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リスク別の各機関での取組事例

特定の業者と研究者が癒着しやすい環境とそれを牽制していない管理状況への対応事例

◆ 合理的な理由なく、特定の業者に偏った発注がなされていないか確認している事例。

○ 研究費執行のモニタリングの一環で、一定期間ごとに研究者発注の傾向を分析し、特定の業者に偏った発注をしている研究者には理由を確認。特段の理由がないときは取引業者を定期的に変更するよう指導している。

○ 研究者の発注状況は把握できていないが、常日頃から、特定の業者に偏った発注をしないよう研究者に要請しており、支払いの都度、収支簿に照らし、大半が特定の業者と取引していることが判明した場合は、研究者にその理由を確認している。また、当該業者に対しては、内部監査時にヒアリング等を行い取引事実の確認をしている。

○ 契約事務に関するマニュアルを作成し、研究部門の職員に対する研修を実施している。また、研究者発注等が適切になされるように、研究チーム等に対し管理部門の事務経験者を配置し、事務支援を行っている。

○ 大学が審査、指定登録した業者に対してのみ研究者発注を認めているが、財務管理システムを使用することでシステムから発注メールが業者に送信。メールを受信した業者は、見積書を添付の上メール返信する仕組み。発注・受注状況がシステムにデータ登録されるため、事務がリアルタイムで確認できるので、特定業者に偏った発注がなされていないか確認している。

◆ 発注先はあらかじめ調達部署で評価した業者に制限している事例。

○  研究者による業者選定を認めていたときは、結果的に数千社に対して支払いを行っていたが、過去の取引実績 を分析し、発注量の多い業者の中から一定条件を満たす業者を選定(注)(約100社)し、当該業者に対する発注に限って一定金額以下での研究者発注を認めている。

(注)以下の条件に応じると同意した業者を選定し、契約を締結

  • 預け金に協力しないこと、協力したときは取引停止になること
  • 納品時は、必ず検収を受けること
  • 取引データ(納品物品名、数量、納品日、金額、納品先等の電子情報)を提供すること
  • 分割発注の禁止、機器の無償提供の禁止
  • 営業担当社員の管理、教育の徹底  など。

○ 立替払を除き発注は事務で行っており、研究者が参考見積書を提出した場合でも、別途事務で見積書を徴し発注先を選定する。また、発注先が偏らないよう1~2年単位で業者を見直すなど、癒着が生じにくいものとしている。

○ 財務管理システムには、大学が審査の上発注可能な業者として指定登録された業者のデータベースが構築されており、一定額以上の場合は研究者の参考見積以外に、事務がデータベースから検索した業者との見積もり合わせを行い発注を行っている。一定額未満の発注の場合も登録業者の中から研究者が指定することになっている。

○ 不正使用は発注段階での教員と業者との接触から癒着が生じ起こるものと考え、購買部が全ての物品を調達し、教員は発注ができない環境としている。購買部には薬品(試薬、薬剤、実験動物)担当として、薬剤師としての経験を持ち専門的知識を有する職員を配置、システムに構築された購買データ(個々の購入品毎に入力、品種・名称・時期・数量での検索が可能)により、納入価格を確認し発注を行っており、業者の選定から調達価格まで事務が管理する仕組みとなっている。

○ 発注は、研究者の購入依頼を事務局で確認後、発注業務を委託した外部業者に連絡。当該業者が見積もりの徴収も含めた調達業務を行っている。なお、内部監査時に委託先業者の関係書類を抽出チェックしている。

○ 緊急に消耗品が必要となり、大学と契約した大型量販店で取り扱っている場合、当該量販店が発行したクレジット機能のない法人カードを研究者に貸与し、調達の緊急性に対応している。大学は、後日量販店から調達した詳細が得られる仕組みとなっており、調達の透明性も確保している。

○ 過去の調達実績のデータベースを活用し、適切・効率的な調達方法が取られており、年間5~6万件の調達を少人数の担当者で全て処理している。また、素性の不明な業者との取引をリスク(不正、高コスト)としてとらえ、業者は購買部門が決定している。簡易調達として研究者に発注を認める場合でも、事前に評価を行い、選定された業者にのみ発注を認めている。業者の評価・選定方法としては、業者毎に取扱いメーカー単位で値引率を提示させ、業者を選定・登録(数十社~数百社)し、その後、取引状況(値引率、納品状況、研究室毎の発注量)をモニタリングし、取扱いメーカーの変更、業者の入れ替えを適宜行っている。

◆ 業者に原伝票の提出を求め、機関内の支出関係書類と照査している事例。

○ 取引業者の協力を得て、業者の保有する原伝票と自機関の支払い関係書類との突合を内部監査の手法として取り入れている。なお、全課題の監査は難しいので、年度末に集中して取引しているものや、特定の業者との取引が多い課題、納品書の日付が空欄、手書きのものなどを重点的に行っている。

○ 一定額以下の物品購入では、大学が取引基本契約を締結した業者のみ研究者発注を認めている。取引基本契約には納品データ等の作成・提供することの条件を付しており、大学は必要都度に確認を行っている。

○ 納品時には、納入した業者の納品書だけではなく、メーカーからの出庫伝票等の添付を求めている。

○ 研究者に対して年度末になってから伝票を持ってきても支払わない、伝票の書き換えは認めないことを周知徹底とともに、業者に対する債務(大学からの支払い)を、残高証明の聴取により定期的に確認している。

◆ 業者に対する不正防止にかかる取組を行っている事例。

○ 年1回購買部長が取引業者を集めて、不正に関与した場合の処分を含め不正防止について周知を行っている。

○ 業者との取引では、発注時に不正な取引に関与した場合の取引停止処分の方針を周知するとともに、契約書にも処分に関する記載を行っている。

○ 不正使用に加担した業者名を公表することを明確に規定している。

納品事実の確認ができていない状況への対応事例(検収業務の事例)

○ 検収は管理棟に設けた検品室において、納品を特定の時間帯に限定し効率的に検収を行っている。それ以外の時間であっても事務で検収を行うが、業者及び研究者への周知によって協力が得られ、時間外の検収はほとんど無い状況である。

○ 業者が発行する納品書について、日付等が欠落したものが提出された場合は、検収の場で記入させるとともに、これを証する署名をさせている。

○ 薬品類は薬品管理業務で使用しているシステムを利用し、納品検収時にシステムにデータとして入力し、保管量、使用場所、処分に至るまで管理を行っており、機関において薬品の管理状況を把握している。

予算執行状況の検証ができていない状況への対応事例

◆ 研究着手が遅れた結果、残額が生じることのないよう、早い時期から確認等を行い、計画的行を促している事例。

○ 以前は12月頃に収支簿を配布すると共に、2月末までの執行を通知することで執行を促していたのを改め、研究者も随時収支簿を確認できる環境を整備し、秋頃には執行計画の提出を求め、早期執行と計画的な執行を促している。

○ 機関内の会議等の場で定期的に研究の進捗状況報告を求めるなど、機関としてモニタリングすることで早期着手、計画的な執行を促している。

○ 毎月、研究者に収支簿を送付することに加え、9月末までに全体の40%、1月末までに80%の執行を目標とし、執行が遅れ気味の研究者を把握、個別に状況確認する際の目安として早期執行を促している。

○ 執行の遅れは研究部門長の研究進捗管理問題として評価されることもあり、部門長自らが研究者を指導しており、機関全体で計画的且つ早期執行が浸透するよう取り組んでいる。

◆ 事務手続きの煩雑さを避ける効果もある計画的な物品調達を行っている事例。

○ 過去の実績から一定の購入量が見込まれるビーカー等の実験用消耗品は、まとめ買いや単価契約とし、研究者・事務職員双方の事務手続きの煩雑さを解消している。

○ 不正使用のひとつに、その都度発生する繁雑な事務手続きを避けるために、年度末近くになって関係書類を業者に一括作成させることがある。研究者に対して定期的にまとめて購入することで省力化が図れること等を十分に説明・周知し、計画的な物品調達を促している。

◆ 年度末に執行が集中する研究者の状況(理由や執行見込み)把握ができている事例。

○ 研究者発注に際しては、財務会計システム等から打ち出される発注書の使用を義務化しており、発注段階から執行状況を把握。システムのデータから年度末に執行が偏る研究者がいないか、執行状況を検証している。 また、執行が遅れている研究者には個別に状況を確認し、状況に応じた助言等を行っている。

○ 財務会計システムによる管理はしていないが、研究者から発注前に購入申請書を提出させ収支簿と照らし合わせることで執行状況を確認し、年度末に執行が集中するおそれが無いか確認。残額の大きい研究者には個別に状況を確認している。

◆ 無理な使い切りを求めずに、繰越手続きや返還手続きなど適時・適切な情報提供ができており、必要に応じた助言・支援を行っている事例。

○ これまでは2月末までに残高を0円にするよう指導していたが、2月末の期日を年度内の執行計画の提出期限に改めることで3月末までの執行が可能であることを周知している。

○ 年度末近くになって無理に使い切るようなことがないように、余裕を持って執行状況を研究者に周知しているが、執行予定のない研究費が生じた場合であっても無理な使い切りを求めることはせずに、返還又は繰越し等の事務手続きについて、通知するだけでなく個別に説明している。

○ 研究者毎に事務局職員を担当者として割り当て、研究者からの各種相談に対応することで意志の疎通を図っている。

○ 研究開発中核センターに、教員コーディネーター(教員が担当)を設置し、外部資金等について相談しやすい体制を構築した。また、そこでの相談事項は情報を共有するため、研究資金を管理する事務にも入る仕組みになっている。

○ 学内にリサーチオフィスを設置し、研究費のプロジェクト毎に管理担当者を決め、そのことはホームページに掲載。研究者が執行計画を立てる時点から事務職員も参加し、相談を受けられるよう支援体制を構築した

謝金等人件費に係る取組の事例

○ アルバイトを採用するときは事前に作業依頼内容、時期等を記載した計画書を研究者から事前に提出を求め、抜き打ち的に現場を訪問する。

○ 採用時に事務職員も面談を行う。あるいは作業従事者に対して、作業内容等を記載した書面を事務職員から手渡すとともに、不正使用の事例や相談受付窓口等について説明する。

○ 月ごとの出勤表等は作業従事者本人に提出させ、その際、事務職員が本人に事実確認を行う。

○ アルバイトの勤務管理は、個々にパスワードと共に貸与するパソコンの服務システムを起動・終了させるさせることで出退状況を確認し、合わせて抜き打ちの現場確認を実施している。

○ アルバイト等の入退の実態を把握するため、日々の出勤と帰宅の際に、事務室(早朝や深夜等事務室に職員が不在の場合は守衛所)に立ち寄らせ、事務員立ち会いの下で氏名と時間の登録を必ず行っている。

不正使用が行われる動機・背景に照らした取組の事例

○ 研究費が配分されるまでの研究費確保が必要だが、個人で立て替えるには限度があるという課題があり、研究機関で立て替えるようにした。

○ 大学院生が自費で学会参加しているので何とかしたいなどの課題があり、大学で学会参加旅費の 一部を支援するなどの取組をしている。

○ 年度末の不測の事態に備えた研究費を確保しておきたい場合も、競争的資金 は計画的に使用し、比較的柔軟に使用できる機関内研究費での調整を研究者に助言している。

○ 研究費の使用ルール等が研究者に十分理解されていない、浸透していないという課題があり、研修会への出席や、e-ラーニングの受講を競争的資金申請の条件とし、説明等を具体的に行うことで理解の向上に努めている。また、教職員に対し、不正防止意識の啓発を行うため、普段目に留まるよう、研究費の適正使用のためにやってはいけない会計ルールや研究不正内容を簡潔に記載した下敷きを作成した。

○ 外国での立替払の精算手続きに要する証憑書類が多く、煩雑であるという課題があり、機関が契約したクレジット会社の発行するコーポレートカードを研究者に貸与し、調達の利便性確保と精算手続きの簡素化を図っている。

○ 機関内のコミュニケーション促進という課題があり、まず研究費の使用ルールについて、アンケート調査により理解度の把握。理解不足によるガイドライン対応に伴う負担への不満等が分かり、階層的に責任者から若手に至る各研究者個別に説明を行い、理解の向上に努めている。

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

-- 登録:平成22年10月 --