グローバル標準の運営や研究開発等の特性を踏まえた柔軟かつ弾力的な制度を実現するため、以下の項目の一部又は全部が一体となって機能することが重要。
※推進手法として、研究委託など外部資源を活用した研究開発と、研究所に所属する研究者(定年制・任期制)など内部資源を活用した研究開発がある。
※施設・設備、知的基盤等の共用や共同研究を行うとともに、高度化に向けた研究開発を一体的に推進。
※研究開発を担う法人の機能強化に関する検討チーム中間報告p.7
「研究開発法人が行う業務として、研究開発、その成果の実用化・普及のための国内外での実証、標準化等、競争的資金等の配分並びに研究開発のための基盤整備(施設の共用、人材育成、情報収集、知識普及、知的基盤の整備等)が重要な機能としてあり、これらが総体として我が国の研究開発システム強化のために機能することが必要である。」
※国立研究開発機関の機能についての検討の際には、ファンディングによる研究開発の推進と内部資源による研究開発の推進を一体として推進している英国の研究会議(RC)、米国衛生研究所(NIH)等やファンディングに特化した米国国立科学財団(NSF)等、海外の事例も参考とすることが必要。
「研究開発を担う法人の機能強化検討チーム」中間報告で示された「国立研究開発機関」(仮称)の姿を忠実に実現するために必要な法的スキームとして、主として以下のような形が考えられるのではないか。
○研究開発にかなったマネジメントを実現し、その成果を最大化する観点から、独立行政法人制度とは別に、研究開発等を担う法人について、新たな類型の制度を創設。
○「世界トップレベルの国際的な競争力」、「世界で最も機動的で弾力的な運営」等を新しいスキームの理念とする。
○研究開発を担う法人について、「国立研究開発機関」(仮称)と総称。国際的に国の機関として認められる国の関与の在り方を構築。
○府省、官民、国境を超える連携を推進し、縦割りを打破・無駄を排除。
○個々の主務大臣・法人の方策と国全体の戦略との整合性を図る等のため、政府の科学技術の司令塔機能などの主務大臣・法人以外の意見を取り入れるスキームを導入。
○各省共通の研究開発プラットフォームの整備に向け次の事項を検討する。(省際分野での類似研究組織等の乱立を排除。)
・多様な主体からの資金の受け入れ方策。
・各省連携プロジェクトにおけるプロジェクトの推進主体大臣が、当該プロジェクトの実施についてテンポラリーに法人の主務大臣となる制度。
○中期目標の期間を7~10年程度を上限に法人の業務に応じて柔軟に主務大臣が設定する仕組みとするとともに、中期目標の項目について、研究開発の内容や業務運営の競争性、機動性、弾力性の向上等に重点を置いたものとする。
○国の設定する中期目標について、法人からの修正意見をフィードバックする仕組みを導入するなど、国と法人の企画立案能力の相乗効果を得ることにより両者の密接な連携を推進。
○国際的なベンチマーキング等のグローバル評価を行うことを義務づけるとともに、政府におかれる評価委員会に外国人を置くことの可否を整理し、必要な場合、規定を置く。
○「評価疲れ」の問題を解決する等のため、機関評価については中期目標期間の中間評価と事後評価の2回とするとともに、事業評価については「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づく研究開発プロジェクトの評価を法的な評価スキームとして位置づけ、機関評価との関係を整理する。
○国際的な人材獲得競争に対抗するため、卓越した研究者や研究開発マネジメント人材にかかる優遇措置を規定。
○法人間の退職金の通算スキームを規定するなど、公的研究開発機関間の人材流動性を向上させるスキームを規定。
○中期目標をまたぐ研究開発等の活動(資金、契約等)に切れ目が生じている現状の改革のため方策を規定。
○自己収入獲得の促進、出資機能の付与、研究開発に相応しい調達の在り方を規定。
○独立行政法人制度によってもたらされた柔軟な運営、中期目標・中期計画を通じた成果の検証、法人の長によるトップマネジメントを維持。
科学技術・学術政策局政策課
-- 登録:平成22年11月 --