(4)先導的研究等の推進の公募要領
科学技術・学術政策局
1 目的
急速に発展し得る領域等に先見性と機動性をもって対応するため、潜在的可能性を有する萌芽的な研究開発を推進するとともに、地域の特性を生かした研究開発や、知的基盤の整備を推進し、我が国の研究開発を先導する。また、科学技術が社会に与える影響の広がりと深まりに先見性をもって対応するため、自然科学と人文・社会科学とを総合した研究開発を先導的に進める。
さらに、緊急に対応を必要とする研究開発等を機動的に推進する。
2 対象となる業務
本プログラムによる先導的研究開発等の推進業務(以下「業務」という。)のうち、公募により求めるものは以下の4つの業務とする。
- 潜在的可能性を有する萌芽的な研究開発
- 科学技術の複数の分野に係る境界的又は融合的な研究開発を行う必要のある領域を対象とした研究開発
- 地域の特性を生かした先導的な研究開発
- 当該地域の特性を生かし、かつ、科学技術の複数の分野に係る境界的又は融合的な研究開発を行う必要がある領域を対象とした研究開発
- 知的基盤の整備のうち先導的なもの
- 研究用材料、計量標準、計測・分析・試験評価方法及びそれらに係る先端的機器並びにこれらに関連するデータベース等のうち、分野横断的な対応をすることが望ましいものを対象とした整備
- 自然科学と人文・社会科学とを総合した先導的な研究開発
- 自然科学及び人文・社会科学におけるそれぞれの専門的知識を融合して研究開発を行う必要がある科学技術の領域を対象とする研究開発
3 対象機関・組織
国内の産学官の研究開発機関・組織全般とする。
4 実施期間
原則として3年間とする。
5 費用
- (1)業務の実施に必要となる経費については、文部科学省から(他府省の組織及び独立行政法人であって文部科学大臣以外を主務大臣とするものについては所管府省を経由して)支給される。
なお、本プログラムによる業務の実施に当たり使用できる費目の種類は、原則として別表4に示すものとする。
- (2)1課題当たり年間に支給する経費は、以下を目安とする。
- 潜在的可能性を有する萌芽的な研究開発:上限1億円程度
- 地域の特性を生かした先導的な研究開発:0.5~2億円程度
- 知的基盤の整備のうち先導的なもの:3~5億円程度
- 自然科学と人文・社会科学とを総合した先導的な研究開発:0.5~2億円程度
6 提案書類等
提案書類は、様式4-1から4-9によるものとする。本プログラムによる業務の実施を希望する研究開発機関・組織(以下「提案者」という。)は、業務全体に係る責任を有する機関(以下「中核機関」という。ただし、提案者が単独の機関となる場合、提案者と中核機関は同一とする。)、中核機関に所属し業務全体に係る責任を有する者(以下「研究代表者」という。)を決定した上、上記の様式に必要事項を記入し、中核機関の属性に応じて、以下により提出する。
- (1)国立試験研究機関及び独立行政法人の場合(文部科学省の組織及び文部科学大臣を主務大臣とするものを除く。)
- (2)その他の場合
- 所属機関を通じて提出
- ただし、「2 対象となる業務」の「2地域の特性を生かした先導的な研究開発」については、地方公共団体(都道府県、市町村等)を提案者とする。
7 課題及び実施者の選定
- (1)選定に係る審査は、提出された提案書類による書類審査及び研究代表者からのヒアリングの二段階審査により行う。審査は、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会に審査のための部会(以下「審査部会」という。)を設置して行う。
- (2)選定に係る評価項目及び審査基準は、以下のとおりとする。
- <共通事項>
- 研究等の内容
- 他の競争的資金等では対応できない課題か
- 内容、手法の水準は世界的に見て高いか
- 科学技術的、社会経済的波及効果が高いか
- 研究等の必要性
- 研究進展による科学技術及び社会経済の活性化への寄与度は高いか
- 研究等を開始する緊急性は高いか
- 計画の妥当性
- 目標の水準は適切か
- 計画等から見て、目標達成の可能性は高いか
- <個別事項:上記以外に以下の観点を加味して審査を行う>
- 潜在的可能性を有する萌芽的な研究開発
- 国家的に重要な課題であるか
- 内容、手法等の独創性は強いか
- 将来の発展の可能性等、高い潜在的可能性を有しているか
- 複数機関との境界的又は融合的協力関係を有しているか
- 地域の特性を生かした先導的な研究開発
- 内容、手法等の独創性は強いか
- 地域の特性を生かした境界的又は融合的な研究開発となっているか
- 新たな知的拠点の創出や地域の社会経済の活性化に寄与する研究開発であるか
- 関連する事業に当該地域が積極的に取り組んでいるか
- 産学官連携の下、複数機関が協調して実施する研究開発となっているか
- 知的基盤の整備のうち先導的なもの
- 境界的又は融合的なもので、各府省の取組を先導するものであるか
- 知的基盤の基幹的な整備が進められているか。新たに戦略的・体系的整備を行うことで、現在の水準から格段の機能の向上が図られるものであるか
- 支援終了後においても、その定着化のための継続的な措置を行う計画を有しているか
- 全国の研究者の利用に供し得るものか
- 自然科学と人文・社会科学とを総合した先導的な研究開発
- 国家的に重要な課題であるか
- 内容、手法等の独創性は強いか
- 科学技術と社会との関係に関わり、人文・社会科学の視点から科学技術の分野間の壁を取り払い、領域の融合を促すものであるか
- (3)審査結果は、審査終了後、提案書類に記された事務連絡先に通知する。なお、ヒアリングを実施する提案者に対しては、ヒアリングの日時、場所等を通知する。
- (4)審査部会委員(ワーキンググループを設置して審査する場合には、当該ワーキンググループ委員を含む。)であって、提案者との間に利害関係が認められる委員については、当該提案者からの提案書の審査に加わることができない。
8 業務の実施
- (1)選定された実施者の中核機関は、提案書類の研究実施計画に即し、各研究参画機関・組織毎の年次計画及びこれに対応した経費の積算(以下「計画書等」という。)を取りまとめ、調整の上、文部科学省に提出する。なお、これらについては、文部科学省での調整の結果、修正されることが有り得る。
- (2)文部科学省は、提出された計画書等について所要の調整を行い、財務省の承認を得た後、国の機関及び独立行政法人(文部科学省の組織及び文部科学大臣を主務大臣とするものを除く。)については移替え、文部科学省の組織については示達、その他の場合は委託により業務の実施に必要となる経費を配分する。
- (3)中核機関は、研究代表者のイニシアティブの下、当該研究課題の円滑な推進を図るため、研究の厳密な運営管理に必要な連絡調整を行う研究運営委員会を設置する。
研究運営委員会は、研究代表者、サブテーマ責任者、各参画機関・組織毎に参画者から選任される責任者及び当該研究課題に直接参加していない外部有識者によって構成され、中核機関により適宜開催されるものとする。
- (4)研究参画機関・組織は、計画書等に基づき業務を実施するほか、毎年度、研究の進捗状況及び経費使用実績の報告書(以下「報告書等」という。)を作成し、中核機関に提出する。
中核機関は、各研究参画機関・組織から提出された当該年度の報告書等をとりまとめ、研究代表者のイニシアティブのもと、研究運営委員会での議論等を踏まえ、調整の上、文部科学省に提出する。
- (5)中核機関は、業務終了後、速やかに各研究参画機関・組織からの成果報告書を取りまとめ、調整の上、文部科学省に提出する。提出された成果報告書は、文部科学省から科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会に設置される評価のための部会(以下「評価部会」という。)に報告する。評価部会は、成果報告書を参考に事後評価を行う。評価に当たっては、必要に応じて研究代表者等からのヒアリングを行うものとする。なお、成果報告書及び評価部会における評価結果は文部科学省から総合科学技術会議へ報告した後、公表する。
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)