参考

【参考1:「評価」に関係する英語の語句に対応する概念】

“evaluation” 
 ・有用性の観点に主眼を置き、成果や結果を伴った評価
 ・物や人の価値を評価、あるものの価値を決定する意味、判断を下す行動
 ・政策評価法に基づき、行政機関が自らその所掌の政策の評価を行う場合 ・実施結果の把握とそれを踏まえ教訓を導き出すための事後評価


“assessment” 
 ・価値(value)を測定、評価
 ・判断(評価)を下す過程、これから先に行われる調査などに対しての評価
 ・現象を客観的に判断
 ・価値の測定、査定
 ・(課税のための)資産評価


“appraisal”
・金銭上の価値を専門的な立場から評価、査定
・代替案を含む事前評価 ・個別課題の採択
・事前における規定類、基準類策定
  ・値踏み、見積価格、鑑定、評定


“estimate”
 ・鑑定、見積り、推定、概算、評価、価値判断  
 ・価値、数量などを個人的判断で見積もる
 ・熟慮した結果である場合も思いつき程度の場合も含まれる


“estimation” 
 ・(価値などの)判断、評価、意見
 ・見積り、予測、事前評価


“judgment” 
  ・判定、審査、鑑定、(判断の結果による)意見


“opinion”
 ・見解、評価、判定、鑑定
 ・物事に対する個人的判断や好み
 ・感情に影響された結論に基づく意見
 ・ある問題について考えた末の個人的な見解(誤りや異議の余地がある)


“ranking”
 ・格づけ、等級づけ


“valuation” 
 ・価値評価、評定
 ・(価格の)評価、査定、(能力、人格などの)評価、価値判断


“monitoring” 
 ・監視、観察、記録すること
 ・実施段階における情報収集
 ・施策が当初計画に沿って実施されているかの評価、目標に導くための途上評価


“review”
 ・レビュー評価 ・評価、概説
 ・(新刊書・演劇などの)批評記事、論評

【参考2:大綱的指針における「研究開発プログラムの評価」(抜粋)】

(『研究開発プログラム』とは)
 『研究開発プログラム』とは、研究開発が関連する政策・施策等の目的(ビジョン;何のためにやるのか)に対し、それを実現するための活動のまとまりとして位置付けられる。

 すなわち、研究開発が関連する政策・施策等も『研究開発プログラム』ということができるとともに、政策・施策より下位の階層における事務事業等も『研究開発プログラム』になる場合がある。また、競争的資金制度等の研究資金制度なども『研究開発プログラム』の1つである。
この『研究開発プログラム』の範囲を組織の観点から見ると、課内にとどまるもの、課をまたがるもの、局をまたがるもの、府省をまたがるもの、独立行政法人の分野・領域単位のもの、複数の独立行政法人にまたがるもの等、運用する組織、機関のガバナンスの下で様々な範囲の『研究開発プログラム』が設定可能である。

 政策体系上における『研究開発プログラム』の範囲のイメージを図1(※PDF参照)に示す。

研究開発プログラムの立案段階においては、研究開発が関連する政策・施策等の目的を達成するために、研究開発プログラムの実施者の手を離れた後で成果の享受者である成果の受け手に対して、何を、いつまでに、どの程度届けるかといった具体的で実現可能な目標(アウトプット(注7)目標)と、成果の受け手が行う活動及びその効果・効用として現れる価値(アウトカム(注8)目標)を、時間軸に沿った『道筋』として示すことにより、誰の責任で、何をどのように実施するのかを明らかにしておくことが重要である。

 ここで『道筋』とは、政策・施策等の目的に対し、現状がどうなっているか、政策・施策等の目的と現状のギャップを埋めるためにどんな活動をどの順番で行うか、成果の受け手側で発現することが期待される効果・効用等を時間軸に沿って描いたもの図2(※PDF参照)である。具体的には、時間軸に沿って、目的達成に影響を与える外部要因や受益者、期待しているアウトカム、政策・施策等の目標の達成度を測るための指標(アウトカム指標)、プログラムを構成する個々の活動とそれぞれの目的及び目標(アウトカム指標、アウトプット指標)、個々の活動が政策・施策等の目的に与える影響、研究開発プログラム及び研究開発プログラムを構成する個々の活動の実施者の役割・権限と責任の所在等を仮説として示したものである。

 アウトカムには、科学技術的価値、経済的価値、社会的価値などの観点があり、どの価値に重点を置くのかを政策・施策等の目的との関係で明確にした上で評価項目・評価基準を設定することが必要である。また、具体的な目標設定の際には、定量的な尺度に偏りすぎることのないように留意する必要がある。定量的指標は対象の一側面を表しているに過ぎず、定量的指標の画一的な適用が挑戦的な研究開発への取組を阻害する場合もあるという点を考慮して、対象によっては定性的指標を採用したり、定性的指標と定量的指標を併用する等の工夫が必要である。

『道筋』はそれを作り上げるプロセスが重要であり、関係者間で『道筋』の内容の妥当性について議論を積み重ね、その内容の充実を図るとともに、全ての関係者間で『道筋』の内容についてコンセンサスを得た上で、当該研究開発プログラムを始めることが重要である。

 ただし、この『道筋』は、試行を重ね、段階的に充実、見直しを図っていくべきである。

 なお、これらの考え方については、個別の研究開発課題を立案する際にも応用できるものである。

 (注6)シナリオ、ストーリー、ロジックモデルと呼ばれる場合もある。
 (注7)アウトプット:研究開発に係る活動の成果物。目的達成に向けた活動の水準を表す。
 (注8)アウトカム:研究開発に係る活動自体やそのアウトプットによって、その受け手に、研究開発を実施または推進する主体が意図する範囲でもたらされる効果・効用。

 (『研究開発プログラムの評価』とは) 研究開発が関連する政策・施策等には、当該政策を立案・推進する主体がいる一方で、その下で研究開発を実施する主体(大学等の研究者等)が存在する。また、政策には階層性があり、その立案・推進を担う主体は、総合科学技術・イノベーション会議、各府省庁、国立研究開発法人、資金配分機関等、多岐に及ぶ。

 研究開発プログラムでは、研究開発を実施する主体ではなく政策立案者や推進する主体等に第一義的な「責任の所在」がある。政策・施策等を立案・推進する側とその下で研究開発を実施する側との役割分担と責任の所在を明確化し、概念としては、政策立案者や推進する主体等の行動及びその結果について評価を行うのが、『研究開発プログラムの評価』である。 具体的には、研究開発プログラムを構成する研究開発課題等の活動から得られるアウトプット情報・アウトカム情報をもとに、政策立案者や推進する主体等によって作成される『道筋』の妥当性、研究開発プログラムの推進の結果であるアウトカム目標の達成状況や達成の見込みを確認するとともに、研究開発過程(プロセス)の有効性や効率性を確認し、プログラムの改善や次のプログラム立案のための示唆を得る。

  また、研究開発プログラムにおいては、アウトカム発現までに長い時間を要することや、予期していなかった副次的成果や波及効果が得られることもあるため、研究開発プログラムの終了後に、アウトカムの発現状況や波及効果等を検証し、次の政策・施策等に活かしていくことも重要である。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 企画評価課

Adobe Readerのダウンロード(別ウィンドウで開きます。)

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、まずダウンロードして、インストールしてください。

(科学技術・学術政策局 企画評価課)

-- 登録:平成26年04月 --