施策目標 (2)原子力の利用に関する研究開発の推進

主管局 研究開発局
関係局 科学技術・学術政策局
研究振興局
基本目標 原子力を社会が受容できるよう安全に制御、管理する技術及び社会的制度を確立しながら、原子力の多様な可能性を引き出す研究開発を行う。

1.高速増殖炉サイクルの炉・再処理・燃料製造の実用化候補の更なる絞り込み

達成目標  長期的なエネルギー安定供給を実現するとともに、地球環境保全に寄与することを目的として、供給安定性や環境適合性に優れた原子力の特性を技術的に高める高速増殖炉サイクル技術の実用化に向けた研究開発を進める。
達成目標の達成度合い  「高速増殖炉サイクル技術の今後10年程度の間における研究開発に関する基本方針」(平成18年12月原子力委員会決定)等を踏まえ、これまでの調査研究段階から高速増殖炉サイクルの本格的な実証・実用化に向けた研究開発段階として、経済産業省と連携して「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」を本格的に開始した。また、研究開発から実証・実用化段階への円滑な移行を図るために平成18年7月に設置された五者協議会(文部科学省、経済産業省、電気事業者、メーカー、独立行政法人日本原子力研究開発機構により構成)は、「高速増殖炉の実証ステップとそれに至るまでの研究開発プロセスのあり方に関する中間論点整理」を4月に取りまとめ、原子力委員会に報告した。さらに中核メーカー1社にFBR開発の責任と権限及びエンジニアリング機能を集中するという同協議会の方針を受け、平成19年4月に三菱重工業株式会社が中核企業に選定され、同年7月には三菱FBRシステムズ株式会社が高速増殖炉開発会社として事業を開始した。独立行政法人日本原子力研究開発機構、三菱重工業株式会社及び三菱FBRシステムズ株式会社は「高速増殖炉主概念の研究開発実施に関する基本協定」を締結し、我が国における高速増殖炉の研究開発体制が整備された。以上のとおり、高速増殖炉サイクル技術の確立に向け、順調に進捗している。
今後の課題  高速増殖炉(FBR)サイクル技術については、「高速増殖炉サイクルの研究開発方針について」や五者協議会等における検討を踏まえ、FBRサイクル技術の実用化に向け、独立行政法人日本原子力研究開発機構や中核企業のもとで研究開発を引き続き計画的、集中的に進めていく。

2.ITER(イーター)計画等の推進

達成目標  長期的なエネルギー安定供給を実現するとともに、地球環境保全に寄与することを目的として、核融合エネルギー研究の推進に不可欠なITER(国際熱核融合実験炉)の建設を国際協力によって進める。また、ITERと並行して、先進的核融合研究開発プロジェクトである幅広いアプローチ活動を日欧協力により実施する。
達成目標の達成度合い  ITER計画については、ITER協定が平成19年10月に発効しITER機構が正式に発足した。ITER機構への人員の派遣や我が国が分担する物納機器の調達に着手した。また、幅広いアプローチ協定は平成19年6月に発効し、各プロジェクトの事業長を指名し実施体制を整えたほか、青森県六ヶ所サイト整備などの活動を開始した。ITERの建設及び幅広いアプローチ活動の推進に向けた取組が順調に進捗している。
今後の課題  国際的に定められたスケジュールに従って、ITERの建設を進めるとともに、幅広いアプローチ活動における研究開発等を着実に推進する。

お問合せ先

大臣官房政策課

-- 登録:平成21年以前 --