2.公募要領 (1)重要課題解決型研究等の推進の公募要領

科学技術・学術政策局

1 目的

 国家的、社会的に重要な政策課題であって、単独の府省では対処が困難であり、政府として速やかに取り組むべき政策目標及び課題について、産学官の複数の研究機関による総合的な推進体制の下で、具体的な達成目標を設定し、研究開発を推進する。
 また、科学技術政策に必要な調査研究を実施する。

2 対象とする政策目標及び課題

(1)重要課題解決型研究

1.政策目標1:研究基盤の強化による国力の充実

  • (課題1‐1)・研究活動を支える知的基盤整備
     (観測等のデータベースのネットワーク化をはじめ、研究用材料 (生物遺伝資源等)、計測・分析・試験・評価方法等)

2.政策目標2:国際競争力の確保・強化による経済の活性化

  • (課題2‐1)・標準化を狙う日本発技術の研究開発
  • (課題2‐2)・デジタルコンテンツの創造等の研究開発

3.政策目標3:安心・安全で快適な社会の構築

  • (課題3‐1)・新興・再興感染症に関する研究開発
  • (課題3‐2)・情報セキュリティに資する研究開発
  • (課題3‐3)・デジタルディバイド解消のための実証実験
  • (課題3‐4)・環境保全・再生技術に関する研究開発・技術実証実験
  • (課題3‐5)・交通事故対策技術の研究開発
  • (課題3‐6)・犯罪・テロ防止に資する先端科学技術研究(認証・センサー技術等)
  • (課題3‐7)・減災対策技術の研究開発
  • (課題3‐8)・障害者支援に資する研究開発

(2)科学技術政策に必要な調査研究

  • (課題1)・研究開発評価手法の開発
  • (課題2)・ライフサイエンスやナノテクノロジーなどの先端科学技術が社会に与える影響の調査研究
  • (課題3)・代替医療の科学的評価手法の開発

3 対象機関

 大学、国公立試験研究機関、独立行政法人、民間等の研究開発機関その他研究能力を有する国内の機関全てを対象とする。ただし、(1)重要課題解決型研究においては、産学官の複数の研究開発機関による総合的な推進体制を構築するほか、研究を総括し、課題全体に係る責任を有する機関及び責任者を設定することとする。また、(2)科学技術政策に必要な調査研究においては、調査研究の中核となる機関及び代表者を設定する。

4 実施期間

  1. 重要課題解決型研究は、原則3年間とする。ただし、特に必要と認められる場合には、5年間を限度とする。
  2. 科学技術政策に必要な調査研究は、原則1年間とする。ただし、特に必要と認められる場合には、2年間を限度とする。

5 費用

  • (1)課題の実施に必要な経費については、文部科学省から(他府省の組織(国立試験研究機関)の場合は所管府省を経由して)支給する。
     本プログラムにおいて使用できる費目の種類は、原則として別表1に示すものとする。
  • (2)1課題当たりの経費は、
    1. 重要課題解決型研究については、年間3億円(間接経費を除いた額)を上限とする。
    2. 科学技術政策に必要な調査研究については、年間3千万円を上限とする。

6 提案書類等

(1)重要課題解決型研究

 提案書類は、様式1‐1から1‐12によるものとする。本プログラムによる課題の実施を希望する研究開発機関は、研究を総括し、課題全体に係る責任を有する機関(以下「責任機関」という。)及び責任機関に所属し課題全体に係る責任を有する者(以下「研究代表者」という。)を決定する。責任機関及び研究代表者は参画する産学官の機関(以下、「参画機関」とする。)と調整し、研究終了時(3年間を越えて実施する場合は研究中間時及び研究終了時)の「具体的な達成目標」(以下、「ミッションステートメント」とする。)を作成した上で、上記の様式に必要事項を記入し、責任機関が国立試験研究機関、独立行政法人及び特殊法人の場合(文部科学省の組織及び文部科学大臣を主務大臣とするものを除く。)は所管府省を通じて、その他の場合は責任機関から直接科学技術振興機構に提出する。

(2)科学技術政策に必要な調査研究

 提案書類は、様式1‐1から1‐12によるものとする。本プログラムによる課題の実施を希望する研究開発機関は、調査研究の中核となる機関(以下、「中核機関」という。)及び中核機関に所属し、課題全体に係る責任を有する者(以下、「研究代表者」という。)を決めた上で、上記の様式に必要事項を記入し、国立試験研究機関、独立行政法人及び特殊法人の場合(文部科学省の組織及び文部科学大臣を主務大臣とするものを除く。)は所管府省を通じて、その他の場合は中核機関から直接科学技術振興機構に提出する。

7 実施者の選定

 (1)選定に係る審査は、科学技術振興機構に設置する外部有識者からなるWGにおいて、提出された提案書類による書類審査及び研究代表者からのヒアリングの二段階審査により行い、その結果をもとに、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会科学技術振興調整費審査部会(以下「審査部会」という。)における審議を経て選定する。

 (2)選定に係る評価項目及び審査基準は、以下のとおりとする。

  1. 重要課題解決型研究
    • ア 研究等の内容
      • 政策目標(国力充実、経済活性化、安心・安全な社会の構築)に直接結びつくか、また、社会的・経済的波及効果が高い研究成果が期待できる内容であるか。
      • 十分な準備に基づいた戦略的な構想であるか。
      • 特定府省の行政ニーズに閉じた研究内容になっていないか。
      • 研究内容、研究手法は適切であるか。
    • イ 研究等の必要性
      • 国家的・社会的ニーズが高く、国際的な協調や国際競争の観点から重要であり、早急に対応すべき課題であるか。
      • 新たな対応を取ることが、近年特に必要とされている課題であるか。
    • ウ 計画の妥当性
      • ミッションステートメントが具体的かつ明確に定められているか。また、具体的な達成目標の水準は、研究経費、実施期間、参加する機関のポテンシャルから見て適性か。
    • エ 実施体制
      • 研究代表者の適性(参加する各機関を束ねて、課題を推進するポテンシャル)
      • 課題を実施する上で、適切な機関が産学官から参加しているか(重要な機関が抜け落ちていないか)。また、研究機関があまりに多く参加するために1機関当たりの研究費が細分化され、効率的な研究が阻害されるような体制となっていないか。
      • 参加するそれぞれの機関の役割が明確であり、かつ、機関間が有機的に連携し、一体的な取り組みが行われる課題か。
      • 各参画機関における当該課題に関連するこれまでの研究開発実績は十分か。
      • 研究終了後も、引き続き総合的な体制の下で実用化等に向けた必要な取組みが進められる体制になっているか。また、知的基盤整備等の成果については、自立的に維持、運営、発展できる体制になっているか。
  2. 科学技術政策に必要な調査研究
    • ア 調査能力の妥当性
      • 調査を行うために必要な知識、ノウハウを持った研究者等により適切に構成されているか
    • イ 検討体制
      • グループとしての意見を集約し得る体制となっているか(特定の意見に偏らない体制となっているか)
    • ウ 実施計画の妥当性
      • 科学技術政策にとって重要な結果が期待できる計画となっているか
      • 計画における調査・分析方法は妥当なものであるか
    • エ 社会との関連性
      • 社会にとって有意義な結果が期待できる計画となっているか
      • 調査によって得られる結果は社会への貢献が高いと期待されるものか
      • 社会ニーズを十分に反映した計画となっているか
    • オ 調査終了後の展開
      • 調査結果を今後の政策に反映させる仕組み、手法等が明確であるか
      • 調査結果による波及効果が十分に大きいと期待できるか

 (3)選定に当たっては、審査部会等の意見を踏まえ、計画の修正を求めることがある。

 (4)審査結果は、審査終了後、提案書類に記された事務連絡先に通知する。なお、ヒアリングを実施する研究代表者に対しては、ヒアリングの日時、場所を通知する。

8 業務の実施

 (1)選定された責任機関(または中核機関)は、提案書類の研究実施計画に即し、参画機関毎の年次計画及びこれに対応した経費の積算(以下「計画書等」という。)を取りまとめ、調整の上、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。なお、これらについては、省内で調整の結果、修正を求めることがある。

 (2)「重要課題解決型研究」については、責任機関は、ミッションステートメントを科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。なお本プログラムを開始するまでの間、選定時における審査部会等の意見を踏まえ、修正を求めることがある。

 (3)文部科学省は、提出された計画書等について所要の調整を行い、財務省の承認を得た後、国の機関については示達(文部科学省以外の府省が所管する機関については所管府省に移替えの上、示達)、その他の場合は委託により業務の実施に必要となる経費を配分する。
 また、「重要課題解決型研究」については、文部科学省は、当該機関に対し、研究費等の直接経費の30%に相当する額を間接経費として配分する。
 なお、委託については、「科学技術振興調整費委託業務事務処理要領」に基づき委託契約を行うものとする。

 (4)「重要課題解決型研究」については、責任機関は、研究代表者のイニシアティブの下、当該研究課題の円滑な推進を図るため、研究の厳密な運営管理に必要な連絡調整を行う研究運営委員会を設置する。研究運営委員会は、研究代表者を長とし、各参画機関から選任される責任者、外部の有識者、当該研究に関係する府省等で構成され、責任機関が適宜開催するものとする。その際、科学技術振興機構(科学技術振興調整費プログラムオフィサー等)が、必要に応じこれに参画するとともに、現地調査等の実施などにより進捗状況を把握し、必要に応じ助言を行う。

 (5)参画機関は、計画書等に基づき業務を実施するほか、毎年度、研究の進捗状況及び経費の使用実績の報告書(以下「報告書等」という。)を作成し、責任機関(または中核機関)に提出する。責任機関(または中核機関)は、各参画機関から提出された当該年度の報告書等を(「重要課題解決型研究」にあっては、研究代表者の下、研究運営委員会での議論等を経て、調整の上)取りまとめ、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。

 (6)重要課題解決型研究については、責任機関は、研究期間終了後(3年間を越えて実施する場合は研究開始後3年目及び研究期間終了後)、速やかに各参画機関からの成果報告書を取りまとめ、調整の上、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。提出された成果報告書は、文部科学省から科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会(以下「評価部会」という。)に報告する。評価部会は、成果報告書を基に事後評価を行う(3年間を越えて実施する場合は研究開始後3年目に中間評価も実施)。評価に当たっては、必要に応じて研究代表者等からのヒアリングを行うものとする。なお、成果報告書及び評価部会における評価結果は、文部科学省が公表するとともに、文部科学省から総合科学技術会議に報告する。
 また、科学技術政策に必要な調査研究については、中核機関は、研究期間終了後、速やかに各参画機関からの成果報告書を取りまとめ、調整の上、科学技術振興機構を通じて文部科学省に提出する。提出された成果報告書は文部科学省が公表するとともに、文部科学省から科学技術・学術審議会及び総合科学技術会議へ報告する。

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

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