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1.精密地球計測による地球ダイナミクス

(事後評価)

(実施期間:平成15~19年度)

任期付研究員:眞﨑 良光(所属機関:国土地理院)

(1)総評(所期の計画以下の取組であるが、一部で当初計画と同等又はそれ以上の取組もみられる)

 本研究は地球規模の環境変化につながる大気・水圏の物質移動に伴う地球大気・内部の微細な変動を、測地学的手法(重力、地球自転)による観測から捉え、全球的な質量変動や角運動量の変動パターンの解析を通して、地球回転変動モデルの構築を行なうことを目指したものである。
 極運動励起量(季節変動)を6~7masの精度で把握することを数値目標として挙げ、北半球夏季のχ2成分を除いて達成できており、また、コロケーション・観測は当初の計画とはやや視点が異なっているものの実務的に重要であることからも評価できる。これらの目標は使用するモデルの精度にも関わることから、その物理的な意味や因果関係を示すことが重要と思われ、大気励起モデル間の較差について突っ込んだ研究がなされている。しかしながら、中間評価により変更された計画に対し、十分に満足のいく取り組みがなされたとは言い難く、途中で目標を見直したにもかかわらず、一部未達項目がある。当初の計画はテーマが広範であり、個人として取り組む課題としては、達成が難しいものであった。
 目標達成度については、モデル励起量と観測励起量との間の比較検討ができる程度まで、モデルの改善ができたことは評価できる。また、GRACEデータの遅れにもかかわらず、必要な情報を算出し、同データの将来的な有用性を示唆できた。中間評価により当初計画を見直した結果、かなり目標が絞られたものの、目標と成果の対比が曖昧であり、なお当初計画の見直しに改善の余地があったものと考えられる。
 研究成果については、大気励起モデル間の較差については、国際的に質の高い研究がなされており評価できる。本研究は、将来の地球回転・重力変動の地球規模での気候・環境変動への応用につながるものである。しかしながら、構築されたモデルの評価・検証が十分になされておらず、研究価値を評価する段階に至っていない。また、現時点では成果の関連分野への大きな波及効果は期待できない。中間評価でも指摘されているが、査読付原著論文がやや少なく、研究成果の情報発信が十分ではない。
 研究計画については、中間評価時の変更は情勢変化や進捗状況を適切に捉えた計画変更ではなく、個人として取り組む課題としては広範なテーマであったものを絞り込むための計画変更であり、当初の計画がやや不適切であったと考えられる。また、本テーマは本来、気象、海洋、陸水(土壌水分)の研究者と連携して進めるべきであったと思われる。
 中間評価の反映については、評価結果を踏まえ、研究対象を絞るなどの見直しを行っている。また、海外を含め同種の目的を有する研究者との共同研究や情報交換について、積極的な取り組みがなされている。しかしながら、その後さらに変更を余儀なくされており、「はっきりした仮説や達成点をあげ、スコープを絞る。」という点で、改善の余地があったものと考えられる。
 以上より、総合的に判断し、所期の計画以下の取組であるが、一部で当初計画と同等又はそれ以上の取組もみられると評価された。

<総合評価:C>

(2)評価結果

総合評価目標達成度研究成果研究計画中間評価の反映
Cbccb

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

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