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10.システム生命科学人材養成ユニット

(事後評価)

(実施期間:平成15~19年度)

実施機関:九州大学(代表者:村上 輝夫)

課題の概要

 当人材養成ユニットは、社会から緊急に要請されている「21世紀の新しい生命科学を切り開く学際的生物学研究者、特に、生物学におけるシステムダイナミクスの研究を中心におき、生物システムが持つ自己組織化の原理を理解し、生体をモデルとした機能性材料への開発、ナノスケール計測技術を利用し、分子間、生物種間のインターフェース解析、バイオフォトン計測等のナノバイオロジーを用いた遺伝子発現等のダイナミクス解析等を通じて、生物機能の高次利用を行い、その成果を社会に還元できる学際的研究者、さらに企業でのバイオインフォマティクス業務に習熟できるバイオインフォマティクス分野の研究者、技術者」の育成を目指した。

(1)総合評価(所期の計画以下の取組であるが、一部で当初計画と同等又はそれ以上の取組もみられる)

 本人材養成ユニットは生命科学と工学・情報科学の両者を専門とする研究者養成を目指した人材養成事業であるが、生命科学と工学・情報科学の融合が具体的にどのように行われ、それが新しい教育研究領域の形成にどのように貢献したのか、明確になっていない。また、本人材養成ユニットで雇用され、人材養成の中心的役割を担った特任教員の担当科目の内容は再編後の科目において継承されているが、特任教員が再編後のシステム生命科学府の中に組み込まれておらず、本事業で得られた成果やノウハウの継続性に不安が残る状況にある。修士相当の被養成者数は目標を上回っているが、博士相当およびポスドクは目標を下回っており、被養成者の目標人数を達成できていないと判断される。今後、人材養成運用体制の見直しや、融合科目の更なる充実などダブルメジャーの教育を成功させるための方法論の構築が望まれる。

<総合評価:C>

(2)個別評価

1.目標達成度

 システム生命科学専攻での修了要件は示されているものの、科目系統は必ずしも明確でなく、どのような分野の知識と技術を習得した受講生に対してダブルメジャーを授与したのか、明らかでないと考えられる。また、修士相当の被養成者数は目標を上回っているが、博士相当およびポスドクは目標を下回っており、被養成者の目標人数を達成できていない。

2.人材養成手法の妥当性

 本ユニットでは情報・工学(ドライ)と生命科学(ウェット)の融合を目的としているが、両者の融合により人材養成のどのような成果が得られたのか明確になっていない点は残念である。また、バイオインフォマティクスに関するプログラミング演習も十分なレベルに達していないと考えられる。しかし、人材養成の手法としては、妥当な手法が用いられており、複数指導教員制を実施して、被養成者の到達レベル検証にあたっている点などは評価される。今後、養成運用体制の見直しや、融合科目の更なる充実が望まれる。

3.人材養成の有効性

 修士相当の修了生はバイオインフォマティクスを含む広範な分野に就職しており、博士号取得者もバイオインフォマティクス分野に従事していることは評価できる。また、高校教諭を対象とした教育プログラムを実施したこと、学部学生を対象として実施した教育プログラムの資料をまとめての入門書を出版したことも評価される。一方、本人材ユニットの被養成者の進路が既存の学科の学生の進路とどれくらい異なるのか明確ではなく、博士課程、ポスドクの被養成者の発表論文にバイオインフォマティクスに関するものが少ない点が懸念される。今後、情報・工学と生命科学の教育を融合して、所期の目的の人材養成を継続して実施することが望まれる。

4.実施計画・実施体制及び継続性・発展性の見通し

 理学府生物科学専攻との再編成が行われ、生命理学大講座が加わって、新たなシステム生命科学府が誕生した。本ユニットで経験を積んだ特任教員の担当科目の内容は再編後の科目において継承されているが、特任教員が再編後のシステム生命科学府に一人も雇用されていない状況にあり、本ユニットにおける人材養成事業が継承されたか否か明確でないと考えられる。今後、大学の支援を期待し、所期の目的に沿った教育プログラムを継続して実施することが望まれる。

5.中間評価の反映

 中間評価で指摘された「システム生命科学コース」との連携が図られ、既存の組織との連携が促進されたことは評価されるが、ダブルメジャーを持つ研究者の有用性が示されていない。また、終了後の取組に関して早急な具体化が望まれていたが、本人材養成ユニットで雇用され、人材養成の中心的役割を担った特任教員が再編後のシステム生命科学府の中に組み込まれておらず、本事業の継続性がはっきりしない。

(3)評価結果

総合評価目標達成度人材養成手法の
妥当性
人材養成の
有効性
実施計画・
実施体制及び継続性・
発展性の見通し
中間評価の反映
Ccbbcc

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

-- 登録:平成21年以前 --