「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」(第10回)議事要旨

1. 日   時: 平成15年   11月4日(火)10:00〜12:00
2. 場   所: 社会技術研究システム・第1会議室
3. 出席者:
(委   員) 中島尚正座長、井上孝太郎委員、取健彦委員、竹内勤委員、御厨貴委員
村山裕三委員
(事務局) 井上科学技術・学術政策局次長、小田審議官/原子力安全監、土橋調査調整課長、倉持基盤政策課長、内丸計画官付企画官

4. 議   題
(1) 安全・安心な社会の構築に向けた重点課題の抽出方法について
(2) その他

5. 議事概要
(1) 安全・安心な社会の構築に向けた重点課題の抽出方法について
     安全・安心な社会の構築に向けた重点課題の抽出方法について、事務局より説明を行った。主な内容は以下のとおり。
【内容】
「安全・安心な社会の構築に向けて、迅速かつ重点的に取り組むべき科学技術政策上の事項を抽出する」ことを目的とし、最終的にある程度科学技術政策の形に沿った重点課題を抽出したい。
当懇談会での「科学技術」とは、研究開発だけでなく人材養成、理解増進、社会技術等を含んだものをスコープとする。
特性が全く異なるリスクの間では比較そのものが困難なため、まず意図的/非意図的で分類する。
重点化の観点および各観点に対応した評価軸を設定し、重点課題を抽出する。
中間報告で示した「安全・安心を脅かす要因の整理結果」から重点課題の検討対象を設定するが、検討対象は安全を脅かす要因に限定し、年金問題や雇用問題等の安全を脅かす要因でないものは検討対象から外す。
抽出した重点課題に関し、個別の対策を抽出するとともに、共通性の高い対策を抽出して、共通対策としての重点化の対象とする。
 委員からの主な意見は以下のとおり。
【委員】
喫緊というよりは長期的に徐々に進むような地球環境問題等のリスクに関しては、今、安全・安心な社会を構築するために必要な重要課題とすべきなのか、違うカテゴリーでやるべきなのか、今後専門家を交えた議論が必要。
安全を脅かす要因に限定するのは賛成だが、重点化の観点が「高度化・複雑化による社会生活・インフラの脆弱性」「相互依存性の高まりによる世界問題化」の2つだけでは単純化され過ぎている。もう一工夫して欲しい。
「個人から出てくるニーズ」、「国として考えなければいけないこと」、この2つの視点から重要課題を抽出する必要がある。
重要課題を抽出するための観点や評価軸も重要だが、排除する観点や評価軸も重要である。
国際的・国内的に戦略的かつ組織的に進められているものや、成功したときの寄与度は大きいがフィージビリティが高くないもの等は排除すべき。
評価軸には、国として新たに取り上げることの必要性を評価軸としても良いのでは。
個人レベルの安全・安心と、国家的課題としての安全・安心をどのようにうまく結びつけるか考える必要がある。
国民の関心は自分の身の回りの安全・安心であるが、それが国家レベルの安全・安心とどのように結びついているか説明が必要。
アンケート調査は、タイムリーな問題に意見が偏ってしまう。アンケートに全て頼るのは危険。我々は時代の先を読んで、発生したら大きな影響があるものに対する対策を打つという発想が必要。
意識せずに一定レベルの安全・安心が得られていた時代ではもうなく、個々人が自分の身は自分で守らなければならない危ない時代であるという説明を行い、その上でアンケートを取るほうが良い。

(2) その他
次回開催は、11月28日(金)13時〜16時を予定。


(科学技術・学術政策局  計画官付)

-- 登録:平成21年以前 --