1.分散コンポーネント型ロボットシミュレータ

(事後評価)

(実施期間:平成17~19年度)

代表機関:独立行政法人産業技術総合研究所(代表者:比留川 博久)
参画機関:東京大学、ゼネラルロボティクス株式会社

課題の概要

 ロボット用ソフトウェアの蓄積に適した分散コンポーネント技術に基づくフレームワークを提案し、このフレームワーク上に構築されるロボットワールドシミュレータを開発する。フレームワークの基盤としては国際標準化が進んでいるRTミドルウエアを利用する。シミュレータは、マニピュレータ、移動ロボット、ヒューマノイドを含む多種多様なロボットを対象とし、かつ、数値安定性の高いものを開発する。開発される分散コンポーネント型のシミュレータの普及によって、ソフトウェアの再利用が促進され、次世代ロボットの開発が効率化されることが期待される。

(1)総合評価(所期の計画と同等の取組が行われている)

 全体としては計画どおりであり、想定されたミッションは達成されている。特に、次世代ロボット研究開発の共通プラットフォームとして、分散コンポーネント技術に基づく汎用のロボットシミュレータOpenHRP3を開発し、オープンソースとしてロボット研究者・開発者に提供し、多くの研究者に利用されはじめている点と、シミュレータ中の仮想ロボットと実機ロボットの巨視的挙動が一致することが実験的に検証されている点は高く評価される。一方、海外への情報発信はこれからというところであり、その拡充が望まれる。さらに、我が国の国際競争力の強化という観点から、海外特許の取得も期待したい。

<総合評価:B>

(2)個別評価

1.目標達成度

 分散コンポーネント技術に基づく、汎用かつ数値安定性の高いロボットシミュレータを開発した。シミュレータと実機との実用的等価性の検証のミッションステートメントに記載された個々の目標を達成している。

2.情報発信

 情報発信については、計画どおり、次世代ロボット研究開発の共通プラットフォームとして、分散コンポーネント型ロボットシミュレータOpenHRP3を、ロボット研究者・開発者にオープンソースで提供し、広く認知されることに成功している。一方、次世代ロボット連携群のミッションに含まれていたわけでは無いが、Webページやマニュアルの英語化は、つい最近完了したとのことであり、海外への情報発信はこれからというところである。我が国の国際競争力の強化という観点から、本プロジェクトからの海外特許の取得も期待したい。

3.研究計画・実施体制

 研究計画・実施体制については、研究計画、実施体制ともに適切である。各テーマで成果が得られている。一般のロボット研究者・開発者がOpenHRP3を利用することにより、将来的な成果が期待されている。

4.実施期間終了後における取り組みの継続性・発展性

 既に後継プロジェクトが発足しており、学術的な発展も大いに期待でき、実施期間終了後における取組は妥当である。今後、適切にユーザーサポートを行い、利用を促進し、ソフトウェアのバグ修正・改良を進めて、ソフトウェアとその利用がさらに発展することを期待したい。オープンソースソフトウェアとして、コミュニティベースの開発が始まることが期待される。その一方で、コミュニティベースの開発と整合させることが必要であるが、ビジネスの観点からは、ソフトウェアシステムの事業化やビジネスモデル特許の取得等も期待される。

(3)評価結果

総合評価目標達成度情報発信研究計画・
実施体制
実施期間終了時に
おける取り組みの
継続性・発展性
Bbbbb

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

-- 登録:平成21年以前 --