(通商産業省基礎産業局生物化学産業課 委託先:財団法人バイオインダストリー協会)
‐第189号‐
平成11年7月8日
本調査は、科学技術振興調整費により、平成10年度から平成11年度にかけて実施しているものであり、今回は平成10年度の調査結果について報告するものである。
目的: 我が国の生物遺伝資源を有する企業、大学等に対し、資源の保存、資源のデータ等整備状況、ニーズ及びこれらの資源、情報の活用を促進するための環境整備について調査し、問題点と今後の検討課題を抽出したものである。
本調査ではアンケート調査(企業155、大学・研究機関61)を行い、回答があった企業(回答数82、回収率52.9%)、大学等(回答数39、回収率63.9%)の所有している生物遺伝資源の総数は、約123万で、その内、「微生物」が約27万、「ベクター、プラスミド」が約60万であった。これらの資源の9割が、それぞれの機関で独自に収集したものである。
不用となった生物遺伝資源について、「保存している」機関が全体の7割弱であったが、企業では更に「廃棄する」も半数を占めた。
それぞれの機関において人材の不足を感じているものの、特に企業では生物遺伝資源の維持、管理の重要性や実績は評価されにくい。人材不足・育成は個々の研究者の努力によって補われているのが現状。
企業、大学等の生物遺伝資源の知的基盤整備を推進するに当たって、企業、大学等の行政に対するニーズ(複数回答)をアンケート調査したところ、その結果は以下のとおりとなった。
「情報の整備(含、カタログ化、電子化、ネットワーク化)」、「資源の収集、保存等を行う公的機関の整備」、「資源の維持、管理・運営への助成及び人材育成」の他、国際的に問題となっている「生物遺伝資源の取り扱いに関する取り決め」について現状を把握するとともに、問題点の抽出とその対策を検討することが必要である。
岡田 武、長田 敏
電話番号:03‐3501‐1511(内線3185)
-- 登録:平成21年以前 --