ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 大泉国際教育技術普及センター

外国籍の子どもたちに、学びの場と希望を与えたい!

所在地…〒370-0517 群馬県邑楽郡大泉町西小泉2-22-7 日伯センター気付
TEL…0276-62-0814 FAX…0276-62-6106
URL…http://www.geocities.jp/endoy3/nippaku_gakuen/index.html

E-Mail…cnbo@lapis.plala.or.jp

群馬県邑楽郡大泉町

1 団体の概要

代表者名…髙野祥子
設立年月…2001年7月 認証日…2001年7月2日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…21,661,234円
(内訳:催事関連収入1,427,500円、補助金17,110,363円、寄付金2,666,797円、その他456,574円)

活動の目的・趣旨

 市民参加、相互扶助の精神のもと、すべての日本人および日本で生活をする外国人に対し、各種語学の指導、社会教育その他教養を得る機会の提供、産業技術を習得する機会の提供、文化の指導・交流、生活上必要な助言・情報提供・相談などを行うことを通じて子供の健全育成、外国人の地域社会への参加を図り、外国人と日本人の真の共生を促進し、国際交流に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 大泉国際教育技術普及センターのある大泉町には、多くの日系ブラジル人が住んでいる。近辺に富士重工業株式会社や三洋電機株式会社などの工場が多く、大泉町が南米からの日系人労働者を積極的に誘致したことから、町の人口の1割以上をブラジル人が占める日本最大のブラジル人集住地になった。ブラジル移民だった高野祥子氏も、1989年に出稼ぎにやってきた。そこで、トラブルになっても日本語がわからずに困っているブラジル人をたくさん見て、彼らに日本語を教えたいと思うようになった。
 91年、高野氏は家族とともに再来日し、大泉日伯(にっぱく)センターを創業、日本に出稼ぎに来ているブラジル人に日本語を教える教室を始めた。以降、この大泉日伯センターを母体として、ブラジル人学校「日伯学園」の創設、NPOである「大泉国際教育技術普及センター」の設立、フットサル場「Nespo Futsal(ネスポフットサル)」の運営など、在日ブラジル人を応援するさまざまな事業を展開している。こういった活動は、在日ブラジル人の駆け込み寺としてメディアからも注目されている。

主な活動内容

1.ブラジル青少年フェスティバル
2.文化庁委託事業「生活者としての外国人のための日本語教室」
3.文部科学省事業「虹の架け橋」プロジェクト

 不就学の日系ブラジル人子弟のための補習教室

4.その他、在日ブラジル人支援活動

 日系ブラジル人困窮家庭への支援物資の配布、チャリティーイベントの実施など

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 生活者としての外国人のための日本語教室

●言葉を学ぶことは定住外国人の基本的権利

 大人も子どもも、生活している社会の言葉を学ぶことは、生きるための基本的な権利だと考え、在日ブラジル人に日本語を教える教室を続けている。2004年からは文化庁委託事業として、以下の講座を実施している。

1.親子参加型日本語講座

 親子に限らず、大人から子どもまでを対象に日本語教室を実施している。参加費は無料で、年間延べ1,800人が受講。火曜日の19~21時、年30回実施。以前は公民館を借りていたが、現在は日伯学園の教室を使っている。
 日本語が全くわからないクラスと、日本語能力試験を目指すクラスがある。日本語能力試験の4級から1級まで、レベルごとにグループに分かれて勉強している。毎年25~30名が受験し、合格者は年々増えている。
 この教室で日本語を勉強して、公立中学校から高等学校、さらに大学に進学した大学生が手伝っている。彼らは、子どもたちにとって自分の将来に対する身近な目標になっている。

2.日本語指導者の育成

 日伯学園に在学している上級生で、日本語を熱心に勉強している生徒10名が、日本語の指導法を学んでいる。日本語教室ですでに講師としての経験を十分に積んでいる者が、効果的な指導法をテキストや実習を通して伝達するとともに、これまでの経験を踏まえ、より効果的な独自の指導法の開発もしている。
 上級生たちがおそろいの赤いジャンパーを着ていることから、別名「赤ジャン教室」と呼ばれており、日本語力が低下すると、他の同級生に赤ジャンを譲らなければならないので、一生懸命勉強している。彼らは、週3回、放課後に低学年の子どもに初歩の日本語を教えている。これによって、彼ら自身の日本語力が向上するとともに、下級生が赤ジャンを着た先輩を目標にして頑張るという副次的な効果も生まれている。

3.日本の高校に就学または就学希望の日系ブラジル人子弟向けの日本語力・国語力講座

 中学校を卒業後、定時制高校に進学しようとしている子や、入学したものの日本語に不安のある生徒を対象に、週2回、日伯学園と提携している高校の教員が日本語の指導をしている。

事業名称 ブラジル青少年フェスティバル

●子どもたちが自信を取り戻す場にしたい

 日本語がうまく話せないというだけで、コンプレックスを抱えているブラジル人の子どもたちが自信を取り戻す場をつくろうと、2002年から「ブラジル青少年フェスティバル」を始めた。目的は、日本で育つ若者のブラジル人としてのアイデンティティー確立と、日本とブラジル文化の交流奨励である。
 毎年秋に、町内にある「大泉文化むら」のホールを借りて実施している。ブラジル大使館、太田市、大泉町が後援。地元企業が協賛し、予算は例年150万円ほどだが、2009年は不況の影響で80万円ほどしか協賛金が集まらなかった。
 大泉町・太田市のブラジル人学校の校長先生や教員が中心になって実行委員会をつくり、半年以上前から準備をする。不就学者を含めた日系ブラジル人の子弟、ブラジル音楽の演奏家、地元で活動しているグループなどが、各10~20分、その年のテーマに沿った歌や演劇、ダンスなどを披露する。子どもたちが準備や後片づけをすることで、社会のマナーやルールを学ぶ場にもなっている。

ブラジル青少年フェスティバルにて
ブラジル青少年フェスティバルにて 

3 事業の成果と課題

●マイナスからのスタートとなったNPO

 日本で働くブラジル人の子弟は、ブラジル政府の認可を受けたブラジル人学校か、日本の公立学校に入って教育を受けることになる。大泉町の公立学校に入る子弟が増えるに従い、日本語が話せなくていじめられたり、授業についていけなかったりして学校に行かなくなる子どもが出てきた。高野氏の教室には、「うちの子どもの面倒を見てくれないか」「ポルトガル語も教えてくれないか」という要望が、かなり寄せられるようになった。彼らにきちんとした教育をしたいと町に相談したところ、子どもたちにポルトガル語で説明しながら、日本語をしっかり教えるような学校が必要だということになり、モデルケースとして、大泉町にそういう学校をつくろうという話が進んだ。そして、その受け皿が必要ということで、地元企業の経営者や学識経験者らとともに2001年、「大泉国際教育技術普及センター」を設立した。
 ところが、同年の町長選挙の後、ブラジル人子弟のための学校をつくるという話は白紙撤回されてしまう。しかし、学校ができることを前提に、すでに高野氏は30~40人の子どもたちの面倒を見ていた。小さな教室で彼らに十分な教育を施すことには限界があると考えて、高野氏は自分たちで学校経営に乗り出すことにし、02年にブラジル人学校「日伯学園」を発足させた。

●フェスティバル開催と困窮家庭への支援

 そのころ高野氏は警察の通訳もしていたが、ブラジル人青少年のドラッグや犯罪が多いことが気になっていた。公立学校になじめずに不就学になり、居場所をなくした子どもたちが仲間をつくってたむろしていた。
 日系ブラジル人の子どもたちは頭がよく、スポーツや音楽、ダンスなどにも素晴らしいものを持っている。なのに、日本語がうまく話せないというだけで、コンプレックスを抱えて内向きになってしまう。彼らに自信と誇りを取り戻してあげられないか。大泉町と太田市にあるブラジル人学校5校のトップが集まって相談するなかで、「フェスティバルをやってはどうか」という話になった。ブラジルの日系人社会では、お祭りのたびに集まって、歌や演劇を披露したり、そろいのはっぴ姿で踊ったりして、日系人同士のきずなを深めていた。
 2002年秋、大泉国際教育技術普及センターは、「麻薬撲滅」をテーマに「ブラジル青少年フェスティバル」を開催した。近辺のブラジル人学校を中心に300~400人が参加し、国際捜査室長からは「あなたたちの活動のおかげで、未成年者の犯罪がゼロ近くになった」と認められた。以降、テーマを変えて毎年、続けている。
 08年のリーマン・ショックは日本で働くブラジル人を直撃し、高野氏の周りでも多くの人たちが生活に困窮した。09年にはフェスティバルの開催自体が危ぶまれたが、ブラジル音楽を演奏する日本のグループが新宿の街頭で募金活動をするなど、多くの支援が寄せられた。フェスティバルは、「SOLIDARIEDADE」(相互扶助)をテーマに開催され、県外も含めてブラジル人学校11校が参加し、参加者は2,000人を超えた。
 この他にも、セカンドハーベスト・ジャパンや地元企業と連携して、困っているブラジル人家庭に食料品や生活物資を届ける活動も行った。また、授業料が払えない子どもたちを支援するため、09年9月19~23日には、チャリティーイベントとして、100時間ノン・ストップのフットサルマラソン大会を決行した。元Jリーグのラモス瑠偉氏が発起人に加わるなど、延べ2,369人が参加、80万円近くの収益金を3人の高校生に奨学金として贈ることができた。

フットサルマラソン大会には多くの人が参加した
フットサルマラソン大会には多くの人が参加した 

●大学生が子どもたちの「成長モデル」に

 こういった定住外国人の居場所をつくる活動、特に子どもの学びを支援する活動が評価されて、高野氏は、2008年度の国際交流基金地球市民賞を受賞した。授賞式で一緒にあいさつに立った新垣オタヴィオ君は、「日本語教室に参加するまでは、学校を卒業したら親や周りの親戚のように工場で働くしかないと思っていました。しかし、この教室に参加したことにより、ポルトガル語と日本語を使って人の役に立てることに気づき、大学に進学しました。これからも、自分たちの後に続く子どもたちのためにがんばっていきたい。そして日系であることに誇りを持って生きていきたい」と感謝の言葉を述べた。
 いま新垣君たちは、大泉国際教育技術普及センターの活動に参加している。子どもに日本語を教え、困窮家庭への支援物資の配布、チャリティーフットサル大会の運営などにも関わった。2010年には、これらのボランティア活動により、彼ら5人が優良生徒として、太田西ライオンズクラブから表彰された。
 小さい子どもたちはそれを見て、「お兄ちゃんのようになりたい」と言って、勉学の励みにしている。子どもたちには、日本とブラジルの懸け橋になれるように学力をつけていってほしいと思う。

授賞式に出席した髙野氏と日系ブラジル人の青年たち
授賞式に出席した髙野氏と日系ブラジル人の青年たち 

4 今後の展望

●日本人とブラジル人が心おきなく集える場所をつくりたい

 不就学や不登校を経験したブラジル人子弟の多くは、地域に自分たちの居場所がないと感じている。高野氏たちは、彼らに拠り所が必要だと考えている。物理的な施設として、いつでも自由に利用できる図書やパソコン、軽い運動ができるスペースなどを備え、日本人・ブラジル人にかかわらず、希望すれば日本語やポルトガル語を学べて、日本の高校や大学への進学情報も提供している、そのような教育文化施設を構想している。
 そのためには活動をもっと広げていく必要がある。現在、三井物産株式会社やBanquede France(フランス銀行)から、毎年教室の機材や備品、子どもの就学費用等の援助を受けているが、今後さらに寄付金が受けやすくなるように、認定NPO法人になることを目指している。

(ヒアリング応対者:理事長高野祥子氏)

 最初に日本語教室を始めた大泉日伯センターで、ブラジル人学校やフットサル場の経営などもやっている。そこでのつながりが大きく、何かイベントをやるというと、その関係者から口コミで200~300人、ブラジル人も日本人もいろいろな方が集まって来て手伝ってくれる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --