「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」(第18回)議事要旨


1. 日 時: 平成16年3月22日(月)16:00〜18:00

2. 場 所: 社会技術研究システム・第1会議室

3. 出席者:
(委  員) 中島尚正座長、井上孝太郎委員、大野浩之委員、小野芳朗委員、河田恵昭委員、高取健彦委員、竹内勤委員、柘植綾夫委員、御厨貴委員
(事務局) 河村政策課長、土橋調査調整課長、川端計画官、内丸計画官付企画官

4. 議 題
(1) 報告書(案)における全体の流れについて
(2) その他

5. 報告事項
(1) 「安全・安心な社会を実現する科学技術人材養成」の活動について

6. 議事概要
(1) 報告書(案)における全体の流れについて
  報告書(案)における全体の流れについて、安全・安心な社会の構築に向けて重点的に取り組むべき課題の検討状況や中間報告後に検討された事項(安全・安心な社会の構築に必要な教育、地域コミュニティ作り、関連技術の国際標準化への取り組み等)を中心に事務局より説明し、議論を行った。今後も議論を進め、4月中を目途に報告書をまとめることとした。委員からの主な意見は以下のとおり。
委員】
重点課題抽出の検討対象から外した安全・安心を脅かす要因に関し、その理由を明記すべきである。
安全な社会を支えるコミュニティ作りに関し、地方自治体においては、条例等を制定し、安全・安心なまちづくりを推進しているところもある。そのような事例を今後フォローしたほうが良いのではないか。
大学において、教育とは別に、研究や地域社会との関わりあいに関しては、これまで経済活性化といった観点からの拠点作りは大分できているが、それ以外の安全・安心な社会の構築といった対象に関する大学の対応は遅れているのではないか。
我が国は、技術水準では世界をリードしているが、標準化、規格化の段階では意見をまとめられないため主流派になれないことがある。我々の社会の安全・安心に密着するような技術に関しては、そのようなことがないよう、国際標準化活動に関与していくことが必要。
(2) 報告概要
  科学技術振興調整費で行われている「安全・安心な社会を実現する科学技術人材養成」の活動について、研究代表者の御厨東京大学教授よりご報告いただいた。主な内容は以下のとおり。
内容】
初年度のミッションとして、「安全・安心と科学技術」に関する基礎的な知識・理論を提供して、当該分野に関わる産・官・学・報道のネットワーク作りのきっかけとなりうる共通コースを開講した。
受講生65名の内訳は、セクター別に分類すると、産26%、官42%、学14%、政治9%、報道9%であった。また、分野別にみると、エネルギー22%、国防20%、治安17%、情報セキュリティ15%、食品関連12%、医療5%等となっており、幅広い安全・安心に関連した分野の方にご参加いただいた。
平成15年度は、「基盤となる学問」として、安全安心史観、科学技術史、国家論等の講義を行った。また、「個別の事例研究」として、テロや国家安全保障等に関し講義を行った。さらに、「共通の指標、問題解決手法」として、社会技術やリスク認知・評価等の講義を行った。
受講生からは、「安全・安心について多角的に考察でき、『安全だけで安心できない』といった、つかみきれないものをつかんでいく際の指標を得られた」、「立場によってリスクに対する見方が異なることが理解できた」といった声が寄せられ、80%の受講生から、安全・安心に関わる人たちのネットワーク作りができたとの声が寄せられた。
平成16年度は、きょう社会技術・演習や、公衆衛生、医療過誤、治安、社会心理学の観点から安全・安心についてのディスカッションを考えている。また、共通コースを基盤に、アドバンストコースとジャーナリストコースを開講する予定である。
(3) その他
次回開催は、4月12日(月)15時〜17時を予定。


(科学技術・学術政策局計画官付)

-- 登録:平成21年以前 --