことを想定している。

(牟田委員)   公募の際に、応募された案件のリバイスの可能性や、選定後も案件の改善のための変更があることを告知するとより良い事業展開が可能になるのではないか。

(荒木委員)   経験豊かな援助機関は、教育協力分野でのニーズに精通しているので、彼らと課題の擦り合わせを行い、無駄を省くことが出来るのではないか?

(澤村委員)   公募の際に優先課題、重点分野を示したほうが、応募しやすい。例えば、将来重要になるだろう分野の基礎研究を行うことも可能となる。

(牟田委員)   ニーズと効果のある援助を行うことが重要であり、課題の選択と集中を行うべきだ。

(末森委員)   過去の研究成果を生かし、事業の重複を避けるためにも、ターゲット3ではJICA(ジャイカ)の調査研究等と調整分担して課題を整理していくとよいと思う。

(早川委員代理)   これまでの3年間の事業と、今後の事業の関係はどうなるのか?

(金光専門官)   これまでの成果を活用させていくつもりだ。ターゲット1では、JOCVで派遣要請の多い教育分野(初等、理数科、養護)と、拠点システムのこれまでの研究分野が重複しているので、その成果を、発展させていくことができる。ターゲット2では、大学間ネットワークで発信する情報は、拠点システムの成果を活用することが要件となる。ターゲット3では、今後要請が増加するであろう分野を公募の際にも重点分野として位置づけていく。

(佐藤委員代理)   ターゲット3に重点分野を設定するならば、まったく新しい研究課題は採用されないのか?

(大山室長)   すべての事業は17年度で終了し、継続事業も含め再度応募していただくことを考えている。したがって、新たなニーズに対応しているものであれば、新たな課題も当然対象となる。


4 提言・要望

(牟田委員)   JICA(ジャイカ)は教育協力案件の外注の比率が高くなってきている。案件を大学に依頼する際に、新規の大学は能力が未知数であるので、拠点システムで事業の実績を参考にしてJICA(ジャイカ)が案件を依頼するのはどうか。

(荒木委員)   大学の先生方の専門性と、教育協力分野でのニーズを合わせるために、JICA(ジャイカ)がコンサルタントなどと協力して、仲介する必要があるのではないか。また、教育協力のフィールドでの知見が十分ではない専門家に対してもJICA(ジャイカ)がサポートするのがよいのではないか。

(末森委員)   大学もコンサルタントと連携してJICA(ジャイカ)の案件を受託している現状にあり、これが促進されるのを期待している。

(澤村委員代理)   本事業を通じて、今後更に、JICA(ジャイカ)やNGOが実際に現場で使える情報を提供することが重要である。その際、情報のソースをJICA(ジャイカ)のみに依存するのではなく、大学が持っている知識を生かし、協力体制を構築していくことが大切である。

(荒木委員)   援助において、政府の出す表向きのニーズと現場の実際のニーズには差が生じる場合がある。研究を通じて、その差を埋めていき、提案型のプロジェクトが今後必要になるだろう。

(荒木委員)   アメリカの国際教育協力においては、教員研修を通じてアメリカの思想を伝達している。日本の教育協力では、いかなる意図をもってどのようなメッセージを伝達していくのか議論する必要がある。


5 その他

(片山委員)   アーカイブスは継続しないのか?

(金光専門官)   JEFとアーカイブスの2つの事業は継続する。

(片山委員)   拠点システム構築事業という名称と、その事業内容は合致していないのではないか? 名称を変更するか、拠点システム構築を明確に意図した事業を行う必要があるのではないか。

(荒木委員)   文科省の最初の意図は、特定の大学が国際教育協力のための中核大学としてネットワークを形成することであったが、3年が経過し、各大学の個性が出てきたように思う。


5. 閉会(大山室長)




【配付資料】

・資料1   平成17年度拠点システム構築事業スケジュール
・資料2   拠点システム構築事業評価スケジュール
・資料3   平成18年度拠点システム構築事業イメージ(案)


【主な出席者】

≪委員≫(敬称略)
荒木 光彌   株式会社国際開発ジャーナル社代表取締役
片山 信彦   教育協力NGOネットワーク運営委員会代表
末森 満   国際協力機構人間開発部長
中田 英雄   筑波大学教育開発国際協力研究センター長(佐藤氏代理出席)
二宮 皓   広島大学教育開発国際協力研究センター長(澤村氏代理出席)
橋本 和司   国際協力銀行開発セクター部長(早川氏代理出席)
牟田 博光   東京工業大学大学院社会理工学研究科長

≪文部科学省≫
大山 真未   大臣官房国際課国際協力政策室長
野田 潔   大臣官房国際課国際協力政策室長補佐
金光 謙一郎   大臣官房国際課国際協力政策室開発協力推進専門官
白川 浩   大臣官房国際課国際協力政策室国際協力調査官

※参考: 潮木守一委員(桜美林大学大学院国際学研究科教授)と韮澤弘志委員(和歌山工業高等専門学校長)は都合により欠席。

(大臣官房国際課国際協力政策室)

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