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3. 国際バカロレアのプログラム

 IBプログラムは、アイデンティティー形成期にある年齢の児童生徒の発達ニーズとともに、学校が地域から求められる教育的要件、文化的状況や優先事項にも合わせられるよう、カリキュラムを編成している。
 このため、PYPとMYPでは、主にカリキュラムの「枠組み」を提供している。一方、DPでは、世界中の大学への入学資格を生徒に授与することから、所定のカリキュラムが提供され、プログラムの規定が多くなっている。

(1) プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)

 PYP (Primary Years Programme)は3歳~12歳までを対象としており、精神と身体の両方を発達させることを重視しているプログラムである。どのような言語でも提供可能。

 PYPのカリキュラムは、国際教育の文脈において不可欠とされる人間の共通性に基づいた以下の6つの教科横断的なテーマが中心となっている。

  • 私たちは誰なのか
  • 私たちはどのような時代と場所にいるのか
  • 私たちはどのように自分を表現するか
  • 世界はどのような仕組みになっているのか
  • 私たちは自分たちをどう組織しているのか
  • この地球を共有するということ

 これらの横断的テーマに取り組みつつ、PYPのカリキュラムでは、以下の6教科を学習する。

  • 言語
  • 社会
  • 算数
  • 芸術
  • 理科
  • 体育(身体・人格・社会性の発達)

(2) ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)

 MYP(Middle Years Programme)は11歳~16歳までを対象としており、青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムである。どのような言語でも提供可能。

 MYPでは、以下の8教科を学習する。全ての生徒が5年のプログラム期間にわたってこれらの教科に取り組む。

  • 言語A
  • 言語B
  • 人文科学
  • 理科
  • 数学
  • 芸術
  • 体育
  • テクノロジー

 8教科は従来の教科を越えた「相互作用のエリア」(AOI:areas of interacton)である以下5分野と関連しており、PYPの横断的テーマと似た形で人間の共通性に焦点を当てている。この「相互作用のエリア」は、全教科に共通して適用され、生徒が、各教科を他の教科や実社会とは関連性のないものとして孤立的に捉えるのではなく、教科内容と実社会との関連性に対して認識を高められるよう働きかけることを目的としている。

  • 学習の方法(approaches to learning)
  • コミュニティーと奉仕活動
  • 人間の創造性
  • 多様な環境
  • 保健教育と社会性の教育

 これらを通じて、MYPでは、知識を統合された総体的なものとして示し、生徒がより広く、より複雑なグローバルな課題に対する認識を高めることが期待されている。

(3) ディプロマ・プログラム(DP)

 DP(Diploma Programme)は16歳~19歳までを対象としており、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能なプログラムである。「日本語DP」の対象科目等を除き、英語、フランス語又はスペイン語で実施。

1 DPのカリキュラム

 DPのカリキュラムは、以下の6つのグループ(教科)及び「コア」と呼ばれる3つの必修要件から構成される。

 生徒は、6つのグループから各教科ずつ選択し、6科目を2年間で学習する。ただし、「芸術」(グループ6)は他のグループからの科目に代えることも可能となっている。
 また、大学やその後の職業において必要となる専門分野の知識やスキルを、大学入学前の段階で準備しておく観点から、6科目のうち、3~4科目を上級レベル(HL、各240時間)、その他を標準レベル(SL、各150時間)として学習する。 さらに、カリキュラムの中核となる核(「コア」)として、以下の3つの必修要件を並行して履修する。 

グループ名 

科目例 

 1 言語と文学(母国語)

 言語A:文学、言語A:言語と文化、文学と演劇(※)

 2 言語習得(外国語)

 言語B、初級語学

 3 個人と社会

 ビジネス、経済、地理、グローバル政治、歴史、心理学、環境システム社会(※)、情報テクノロジーとグローバル社会、

 哲学、社会・文化人類学、世界の宗教

 4 理科

 生物、化学、物理、デザインテクノロジー、環境システムと社会(※)、コンピュータ科学、スポーツ・運動・健康科学

 5 数学

 数学スタディーズ、数学SL、数学HL、数学FHL

 6 芸術

 音楽、美術、ダンス、フィルム、文学と演劇(※)

(※) なお、「文学と演劇」はグループ1と6の横断科目。「環境システムと社会」はグループ3と4の横断科目。また、「世界の宗教」および「スポーツ・運動・健康科学」はSLのみ。

  • 課題論文(EE:Extended Essay)
     履修科目に関連した研究分野について個人研究に取り組み、研究成果を4,000語(日本語の場合は8,000字)の論文にまとめる。
  • 知の理論(TOK:Theory of Knowledge)
     「知識の本質」について考え、「知識に関する主張」を分析し、知識の構築に関する問いを探求する。批判的思考を培い、生徒が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるよう促す。最低100時間の学習。
  • 創造性・活動・奉仕(CAS:Creativity/Action/Service)
     創造的思考を伴う芸術などの活動、身体的活動、無報酬での自発的な交流活動といった体験的な学習に取り組む。

2 DPの評価

 国際バカロレア資格の取得には、DPカリキュラムを全て履修し、外部評価(国際バカロレア試験等)及び内部評価を通じて、45点満点中、原則として24点以上を取得する必要がある。
 配点は、6科目につき各7点(計42点)。さらに、必修要件(「コア」)について、TOKとEEの評価結果の組み合わせに応じて最大3点が与えられる(CASは評価対象外)。
 国際バカロレア試験は、南半球と北半球の学校年度に対応できるよう、年2回、世界で一斉に実施される。日本の1条校の場合は、原則として3年次の11月に実施され、翌年の1月5日に最終スコアが通知される。なお、国際バカロレア試験の出題例(サンプル)は、以下リンク先から閲覧可能(ただし、英語)。

 Sample exam papers(国際バカロレア機構ホームページ(英語)へリンク)

3 「日本語DP」

 DPの授業・試験は、原則として、英語、フランス語又はスペイン語で行う必要があるが、現在、文部科学省と国際バカロレア機構が協力して、DPの一部の科目を日本語でも実施可能とするプログラムの開発を進めている。

(日本語DP対象科目等)
 日本語で実施可能又は実施可能予定の科目等は、以下のとおり。
 ・以下の科目:
  「個人と社会」(グループ3)のうち、「経済」、「地理」及び「歴史」
  「理科」(グループ4)のうち、「生物」、「化学」及び「物理」
  「数学」(グループ5)のうち、「数学スタディーズ」、「数学SL」及び「数学HL」
  「芸術」(グループ6)のうち、「音楽」及び「美術」
  ※日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修することが必要。
 ・「コア」(3必修要件)の全て:
  「課題論文」(EE)、「知の理論」(TOK)及び「創造性・活動・奉仕」(CAS)
 ※日本語で実施できる科目等について、日本語に翻訳した科目ガイド等を以下リンク先から閲覧可能。
  (翻訳している最中の科目ガイド等もあるため、翻訳対象文書の全てが掲載されているものではない。未掲載の文書については、翻訳が終わり次第、順次掲載予定。)
 国際バカロレア機構日本語ページ(※国際バカロレア機構日本語ページへリンク)

(スケジュール)
 日本語DPによるIB校の認定スケジュールは、以下のとおり(最も早いケース)。
 ・平成25年10月  IBに対し、最初の日本語DPによる候補校申請
 ・平成27年 2月頃 IBから、最初の日本語DPによるIB校認定(同年4月に1年生入学)
 ・平成27年 4月  一部の認定校で、2年生より日本語DP課程開始
 ・平成28年11月  同校で、3年生が国際バカロレア試験を受験(平成29年3月卒業) 
※ただし、地理、数学スタディーズ、音楽、美術については、平成29年4月に2年生で日本語DP課程として履修可能となり、平成30年11月に3年生で国際バカロレア試験において日本語により受験可能となる予定。

(4) キャリア関連プログラム(CP)

 CP(Career-related Program)は、16~19歳までを対象としたキャリア教育・職業教育に関連したプログラムであり、生涯のキャリア形成に必要なスキルの習得を重視する(2012年に新設)。一部の科目(”振り返り”のプロジェクト等)は、英語、フランス語又はスペイン語で実施。

 CPのカリキュラムは、学校がそれぞれ提供する職業教育・キャリア教育に柔軟に対応できるよう、「枠組み」を提供するものとなっている。

 CPのプログラムは、以下の3つの枠組みから構成される。

1 ディプロマ・プログラム(DP)の一部科目

 CPでは、少なくともDPの科目(グループ1~グループ6)のうち、少なくとも2つ以上を履修する(上級レベル、標準レベルの選択・組合せは自由)。なお、日本語DP対象科目を選択することも可能である。

2 「コア」

  • 学習の方法(Approaches to learning)
     批判的・倫理的思考、異文化理解、コミュニケーション能力に焦点を当てた学習。90時間以上の学習。
  • コミュニティと奉仕活動(Community and service)
     教室外で、コミュニティにおける奉仕活動に取り組む。約50時間の学習。
  • 外国語学習(Language Development)
     最低50時間以上の外国語の学習。
  • “振り返り”のプロジェクト(The reflective project)
     キャリア教育に関連した特定の課題について、倫理的な観点から検討を加える。教室内外で約40時間の個人研究に取り組み、調査やコミュニケーションスキルを育成。

3 キャリア関連学習

 CPは、各学校が行うキャリア関連教育を支援・補完するために開発されたプログラムであり、キャリア教育・職業教育は、各学校がそれぞれ提供する。

お問合せ先

大臣官房国際課国際協力企画室

電話番号:03-5253-4111(内線3222)
メールアドレス:kokusai@mext.go.jp

(大臣官房国際課国際協力企画室)

-- 登録:平成23年07月 --