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第4章 社会・国民に支持される科学技術

 科学技術活動、科学技術システムは、社会・国民から独立して存在せず、広く社会・国民に支持されて初めて科学技術の発展が可能になるといっても過言ではなく、「社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術」は第3期基本計画を貫く姿勢である。そのため、総合科学技術会議、関係府省、地方公共団体、日本学術会議、学協会等の研究者コミュニティ、各研究機関、個々の研究者など様々なレベル・主体がそれぞれの役割を担い、適切に施策の推進を図る。
 なお、現代社会の諸問題の克服に当たって、人文・社会科学の役割は重要であり、自然科学と人文・社会科学を合わせた総合的な取組を進めていく必要がある。

1.科学技術が及ぼす倫理的・法的・社会的課題への責任ある取組

 科学技術の急速な発展により、ヒトに関するクローン技術等の生命倫理問題、遺伝子組換え食品に対する不安、個人情報の悪用に対する懸念、実験データの捏造等の研究者の倫理問題など、科学技術は法や倫理を含む社会的な側面に大きな影響を与えるようになってきている。科学技術の社会的信頼を獲得するために、国及び研究者コミュニティ等は、社会に開かれたプロセスにより国際的な動向も踏まえた上でルールを作成し、科学技術を担う者がこうしたルールにのっとって活動するよう促してゆく。特に、社会と深く関わりつつ急速に発展してきた生命倫理に関する諸課題への対応を強化するとともに、ナノテクノロジーの社会的影響に関する検討や研究を総合的・戦略的に推進する。
 なお、こうしたルール形成に当たり、総合科学技術会議は関係府省と連携をとりつつ、先見性を持って基本ルール作りに関与していく。さらに、日本学術会議も研究者コミュニティを代表する立場から、これに貢献していく。また、研究者・技術者の倫理観を確立するため、大学等における教育体制の構築、学協会等における研修体制の構築・倫理指針の策定等を促す。
 科学技術の成果を社会に還元する際に必要なリスク管理を合理的に行うため、安全性の評価や試験法の考案、データの収集・整理・解析など、リスク評価のための科学技術活動が重要である。また、国民の安心を得るためには、科学的なリスク評価結果に基づいた社会合意形成活動が重要である。国は、このような活動を支援する。

2.科学技術に関する説明責任と情報発信の強化

 科学技術への国民の支持を獲得することの基本は、科学技術の成果を国民へ還元することと、それを分かりやすく説明していくことである。第1章で掲げた具体的な政策目標は科学技術に関する国民への説明責任強化の基本であり、総合科学技術会議は各府省における目標達成状況を継続的にフォローし、社会・国民に発信する。
 また、研究機関・研究者等は研究活動を社会・国民に出来る限り開示し、研究内容や成果を社会に対して分かりやすく説明することをその基本的責務と位置付ける。その際、多様な媒体を効果的・効率的に活用する。
 研究者等と国民が互いに対話しながら、国民のニーズを研究者等が共有するための双方向コミュニケーション活動であるアウトリーチ活動を推進する。このため、競争的資金制度において、アウトリーチ活動への一定規模での支出を可能にする仕組みの導入を進める。

3.科学技術に関する国民意識の醸成

 科学技術に関する国民の関心を高めるために、初等中等教育段階における理数教育の充実に加え、成人の科学技術に関する知識や能力(科学技術リテラシー)を高めることが重要である。このため、科学技術リテラシー像(科学技術に関する知識・技術・物の見方を分かりやすく文書化したもの)を策定し、広く普及する。さらに、社会・国民の科学技術に対する理解・認識の深化に向けて、科学技術と文化や芸術との融合等の新たな手法についても取り組む必要がある。
 また、幼少期から高齢者まで広く国民を対象として、科学技術に触れ、体験・学習できる機会の拡充を図る。具体的には、国立科学博物館・日本科学未来館をはじめとする科学館・博物館等の充実を図るとともに、その活動を支える職員、科学ボランティア・非営利団体(NPO)等の人材の養成と確保を促進する。さらに、大学、公的研究機関等が、施設設備の一般公開、出前講座等の社会に開かれた活動を通じて、科学技術に対する国民意識の向上に貢献することを促進する。また、国は各種コンテストやイベント等を通じて科学技術の持つ夢と感動を国民が実感できる機会を提供する。

4.国民の科学技術への主体的な参加の促進

 科学技術への国民の理解と支持を高めるためには、科学技術から国民への働きかけのみならず、国民の方から科学技術に積極的に参加してもらうことも重要である。このため、国民の科学技術への主体的参加を促す施策を強化する。具体的には、各府省が、社会的な影響や国民の関心の大きな研究開発プロジェクトを実施する際、その基本計画、研究内容及び進捗状況を積極的に公開し、それに対する意見等を研究開発プロジェクトに反映させるための取組を進める。

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科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成21年以前 --