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特定非営利活動法人 グリーンスポーツ鳥取

人と自然の「芝生の交流の場」を広げよう

所在地…〒680-1417 鳥取県鳥取市桂見831-14
TEL…0857-32-6282 FAX…0857-32-6282
URL…http://www.greensportstottori.org/
E-Mail…info@greensportstottori.org

鳥取県鳥取市

1 団体の概要

代表者名…ニールスミス
設立年月…2002年6月 認証日…2002年9月27日
有給スタッフ数…常勤/1名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…11,171,072円
(内訳:事業収入(校庭等芝生化支援事業)11,170,324円、受取利息748円)

活動の目的・趣旨

 地域住民に対して、スポーツの啓発普及、競技者指導者及びボランティアなどの育成、スポーツ施設の管理運営などの事業を行い、以てスポーツの振興及び子供の健全育成に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 地元のラグビー仲間と一緒にプレイできる芝生グラウンドのあるクラブをつくりたいとの思いが、団体設立のきっかけである。ニール代表が生まれ育ったニュージーランドのスポーツ環境は芝生グラウンドが主流であり、硬い土のグラウンドを中心とする日本の校庭とは大きく異なる。地域住民がふらっと立ち寄り、安心して思いきり遊ぶことができる芝生広場(グリーンフィールド)をつくろうと、湖山池周辺の県有地を無償で借り入れ、芝生広場に整備し、地域に無料開放している。その活動は現在全国に広がり、1,300カ所の芝生が整備されている。

主な活動内容

1.芝生の維持管理事業

 芝生の維持管理を中心とした芝スポーツの普及啓発活動

  • ラグビーやサッカーなどの芝スポーツの普及に欠かせない芝の維持管理
  • ペタンクなど新しい芝スポーツの普及活動
  • 幼稚園、学校や企業の運動会の企画・実施の支援
  • 地元の音楽愛好家や芸術家による野外演奏、展示やイベントの支援
  • 盆踊りや夏祭りなど地元住民・自治会企画のイベントの支援
2.校庭・空き地等芝生化事業

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 芝生の維持管理事業

 この事業での目的は「ラグビー、サッカーなどのスポーツやその他のレクリエーション活動を天然芝の上で楽しく安全に行うことを支援する」ことにある。
 2003年、湖山池周辺の21,000m2の県有地をバミューダグラスという種類の苗移植方式によって3カ月間で芝生化することに成功した。その芝生広場(グリーンフィールド)を地域に無料開放して以来、ラグビー、サッカー、ホッケーの各クラブの練習と試合会場として定期的に利用されている。
 また、試合会場として利用されるだけでなく、周辺地域の住民が散歩を楽しむ憩いの場や、納涼祭など地域交流を図るイベント開催場など多目的に利用されている。

湖山池周辺のグリーンフィールド
湖山池周辺のグリーンフィールド 

「鳥取方式」として商標登録

 芝生に対する理解者を増やすためには、芝生に対して愛着を持つ一般市民を増やすことが不可欠である。幅広い市民からの協力を得るために、
 1.校庭や遊び場には成長力の旺盛なバミューダグラスを採用する
 2.ゴルフ場のような高級芝生を目指すのではなく、年中緑で覆われた草原を造成する
 3.自然に侵入する野草は自然の一員とみなし除草は行わない
 4.造成についても行政に依存せずに、芝刈り、施肥作業は利用者、行政、業者、住民等が協同で行うなどの基本コンセプトを設定している。これらのコンセプトを持つ芝生化と芝生維持管理の方法を「鳥取方式」と命名。日本芝生学会2006年秋季(鳥取)大会で公表し、2010年に商標登録した。
 日本人に芝と草の違いについて聞くと、多くの人が「芝は高価で希少なもの」、「草は自然に生えているもの」と回答する。しかし、英語であれば「Grass」一言で、芝と草の両方の意味を表す。定期的に「Grass」を刈りこめば芝生になる。
 鳥取方式では、「高級品」の芝生だけではなく、家庭や学校、プロの試合に至るまで、利用内容、競技レベル、利用頻度に応じた芝生化と維持管理を行うことに大きな特徴がある。

事業名称 園庭・校庭・空き地等芝生化事業

 グリーンスポーツ鳥取では、真のスポーツの楽しみ方と、基本技術、運動能力を幼少期から習得するためのステージとして、誰もがいつでも利用できるグリーンフィールドを展開し、競技スポーツの底辺拡大と生涯スポーツの充実の推進を目指している。
 子どもにとって一番身近な遊び場となる園庭や校庭は、身体を動かす楽しさと基本動作を覚える貴重な場所であり、校庭を芝生化する意義は大きい。園庭・校庭や近所の公園などの遊び場の芝生は、ゴルフ場や競技場のように隅々まで手入れされた高度なものは必要ない。維持管理は、芝刈り、施肥、灌水が中心で、施工に関しては、勾配をつけて表面排水を確保することで、さらに低コストでの芝生化が可能となる。

住民の誰もが気軽に安全な芝で遊ぶことができる
住民の誰もが気軽に安全な芝で遊ぶことができる 

芝生の遊び場を使ったスポーツを楽しむために

 活動を通じて主張しているのが、スポーツの場における練習至上主義を打破することである。スポーツを通じて子どもが健やかに育つためには、規定の時間で練習を終え、放課後の時間を他の趣味や勉強、家族との時間などにあてることが重要だと考えている。
 日本では練習至上主義が浸透しているが、全世界的にみれば学生のサッカー、ラグビーなどの練習は、練習に適している季節に週2~3時間程度行うのみである。試合のための練習や練習のための練習という意識を変えてもらうために、湖山池周辺のグリーンフィールドで活動を行う冬スポーツクラブには、練習時間を10月から4月までの週2回、1時間から2時間と条件を設けている。
 園庭・校庭・遊び場の芝生化事業では、鳥取市児童家庭課、鳥取県体育協会、鳥取県教育委員会、鳥取県企画部、日本サッカー協会、その他多数の自治体との協働で、2010年度までの8年間に、全国45都道府県、200万㎡、1,300カ所の芝生化が達成された。そのうち、幼稚園・保育園から大学を含めた教育関連施設が約6割、一般家庭が約2割である。
 また、芝生化が全国に展開された背景には、芝生を維持管理する一般市民ボランティアの存在も大きい。これまで、参加したボランティアは、園児、小中学生、保護者、地域住民など数万人に達している。

犬が思い切り遊べるグリーンフィールドが一面に
犬が思い切り遊べるグリーンフィールドが一面に 

3 事業の成果と課題

芝生に対する意識の転換を図り、全国へ広がる

 全国の園庭・校庭・遊び場の芝生化事業では、「鳥取方式」の浸透により、芝生は高嶺の花で整備には多額の費用が必要であるという意識から、低コストでも実現可能だという情報が広く一般市民にも共有された。
 成果として、全国各地の保育園や小学校などで「鳥取方式」で芝生化する事業が増えてきた。これは、単に芝生化することではなく、効果の小さい費目を削減し、最も大事な芝生の種類、散水、表面排水などに重点的に投資する鳥取方式の芝生化計画と維持管理方針が行政内で評価された結果だと考える。

既存の業界からの反発に対応

 「鳥取方式」は、過剰と思われる資材・機械類を使わないで利用・面積に応じた施工方法によって従来よりも低コストで芝生化を提案している。既存の造園業界からは、粗悪な芝生、価格破壊、造園業界の邪魔者、などの非難もあった。しかし、グリーンスポーツ鳥取が目指す園庭・校庭・遊び場の芝生化は、従来の芝生化の範疇に該当しない新しいコンセプトで、新たなニーズを開拓しているとの認識で対応している。
 また、「鳥取方式」に対する全国的な認知が広まるにつれて、便乗商法が出現している。低コストで、全国各地で芝生化を実現できるように簡便な方法を提案しているため、苗づくりが誰でも作成しやすい「鳥取方式」のコンセプトを無視して、苗を高額でネット販売する業者が現れた。よって、やむを得ない措置として「鳥取方式(R)」を商標登録した。

行政財産をNPOへ長期無償貸与

 活動初期は、県有地を長期無償で借り受けるにあたって、行政との折衝に苦労した。団体が活動を始めた2002年当時、行政財産である土地の無償貸与の対象は、県条例で公共団体のみに限定されていた。
 そこで、当時の片山善博鳥取県知事をはじめ行政に働きかけ、「公共団体あるいは、公共性のある活動をしている民間団体(例えばNPO)」と文言を修正し、条例の中にNPOを公益団体として認めるような改正を行う必要性を説いた。その結果、5年間無償で当該土地の借り入れに成功した。NPOとの新しいパートナーシップの先駆的事例をつくりたい行政と、グリーンフィールドをつくりたいグリーンスポーツ鳥取との目的が合致し、現在2回目の契約更新を迎えている。

実績が認められ行政とのパートナーシップが進む

 また2009年より、全国の芝生化への実績がかわれて、鳥取県教育委員会と維持管理指導助言業務に関する3年間の業務委託契約を締結した。県立学校の芝生の維持管理計画に対して、入札書類の作成・入札価格や仕様の設定に関する助言などの専門的なアドバイスを行っている。
 芝生化に対しては、行政以上のノウハウを持つグリーンスポーツ鳥取が、行政と業者の仲立ちを行い、専門的な見地から行政側の立場で事前相談に応じる仕組みである。行政はグリーンスポーツ鳥取と連携することで、総事業費をおよそ3割削減するとともに、事務書類等の報告頻度を減らすなど、業務の合理化を達成した。
 また、グリーンスポーツ鳥取が行政と業務委託契約を締結することで、さらに他の業者に仕事を発注することもある。県庁の稟議の中で芝生化に関する事業があれば、グリーンスポーツ鳥取が概算要求を確認する流れが生じている。
 これらの行政とのパートナーシップが実現した背景には、知事のリーダーシップが大きい。行政の中には、NPOの仕事は無償で、安く費用を抑えられるといった考えを持つ人も多い。NPO法人は行政にはないノウハウや経験を持ち、新たな仕事を創るものだという意識が行政内に広まるまで、地道に活動を続け、実績を重ねることがNPO法人の評価の底上げに直結すると考える。

日本の芝生維持管理の革新を目指す二―ル氏
日本の芝生維持管理の革新を目指す二―ル氏 

4 今後の展望

新しい形のパートナーシップを模索する

 芝生化支援事業が必要のない状態になることが最終的な夢である。この夢を達成するためには、既存の先入観を打ち破る必要がある。行政との連携が事業継続の一つの鍵であり、同じ理念を共有することが新しい事業の創造につながると考えている。
 日本の校庭芝生化は全国で約4%程度といわれているが、全国で芝生化が進んだ場合、ボランティアだけでは対応しきれない。行政・業者・一般市民を含めた連携を図ることで、新たなネットワークや連携事例を生み出し、新しいコンセプトと新しい基準で新たな事業を構築していきたい。

(ヒアリング応対者:代表ニールスミス氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --