2.牛海綿状脳症(BSE)診断法の標準化に関する緊急調査研究
課題名
「我が国における牛海綿状脳症(BSE)診断法の標準化に関する緊急調査研究」
研究代表者
「清水実嗣」
中核機関名
「独立行政法人農業技術研究機構動物衛生研究所」
実施期間
平成13年度
研究の目標・概要 |
- 目標
我が国における分析試料の採取・スクリーニング・輸送・保存時の取り扱いから始まる、一連のプリオニクス検査等生化学的および免疫組織学的BSE診断法の実施条件を緊急に標準化するとともに、と畜場での迅速検査法を開発。
本課題終了後の目標 確定診断に必要な留意事項等のマニュアル作成及びと畜場での迅速検査法の開発
- BSE脳材料の分析前処理条件の最適化
- 生化学的診断法に対する今回BSE患畜由来プリオンの反応特性解明
- 免疫組織学的診断法に適した抗体の選択
- 4時間以内の迅速検査
- 内容
脳材料の取り扱い法の最適化、分析用酵素、抗体の評価・選定による判定精度の一層の向上及びエライザ法の改良によると畜場でのスクリーニング検査の迅速化
- 新規性
9月10日我が国初発のBSE患畜確認に対する緊急対応である。
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諸外国の現状等 |
- 現状
世界的に発病後の死亡材料についての確定診断法として、病理組織学的および免疫組織学的方法による診断と、 異常プリオン蛋白質の検出を目的とするウェスタンブロット法やエライサ法など生化学的診断法が開発されているが、その判定に要する時間や精度と感度には一 長一短があり、我が国で発生したBSEでの適用条件について検討する必要がある。
- 我が国の水準
動物のプリオン病に関する我が国の研究は、国内発生のあるヒツジのスクレイピーを対象として進められてき た。これらの研究において、ヒツジの異常プリオン蛋白質に対する各種特異抗体の作出、微量の異常プリオン蛋白質検出法であるイムノPCR法の開発をはじ め、それら開発手法を用いて異常プリオン蛋白質の体内分布を調べ扁桃の生検材料による生前診断法を開発している。
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研究進展・成果がもたらす利点 |
- 世界との水準の関係
我が国初発のBSE患畜であり、英国を中心とする既往例と緊急に比較検討する必要がある。
- 波及効果
我が国における分析試料の採取・スクリーニング・輸送・保存時の取り扱いから始まる、一連のプリオニクス検 査等の生化学的診断及び免疫病理学的診断法の実施条件を標準化するとともにと畜場における迅速検査が実用化されることにより、今後予定される本格的な検査 開始において異常プリオンの検出がより一層包括的かつ確実なものとなり、食肉の安全性を確保できる。
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「牛海綿状脳症(BSE)診断法の標準化に関する緊急調査研究」の研究体制