北極圏の変化
北極圏は、地球温暖化の影響が他の地域よりも現れやすく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によれば、北極圏の気温は、過去100年間の地球の平均気温上昇の約2倍の速さで上昇しています。北極圏が温暖化すれば海氷は少なくなり、その変化は、日本を含めた周辺地域の気象に影響を与えます。また、温暖化や海氷減少は、北極圏の生態系にも影響を及ぼしているとIPCCのレポートは指摘しています。北極圏の観測は、地球温暖化や気候変動及びその影響を研究する上で、非常に重要となっています。
この画像は日本の環境観測技術衛星「みどりⅡ」(ADEOS-Ⅱ)に搭載された光学センサGLIが観測した北半球の画像です。北極圏は北緯66度33分以北の地域で、ユーラシア大陸とアメリカ大陸に挟まれて北極海が位置しており、そこに氷が張っています。
この映像はNASAの地球観測衛星Aquaに搭載された日本のマイクロ波センサAMSR-Eが観測した1日ごとの海氷密接度の画像を連続表示したものです。海氷の範囲は、地球の自転、大気の流れ、海流の動きなどの影響を受け、毎日ダイナミックに変化していることがわかります。また、冬は海氷の面積が増え、夏は減少するといった季節による変化も確認することができます。
この画像は、NASAの地球観測衛星Aquaに搭載された光学センサMODISが2006年9月6日から13日までに取得した画像のうち、雲の無い晴天域の部分を切り出して合成したものです。赤い部分は陸、黒い部分は海、白い部分が氷域を示しています。水色は表面が融解している氷域で、濃い水色のところほど融解しています。
アラスカ州最北部の都市バローの沖合では、海氷に囲まれながら凍っていない海水部分を確認することができます。このような海氷域の内側にできる海水域は「ポリニア」と呼ばれています。氷は太陽光を反射しやすいですが、ポリニアは凍っていないので太陽光の熱をよく吸収します。そのため、ポリニアの水温は上昇し、その影響で周囲の氷はさらに溶け出すと考えられています。この画像でも、ポリニア周辺の海氷は濃い水色になっていることが分かります。
このポリニアは、8月上旬から10月上旬まで2ヶ月間にわたって形成されました。このような大規模なポリニアの観測は過去に例がありません。北極圏のような観測が困難な地域を長期間にわたって継続的に観測できるのは、人工衛星の大きな特長の1つです。
北極海の海氷の面積は、毎年9月に最も小さくなりますが、この映像は、海氷密接度が年間で最小だった日の画像を連続表示したものです。特に、2007年9月24日は観測史上最小を記録しています。
海氷密接度の変動をわかりやすくグラフにしました。北極域の海氷は年々減少傾向にあることがわかります。 2007年は特に少ないこともこのグラフは表しています。 日本の「だいち」を始めとして、多くの人工衛星が地球を観測しています。地球規模の環境問題について適切な対策を講じるためには、地球を観測することによって現在の状況を把握し、地球温暖化や気候変動のメカニズムを解明することが重要です。気候変動メカニズムの解明に貢献するため、今後日本は、「GOSAT」「GCOM」「GPM」などの地球観測衛星を打ち上げていく予定です。 衛星による北極圏観測について、さらに詳しい情報は以下のページをご覧下さい。 (2008.04.17) お問合せ先研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室
代表
直通 |
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