平成10年度科学技術振興調整費の具体的運用について

平成10年4月9日
 科学技術庁

 本日開催された科学技術会議政策委員会(森 亘委員長)において、「平成10年度科学技術振興調整費の具体的運用について」(別冊)が決定され、平成10年度の科学技術振興調整費により実施する課題が決定された(平成10年度の新規制度等一部の課題を除く)。そのうち、新規課題は以下のとおり。

1.産学官連携プログラム

1.総合研究(9課題)〈応募124課題〉

構造材料の環境脆化における水素の機能に関する研究

 (研究担当機関:社団法人日本鉄鋼協会、早稲田大学、金属材料技術研究所等)
 近年発展の目覚ましいナノレベル観察技術を応用し、水素侵入・分布・破壊過程を観察する技術を開発し、環境脆化機構の解明を目指す。

協奏反応場の増幅制御を利用した新材料創製に関する研究

 (研究担当機関:TDK株式会社、東京大学、無機材質研究所、物質工学工業技術研究所等)
 「協奏増幅」という新たな切り口から現象をとらえて、磁界、電界、超音波などの外界のエネルギーを反応場に作用させて、その非線形応答を利用し増幅的に変化させることで、非平衡表面材料、特殊構造材料といった新機能・高機能材料を創製するための材料プロセス技術の基礎確立を目指す。

高度医療ネットワークに関する研究開発

 (研究担当機関:株式会社三菱総合研究所、横浜国立大学、国立がんセンター等)
 インターネットにおける信頼性・高速性・利便性・安全性に関する問題の解決に資するため、これらについて極めて高度な要求を持つ遠隔地重粒子線がん照射影響シミュレータを業務として想定し、ギガビットレベルネットワークに向けた信頼性・高速性・利便性・安全性を確立することを目指す。

高精度の地球変動予測のための並列ソフトウェア開発に関する研究

 (研究担当機関:財団法人高度情報科学技術研究機構、九州大学、北海道教育大学、防災 科学技術研究所、建築研究所等)
 地球変動予測の実現を目指し、国内外の地球科学技術及び情報科学技術の関係機関が連携し、地球規模の複雑な諸現象を忠実に再現することを可能とする地球シミュレータ(超高速並列計算機)を活用し、大規模シミュレーションを実現する高度な並列ソフトウェアの開発を行う。

人間系の特性を考慮した大規模・複雑システムのモデル化、解析、制御、設計に関する総合研究

 (研究担当機関:財団法人電力中央研究所、筑波大学、航空宇宙技術研究所、産業技術融 合領域研究所)
 大規模・複雑システムのモデル化、解析、制御及び設計の方法論を確立するとともに、その方法論、概念、モデル等を統合化しソフトウェア・システムとして具体化する。

生殖系列細胞を用いた希少動物種の維持・増殖法の開発に関する基盤研究

 (研究担当機関:東北大学、国立水俣病総合研究センター等)
 生物工学的手法を用いた全く新しい種の維持・増殖法の開発に向けて、核心的な問題となる生殖系列の成立機構の解明と新たな発生工学的手法の開発を目指す。

生体外細胞操作と細胞外環境設計による組織工学

 (研究担当機関:東京工業大学、理化学研究所、国立循環器病センター研究所等)
 複数種類の細胞、複数機能を持つマトリックスなどを人工臓器に取り込んだ複合ハイブリット組織体をベースとし、人工組織ユニットを構築するための研究を行う。

炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究

 (研究担当機関:関西総合環境センター、千葉大学、国立環境研究所、地質調査所等)
 地球温暖化に影響を及ぼす炭素の循環機構を明らかにするため、衛生データを用いて海域、陸域の炭素循環に係るパラメータの分布を観測し、一次生産及び関連諸量についてグローバルマッピングを行うとともに、その高度化を図る。

2.生活・社会基盤研究

(1)生活者ニーズ対応研究(3課題)〈応募55課題〉

都市ゴミの生分解性プラスチック化による生活排水・廃棄物処理システムの構築

 (研究担当機関:株式会社北九州テクノセンター、九州大学、建築研究所等)
 生ゴミの衛生的、省力的な回収方法としてディスポーザー及び管路による搬送を利用し、回収された都市ゴミを原料として生分解性プラスチックを製造する技術システムを開発する。

室内化学物質空気汚染の解明と健康・衛生居住環境の開発に関する研究

 (研究担当機関:社団法人建築学会、東京大学、建築研究所等)
 住宅・建物内の化学物質空気汚染に関する問題を解明し、空気汚染が問題となっているホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)などを対象として、汚染実態の解明を行い、室内空気環境評価法及び抑制対策を整備するととともに、化学物質汚染防止対策の実用化に関する研究を行う。

内分泌攪乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究

 (研究担当機関:株式会社三菱化学安全科学研究所、横浜市立大学、国立環境研究所等)
 内分泌攪乱物質とその生体影響を高感度に検出できる計測手法を開発し、またその影響の発現メカニズムを分子レベルで解明することを通じて、生物種の生存に与えるであろう影響の実態とその意味を明らかにする。

(2)地域先導研究(3課題)〈応募8課題〉

醸造微生物機能の高度利用に関する研究(広島県)

 (研究担当機関:広島県立食品工業技術センター、広島大学、醸造研究所等)
 伝統的な食品製造に利用されてきた酵母、こうじ菌などの「醸造微生物」を利用し、遺伝子工学の手法を用いてその機能を高度化することによって、人間に有用な各種の機能性物質を効率的に生産する技術の開発を目指す。

こめぬかを原料とする環境に適合した有機工業化学に関する基礎研究(和歌山県)

 (研究担当機関:和歌山県工業技術センター、和歌山県立医科大学、大阪工業技術 研究所等)
 こめぬかからこめサラダ油を製造する際に廃棄物として生じるこめぬかピッチから各種の有用成分の抽出を試みるとともに、すでに製造法を確立したフェルラ酸を基礎原料とした有機工業科学の確立を目指す。

室戸海洋深層水の特性把握及び機能解明(高知県)

 (研究担当機関:高知県海洋深層水研究所、高知大学、四国工業技術研究所等)
 深層水の特性、及び食品、生物利用、健康・安全分野での深層水の有する機能を明らかにし、深層水の生活関連分野での用途開発にかかわる基礎的・先導的研究を行う。

2.制度先導プログラム

1.知的基盤整備推進制度(2課題)〈応募32課題〉

量子標準体系の高度化に関する研究

 (研究担当機関:計量研究所、東京理科大学、アンリツ株式会社等)
 量子標準(時間・周波数標準、光周波数標準、高エネルギーフォトン量子標準)について、それぞれの不確かさを低減するための技術の開発、それぞれの間の変換を高精度で行う技術の開発、並びに標準供給方法の高度化を行う。

組換えウイルス・コアバンクの創設とその高度利用のための基盤技術に関する研究

 (研究担当機関:理化学研究所、東京医科歯科大学、財団法人癌研究会癌研究所等)
 ウイルスに関する知的基盤のコアとなりうる野生型ウイルス・組換え体ウイルス群を収集し、ウイルス・コアバンクを創設するとともに、その高度利用を行うための基盤整備に必要とされる技術の研究開発を行う。

2.目標達成型脳科学研究推進制度(3課題)〈応募24課題〉

機能的神経回路構築の分子基盤の研究

 (研究担当機関:財団法人大阪バイオサイエンス研究所、京都大学、国立精神神経セン ター神経研究所等)
 転写因子による脳細胞の分化制御、脳の領域特異化による回路形成制御、細胞間相互作用による回路形成制御、シナプスの機能発現制御、機能分子可視化モデル動物の作成及び画像解析技術の開発の5つの課題について研究を行う。

脳血管障害による「神経細胞死」の予防と治療についての研究

 (研究担当機関:株式会社浜松ホトニクス、自治医科大学、理化学研究所等)
 虚血性神経細胞死の病態解明と制御を目標として、基礎的知見の獲得、治療法開発及び診断法の開発を行う。

文脈主導型、認識・判断・行動機能実現のための動的記憶システムの研究

 (研究担当機関:株式会社日立マイコンシステム、筑波大学、電子技術総合研究所等)
 曖昧な情報しか得られない状況でも、一連の情報断片から文脈を読みとり最適な解釈、判断を下せ、プログラムにない要求が与えられたり、新奇な状況に直面しても、当該要求の状況に対処できるシステムの構築を目指す。

3.国際プログラム

1.国際共同研究総合推進制度

(1)国際研究交流促進

  • 1)国際研究交流育成:121テーマ
  • 2)国際ワークショップの開催:33テーマ

(2)国際共同研究

  • 1)二国間型:162テーマ
  • 2)多国間型
  • アジア・太平洋地域に適した地震・津波災害軽減技術の開発とその体系化に関する準備研究
     (研究担当機関(国内):財団法人電力中央研究所、京都大学、理化学研究所等)
     (国外):中国建築技術研究院、韓国地震工学研究センター等)
     我が国の研究機関とアジア・太平洋地域の研究機関が共同研究を行うと同時に、人と情報のネットワークを構築することによって、地域に適した災害軽減技術開発を各国が進める上で基盤となる総合的な防災力向上のための理工学的・社会科学的・人文科学的方法論の確立を図る。

4.国研活性化プログラム

1.重点基礎研究

 270テーマ

5.その他

1.調査・分析

  • (1)科学技術政策立案のための基礎調査
    • 効果的な研究開発推進方策の検討に必要な基礎的データの収集・分析
    • 重要研究分野における研究開発の推進方向等の探索
  • (2)総合研究の課題設定のための調査:6課題
  • (3)生活・社会基盤研究の課題設定のための調査
    • 1)生活者ニーズ対応研究:2課題
    • 2)地域先導研究:1課題

本件に関する問い合わせ先

科学技術政策局調整課

 西田(内線321)

(参考1)平成10年度科学技術振興調整費予算内訳

(単位:億円)
事項 平成9年度
 予 算 額
平成10年度
 予 算 額
対前年度
 増▲減
産学官連携プログラム 117.5 123.5 6
★総合研究
 (うち情報科学技術)
81.5
 -
84.5
 (20.5)
3
★生活・社会基盤研究 36 39 3
制度先導プログラム 43 64 21
流動促進研究制度 3 6 3
★目標達成型脳科学研究推進制度 10 13.5 3.5
★知的基盤整備推進制度 30 34 4
ゲノムフロンティア開拓研究推進制度 - 10.5 10.5
国際プログラム 19 17 ▲2
★国際共同研究総合推進制度 19 17 ▲2
国研活性化プログラム 66 61 ▲5
開放的融合研究推進制度 - 10 10
中核的研究拠点(COE)育成 40 29 ▲11
★重点基礎研究 22 22 0
省際基礎研究 4 - ▲4
その他 4 4 0.5
★調査分析 3 3 0
緊急研究等 1 1.5 0.5
合計 249.5 270 20.5

 (注)★印は、今回新規課題を決定したもの。

(参考2)平成10年度科学技術振興調整費の概要について

 科学技術基本計画に基づき、柔軟で競争的な研究環境を実現するためには、競争的資金を大幅に拡充することが不可欠。このため、各省庁、大学、民間の研究能力を結集して基礎研究等の総合的推進を図るための競争的資金である「科学技術振興調整費」を拡充する。 平成10年度においては、新たに、ゲノムフロンティア開拓研究推進制度及び開放的融合研究推進制度を創設する。また、総合研究、生活・社会基盤研究、流動促進研究制度、目標達成型脳科学研究推進制度、知的基盤整備推進制度、緊急研究及び緊急受託研究の拡充等により、対前年度20.5億円増の270億円を 確保し運用。

平成10年度科学技術振興調整費の概要について

(参考3)平成10年度科学技術振興調整費による実施課題数について

事項 10年度
予算額(億円) 課題数
1.産学官連携プログラム 123.5 提案数
1.総合研究
 (うち情報科学技術)
84.5
 (20.5)
39 継続 24
  移行 7

  新規 8←124
  (FS 6)
2.生活・社会基盤研究 39
1)生活者ニーズ対応研究 (30) 10 継続 6
  移行
  新規 3← 55
  (FS 2)
2)地域先導研究 (9) 9 継続 6
  新規 3← 8
  (FS 1)
2.制度先導プログラム 64
1.知的基盤整備推進制度 34 12 継続 10
  新規 2← 32
2.目標達成型脳科学研究推進制度 13.5 6 継続 3
  新規 3← 24
3.流動促進研究制度 6 19 継続 19
  新規 未選定
4.ゲノムフロンティア開拓研究推進制度 10.5 -
3.国際プログラム 17
○国際共同研究総合推進制度 17
1)交流育成 (2) 121 ←179
2)国際ワークショップ (3) 33 ← 53
3)二国間型 (9.5) 162 ←251
4)多国間型 (2.5) 2 継続 1
  新規 1← 32
4.国研活性化プログラム 61
1.中核的研究拠点(COE)育成 29 10 継続 7
  (2期) 3
2.開放的融合研究推進制度 10 -
3.重点基礎研究 22 270 (72機関)
5.その他 4.5
調査・分析 3 18 ソフト新規 5← 13
  継続 4
  FS 9
緊急研究等 1.5
合 計 270 711

別冊1 平成10年度科学技術振興調整費の具体的運用について

平成10年4月9日
 科学技術会議政策委員会

 平成10年度科学技術振興調整費の具体的運用については、科学技術政策大綱(平成4年4月24日閣議決定)及び科学技術会議諮問第18号「新世紀に向けてとるべき科学技術の総合的基本方策について」に対する答申(平成4年1月24日)を踏まえつつ、「科学技術振興調整費活用の基本方針」(昭和56年3月9日科学技術会議決定、平成4年1月24日最終修正)に基づき、以下によるものとするが、この際、科学技術基本法(平成7年11月15日法律第130号)の精神に則り、また、科学技術基本計画(平成8年7月2日閣議決定)、各種の研究開発基本計画の的確な推進を図るとの観点から、適切かつ機動的な運用に努めるものとする。

1.産学官連携プログラム

  1. 創造性に富んだ新しい科学技術の可能性を追求し、我が国の科学技術水準の飛躍的な向上を図るため、総合調整の観点から重要なテーマについて、産学官の研究能力を結集し、その有機的連携の下で総合的な研究開発を推進する。
     平成10年度は、科学技術政策大綱に示された重要分野について、研究開発の現状及び動向を踏まえつつ、適切な課題を設定し、研究開発を推進することとするが、その際、特に、情報科学技術の分野について、重点研究分野として充実を図るものとする。(総合研究)
  2. 安心して暮らせる豊かで潤いのある社会を構築するため、生活者や社会のニーズに密着した生活の質の向上に資する目的指向的な研究開発及び生活の場としての地域の活性化に資する研究開発を産学官及び地域の有機的連携の下に総合的に推進する。(生活・社会基盤研究)

2.制度先導プログラム

  1. 標準、試験評価方法、研究用材料及び先端的な試験装置等の知的基盤の整備を総合的かつ効果的に推進するため、産学官の複数機関の有機的連携の下に知的基盤に関する研究開発を推進する。(知的基盤整備推進制度)
  2. 多くの画期的な発見が行われる可能性を秘め、21世紀に残された数少ないフロンティアと言われている脳科学に関して、一定の達成目標を設定し、産学官の複数機関の有機的連携の下に研究開発を推進する。(目標達成型脳科学研究推進制度)
  3. 研究者の創造性の発揮に基礎を置いた柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の整備に向けて研究者の流動化を促進するため、国立試験研究機関において任期制を活用した集中的な研究を推進する。(流動促進研究制度)
  4. 科学技術会議の定める重点分野(食料の増産、疾病の克服等)において、特定の生命現象に関し、中核機関のオーガナイズの下、産学官、関係省庁の研究機関を有機的に連携させ、当該生命現象の分子レベルの理解とそれに基づく応用のための研究を推進する。(ゲノムフロンティア開拓研究推進制度)

3.国際プログラム

  1. 海外との科学技術協力を強化するため、重点協力分野において、将来における国際共同研究の芽の育成から様々なニーズに基づいた国際共同研究の実施に至るまで、一体的かつ総合的に推進する。(国際共同研究総合推進制度)

4.国研活性化プログラム

  1. 我が国における基礎研究を強力にリードする拠点として、国内外の優秀な研究者を誘引するような優れた研究環境を有する中核的研究拠点(センター・オブ・エクセレンス:COE)を育成していくため、国立試験研究機関が自己努力により競争的な研究環境を整備しつつ、特定の研究領域の水準を世界最高レベルまで引き上げることを目指そうとする場合に、これを的確に支援する。(中核的研究拠点(COE)育成)
  2. 学際的な最重要研究分野に関するシーズ創成を強力に推進するため、複数の研究機関が分野、組織の壁を取り払い、人材面、資金面、設備面等について研究統括責任者の統一的なマネジメントにより一体となった体制を構築し、そこに国内外の優秀な研究者が結集することにより、単独の研究機関では遂行が困難な学際的研究を推進する。(開放的融合研究推進制度)
  3. 国立試験研究機関において、内外の研究者との交流を促進しつつ、革新的技術シーズの創出を図ることをねらいとした基礎的研究を推進する。(重点基礎研究)

5.その他

  1. 科学技術政策立案の検討に必要な基礎的資料の収集・整理・分析を実施するとともに、本調整費による研究課題の設定の検討及び研究内容の具体化に必要な調査・分析を実施する。(調査・分析)
  2. 年度途中における緊急事態(緊急の受託研究を含む。)の発生等に機動的に対応し、あるいは機動的な国際対応を図るため、今後の状況変化に弾力的に対応していくものとする。(緊急研究、緊急受託研究等)

 上記に基づき、平成10年度科学技術振興調整費により実施する課題については別紙のとおりとすることが適当である。これらの具体的運用に当たっては、本調整費を積極的かつ効率的・効果的に活用する。この際、研究の進捗状況、研究を取り巻く環境等を十分に考慮し、機動的かつ弾力的な運用に努めるものとする。

 なお、平成9年8月に「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」が策定されたことを踏まえ、新規課題の選定に当たっての事前評価及び総合研究、生活・社会基盤研究(生活者ニーズ対応研究)、国際共同研究総合推進制度(多国間型国際共同研究)、中核的研究拠点(COE)育成対象機関等の中間評価を的確に実施してきたところであるが、これらについては評価の結果を踏まえ、効果的かつ効率的な研究開発の推進を図る。また、昨年度研究を終了した総合研究等の課題については事後評価を十分に行うものとする。

(別紙)平成10年度科学技術振興調整費により実施する課題

1.産学官連携プログラム

1.総合研究

新規課題
  • 構造材料の環境脆化における水素の機能に関する研究
  • 協奏反応場の増幅制御を利用した新材料創製に関する研究
  • 高度医療ネットワークに関する研究開発
  • 高精度の地球変動予測のための並列ソフトウェア開発に関する研究
  • 人間系の特性を考慮した大規模・複雑システムのモデル化、解析、制御、設計に関する総合研究
  • 生殖系列細胞を用いた希少動物種の維持・増殖法の開発に関する基盤研究
  • 生体外細胞操作と細胞外環境設計による組織工学
  • 炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究
継続課題
  • 機能調和酸化物新機能材料創製に関する研究
  • QOLを指向した生体融和材料の新創出に関する研究
  • 物質・材料の自己組織化機構の解析と制御に関する研究
  • ナノスペースラボによる新材料創製に関する研究
  • 超薄膜材料設計技術の開発に関する研究
  • 植物の環境応答と形態形成の相互調節ネットワークの解明に関する研究
  • X線位相情報による画像形成とその医療応用に関する研究
  • 生体膜脂質の新しい機能の解析技術と制御技術の開発に関する研究
  • がん細胞の標的治療のための先端的基盤技術の開発に関する研究
  • 免疫・造血システムの体細胞改変による制御技術の開発に関する研究
  • エイズ等感染・発症制御のための基盤技術の開発に関する研究
  • 単一磁束量子を担体とする極限情報処理機能の研究
  • 広域高速ネットワークを利用した生活工学アプリケーションの調査研究
  • 物質関連データ(生体影響,食品成分,表面分析)のデータベース化に関する調査研究
  • 地球観測データのデータベース化に関する研究
  • 人間の社会的諸活動の解明・支援に関する基盤的研究
  • 高密度パルス光の発生と先端的物質制御に関する研究
  • 極限環境下におけるマイクロトライボロジーに関する基盤的研究
  • 北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究
  • 海嶺におけるエネルギー・物質フラックスの解明に関する国際共同研究
  • GPS気象学:GPS水蒸気情報システムの構築と気象学・測地学・水文学への応用に関する研究
  • 全地球ダイナミクス:中心核にいたる地球システムの変動原理の解明に関する国際共同研究
  • 南海トラフにおける海溝型巨大地震災害軽減のための地震発生機構のモデル化・観測システムの高度化に関する総合研究
  • 日本海東縁部における地震発生ポテンシャル評価に関する総合研究
2期移行課題
  • フロンティアセラミックスの設計・創製に関する研究
  • 物質・材料設計のための仮想実験技術に関する研究
  • 臓器・組織再生システムのための基盤技術の開発
  • 省際ネットワークを利用した医療研究支援アプリケーションの調査研究
  • 海底ケーブルを用いた地震等多目的地球環境モニターネットワークの開発に関する研究
  • バイカル湖の湖底泥を用いる長期環境変動の解析に関する国際共同研究
  • 成層圏の変動とその気候に及ぼす影響に関する国際共同研究

2.生活・社会基盤研究

(1)生活者ニーズ対応研究

新規課題
  • 都市ゴミの生分解性プラスチック化による生活排水・廃棄物処理システムの構築
  • 室内化学物質空気汚染の解明と健康・衛生居住環境の開発に関する研究
  • 内分泌攪乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究
継続課題
  • スギ花粉症克服に向けた総合研究
  • 高齢社会に向けた食品機能の総合的解析とその利用に関する研究
  • 高齢社会における製品・生活環境等のユニバーサル化に関する研究
  • 日常生活における快適な睡眠の確保に関する総合研究
  • 高齢者・障害者に快適な社会のための参加支援工学に関する研究
  • 清浄で安心な生活環境の創造:環境低負荷型浄化技術の開発と応用
2期移行課題
  • 環境と資源の持続的利用に資する資源循環型エコシステムの構築に関する研究

(2)地域先導研究

新規課題
  • 醸造微生物機能の高度利用に関する研究(広島県)
  • こめぬかを原料とする環境に適合した有機工業化学に関する基礎研究(和歌山県)
  • 室戸海洋深層水の特性把握及び機能解明(高知県)
継続課題
  • 富山県域の雪の特性解明と利雪に関する高度研究(富山県)
  • 地域糖質資源の高機能化と環境調和型利用システムの基盤研究(鹿児島県)
  • 相模湖・津久井湖の藻類による汚濁機構解明とその浄化・資源化技術に関する研究(神奈川県)
  • 次世代高機能鋳鉄の創製と複合化に関する基礎的研究(岩手県)
  • 生体認識機能を持つ新糖鎖素材の創製に関する地域基盤研究(静岡県)
  • 環境に適合した材料の創出のための複合型表層改質技術開発に関する基礎研究(長崎県)

2.制度先導プログラム

1.知的基盤整備推進制度

新規課題
  • 量子標準体系の高度化に関する研究
  • 組換えウイルス・コアバンクの創設とその高度利用のための基盤技術に関する研究
継続課題
  • ゲノム機能解析に資する遺伝子操作マウスの胚・配偶子バンク確立のための基盤的研究開発
  • 国際的先進材料の実用化を促進するための基盤構築に関する研究
  • 機能材料の熱物性計測技術と標準物質に関する研究
  • 物理標準の高度化に関する研究
  • 化学物質安全特性予測基盤の確立に関する研究
  • 3次元ファンクショナルデジタイザの研究開発
  • x線極限解析装置の研究開発
  • 3次元電子顕微鏡の研究開発
  • 空間情報科学の確立のための空間情報のデータベース化に関する研究開発
  • 生物系研究資材のデータベース化及びネットワークシステム構築のための基盤的研究開発

2.目標達成型脳科学研究推進制度

新規課題
  • 機能的神経回路構築の分子基盤の研究
  • 脳血管障害による「神経細胞死」の予防と治療についての研究
  • 文脈主導型、認識・判断・行動機能実現のための動的記憶システムの研究
継続課題
  • ヒトを含む霊長類のコミュニケーションの研究
  • 網膜神経回路網・視神経の再生における制御因子に関する研究
  • Brain attackから脳を守るための研究

3.流動促進研究制度

継続課題
  • 結晶粒界のナノ解析法の確立とその利用による粒界の組織、変形・破壊特性の解明の研究
  • 脳神経系の機能発現の分子機能に関する研究
  • 項書換系における数学的構造の研究
  • モバイルコンピューティングのためのネットワークモデル構築に関する研究
  • 運動微小毛群による流体輸送機能の発現に関する研究
  • 室内実験及び数理統計手法に基づく地震準備過程の解明
  • 生体組織を再建するための培養容器の開発・医学応用に関する研究
  • 原子電子レベルからの多結晶材料特性のシミュレーション
  • 生体高分子(蛋白質、核酸)の構築・機能の耐熱化機構の解明
  • 多元系酸化物の原子層制御MBE成長とデバイス化技術の研究
  • 問題解決履歴から重要パターン知識の自動抽出
  • 重粒子3次元照射法に関する実用実験
  • 侵入帰化植物による植物多様性に対する遺伝子汚染のリスク評価のための基礎的研究
  • 人間との柔軟な関わりをもつ機械システムの動的な自律制御の研究
  • 高感度光応答分子複合材料の設計と機能発現機構に関する研究
  • 無機アモルファス系高感度光応答材料の創製とそのデバイス化に関する研究
  • 誘起構造を利用した高感度光応答材料の創製と評価に関する研究
  • バーチャルリアリティ技術を用いた空間知覚能力の解明に関する研究
  • 多様生物機能を利用した海洋環境の修復と適正管理に関する研究

4.ゲノムフロンティア開拓研究推進制度

 特定の生命現象に関し、中核機関のオーガナイズの下、産学官、関係省庁の研究機関を有機的に連携させ、当該生命現象の分子レベルの理解とそれに基づく応用のための研究を推進。

継続課題
  • ゲノムダイナミクスの解明のための基盤的技術の開発に関する研究
  • 生体制御物質の分子設計と精密合成のための基盤技術開発に関する研究(注)上記2課題は、総合研究からの移し替え

3.国際プログラム

1.国際共同研究総合推進制度

(1)国際研究交流促進
  • 1)国際研究交流育成
     実施課題は別添1のとおり
  • 2)国際ワークショップの開催
     実施課題は別添2のとおり
(2)国際共同研究
  • 1)二国間型
     実施課題は別添3のとおり
  • 2)多国間型
     (新規課題)
    • アジア・太平洋地域に適した地震・津波災害軽減技術の開発とその体系化に関する準備研究
       (2期移行課題)
    • アジア地域の微生物研究ネットワークに関する研究

4.国研活性化プログラム

1.中核的研究拠点(COE)育成

第1期対象機関
  • 通商産業省工業技術院 物質工学工業技術研究所
     (光反応制御・光機能材料分野)
  • 農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所
     (昆虫機能利用研究)
  • 通商産業省工業技術院 電子技術総合研究所
     (新情報処理パラダイムに基づく技術分野)
  • 科学技術庁 金属材料技術研究所
     (極限場を利用した量子効果発現に関する研究)
  • 厚生省 国立精神・神経センター神経研究所
     (神経難病の分子機構の解明とその克服に向けた予防・治療法の開発)
  • 農林水産省 農業生物資源研究所
     (植物ゲノム機能研究)
  • 郵政省 通信総合研究所
     (先端的光通信・計測に関する研究)
第2期対象機関
  • 科学技術庁 無機材質研究所
     (超常環境を利用した先端材料研究)
  • 厚生省 国立循環器病センター研究所
     (生体情報伝達・制御)
  • 通商産業省工業技術院 生命工学工業研究所
     (生命工学(生体情報分野)

2.開放的融合研究推進制度

 学際的な最重要研究分野に関するシーズ創成を強力に推進すべく、異分野の研究機関が組織間の壁を越えて、統括責任者の下、一体となった体制で研究を推進。

3.重点基礎研究

 実施課題は別添4のとおり

5.その他

1.調査・分析

(1)科学技術政策立案のための基礎調査
  • 効果的な研究開発推進方策の検討に必要な基礎的データの収集・分析
新規課題
  • 科学技術と人間社会の調和を目指す21世紀科学技術の在り方に関する調査
  • 生物遺伝資源などの知的基盤整備に関する調査
  • 科学技術と社会・国民との間に生ずる諸問題に対応するための方策等に関する調査
  • 研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調査
継続課題
  • 我が国の研究機関における研究支援体制の今後のあり方に関する調査
  • 流動的研究体制と研究者のライフサイクルに関する調査
  • 民間企業における研究開発成功事例に関する調査
  • 21世紀におけるハイテクベンチャー企業支援策のあり方に関する調査
  • 重要研究分野における研究開発の推進方向等の探索
新規課題
  • 21世紀の地球科学技術の推進方策に係る調査
(2)総合研究の課題設定のための調査
  • 固相精密合成法によるケミカルライブラリーの構築と超機能性材料評価に関する調査
  • 環境負荷削減のための材料のライフサイクル・デザイン&プロセシングに関する調査
  • 顕微光電子分光法による材料・デバイスの高度分析評価技術に関する調査
  • 雲仙火山:科学掘削による噴火機構とマグマ活動解明に関する調査
  • 大地震時における構造物等の破壊過程解明のための試験体設計及び解析に関する調査
  • 都市基盤施設の地震防災性向上に関する調査
(3)生活・社会基盤研究の課題設定のための調査

 1)生活者ニーズ対応研究

  • 高齢者が自由で自立した生活をおくるための心身の健康増進に関する調査
  • 生活環境中の電磁界の健康影響評価と安全対策に関する調査

 2)地域先導研究

  • 混合系バイオマス処理のための高度な微生物制御技術に関する調査

2.緊急研究,緊急受託研究等

 年度途中に発生した緊急事態(緊急の受託研究を含む。)等へ機動的に対応。

 この他、現時点で設定されていない課題については、今後、適宜、政策委員会において審議の上設定していく。

お問合せ先

科学技術政策局調整課

-- 登録:平成21年以前 --