5.その他 生命倫理及び安全対策に係る留意事項

 ライフサイエンスに関する研究については、生命倫理・安全対策の観点から以下の法令又は指針等により必要な手続き等が定められているため、当該手続き等(今後、新たに指針等が定められる場合には、その指針等の手続き等を含む。)を遵守し、適切に研究を実施すること。
 また、ヒトの生体試料の採取を伴う研究等に関しては、従来からそれぞれの研究機関等において自主的な機関内倫理審査委員会が設置され、研究の科学的妥当性及び倫理的正当性について検討が行われてきたところであるが、今後の研究計画に関しても、平成15年3月20日の科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会による「機関内倫理審査委員会の在り方に関する報告書」の趣旨を踏まえ、同委員会において検討を行うこと。
 さらに、個人情報の保護に関する法律(平成15年5月法律第57号)第50条3項の規定により、大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者であって、その目的が学術研究の用に供することである個人情報取扱事業者は、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないことに留意すること。
 なお、指針等の詳細については文部科学省ホームページ「生命倫理・安全に対する取組(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます」を参照すること。

1)ヒトゲノム・遺伝子解析研究を含む研究計画

 研究計画に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究(提供者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能を、試料等を用いて明らかにしようとする研究)を含む場合には、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成13年3月29日文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)及びヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の施行等について(平成13年3月29日付け文部科学省研究振興局長・厚生労働省大臣官房厚生科学課長・経済産業省製造産業局長連名通知)に基づき当該研究を実施すること。また、本指針に基づく倫理審査委員会を設置したときは速やかに、及びその後は毎年3月末時点の状況を速やかに関係省庁(大学等は文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室)まで報告すること。
 なお、指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、調整費の交付を取り消すことがある。

2)特定胚の取扱いを含む研究計画

 研究計画に、特定胚(ヒト胚分割胚、ヒト胚核移植胚、人クローン胚、ヒト集合胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚、ヒト性集合胚、動物性融合胚又は動物性集合胚)の取扱いを含む場合には、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成12年12月6日法律第146号)、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律施行規則(平成13年12月5日文部科学省令第82号)及び特定胚の取扱いに関する指針(平成13年12月5日文部科学省告示第173号)に基づき、当該研究を実施すること。特に、研究の実施に先立ち、文部科学大臣への届出が必要となることに留意すること。
 なお、法令や指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、法令に基づき罰則がかかることや調整費の交付を取り消すことがある。

3)ヒトES細胞の樹立及び使用を含む研究計画

 研究計画に、ヒトES細胞(ヒト胚性幹細胞)の樹立及び使用を含む場合には、ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(平成13年9月25日文部科学省告示第155号)に基づき、当該研究を実施すること。特に、研究の実施に先立ち、文部科学大臣の確認を受けることが必要となることに留意すること。
 なお、指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、調整費の交付を取り消すことがある。

4)遺伝子組換え実験等を含む研究計画

 研究計画に、遺伝子組換え実験等を含む場合には、平成16年2月19日に施行される遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年6月18日法律第97号)及びこれに基づく政省令・告示に基づき、当該研究を実施すること。特に、一部の研究については、その実施に先立ち、文部科学大臣等の承認や確認を受けることが必要となることに留意すること。
 なお、法令に違反して研究が実施されていることが判明した場合、法令に基づき罰則がかかることや調整費の交付を取り消すことがある。

5)遺伝子治療臨床研究を含む研究計画

 研究計画に、遺伝子治療臨床研究(疾病の治療を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞のヒトの体内への投与等に関する臨床研究)を含む場合には、遺伝子治療臨床研究に関する倫理指針(平成14年3月27日文部科学省・厚生労働省告示第1号)に基づき、当該研究を実施すること。特に、研究の実施に先立ち、厚生労働大臣の意見を求めることが必要となることに留意すること。
 なお、指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、調整費の交付を取り消すことがある。

6)疫学研究を含む研究計画

 研究計画に、疫学研究(明確に特定された人間集団の中で出現する健康に関する様々な事象の頻度及び分布並びにそれらに影響を与える要因を明らかにする科学研究)を含む場合には、疫学研究に関する倫理指針(平成14年6月17日文部科学省・厚生労働省告示第2号)及び疫学研究に関する倫理指針の施行等について(平成14年6月17日付け文部科学省研究振興局長・厚生労働省大臣官房厚生科学課長連名通知)に基づき、当該研究を実施すること。
 なお、指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、調整費の交付を取り消すことがある。

7)臨床研究を含む研究計画

 研究計画に、臨床研究(医療における疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人を対象とするもの(個人を特定できる人由来の材料及びデータに関する研究を含む。))を含む場合には、臨床研究に関する倫理指針(平成15年7月30日厚生労働省告示第255号)及び臨床研究に関する倫理指針の施行等について(平成15年7月30日付け厚生労働省医政局長通知)に基づき、当該研究を実施すること。
 なお、指針に違反して研究が実施されていることが判明した場合、調整費の交付を取り消すことがある。

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科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

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