図39.政策連携によるインパクト実現の促進がなされた事例
高演算速度の並列コンピュータ(情報通信、実現技術)
事例分析のポイント
- 1970年代以降、大学、公的研究機関などの調達により民間企業の研究開発が促進され、80年代後半~90年代前半には優位性を持つに至る。その後米国政府が投資を強化し、ベクトル型でなくスカラー型のスーパーコンピュータの占める割合が大きくなった。
- これに対応し、幾つかの公的プロジェクトが実施され、地球シミュレータはベクトル型での日本の技術力を示し、2002年~2004年にかけて世界一の計算速度を達成。米国に危機感をいだかせた。
経済的インパクト
- スーパーコンピュータの売上(国内市場):
価格3,000万円以上のシステム 約1,000億円毎年
価格1億円以上のシステム 約500億円毎年
- ベンチャー企業創造の期待(ソフト、PCクラスターメーカ等)
社会的インパクト
- 地球環境変動および気象予測精度の向上
- 都市・交通等インフラの信頼性・安全性向上
(高層ビルの耐震性、航空機の安全性等)
国民生活へのインパクト
- 自動車の安全・快適性の向上
- 地震、台風、津波等の災害予防の期待
その他(世界への影響)
- 米国DOEは地球シミュレータの成果に注目し、スーパーコンピュータをITERに続く2番目の重要施設と認定した。
科学技術・学術政策局調査調整課科学技術振興調整費室