林文部科学大臣とコルドバ全米科学財団長官との会談

 林大臣とコルドバ長官が日本及び米国の科学技術協力に係る会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1.北極科学分野

  両者は、北極科学分野における各々の近年の取組について共有するとともに、北極科学大臣会合の枠組みを歓迎し、日本と米国が、北極科学研究や国際的な議論において重要な役割を担っているとの認識で一致しました。

  両者は、第1回北極科学大臣会合(2016年9月、ワシントン)が米国主催で成功裏に開催されたことに留意し、今後の第2回会合(2018年10月、ベルリン)が、日米の参加や科学的貢献を伴う形で同様に成功することを期待しました。

2.若手研究者間の交流拡大

 両者は、日米の研究者、特に若手研究者の交流及び協力の現状について意見交換し、日米のファンディング制度それぞれにとって適切な方法で研究者交流を拡大する方策について議論しました。

 これに関し、両者は、全米科学財団(NSF)と科学技術振興機構(JST)の支援するプロジェクトに参画する研究者の交流(派遣、受入れ)について、その促進には、双方機関の国際部局が、制度に応じて効果的な交流方法を見出し実施する調整方策が有益との認識で一致しました。両者は、この目的に向け早期に成果が得られることを期待しました。

※本年1月の林大臣とモエダス欧州委員との会談で議題となった欧州連合・欧州研究会議(ERC)とJSTの協力(現在調整中)に続くもので、日欧に加え、日米でも、戦略的創造研究推進事業(例えばCREST、さきがけ)をはじめとしたJSTのファンディング制度を通じて日本の研究コミュニティへの国際交流の機会提供を拡大し、若手研究者交流が進むことが期待されます。

3.デジタルイノベーション分野及び量子技術分野における協力

 両者は、デジタルイノベーション分野及び量子技術分野における日米の現状について意見交換しました。

 デジタルイノベーションと情報科学の分野では、日米の大学・研究機関の研究者間でワークショップが開催されていることに留意し、研究協力の構築におけるボトムアップ・グラスルーツ交流の重要性を指摘するとともに、関係者間で議論が続けられ、機会に応じて関連するプログラムへ共同研究提案がなされることを期待しました。

 量子技術分野では、NSFの当該分野の専門家チームが、本年、日本を訪問し、日本の研究者等と情報交換して量子科学研究の現状の理解を深めることを含め、この分野の急速な発展と、日米の連携を模索することの重要性が指摘され、日本側はこの訪問計画の機会を歓迎しました。

(参考)

JST-NSF協力枠組み(提案中のもの)

協力概要

 JST・NSFは双方の支援するプロジェクトから研究交流(派遣,受入れ)に関心のある研究者の情報を集約し,研究者のマッチングを実施する。
 これにより日米間の研究交流の更なる促進が期待される。

枠組みイメージ

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(科学技術・学術政策局参事官(国際戦略担当)付)