2.公募要領 (4)新興分野人材養成の公募要領

科学技術・学術政策局

1 目的

 科学技術の振興にとって重要領域ではあるが人材が不足しており、戦略的な人材養成により、世界における我が国の地位を確保する必要がある新興の研究分野や、産業競争力の強化の観点から人材の養成・拡充が不可欠な研究分野において、プロフェッショナルを早期に育成するための講座・部門規模のユニット(以下「人材養成ユニット」という。)の機動的な設置を推進する。また、企業等の研究者、技術者が、最先端の科学技術等を修得するための再教育を受けるシステムの構築を支援する。

2 対象となる業務

 本プログラムは以下の(1)及び(2)の業務を対象とする。なお、公募に当たっては、(1)、(2)の業務それぞれを単位として公募を行う。ただし、(1)及び(2)の業務を同時に実施しようとする場合は、同一プログラムの重複提案が認められていないことに留意して、(1)と(2)それぞれについて所要の提案書類を作成した上で、それらを合わせて1つの提案として提出する。

(1)大学院修士課程相当の研究者・実務者を養成することを目的とした人材養成ユニットの設置及び運営

 (1提案当たり、5年間で30人以上の大学院修士課程相当の者を養成することを応募の要件とする。ただし、これを満たす場合には、大学院修士課程相当以外に、大学院博士課程の養成を行うことも可能とする。)

  1. バイオインフォマティクス(システム生物学を含む)、バイオスタティスティクス(特に医学応用を目指したもの)
  2. 基盤的ソフトウェア
  3. 高度環境管理(化学物質リスク管理、廃棄物リサイクル管理、環境アセスメント等、自治体や企業の環境対策に対応できる専門家)
  4. ナノテクノロジー融合領域(ライフサイエンスとナノテクノロジーの融合領域等)
  5. 知的財産(ライフサイエンス分野に重点を置いて実施するもの等)
  6. 自然科学と人文・社会科学との融合領域(生命倫理、デジタルコンテンツの創造等)

(2)企業等の研究者、技術者の再教育を行うシステムの構築

 (1提案当たり、5年間で200人以上の人材を再教育することを応募の要件とする。)
 ライフサイエンス、情報通信、ナノテクノロジー・材料、環境の各分野及びこれらの融合領域における先端科学技術、知的財産等企業ニーズの高いもので、大学院等の社会人専門コース、短期的な集中講座、eラーニング及びこれらを組み合わせた多様なものを対象とし、科学技術に関する知識のみならず実務的能力も身に付く再教育システムを構築するものを支援する。

3 対象機関・組織

 対象とする機関・組織は、以下の1から3の機関・組織とする。

  1. 大学及び大学共同利用機関
  2. 国立試験研究機関
  3. 独立行政法人、特殊法人及び認可法人

4 実施期間

 原則として5年間とする。ただし、業務開始後3年目に中間評価を行い、中間評価の結果に応じて、計画の変更、業務の中止等の見直しを行う。

5 費用

 (1)人材養成ユニットの開設及び運営及び企業等の研究者、技術者の再教育システムの構築のために必要となる経費ついては、文部科学省から(他府省の組織(国立試験研究機関)については所管府省を経由して)支給する。(ただし、被養成者にかかる人件費は認められない。)
 なお、本プログラムによる業務の実施に当たり使用できる費目の種類は、原則として別表4に示すものとする。

 (2)1提案当たりに支給する経費は、

  1. 人材養成ユニットについては、年間1億円を上限とする。
  2. 企業等の研究者、技術者の再教育システムについては、年間5千万円を上限とする。ただし、ライフサイエンス等の分野の再教育で、実習用機材の購入など初期投資の関係で特別に資金を要すると認められる場合は、初年度のみ1億円を上限とする。

6 提案書類等

 提案書類は、様式4-1から4-7によるものとする。本プログラムによる業務の実施を希望する機関・組織(以下「提案機関」という。)は、提案書類に係る責任を有する者(以下「代表者」という。)を決めた上、上記の様式に必要事項を記入し、提案機関が国立試験研究機関(文部科学省の組織を除く。)にあっては所管府省を通じて、その他の場合は直接科学技術振興機構に提出する。

7 実施者の選定

 (1)選定に係る審査は、科学技術振興機構に設置する外部有識者からなるWGにおいて、提出された提案書類による書類審査及び代表者からのヒアリングの二段階審査により行い、その結果をもとに、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会科学技術振興調整費審査部会(以下「審査部会」という)における審議を経て選定する。

 (2)選定に係る評価項目及び審査基準は以下のとおりとする。

  1. 人材養成計画について
    • ア 計画の妥当性
      • 人材養成の考え方、目標人数、人材養成ユニットまたは企業等の研究者、技術者の再教育システムの規模、人材の配置状況が適切なものとなっているか
      • カリキュラム、教材の作成など人材養成手段が明確になっているか
    • イ 計画の効率性
      • 資金規模と養成対象者・目標人数のバランスがとれているか
    • ウ 計画の実効性
      • 事前に入念な準備が行われているか
  2. 提案機関について
    • ア 関連分野における研究実績等
      • 当該人材養成ユニットまたは企業等の研究者、技術者の再教育システムでの取組を活かし得る分野において、高い実績を有しているか。また、人材養成業務従事予定者についても当該業務を実施する能力を有しているか
    • イ 実施期間終了後の取り組み
      • 業務実施期間終了後においても取り組みの継続性を確保し得る体制となっているか。特に、機関の長のコミットメント及び終了後に自立して運営することを想定した資金計画があるか
  3. その他
    • ア 波及効果の期待度(産業界・地域への波及効果、他の人材養成機関への波及効果)
    • イ 企業等からの協力(企業等の人材養成ユニットまたは企業等の研究者、技術者の再教育システムへの参画、人的・経済的支援)の有無
      なお、企業等の研究者、技術者の再教育システムについては、以下の評価項目及び審査基準を追加する。
  4. 再教育システムについて
    • ア 企業等のニーズを踏まえた再教育の仕組みになっているか(実施内容、実施形態等)。
    • イ 幅広い知識や技術を体系的に身につけるプログラムになっているか
      (特定の狭い限られた知識や技術のみを習得するプログラムとなっていないか)
    • ウ 科学技術の進展や利用者の要望に基づいて柔軟に対応できる体制になっているか

 (3)選定に当たっては、審査部会等の意見を踏まえ、計画の修正を求めることがある。

 (4)書類結果は、審査終了後、提案書類に記された事務連絡先に通知する。なお、ヒアリングを実施する提案機関に対しては、ヒアリングの日時、場所等を通知する。

8 業務の実施

 (1)選定された業務の実施者は、提案書類の人材養成計画に即した年次計画及びこれに対応した経費の積算(以下「計画書等」という。)を作成し、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。
 なお、これらについては、省内での調整の結果、修正を求めることがある。

 (2)文部科学省は、提出された計画書等について所要の調整を行い、財務省の承認を得た後、国の機関については示達(文部科学省以外の府省が所管する機関については所管府省に移替えの上、示達)、その他の場合は委託により業務の実施に必要となる経費を配分する。
 なお、委託については、「科学技術振興調整費委託業務事務処理要領」に基づき委託契約を行うものとする。

 (3)実施者は、計画書等に基づき人材養成業務を実施するほか、毎年度、人材養成計画の進捗状況及び経費使用実績の報告書を作成し、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。また実施に際し、科学技術振興機構(科学技術振興調整費プログラムオフィサー等)が、現地調査等の実施などにより進捗状況を把握し、必要に応じ助言を行う。
 業務開始後3年目及び業務終了後については、速やかに成果報告書を作成し、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。提出された成果報告書は、文部科学省から科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会(以下「評価部会」という。)に報告する。
 評価部会は、成果報告書を基に、業務開始後3年目に中間評価、業務終了後に事後評価を実施する。評価に当たっては、必要に応じて代表者等からのヒアリングを行うものとする。
 なお、成果報告書及び評価部会の評価結果は文部科学省が公表するとともに、文部科学省から総合科学技術会議に報告する。

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科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

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