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特定非営利活動法人 学生人材バンク

学生にキッカケを 地域に笑顔を

所在地…〒680-0945 鳥取県鳥取市湖山町1-246
TEL…0857-37-3373 FAX…0857-37-3374
URL…http://i-site.jinzaibank.net/dd.aspx E-Mail…info@jinzaibank.net

鳥取県鳥取市

1 団体の概要

代表者名…中川(田中)玄洋
設立年月…2002年4月 認証日…2008年5月15日
有給スタッフ数…常勤/7名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…21,808,112円 
(内訳:会費40,000円、事業収入19,392,951円、寄付金1,788,504円、その他586,657円)

活動の目的・趣旨

 学生に対して、社会参画や地域おこしに関する事業を行い、学生の成長や地域の発展に寄与することを目的とする。その手段として、情報提供や企画運営を行い、学生にとっては経験や人脈が財産となり、地域にとっては新しい視点や行動力、人脈が財産となるようつとめる。

団体の設立経緯

 田中代表は、鳥取大学農学部の学生時代から鳥取県内の地域活動に関するメーリングリストのメンバーとして、地域活動に携わってきた。鳥取県内で学生に向けて地域に密着したボランティアやアルバイト等を提供できる団体がないなかで、きっかけがあれば主体的に活動できる大学生や、情報がなく悩んでいる学生の姿をみて歯がゆく感じていた。そこで、後輩に地域との交流を深めるきっかけを与えたいとの思いから、2002年、農山村のボランティア情報を提供する「学生人材バンク」を設立。鳥取県内を中心に、文科省が実施する生涯学習フェスティバル、国民文化祭などのボランティアコーディネート、農山村の魅力を伝える「農村16きっぷ」(鳥取県委託事業)など幅広い事業を展開している。

主な活動内容

1.「鳥取県農林水産部耕地課事業農山村ボランティア」事業

  • 学生ボランティア派遣「農村16きっぷ」
  • 農村体験交流「村咲く」
  • 田舎応援戦隊「三徳レンジャー」

2.ボランティア・イベント・アルバイトの情報提供事業

  • 交流スペース「鳥取情報市場」
  • 電子メール配信サービス「とりっく」

3.地域の発展などに寄与する活動の受託

  • 鳥取県農林水産部耕地課事業農山村ボランティア
  • 若者ボランティア・地域活動支援センター事業
  • 日本のまつりボランティアセンター事業

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 「鳥取県農林水産部耕地課事業農山村ボランティア」事業

1.農村16きっぷ

 農村16きっぷは鳥取県全域の集落に学生ボランティアを派遣し、稲刈りなどの農作業や、農業用水路清掃、水路柵作りなどに取り組むものである。農山村地域と学生の交流を促すことで、学生が農山村地域資源の重要性に気づき、環境保全の意識が高まるキッカケになることを期待するとともに、農山村地域にとっても集落外部の人との交流が農山村地域を活性化する一助になることを企図している。
 学生人材バンクは鳥取県からボランティアを取りまとめる事務局機能を委託され、過疎化と高齢化が進む農山村で学生ボランティアを指揮する役割を担う。活動を開始した2003年当初のボランティア受け入れ地域は鳥取市国府町上地、日野町など県内16集落であったが、現在はボランティア需要地区の増加に伴い29集落まで広がり、年間約500名の学生が参加している。
 また、この事業の財源には「鳥取県中山間ふるさと農山村活性化基金」の運用益が充当されており、2008年度から3年契約で事業者が選定されている。事業者として選定された学生人材バンクは、事務局を運営する傍ら、以下の「村咲く」プロジェクトや「三徳レンジャー」といった自主事業を主催している。

2.「村咲く」プロジェクト

 鳥取県南東部にある、八頭郡智頭町にある中島集落において行われる、地域住民との交流を図る体験型プログラムである。農山村に関心のある学生が夏と冬の年に2回、公民館や民家に宿泊し、農村を散策するほか、地域で開催されるイベント「野菜のつかみとり」、「ソーメン流し」等に参加するなどしている。夏休みは2泊3日、冬休みは1泊2日の日程で、対象者は主に立命館大学の学生が中心である。毎年何人かリピーターとなる学生もでてきている。
 加えて、地域の方に何かをお返ししたいとの学生側の思いから、例えば、いのしし用の防護柵の設置や、公民館のクリスマスの電飾のお手伝いなど、地域の要望を学生が汲み取り実施される活動が生まれてきた。

農村体験交流「村咲く」プロジェクト
農村体験交流「村咲く」プロジェクト 

3.田舎応援戦隊「三徳レンジャー」

 鳥取県中央部に位置する、古代山岳信仰の霊峰・三徳山のふもとで、カラフルなつなぎをトレードマークに鳥取大学農学部の学生7名が「隊員」として、三徳地域の農家の支援のもと2反の水田を借り入れ、お米の生産から流通・販売まで行うものである。
 学生たちは農家の方と一緒に、稲の間に生えた稗を鎌で刈ったり、草刈り機で雑草を除いたりと農作業に励むほか、鳥取大学の学園祭で自分たちが生産した米の販売を行う。「三徳地域で作られる米は食味値が高いので、美味しい米が作られる地域であることを広く発信し、学生が作っているブランドとして米に付加価値をつけていきたい」と田中代表は語る。
 また、農山村の活性化に貢献したいと、「隊員」である7名の学生は、学業やアルバイトで忙しい間を縫って、米作り以外にも若い労力が必要とされる水田の草刈りなどのボランティア活動に積極的に参加している。

 これらの農村16きっぷの活動内容は、毎年2回、農山村情報誌「農村16きっぷ」として編集される。Uターン・Iターンに興味のある一般の人や、行政、学生、農山村地域の関係者を対象に4,000部が発行されている。

田舎応援戦隊「三徳レンジャー」作業風景
田舎応援戦隊「三徳レンジャー」作業風景 

3 事業の成果と課題

鳥取県内の学生を束ねるネットワーク

 鳥取県内で農山村地域と学生のボランティアを束ねる組織は、学生人材バンクが初めてである。ボランティア・イベント・アルバイト情報を配信する電子メール配信サービス「とりっく」に参加する学生は、新規登録者が年間約450名。全体で約1,400名の登録学生が参加しており、この数は鳥取大学・鳥取環境大学に所属する学生の約20%に当たる。約1,400名の登録学生のうち、アルバイトやボランティアに参加している人数は、平均して延べ500名から600名にのぼる。
 2009年には、これまで農山村の交流で優れた取り組みが評価され「第6回オーライ!ニッポン大賞」(農林水産省などが主催)でグランプリに次ぐ大賞を受賞した。

農山村地域の活性化に貢献する

 活動を通して、学生を受け入れる農山村地域の人の姿勢も変化してきた。活動を開始した当初は就農するか分からない学生を無償ボランティアとして受け入れることに抵抗を感じる人も少なくなかった。しかし、活動を継続するなかで信頼関係が構築され、空き家や機械などを快く無償で提供するなど歓迎する人も増えてきた。農山村地域の重要性を新しい世代に伝え、農業を発展させていくためには、地域の人に学生が農山村に入ることを受け入れてもらうことに加え、学生も悠々自適な田舎暮らしのイメージに左右されず地域のルールを守り、お互いに寛容になることが不可欠であるという。
 学生人材バンクの活動を通じて、学生には農山村で働くキッカケが生まれ、地域の人は学生と関わることで笑顔になるような信頼関係や地域への愛着が育まれている。また、農山村ボランティアとして活動に参加した学生のなかには、実際農家に就農する例も出てきている。

「三徳レンジャー」稲刈り風景
「三徳レンジャー」稲刈り風景 

大学で学んだことを社会に生かす

 「農山村現場の生の情報に触れることで、大学で学んでいることを社会でどのように生かせるかを考えることができるはず。それをきっかけに、自主研究や社会活動の幅が広がるという好循環に期待している」と田中代表は話す。実際、学生人材バンクにボランティアスタッフとして参加している鳥取大学農学部の畠山さんは「村咲く」プロジェクトでの経験を「生の体験を通じて楽しさ、大変さを実感するとともに、農学の理論的な裏づけが曖昧な点も学んだ。将来就農することも検討しながら、今の勉強を続けたい」という。大学で学び、現場でスキルを実感する繰り返しが、より深い農山村体験へとつながっている。

より多くの学生に情報を届けるために

 「農村16きっぷ」の活動に参加するボランティアには意識の高い学生が集まっているが、ここ数年の傾向として、ボランティアに積極的に取り組む関心の高い学生と、関心のない学生との二極化が進んでいる。後者の学生のニーズを汲み取り、意識を喚起する工夫を行いながら、活動に参加できるよう分かりやすい情報の発信を行う必要があると考えている。

4 今後の展望

社会人へもボランティアの輪を

 農山村地域と学生の交流を深めるために、ノウハウを積み重ねコンサルタント機能まで担うことにより、次の世代が引き継げる基盤を構築したいと考える。また、今後対象を学生だけでなく、社会人をも視野に入れ、主に20代から30代前半の社会人にボランティアの輪を広げたい。そのなかから、就農やまちづくりといった地域の課題を解決する人材が育つと考えている。

NPO法人として団体を継続させるために

 学生人材バンクを継続させるためには、収益確保が不可欠である。その一手段として「三徳レンジャー」プロジェクトによる米の販売収入の向上に加え、地域とのネットワークを生かした農産物の物販・物流事業の開始や、新たに社会人向けの農村体験講習の開催などを事業化することを検討している。
 現在、職員の平均年齢は26歳であるが、年収は200万円から300万円程度の分布になっている。また、行政からの委託事業を受注しても、NPO法人に移管する事業の人件費が年収200万円ベースで予算計上されているため、継続が難しい面がある。行政が担うことのできない公共サービスを、より質の高い形で民に移管するのであれば、サービスの質に見合った予算を組むべきであると考える。
 NPO法人が知見やノウハウを提供しているにもかかわらず人件費が行政職員よりも大幅に低いのであれば、NPO法人は退職したシニア世代が行う奉仕活動にしかなり得ないと考える。民間に委託することでサービスの質が向上しかつ費用が抑えられることが望ましいが、民間への移管を支えるシステムとして、受け皿になるNPO法人の雇用を支える行政内での体制づくりを検討する時期にきていると考える。

(ヒアリング応対者:代表理事 田中玄洋氏)

 地域のニーズ・学生のニーズから学生人材バンクは生まれた。学生・地域の両方から感じることは、「何をしたらいいのか、どこに相談したらよいのか」が分からないという点である。「ならばやってみよう!」というお手伝いを丁寧に成し遂げることで、地域から明日を担う人材が生み出せるのではないか。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --