【目次】
1. スーパーコンピュターの開発意義
2. HPCIの構築
3. HPCIの利用促進
4. 将来のHPCI計画に向けた検討
5. 衆議院決算行政監視委員会における行政監視に基づく事業の見直しに関する決議について
【参考】
革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築(概要版) (PDF:555KB)
スーパーコンピュータによるシミュレーションは、理論、実験と並ぶ科学技術の第3の手法として、最先端の科学技術や産業競争力の強化に不可欠な基盤となっています。例えば、シミュレーションにより、研究やものづくりに要する時間やコストの削減が図れるとともに、これまで実験や観測では解明できなかった現象を解析し新しい科学的知見を得ることが可能となることから、様々な分野の科学技術や産業の発展に大きく貢献することができます。
また、その開発は、低消費電力半導体技術の獲得など、今後、我が国において継続的にスーパーコンピュータを開発していくための技術力の維持・強化を図ることができ、産業競争力強化の観点からも極めて重要であると考えます。
諸外国でもスーパーコンピュータの開発・利用に力を入れており、我が国としても長期的な視点から継続的に進めていくことが必要です。
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「京」は、高性能・低消費電力のCPUや超大規模構成を可能とするネットワークなど、数々の先端技術を結集して高性能・高信頼を追求したスーパーコンピュータです。広く国内外の研究者、技術者の利用に供することを念頭に、高い演算性能と幅広い範囲のアプリケーションに対応できる汎用性を兼ね備えています。
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| 「京」が設置される計算科学研究機構 |
スーパコンピュータ「京」 |
HPCIは、「京」や東京大学等の全国の9つの大学が保有するベクトル型を含むスーパーコンピュータや大規模ストーレジシステムをネットワークで結ぶとともに、これらのスーパーコンピュータ等を一つのユーザアカウントにより利用することなどができるように新たなシステムを構築するもので、「京」とともに平成24年9月28日からの共用開始を予定しています。
これにより、全国の利用者が当該ネットワークを通じて「京」やベクトル型を含むスーパーコンピュータ等を利用できるようになり、HPCI上のスパコンで計算したデータを共有したり、共同で分析したりすることなどができるようになるなど、多様なニーズに応えられるものとなります。
また、HPCIシステムの整備・運用については、計算科学技術に関わる開かれた場である、「一般社団法人HPCIコンソーシアム」と協力しながら実施していきます。
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<一般社団法人HPCIコンソーシアムの設立>
計算科学技術に関わるコミュニティの幅広い意見集約の場として、HPCIシステムの整備・運用方針や我が国の計算科学技術の振興策並びに将来のスーパーコンピューテング等について検討し、国や関係機関に提言することを目的として、平成24年4月2日に「一般社団法人HPCIコンソーシアム(※一般社団法人コンソーシアムのウェブサイトへリンク)」が設立されました。
<経過>
平成22年7月 HPCI準備段階コンソーシアム発足
HPCIの構築・運用とコンソーシアムの形成に向け検討
平成24年1月30日 最終報告をとりまとめ
平成24年4月2日 一般社団法人の設立
「京」は昨年11月に世界に先駆けて演算性能10ペタフロップスを達成し、昨年6月及び11月において世界スーパーコンピュータ性能ランキングにおいて二期連続で1位となりました。このことにより、世界各国が激しい開発競争を展開している中で、我が国の技術力の高さを示すことができました。具体的には、10ペタフロップスという高い演算性能に加え、次のような特長を有し、多くのユーザーにとって利便性の高いスーパーコンピュータとなっています。
<「京」の特長>
また、本プロジェクトでは、「京」を利用するアプリケーションも並行して開発を進めており、「京」が世界に先駆けて10ペタフロップスを達成したことにより、これらのアプリケーションを活用したシミュレーションを先行して実施することで、様々な成果を得られると期待されています。
<今後期待される「京」でしかできないシュミレーション成果(例)>
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<産業利用の重要性とスタンス>
産業界における利用については、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会等を通じ、産業界の意見も聞くことにより、スーパーコンピュータの利用についての情報提供や支援体制の不足、ネットワークが不便等の課題があることを把握するとともに、これに対応して、
など、産業界に配慮した環境の構築をすすめています。
なお、産業利用課題枠には「京」の計算資源の5%をあてることを目安としていますが、利用の状況も踏まえ、その割合については、柔軟に対応していきます。
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平成17年8月、科学技術・学術審議会情報科学技術委員会計算科学技術推進ワーキンググループでとりまとめられた第二次中間報告書 において下記の事項などが提言されスーパーコンピュータプロジェクトがたちあがりました。
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この報告書を踏まえ、文部科学省において、
平成17年11月、本プロジェクトについて、総合科学技術会議の事前評価(※内閣府のウェブサイトへリンク) を受け、システム構成について再検討を行うべき等のいくつかの指摘を受けましたが、「本プロジェクトは実施することが適当」とされました。
また、平成18年3月に策定された第三期科学技術基本計画(※内閣府のウェブサイトへリンク)において、本プロジェクトは世界最高水準の科学技術の発展基盤として、国家的な目標と戦略の下に集中的に投資すべき大規模プロジェクトとして国家基幹技術に位置づけられました。
これらを踏まえ、平成18年4月に「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」が始まりました。
次世代スーパーコンピュータ「京」のシステム構成については、開発主体である独立行政法人理化学研究所(理研)において検討を行い、その結果、スカラ型・ベクトル型両方の特徴を勘案し、スカラ・ベクトル複合型にすることにより、
等の利点があると考え、複合型システムを選択しました。このことについては、平成19年6月の「科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ概念設計評価作業部会」(概念設計評価報告書) や同年9月の「総合科学学術会議」(「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」について(※内閣府のウェブページへリンク)) の評価において妥当との評価を得ています。
平成21年4月、「科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会次世代スーパーコンピュータプロジェクト中間評価作業部会」で実施した中間評価(中間評価報告書)において、
そうした中、平成21年5月、当該企業等のうち、ベクトル部の開発を担っていたNECが経営環境の悪化等を理由に「京」の製造には参加しない旨表明しました。
これを受けて、理研において、複合型ではなくスカラ部のみで構成されるシステム構成案へと見直しを行い、これについて、同審議会において中間評価を受け、平成21年7月、
との結論を得て、複合型ではなくスカラ型単一システムとして10ペタフロップス級のスーパーコンピュータを開発・整備することとしました。
その後、「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」は、平成21年11月の政府の事業仕分けの評価結果等を経て、同年12月、引き続き世界最高水準を目指しつつ、利用者側の視点に立った多様なユーザーニーズに応える「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ」を構築する計画(HPCI計画)
へと進化・発展することとなりました。 ※HPCI計画については「2.HPCIの構築」参照.
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~次世代スーパーコンピューター計画変更の経緯~ 平成21年11月13日 12月16日
→平成22年度予算において国庫債務負担行為として、平成24年度までの3年間のシステム製造費を措置することを、国会にて議決(開発加速のための経費110億円を削減) |
「京」は、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(共用法)に基づき、国の方針の下、登録機関(一般財団法人高度情報科学技術研究機構)が中立・公正の立場から、利用者の選定等を行う枠組みを構築しています。
具体的には、登録機関の下におかれた選定委員会が選定方針の策定、利用者の選定等を行い、課題審査委員会が課題の審査等を行います。
なお、「京」及びHPCIの利用に関する詳細については、HPCIポータル(※一般財団法人高度情報科学研究機構ウェブサイトへのリンク)をご覧ください。
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さらに、HPCI戦略プログラム推進委員会において、国としての戦略的見地をふまえて、「京」の利用枠を定めています。
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HPCI戦略プログラムは、社会的・学術的に大きなブレークスルーが期待できる分野(戦略分野)において、HPCIを活用した成果の創出と、研究推進・研究支援や人材育成等を進めていくための体制整備を進めていくものです。
具体的には、「京」を中核とするHPCIを最大限活用し、1画期的な成果創出、2高度な計算科学技術環境を使いこなせる人材の創出、3最先端コンピューティング研究教育拠点の形成を目指し、戦略機関を中心に戦略分野の「研究開発」及び「計算科学技術推進体制の構築」を推進していきます
文部科学省においては、平成21年に戦略分野として、以下の5つを決定しました。現在、各戦略分野における研究開発等を牽引する機関(戦略機関)を中心に先端的なシミュレーション研究や人材育成プログラムが行われています。
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HPCI戦略プログラムの概要と成果(PDF:631KB)
平成24年度HPCI戦略プログラム重点配分枠における選定課題(PDF:454KB)
世界の情勢として、今後もスーパーコンピュータの開発競争は続き、性能も進化していくことを考えれば、我が国としても引き続き長期的な視点から戦略的に研究開発を推進することが必要である。また、第4期科学技術基本計画においても、世界最高水準のハイパフォーマンス・コンピューティング技術は、我が国が国際的な優位性を保持し、安全な国民生活を実現していくため、国自らが長期的視点に立って研究開発を推進すべき国家存立の基盤に関わる研究開発として位置づけられています。
一方、平成17年8月に科学技術・学術審議会で示された戦略については、策定後5年以上経過していることから、スーパーコンピュータに関する最新の技術的動向や今後の科学的・社会的ニーズ、「京」プロジェクトから得られた成果等も踏まえつつ、我が国の技術力の獲得・継承や人材育成等も含め新しい戦略の策定が必要不可欠です。
また、「京」の開発においては、当初、どちらかと言えば開発側の視点を重視して進められてきたが、これを改め、利用者視点に立ったHPCIの構築に展開した経緯を踏まえ、多様な利用者ニーズに応じる基盤として検討を進めることが重要です。
このために本年度からシステムの高度化に必要な技術的知見の獲得を目的とした調査研究に着手するとともに、有識者からなる「今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ」
を設置し、今後10年程度を見据えたHPCI計画の推進のあり方に関する調査・検討を進めており、平成25年夏頃を目途に中間報告において方向性を明らかにすることとしています。
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衆議院決算行政監視委員会における行政監視に基づく事業の見直しに関する対応状況について
電話番号:03-6734-4275
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