7.リサイクルゴム活用による舗装の高耐久性化

(事後評価)

(実施期間:平成17~19年度)

代表機関:中央大学(代表者:姫野 賢治)
共同研究機関:
株式会社ブリヂストン、SRI研究開発株式会社、横浜ゴム株式会社、東洋ゴム工業株式会社、ミシュランリサーチアジア株式会社、株式会社NIPPOコーポレーション、大成ロテック株式会社、福田道路株式会社、前田道路株式会社、大有建設株式会社、東亜道路工業株式会社、日進化成株式会社、ニチレキ株式会社
関連研究機関:長岡技術科学大学

課題の概要

 現在、わが国では毎年100万トン、本数にして1億本を超える廃タイヤが発生しており、この内の約44%がセメントキルン用の燃料としてサーマルリサイクルのために、また、43%が国内外で更正タイヤの台タイヤ等へのマテリアルリサイクルのために適正に再利用されている。しかし、残りの13%は中間流通在庫等となり、その一部は不法投棄の予備軍となっている可能性がある。
 そこで本研究では、タイヤ会社、改質アスファルト製造会社、また、道路舗装会社などの関連する多数の主要な組織が大学と一体的・有機的に協力し、舗装用アスファルトに廃タイヤから得られるどのようなゴム粉をどのような条件でアスファルトに混入して、どのようなアスファルトラバーを製造し、さらにこれを用いてどのような舗装設計を行うべきかについて検討することにより、非常に優れたアスファルトバインダを製造する技術を開発することを目的とした。

(1)総合評価(所期の計画と同等の取組が行われている)

 環境がますます重視される社会情勢において、廃タイヤから得られるゴム粉を舗装用アスファルトに混入して再資源化を目指す本研究は、ライフサイクルコストについても考察が為されており、産学共同研究としては十分な成果が得られている。しかし、騒音低減効果の検証や貯蔵安定性等の技術的課題を一部残していることから、実用化に向けた更なる研究の継続を期待したい。

<総合評価:B>

(2)個別評価

1.目標達成度

 当初予定していた調査・試験・分析内容に関しては、貯蔵時の材料分離を回避する技術の一部を除き、ほぼ完了したと判断できる。また、アスファルトラバーを用いた舗装廃材の再生法に関しても検討が行われていることは評価できる。しかしながら、完全に性能が確保されているとは言い難いところも有り、実用化を目指したさらなる取り組みが必要であると判断される。

2.研究成果

 リサイクルゴム粉を用いたアスファルトラバーの製造方法をほぼ確立し、室内試験を通じて舗装の物性や機械的特性を明らかにし、ストレートアスファルトやSBS混入アスファルトを上回る性能を有し、ライフサイクルコスト的にも優れたものが得られている。一方、騒音低減効果、貯蔵安定性、環境影響評価において一部計画が満たされていないことや、ドライビングシミュレーターを用いた研究が、目的に直接結びついていない点等の課題もある。また、論文による成果公表や特許出願が不足しており、今後、本研究成果に関する知的財産の保護に対する努力が必要である。

3.研究計画・実施体制

 タイヤメーカーのみならず改質アスファルトメーカーや道路舗装会社などの、関連する多くの組織との連携が図られ、強力な組織体制になっており、各機関が大学を中心として効率的に研究を実施したと言える。しかしながら、今後の実用化への可能性・方策に関し、プロジェクト全体としての更なる検討が望まれ、官との連携も図りながら、技術の開発や普及を効率的に推進することが望まれる。

(3)評価結果

総合評価目標達成度研究成果研究計画・実施体制
Bbbb

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

-- 登録:平成21年以前 --