平成11年度研究評価小委員会研究評価報告書について 2.各論 (2)流動促進研究 (c)
多元系酸化物薄膜の原子層制御MBE成長とデバイス化技術の研究
(研究期間:平成9年度~12年度)
任期付研究者名:右田 真司(通商産業省電子技術総合研究所)
(1) 総 評
本研究は、強誘電体薄膜と導電性薄膜とのヘテロ構造を作製するための原子層制御分子線エビタキシー(MBE)成長技術を高度化し、この技術を用いて強誘電特性を活用したデバイスの試作と特性評価を行うものである。既に、強誘電体電気分極を有効活用するためのシリコン上への強誘電体配向成膜技術を開発することに成功したことから、長期間メモリー保存が可能となる強誘電体デバイスの試作ができており、計画は順調に進捗している。また、本研究は、強誘電体特性を活用した電子デバイス実現のための基盤技術を開発し、将来の超高集積化メモリ等を実現するための基礎技術開発に資することであり、目的・目標は適切である。他方、任期制の活用の効果に関しても、想定したとおりの効果が得られており、任期付研究員に対する必要な支援もなされている。従って、4年目以降も継続するべきである。
長期メモリー保存が可能なものを作成できたのは高く評価できるが、あらゆるところで取り組まれている課題であるので、出来るだけ新規性を強調して進めていくべきである。