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俯瞰型研究プロジェクトの推進方策に関する調査[第209号]

(委託先:株式会社三菱総合研究所)

‐第209号‐
平成12年9月14日

調査の概要

 本調査は、科学技術振興調整費により、平成11年度に実施されたものである。
目的: 科学の知見や学問が深まった結果、それぞれの研究が意図する以外の好ましくない負の効果が発生することが少なくない。したがって、その負の効果の発生又はその可能性をできるだけ研究プロジェクトの内部で察知し、それを阻止するかその効果を緩和する方法を開発することが重要となる。俯瞰型プロジェクトは、このことを可能とする方法の一つとして構想されたものであるが、新たな研究様式の創出を伴う。
 本調査は、多面的かつ同時進行的に評価する俯瞰的視点によって進められ、研究組織にその研究分野の科学者を主体としつつも、同時に関係する他の領域の科学者をも含む「俯瞰型研究プロジェクト」のあり方について調査したものである。

調査結果

(1)本調査では、アジアの環境対策技術、バーチャルリアリティ技術の二つの研究テーマを選定し、俯瞰型研究プロジェクトのあり方について検討を行ったが、いずれのテーマにおいても俯瞰的な視点を持った研究の推進の必要性、重要性が確認された。
 アジアの環境対策技術においては、俯瞰的な視点による思考の広がりの類型の一例を示すとともに、俯瞰型研究プロジェクトの推進体制として、1)プロジェクトの各段階で必要な評価を受けること、2)分野の異なる研究者の視点と社会のニーズを交換できる場の構築、3)必要な予算確保、執行を一括して行う仕組みの構築、4)必要な人材、組織を前もって配置すること、5)新たな評価システムの構築などの留意点等が示された。
 バーチャルリアリティ技術においては、俯瞰型研究のスタイル(推進グループ、評価グループ等の設定)についての類型の一例を示すとともに、俯瞰型研究プロジェクトの基本要件として、1)俯瞰的視点が取り入れられていること、2)人文・社会・自然科学間の適切な統合がなされていること、3)俯瞰するための役割分担、方法が定まっていること、4)負の側面についての具体的な対策が定められていること、5)評価方法が定まっていること等が示された。

(2)俯瞰型プロジェクトを推進するためには、1)異なる分野の研究者が問題点を共有して認識し、学問分野を超えて研究するインセンティブを与える仕組みを作るため、関係者が常に関係情報を共有すること、2)従来とは異なる発想である俯瞰的な視点での研究への予算を確保すること、3)プロジェクトに参加する全ての研究者が同じように俯瞰的な視点を持ち、課題を共有することがプロジェクトの推進にとって重要であるが、全ての関係分野に素養が深い研究者を選定、育成すること、4)俯瞰型研究プロジェクトについて評価の思想や哲学を確立し、評価の技術、手法、指標を構築していくこと等が課題となる。

お問合せ先

日本学術会議事務局学術部学術課

藤田
電話番号:03‐3403‐5706

(日本学術会議事務局学術部学術課)

-- 登録:平成21年以前 --