1.総論 (3)評価結果概要




 調査検討の結果を各プログラム毎に総括的に述べれば以下のとおり。また、下記表中の総合評価について、aは「非常に優れた研究である(あった)」、bは「一定の成果が得られた研究である(あった)」、cは「優れた研究ではない(なかった)」を示す。また、中間評価の今後の進め方については、aは「研究を継続すべきである」、bは「研究内容を一部見直して継続するべきである」、cは「研究を終了すべきである」を示す。

(1)  総合
 平成14年度に第1期(3年間)を終了する12課題及び平成13年度に研究を終了した7課題の合計19課題について評価を実施した。
 第1期終了課題の評価については、一部の課題で、目標設定の変更や研究内容の絞り込み等の必要があるものの、研究進捗状況は概ね順調であり、目標に応じた研究成果も出されていることから、何れの課題についても第1期での研究進捗状況等を勘案し、継続していくことが適当であると認められた。
 また、平成13年度に終了した課題については、何れの課題も、中間評価の反映や研究成果の価値等の観点から判断して非常に優れた研究、又は一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:重要な研究テーマについて、産学官の研究ポテンシャルを結集し、複数機関の有機的連携の下に、総合的な取組を推進する。
 ◇充当額:1課題当たり~数億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(1期3年間、2期2年間、ライフサイエンス及び一部課題は2期3年間)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
1期評価(中間評価) 10 12
(今後の進め方) (7) (5) (0)  
事 後 評 価


(2)  開放的融合研究
 平成14年度に研究開始後3年目を迎える2課題について評価を実施した。本制度の評価は各実施機関が設置する融合評価委員会委員長及び研究代表者から説明を聴取し実施した。何れの課題も研究成果の価値は高く、また、機関間の融合の取組みの観点からは適切に実施されており、今後、更に代表者が指導性を発揮し、融合の観点を活かした上で研究を継続していくことが適当であると認められた。

(参考)
 ◇制度概要:複数の研究機関が分野、組織の壁を取り払い、研究統括責任者の統一的なマネージメントによる一体的な体制を構築し、学際的研究を推進する。
 ◇充当額:1課題当たり3~5億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(3年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
3年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (2) (0) (0)


(3)  生活・社会基盤研究(生活者ニーズ対応研究)
 平成14年度に研究を終了する2課題及び平成13年度に研究を終了した2課題の合計4課題について評価を実施した。本プログラムについては、3年間の研究終了後、評価の結果、特に必要と認められた場合に限り、3年間を限度として研究期間を延長させることが可能となっているが、今回の評価により平成14年度に研究を終了する対象2課題のうち1課題について、適切な進捗状況、高い国民生活への波及効果等を鑑み、さらに2年間研究を継続することが適当であると認められた。
 平成13年度に終了した課題のうち1課題については、昨年、評価を行うために必要な成果が十分に取りまとめられていないため、本年度、再度、事後評価を実施することとしたものである。本年度は研究結果が発表されたものの昨年度の中間評価結果が十分反映されたものとはなっておらず、また、目標設定に対する疑問も投げかけられた。残る1課題については、得られた成果の科学的価値も高く、情報発信も勢力的に行われており、国民生活への波及効果の観点からも、非常に優れた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:生活者の視点からの意見等を反映させつつ、生活の質の向上に資する目的指向的な研究開発を総合的に推進する。
 ◇充当額:1課題当たり1~3億円/年程度
 ◇研究期間:3年間(必要と認められる場合には第2期(3年間を限度)を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
1期評価(中間評価)
(今後の進め方) (1) (0) (1)  
事 後 評 価


(4)  生活・社会基盤研究(地域先導研究)
 平成13年度に研究を終了した4課題について評価を実施した。その結果、本プログラムの目的である「地域の発展に資する研究開発の推進」という観点からは、いずれの課題も十分な成果をあげており、非常に優れた研究または、一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:生活者の視点からの意見等を反映させつつ、地域の発展に資する目的指向的な研究開発を総合的に推進する。
 ◇充当額:1課題当たり~1億円/年程度
 ◇研究期間:3年間

総 合 評 価 a b c 課題数合計
事 後 評 価


(5)  目標達成型脳科学研究
 平成14年度に研究開始後3年目を迎える3課題及び平成13年度に研究を終了した3課題の合計6課題について評価を実施した。その結果、研究開始後3年後の課題のうち、2課題については、目標設定の見直しを行い、研究内容を一部見直して研究を継続すべきであるとされた。残る1課題については、研究全体の進捗状況及び有機的な研究体制構築の観点から適切に実施されており、今後更なる成果が創出されることを期待し、研究を継続していくことが適当であると認められた。また、平成13年度に研究を終了した課題のうち、2課題については、一定の研究成果が得られた研究であったとされ、残る1課題については、得られた成果の科学的価値及び科学的波及効果が高く、非常に優れた研究であったとされた。

(参考)
 ◇制度概要:脳研究について産学官の連携の下に、一定の達成目標を設定し、その実現を目指した研究を推進する。
 ◇充当額:1課題当たり1~2億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(3年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
3年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (0) (3) (0)  
事 後 評 価


(6)  ゲノムフロンティア開拓研究
 平成14年度に研究開始後3年目を迎える2課題について評価を実施した。その結果、何れの課題も優れた研究成果が得られており、サブテーマ間の連携も効果的であって、研究成果の波及効果も高いと期待されることから、今後更なる研究成果の社会への還元を念頭に置きつつ、研究を継続していくことが適当であると認められた。

(参考)
 ◇制度概要:中核機関のオーガナイズの下、産学官の有機的連携に基づき、生命現象の分子レベルの理解とそれに基づく応用のためのゲノム科学研究を総合的に推進する。
 ◇充当額:1課題当たり1~2億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(3年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
3年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (2) (0) (0)  


(7)  知的基盤整備
 平成14年度に研究開始後3年目を迎える1課題及び平成13年度に研究を終了した10課題について評価を実施した。その結果、研究開始後3年目の課題については、一部目標を達成できておらず、科学的波及効果についても十分ではないものの、所管省の適切な支援のもと、非常に優れた研究成果が得られており、知的基盤整備として極めて重要な問題に対して、効果的なチーム構成の下、取り組んでいることから、今後、最終目標に向けた課題全体の収束化及び知的基盤としての継続的な実用化の手法等を睨みつつ研究を継続していくことが適当であると認められた。
 平成13年度に終了した課題については、何れの課題についても得られた成果の科学的価値は高く、情報発信も勢力的に行われており、成果の知的基盤整備への寄与度も高いと期待されることから、非常に優れた研究または、一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:産学官連携の下、知的基盤の整備に資する研究開発を推進する。
 ◇充当額:1課題当たり2~5億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(3年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
3年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (1) (0) (0)  
事 後 評 価 10


(8)  流動促進研究
 平成14年度に研究開始後3年目を迎える2課題、平成13年度に研究を終了した11課題について、それぞれ中間評価、事後評価を実施した。その結果、中間評価対象課題のうち、1課題については任期付研究員に対する機関の支援は評価できるものの、当初の目標に対して十分な研究成果が得られておらず、残された研究期間内では成果の創出も期待しがたいことから、14年度で研究を終了すべきであるとされた。
 また、事後評価対象課題については、概ね当初計画に沿ってほぼ順調に研究が進捗し、任期制の活用効果も得られていることから、非常に優れた研究又は一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:国研(独法)における任期付研究員が、限られた任期中に密度の高い研究活動を行い、成果をあげることが可能となるよう必要な経費を措置し、研究者の流動的な活用による柔軟かつ競争的な研究環境の実現を目指す。
 ◇充当額:1課題当たり1.5千万円/年程度
 ◇研究期間:3年間(必要と認められる場合には5年間まで)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
3年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (0) (1) (1)  
事 後 評 価 11


(9)  中核的研究拠点(COE)育成
 平成9年度に当該プログラムの対象機関に選定され、本年で6年目中間評価対象の1機関について評価を実施した。その結果、研究マネジメントについて一層の取組みの強化が必要であるものの、機関全体の活性化への寄与や、得られた成果の波及効果等は高く評価され、一部、計画内容を見直した上で継続すべきであると認められた。

(参考)
 ◇制度概要:COE化を目指す公的研究機関が自助努力により競争的な研究環境を整備しつつ、特定の研究領域の水準を世界最高レベルまで引き上げるための的確な支援を行い、当該機関のCOE化を促進する。
 ◇充当額:1課題当たり1期4億円/年、2期数千万円/年程度
 ◇研究期間:10年間(1期5年間、2期5年間、3年目及び6年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
6年目評価(中間評価)
(今後の進め方) (0) (1) (0)  


(10)  国際共同研究総合推進(二国間型)
 平成13年度に研究を終了した15課題について評価を実施した。国際共同研究としては技術供与、研修の側面が強く、目標設定が適切でな課題、また、国際共同研究を行う意義に乏しい課題もあったが、概ね研究成果の波及効果及び国際共同研究を行う意義は高く、非常に優れた研究又は一定の成果が得られた研究であったとされた。

(参考)
 ◇制度概要:我が国を含む複数国にまたがる広範な地域において、グローバルな視点に立ち共通して取り組むべき研究領域について海外の研究期間との有機的連携の下で、人的及び情報のネットワークを構築しつつ共同研究を推進する。
 ◇充当額:1課題当たり~数億円/年程度
 ◇研究期間:5年間(1期3年間、2期2年間)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
事 後 評 価 10 15


(11)  先導的研究等の推進(緊急研究)
 平成13年度に研究を終了した4課題について評価を実施した。緊急研究として、いずれの短期間かつ困難な問題にもかかわらず、一定の成果が得られていることから、非常に優れた研究又は一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:年度途中に発生した自然災害、社会問題、国際対応等の突発事態に対応して機動的に研究、調査を実施する。
 ◇充当額:1課題当たり数千万円/年程度
 ◇研究期間:単年度

総 合 評 価 a b c 課題数合計
事 後 評 価


(12)  若手任期付研究員支援
 平成13年度に研究を終了した2課題について評価を実施した。このうち、1課題については任期途中で任期付研究員(外国人)が帰国したことにより研究を中止したものであった。評価の結果、いずれの課題も一定の成果が得られた研究であったと認められた。

(参考)
 ◇制度概要:研究員の任期制の広範な定着を目指し、若手の任期付研究員が任期中に自立的研究に専念できるよう、特に優秀な任期付研究員に対して任期中における研究を支援する。
 ◇充当額:1課題当たり5百万円~1千5百万円/年程度
 ◇研究期間:5年間を限度(実施者の任期内。3年目に中間評価を実施)

総 合 評 価 a b c 課題数合計
事 後 評 価


(13)  先導的研究等の推進
 当該研究課題は、本年4月、研究中に事故が発生し、研究を停止していたもの。ワーキンググループにおいては、事故後の対策について説明したのち、今後の修正計画等についてヒアリングしていただき、継続の可否、実施体制の見直し等について検討する予定としていたもの。ワーキンググループにおける検討の結果、研究を継続する場合には、安全性の担保が大前提であること、現行の体制では、研究代表者の指導性、サブテーマ間の連携性に問題があることに留意すべきとされた。

(参考)「地域の特性を生かした先導的な研究開発」
 ◇制度概要:地域の特性を生かし、かつ、科学技術の複数の分野に係る境界的又は融合的な研究開発を行う必要がある領域を対象とした研究。
 ◇充当額:1課題当たり0.5~2億円/年程度
 ◇研究期間:原則として3年間

-- 登録:平成21年以前 --