「世界トップレベル研究拠点プログラム委員会」からのメッセージ(案)


 近年、優れた頭脳の獲得競争が世界的に激化してきている中で、我が国が科学技術水準を維持・向上させていくためには、優秀な人材の世界的な流動の「環」の中に位置づけられ、内外の研究人材が自然に蓄積されるような研究機関を我が国にも作っていく努力が必要である。

 このような問題意識の下、「世界トップレベル研究拠点プログラム」は、スタンフォード大学のBio-X、MITのメディアラボ、ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)のジャネリア・ファーム、英国の分子生物学研究所のように、世界から第一線の研究者が集い、異分野を融合させて新しい学問分野を創造する研究活動が行われ、優れた研究成果を生み出す拠点として世界的に高い評価を受けるような、いわゆる「世界トップレベル研究拠点」を我が国に作ることを目指すものである。

 このような研究拠点を作るためには、高い研究水準(クリティカル・マスを越える優れた研究者の物理的集合)と優れた研究環境を整備する必要があることから、本プログラムでは、日本が優位性を発揮できる分野で優秀な研究者のクリティカル・マスを構築するとともに既存の制度に囚われない優れた研究環境を実現するための措置につき財政的な支援を行うことを意図している。従って、研究資金の提供を主たる目的とする通常のプログラムとは全く性質の異なるものであることを十分認識する必要がある。

 我が国が抱える地理的な条件、インフラに係る課題等の中で、上述のような「世界トップレベル研究拠点」を作り上げていくことは決して容易なことではないが、当プログラム委員会としては、文部科学省とともに、このような拠点の構築を最後までやり遂げる所存である。具体的には、拠点選定後も拠点構想の実施状況を随時確認すること等により、真の「世界トップレベル研究拠点」が構築されるまで、支援、フォローをしていきたいと考えている。

 従って、応募機関におかれては、既存の組織・部局等に囚われることなく、世界から優秀な研究者が多数集うような「世界トップレベル研究拠点」を確実に作り上げるとの強い意志と決意をもって、強力かつ魅力的な構想を検討し応募していただくことを切に望む。(またその際、国際的な審査体制で審査をすることを踏まえ、各機関内での選考は行わないことが望ましい。)


 

-- 登録:平成21年以前 --