2.システムLSI設計のための基盤ソフトウェア

(事後評価)

(実施期間:平成15~19年度)

実施機関:早稲田大学(代表者:後藤 敏)

課題の概要

 日本の大学/大学院では、システムLSI分野の学生は少数であり、産業界のニーズに十分に対応できていないのが現状である。本課題は、養成する人材の数と質において、世界で最高の大学に位置づけられることを目標として、ソフトウェアとハードウェアの両者の技術を高度に習得し、市場動向を的確に捉えて、創造性豊かな発想を持ち付加価値の高いシステムLSIチップを開発できる人材を養成することを目指した。養成対象を3つのカテゴリ(ポスドク、博士課程学生、修士課程学生)に分け、システムLSIのソフトウェア基盤に焦点を当てた講義と、LSIのハードウェア開発またはソフトウェア開発の研究指導などを実施した。国内外から優秀な研究者を客員教授として招き、特別講義と研究指導を行った。被養成者には、国際会議や学術論文誌に成果を積極的に発表させ、企業でのインターシップも経験させた。

(1)総合評価(所期の計画と同等の取組が行われている)

 わが国がおかれたLSI産業分野での現状を鑑みると非常に重要な位置付けの人材養成プログラムである。産業界で実際に研究開発に従事していた人々を養成従事者として迎えたことやインターンシップを取り入れるなど、質的にも量的にも充実した実施体制を構築し、企業で実際に役立つ人材の養成を目指し成果を上げている。養成目標人数も達成しており、所期の計画と同等の取組が行われていると評価できる。今後は人材養成手法の体系化を行い、他のシステムLSIの人材養成機関へ波及させ、同様な効果が見込まれる拠点が広まっていくようになることを期待する。

<総合評価:B>

(2)個別評価

1.目標達成度

 ポスドク、博士課程学生、修士課程学生のそれぞれについて、中間評価時に再設定された養成目標人数を達成している。また質的な面でも国際会議での論文発表などが行われており、所期の目標に達していると評価できる。

2.人材養成手法の妥当性

 実際のLSI開発を体験させるなどの実践的な人材養成及びグローバル化が進む中での英語を使った人材養成などは評価できる点である。基盤ソフトウェアの人材養成という観点から見ると、使用したツール系が手法としては弱いと思われるものの、人材養成の手法は妥当であると評価できる。

3.人材養成の有効性

 被養成者の世界的な学会における多数の論文発表や国際機関からの表彰は評価できる。養成修了者に留学生が多いものの、国内の企業等への就職状況は良く、人材養成の有効性は高いと評価できる。しかしながら、大学院における既存の教育体系との比較の観点から、本プログラムがどの程度この成果に貢献したのか判りにくい面も見受けられる。

4.実施計画・実施体制及び継続性・発展性の見通し

 期間終了後も大学院の教育プログラムとして存続し、グローバルCOEに採択され拠点形成を行っており、継続性・発展性の確保が期待できる。今後、LSI設計のための基盤ソフトウェアの人材養成として更に発展していくことが期待できる。また、カリキュラムを更に体系化して、教科書として出版することによって、日本の他のシステムLSIの人材養成機関に方法論を普及させる努力を期待する。

5.中間評価の反映

 全般的に中間評価で指摘されていた事項にはよく対応していると評価できる。但し、基盤ソフトウェアを強化する人材養成についてはやや不十分であったと思われる。

(3)評価結果

総合評価目標達成度人材養成手法の
妥当性
人材養成の
有効性
実施計画・
実施体制及び継続性・
発展性の見通し
中間評価の反映
Bbbbbb

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

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