「E-ディフェンス」とは

 国立研究開発法人防災科学技術研究所は、阪神・淡路大震災で発生した構造物被害の教訓を活かし、地震から人命を守る構造物の設計を目指して、実大規模の構造物を実際に破壊し、破壊メカニズムの解明や耐震補強効果の検証等を行う世界最大級の実験施設「実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)」の建設に、平成12年1月着手し、平成17年3月に完成しました。

 E‐ディフェンスは、実際の構造物が地震の際に、「どう壊れるのか」、「どこまで壊れるのか」、「なぜ壊れるのか」を明らかにします。ここから得られたデータが、破壊シミュレーションの高度化に行かされます。

 E‐ディフェンスの主要部分は、実際の地震と同じ複雑な三次元の揺れを造り出す15メートル×(かける)20メートルの震動台です。その上に最大1,200トンの構造物試験体を載せ、阪神・淡路大震災を上回る地震動をおこし、その破壊性状を研究します。この実大の試験体を載せた震動台を動かすために、水平X方向5台、水平Y方向5台、垂直Z方向14台の加振機を備えています。これらの加振機により実現される性能は、水平X、Yそれぞれの方向に対して、最大加速度(1,200トン搭載した時)0.9G、最大速度200センチメートル毎秒、最大変位±(プラスマイナス)1メートル、垂直Z方向に対して、最大加速度1.5G、最大速度70センチメートル毎秒、最大変位±(プラスマイナス)50センチメートルとなっています。この性能は、世界最高のものです。

 平成17年度より、本格的な実験研究を開始しており、築30年の木造住宅や1970年代の設計手法による6階建ての鉄筋コンクリートのビル等に、阪神・淡路大震災で観測された地震波と同じ振動を加えて、耐震補強の効果や当該建物の耐震性を検証するための破壊実験を実施しています。

 E‐ディフェンスの詳細な情報については国立研究開発法人防災科学技術研究所の「E‐ディフェンスのページ」をご覧ください。

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成21年以前 --