9.はままつデジタル・マイスター(HDM)養成プログラム

(中間評価)

(実施期間:平成18~22年度)

実施機関:静岡大学(代表者:柳沢 正)
連携自治体:浜松市

課題の概要

 本課題の目的は、最新デジタル技術(3D-CAD/CAM/CAE/CAT)を活用して企画/開発・設計から製造技術までを一貫して構築できるものづくりの統合的能力を持ち、最新デジタル技術と加工法を駆使して“21世紀型の擦り合せて作りこむ"ものづくり能力を持つ技術者(HDM)の養成を行うことである。浜松市と連携して、以下の養成プログラムを実施して、地域に貢献する優秀な人材を輩出する拠点を形成する。1.板材成形、鍛造、鋳造、樹脂成形の各加工要素技術コース毎に基礎技術、応用技術、機械加工、溶接技術、3D-CAD技術、金型設計技術、成形シミュレーション技術を養成する。2.ものづくりMOTコースでは、各加工要素デジタル技術化コースのすべてにおいて、技術経営的視点とその能力を統合的に養成する。

(1)総合評価(所期の計画と同等の取組が行われている)

 当初の計画の実現に向けて、積極的かつ着実に実施してきている。受講希望者の数も多く、社会ニーズに十分合致した取組であると判断される。地元の人材育成体系構想にも位置づけられ、将来の発展を踏まえた取組であるとともに、本課題以外の他のプロジェクトとの連携も適切であり、基盤技術の高度化と新産業創出への貢献に向けて今後の成果を期待する。

<総合評価:B>

(2)今後の進め方(計画をさらに発展させるべきである)

 現状と今後の課題解決に向けてのマネージメントと方向性が明確であり、今後は、鋳造分野も含めて計画を更に発展させることが望まれる。また、「はままつデジタルマイスター」制度の徹底など、市・産業界と連携し、養成された人材が具体的なインセンティブを得る仕組みを構築していくことを期待する。

<今後の進め方:A> 

(3)個別評価

1.進捗状況

 養成人数目標を達成しており、拠点形成も順調に進捗していると判断でき、所期の計画通りに進捗していると評価する。養成コースの事前試行の実施など積極的に当初計画の具体化に向けて努力していると判断される。

2.拠点形成手法の妥当性

 地元産業界のニーズを反映して、適宜カリキュラムが修正されている。また、養成コースを事前試行して問題点を洗い出し、コースの実施計画を見直すなど、地域ニーズの反映や人材養成の手段・方法など拠点形成手法は高く評価できる。さらに、養成修了者の地元での研鑽を促進するため金メダルを授与するなどの技術能力認定制度の仕組みも評価できる。

3.拠点形成の有効性

 養成修了者の地元地域への定着率は高く、本プログラムについての地元企業からの評価も高いなど、拠点形成の有効性については妥当であると評価できる。今後、養成修了者の動向についての追跡調査を実施し、地元定着と養成人材が地元企業にもたらす具体的アウトカムを示せるよう有効性をより明確にしていくことを期待する。

4.実施体制の妥当性

 浜松市、はままつ産業創造センターと地元産業界との連携や支援も十分に行われており、企画評価委員会などの運営体制、充実した講師陣容による養成実施体制など、実施体制の妥当性は高く評価できる。

5.継続性・発展性の見通し

 大学内に人材育成の組織を立ち上げ、本課題の自立化を行う構想など、今後の地域の人材育成構想とも整合がとれており、高いレベルでの継続性・発展性の確保が期待できると評価できる。
 今後は、はままつ産業創造センターなどと連携し、技術を熟知したトップマネージャー人材の輩出を目指してイニシアチブを発揮していくことを期待する。

(4)評価結果

総合評価今後の進め方進捗状況拠点形成手法の
妥当性
拠点形成の
有効性
実施体制の
妥当性
継続性・
発展性の見通し
BAbabaa

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

-- 登録:平成21年以前 --