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重要分野における研究開発の産業・社会への波及効果に関する調査[第204号]

(委託先:株式会社三菱総合研究所)

‐第204号‐
平成12年7月27日

調査の概要

 本調査は、科学技術振興調整費により、平成11年度から平成12年度にかけて実施しているものであり、今回は平成11年度の調査結果について報告するものである。

目的

 今般、我が国経済における「技術」の果たす役割の重要性がより一層高まりつつあるが、同時にその効果的活用と投資の重点化が課題となっている。こうした課題を克服するために、技術分野間のつながり(技術連関)と産業経済への波及効果を測るための定量的評価手法の確立・実施可能性について調査・分析検討を行うことを目的とする。本年度調査は、1)既存手法の調査・検討、2) 技術-技術連関のマクロ分析、3) 技術-産業連関のマクロ分析、4)指標化・評価運用方法の検討のうち、1)と2)について調査・分析を実施した。

調査結果

 既存文献調査と検討委員会を通じて、技術の連関に関する分析手法の整理を行い、データ利用の容易性、全技術分野に対する網羅性等を勘案し、論文(JICST)データベースを適用する分析を実施した。具体的には、論文に記載されたキーワードの組み合わせに対する該当論文数を指標として、技術-技術連関のマクロ的な連関構造の特徴を定量的・時系列的に明らかにした。この結果、直近10年間の技術-技術連関構造は、情報工学分野、環境工学分野において主要な関連技術のウェイトに大きな変化が見られる一方で、その他の技術分野ではほとんど経年変化がおきていないことが明らかとなった。また、関連する技術の数から連関構造を分類すると、多くの技術分野と関連のある技術分野として工学一般領域、電気工学、機械工学等があり、自己技術分野との連関が他の技術との連関よりも圧倒的に強く、すなわち自己技術分野だけで連関が閉じいる技術分野としては、生物化学、医学、化学工学等を挙げることができた。
 つぎにこの連関構造を基にして因子分析を実施し、技術分野別の技術的性格を定量的に示したところ、我が国の技術分野の性格は、因子分析により4つの評価軸(因子)であらわせることが明らかとなった。この傾向は、1988年、1994年、1998年のいずれの年も変わっていない。さらに技術的性格の類似性を、因子得点のユークリッド距離として算定すると、環境工学、情報工学、物理学の技術分野は、それぞれが独自の技術的性格を有しており、逆に、医学、金属工学、エネルギー工学、熱工学・応用熱力学は、比較的多くの技術分野と類似性の強い技術分野であることが示された。
 最後に技術と産業の連関を分析する手法として、特許の活用が有望であるとの検討委員会の見解を受けて、H12年度調査に先駆け、特許のサイティング情報を用いた試行的分析を実施した。その結果、日本国特許に記載されている論文引用情報は、比率的には少ないながらも存在することが明らかとなったが、技術と産業の連関の分析は、今後の検討課題として残された。

今後の課題

 経済社会における「技術」の果たす役割の重要性が高まりつつある中、社会と技術のつながりの大きさを客観的に示す必要性はますます増大していると考えられ、今後は、特許情報の活用などを通じて、技術と産業の連関を定量的に示す指標作成に向けた検討調査をひきつづき実施する。

お問合せ先

通商産業省産業政策局産業技術課

井上、庄子
電話番号:03‐3501‐1511(内線2865~8)

(通商産業省産業政策局産業技術課)

-- 登録:平成21年以前 --