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文部科学省における環境問題への主な取組

  文部科学省では、教育、科学技術・学術、文化及びスポーツの振興という「未来への先行投資」を行っているが、環境問題は人類の将来の生存と繁栄にとって緊急かつ重要な課題であると考えており、従来から積極的に取り組んでいる。

1.環境教育・学習の推進等

 今日の環境問題を解決するためには、我々一人一人が環境と人間との関わりや自然など環境の価値についての認識を深めるとともに、環境問題を引き起こしている社会経済等の仕組みを理解し、環境に配慮した仕組みに社会を変革していく努力を行うことが必要である。
 このため、環境教育や環境学習の機会を充実し、環境に対する豊かな感受性と熱意、見識を持つ「人づくり」に取り組んでいる。

(1)初等中等教育における環境教育

1.環境に関する教育内容の充実

 学校における環境教育については、従来から、社会科や理科といった教科だけでなく、総合的な学習の時間を活用した教科横断的な学習が小・中・高等学校を通じ、児童生徒の発達の段階に応じて行われている。改正教育基本法において、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」が新たに規定されたことを受け、平成20年3月に小・中学校、平成21年3月に高等学校の学習指導要領を改訂し、社会科や理科、技術・家庭科など関連の深い教科を中心に環境教育に関する内容の充実を図ったところである。

2. 環境教育の実践普及

 学校における環境教育の推進を図るため、環境のための地球学習観測(GLOBE)プログラムへの参加、全国環境学習フェアの開催、環境教育・環境学習指導者養成基礎講座等を環境省との連携・協力の下、実施している。

3. 学校における自然体験活動の推進

 児童生徒の社会性や豊かな人間性を育むためには、成長段階に応じて、自然体験活動をはじめ様々な体験活動を行うことが極めて重要であり、文部科学省では、「豊かな体験活動推進事業」の実施などにより各学校における自然体験活動をはじめとする様々な体験活動を支援している。 

4. 「エコスクール」(環境を考慮した学校施設)の整備等

 環境への負荷の低減や環境教育・環境学習に役立てるため、公立学校を対象にパイロット・モデル事業を実施するなど、エコスクールの整備充実を推進している。
 また、校庭の芝生化など学校の屋外教育環境の整備充実及び学校施設における木材利用の促進も図っている。
 私立学校においても、私立学校が行う環境に配慮した校舎施設の改造工事(温室効果ガス排出抑制等に資する、太陽光発電装置の設置や新エネルギーの活用、断熱材や空調施設等の改修、校舎内外の緑化など)に要する経費の一部に対する補助を行っている。

(2)高等教育における環境教育等

1.大学等における環境に関する人材の養成

 大学等における環境に関する教育研究は、様々な学部・学科において実施されており、環境に関する人材の養成が大学等の自主的・自律的な取組により推進されている。
 平成21年度現在、国公私立大学において178大学に「環境」と名の付く学部・学科が設置されており、また、平成19年度現在、国公私立あわせて672大学において環境に関する授業科目が開設されている。

2.大学等における施設の環境対策

 大学等における環境への負荷の低減等を図った施設の整備及び循環型社会に対応した施設の整備を推進している。また、大学等における省エネルギー対策の手引き等を作成し普及を図るとともに、研修会を実施することにより、大学等のエネルギー使用の合理化を推進している。

(3)社会教育における環境教育・環境学習等

1. 地域社会における環境教育・環境学習の推進

 環境教育など、行政だけではなく地域やNPO等の民間が主体となって課題解決に取り組むべき重要なテーマを指定して、地域の課題解決につながる仕組みづくりのための実証的共同研究を行い、地域が課題を解決する力の強化を図っている。      

2. 環境に関する子どもの体験活動の推進

 青少年の体験活動の推進を図るため、家庭や企業などへ体験活動の理解を求めていくための普及啓発に取り組むとともに、自然体験活動指導者の養成等を図る。また、国立青少年教育振興機構において、自然体験活動等の機会や場の提供を行うとともに、青少年の自然体験活動等を支援する指導者の育成を行っている。さらに、同機構に設置されている「子どもゆめ基金」において、民間団体が実施する子どもの自然体験活動等についても支援を行っている。

3. 環境教育・学習における国際協力

 アジア・太平洋地域諸国における環境教育の充実・普及を図るため、環境等に関する教材の開発・普及を支援している。さらに、環境教育のみならず、持続可能な社会の実現に向けた「持続発展教育(ESD)」をユネスコの枠組みを通じて推進している。

4. 文化財の保護を通じた環境の保全

 文化財保護法に基づき、名勝、天然記念物、文化的景観等の保存及び活用の推進を図るとともに、世界遺産条約に基づく世界文化遺産の保護等の取組を行っている。特に、天然記念物は、学術上貴重で我が国の自然を記念するものとして指定された動物、地質・鉱物、そしてそれらから構成される天然保護区域であり、環境省との連携のもと適切な保護を図っている。

2.環境科学技術の推進

 地球温暖化など地球的規模の環境問題を解決していくためには、人類の英知を結集して取り組むことが必要である。特に、環境の保全と経済的発展を両立させていくためには、科学技術の力が不可欠である。
 このため、地球環境の観測・監視と地球規模の諸現象のメカニズム解明、環境負荷の少ない技術の開発など、環境に関する科学技術を推進している。

(1)地球的規模の諸現象の解明に資する観測研究、地球変動予測研究の推進等

(i)全地球的規模の観測研究の推進

1. 全球地球観測システム(GEOSS)構築への貢献

 国際的な連携によって、衛星、地上、海洋観測等の地球観測や情報システムを統合し、地球全体を対象とした包括的かつ持続的な地球観測を整備し、気候変動・災害等の地球規模課題へ対応する政策決定に必要な情報創出を目指した取組みを関係省庁と協力して実施している。 

2. 人工衛星による観測に関する技術
 宇宙航空研究開発機構においては、水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)や米国の熱帯降雨観測衛星(TRMM)搭載の降雨レーダ(PR)を運用し、降水量や海面水温などのデータを取得・提供することにより、気象予報精度の向上や地球環境変動の解明のための研究に貢献している。
 また、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)により、温暖化の原因と言われている二酸化炭素やメタンの濃度分布を全球にわたり偏りなく観測し、関係機関と連携しながら、温暖化対策の一層の推進に貢献している。
 さらに、全球規模で継続的に気候変動の観測をすることにより気候変動予測や気象災害の軽減などに貢献する気候変動観測衛星(GCOM-C)、森林監視や災害状況把握などに貢献する陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)、同3号(ALOS-3)、また米国との共同プロジェクトであり、全球の降水を高精度で観測することにより気象予測精度向上などに貢献する全球降水観測/二周波降水レーダ(GPM/DPR)、欧州との共同プロジェクトであり、雲、エアロゾルを全球規模で観測することにより気候変動予測の精度向上に貢献する雲エアロゾル放射ミッション/雲プロファイリングデータ(EarthCARE/CPR)などの研究開発を関係機関との協力の下に進めている。

 3. 南極地域観測事業
 地球温暖化、オゾンホール等の地球規模での環境変動の解明に資するため、南極地域観測統合推進本部(本部長:文部科学大臣)を中心として、総務省、防衛省、気象庁、海上保安庁、国土地理院、情報・システム研究機構国立極地研究所等の関係機関との連携・協力により、南極地域において研究・観測を推進している。

4. 気候変動リスク情報創生プログラム
 台風、集中豪雨等の自然災害が多発する日本における持続的な社会の実現に向けて、自然災害へのしなやかな対応を行う社会を構築し、自然との共生の実現に貢献するため、気候変動予測に関する研究基盤を確立するとともに、適応策策定に必要な気候変動リスク管理に資する基盤情報を創出する研究開発を推進している。

5. 気候変動適応戦略イニシアチブ
 観測・予測データの収集からそれらのデータを解析処理するための共通的プラットフォームの整備・運用に向けた取組を実施している。また、具体的適応策の提示までを統合的・一体的に推進することにより、温暖化に伴う環境変化への適応に関する研究開発を推進している。

6. 地球環境変動研究の推進
 海洋研究開発機構においては、地球温暖化を含む気候変動の要因を明らかにするための観測や解析、古気候の再現を含む総合的な予測モデルの構築と数値実験を行うことにより、大気、熱・水循環および生態系に与える影響の評価、沿岸海域およびアジア地域における地球環境変動に関する予測精度の向上、一般社会における気候変動への対策等、地球規模での問題の解決や防災・減災に向けた対策に貢献するため、海洋環境変動研究・熱帯気候変動研究・北半球寒圏兼研究・物質循環研究・地球温暖化予測研究・短期気候変動応用予測研究・次世代モデル研究などの「地球環境変動研究」を推進している。
 また、国際的な地球観測計画の策定・実施や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)における地球環境問題の検討に貢献するため、全球地球観測システム(GEOSS)等国内外の連携協力の下に進めている。

7. 地球シミュレータ計画の推進
 海洋研究開発機構においては、世界最高水準の計算能力を有するスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を安定的かつ効率的に運用し、気候変動予測研究の温暖化予測や地震・津波のメカニズム解明等の地球環境変動を高精度に予測すること等に貢献するとともに、海洋・地球科学におけるシミュレーション技術の研究開発を推進している。 

(2)環境対策技術に関する研究開発の推進

(a)地球温暖化防止等の環境対策に関する研究開発

1. 新エネルギー等に関する研究開発
 物質・材料研究機構においては、再生可能エネルギーの利用を普及させるために不可欠な、太陽光発電、蓄電池、超伝導送電等のための新材料を創製する。また、現在大きなエネルギーを消費している産業・家庭におけるエネルギー利用を高効率化させるため、長期にわたり安定して作動し かつ低コストの燃料電池を開発するとともに、既に多数の用途に使用されているモーター等に用いる磁石、ワイドギャップ半導体、LED照明等におけるブレークスルーに向けた技術開発を行う。さらに、省エネルギーに資する移動構造体等の材料の軽量化、火力・原子力発電所等への適用を目指した高強度耐熱鋼の開発、原子炉材料等の損傷評価技術の高度化など、材料技術の革新に向けた研究開発を行う。

2. 原子力・核融合分野の研究開発
 地球温暖化対策に貢献し得る原子力・核融合に関する研究開発について、今後のエネルギー政策等を踏まえながら、必要な取組を実施していく。

(b)環境対策に関する基盤整備等

1. 環境に関する基礎研究の推進
 人間文化研究機構総合地球環境学研究所が実施する研究プロジェクトの推進など、大学等における地球環境問題に関連する幅広い学術研究の推進や研究施設の整備、充実への支援を行うとともに、戦略的創造研究推進事業等により、環境に関する基礎研究の推進を図っている。

2. 技術士制度
 環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動に関して、有能な技術者を技術士(環境部門)として認定し、活用を推進している。(平成24年6月末現在の登録者数:1,427名)

3. 環境に関する国際協力・科学技術外交の推進
 ODAと連携して開発途上国との共同研究を行う地球規模課題対応国際科学技術協力事業や、開発途上国における環境問題の解決に向けたリーダーシップを発揮する人材を我が国の大学等で育成する拠点形成の支援等を行っている。

お問合せ先

大臣官房局政策課

電話番号:03-6734-3655 (内線 3655)