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認定特定非営利活動法人 アースウォッチ・ジャパン

バーチャルな世界から現場に飛びだそう! 真実は足元にある

所在地…〒113-8657 
             東京都文京区弥生1-1-1東京大学大学院農学生命科学研究科 フードサイエンス棟4階
TEL…03-6686-0300 FAX…03-6686-0477
URL…http://www.earthwatch.jp E-Mail…info@earthwatch.jp

東京都千代田区

1 団体の概要

代表者名…浦辺徹郎
設立年月…1993年 認証日…2003年2月28日
有給スタッフ数…常勤/4名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…34,377,000円
(内訳:会費3,000,000円、事業収入22,350,000円、寄付金7,100,000円、助成金1,460,000円、その他467,000円)

活動の目的・趣旨

 科学者の野外調査を、「資金」と「人手」の両面で支援する団体として、1.実証的な野外調査を支援することで重要な環境問題の解決に情報を提供する。2.人々の日常の心構えや行動を変えるための教育と動機づけを行う。3.地球環境に対する責任を持つという意識を抱いてもらうために、世界のいろいろな国、異なる文化や組織の人々を活動に引き入れる。この3つの視点で、多様な研究と教育プログラムが取り組む重要な環境問題の詳細を明らかにすることを目的としている。

団体の設立経緯

 アースウォッチは、1971年にアメリカ・ボストンで誕生して以来、世界各地に広がっている。日本での活動は、創設者の故難波菊次郎氏が、アースウォッチの活動と出会ったことから始まる。
 アースウォッチの最大の目的は、「科学の目」で地球の変化を調査し、持続可能な未来のために必要な「知の基盤」をつくることである。いかなる思想、主義、主張などの強制、押し付けも行わない。科学的データをもとに、将来にわたる人類の課題を公正な立場で発信・提言することである。
 この素晴らしい目的と活動を、日本を中心にアジアに広めるために、1993年、アメリカ、イギリス、オーストラリアに次ぐ4番目の拠点として、アースウォッチ・ジャパン(EARTHWATCH JAPAN)を設立するに至った。

主な活動内容

 野外調査研究の支援活動として、世界中で行われている野外調査へ、「ボランティア派遣」「資金の提供」を実施している。

1.サイエンスボランティア・プロジェクト(海外及び日本国内)
2.企業との協働プロジェクト
  • 教員フェローシップ(教員支援)
  • ネイチャーフェローシップ(大学生支援)
3.難波菊次郎基金(若手人材支援)

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 サイエンスボランティア・プロジェクト

1.サイエンスボランティア

 アースウォッチは、人類の問題解決に関わる野外調査研究のフィールドワークに取り組んでいる研究者たちの活動をより広げ、研究による「事実」を明らかにしていくために、ボランティアを派遣している。ボランティアは、1~2週間、研究者と共に生活し、環境保全研究の基礎データ収集の補佐を行う。
 アースウォッチのプロジェクトは、国内、海外問わず、すべて現地集合である。参加費(研究分担金)には、宿泊費・食費は含まれるが、現地までの交通費は含まれない。参加資格は、18歳以上(国内は16歳以上)であれば、誰でも参加できる。
 ボランティア作業の多くは、記録や計測などの単純なもので、プロジェクトの現場では、研究者やその助手が丁寧に作業手順について説明する。また、事前にブリーフィングという「プロジェクト解説書」が届けられるので、現地入りする前にプロジェクトの概要を理解することができる。
 参加にあたっては、特別な予備知識、専門知識などは必要ないが、海外プロジェクトでは、日常会話も作業の説明もすべて英語で行われる。厳しい大自然のなかで、身体、頭、心をブラッシュアップして楽しんでほしいと思っている。

2.国内プロジェクト

 2010年秋から冬にかけて、以下のような国内プロジェクトが行われた。

  1. 武蔵野の淡水ガメ(東京都武蔵野)
     外来種の侵攻と日本固有種の現状を探る。捕獲カゴの設置と回収、カメの測定と記録。
  2. 沖縄のサンゴ礁(琉球大学熱帯生物圏研究センター、瀬底実験所)
     サンゴ飼育層の実験、フィールドのシアノバクテリアの影響調査。
  3. 山梨の森の野生動物調査(山梨県)
     動物の痕跡(掘り起こし跡、糞、足跡)を探し、GPSで記録。
  4. 清里のヤマネ(山梨県 八ヶ岳南麓の清里高原)
     天然記念物のヤマネ生態調査。巣箱調査、巣箱の作成、交換。
  5. 温暖化と沿岸生態系(千葉県鴨川市~館山市にかけての岩礁海岸)
     地球規模の環境変動が沿岸生物に与える影響の解明。生物の分布と環境データの記録。
  6. 固有種ニホンイシガメの保全(千葉県君津市)
     里山の現状と人為的な環境改変のもたらす影響を探る。手探りでカメの捕獲、測定と記録。
  7. 富士山の生物多様性イニシアチブ(富士山梨ケ原の草原及び周辺の草原)
     「絶滅危惧蝶類」「草原と林の鳥」「湧水と里山環境」それぞれの探索と記録。
  8. 東京湾のアマモ(千葉県富津市)
     温暖化をはじめとする環境変化が沿岸生態系に与える影響を探る。

猿のフンを囲んでレクチャー(山梨の森)
猿のフンを囲んでレクチャー(山梨の森) 

3.海外プロジェクト(一部抜粋)

<アジア>
 「中国浙江省の森林と気候変動」「インドの西ガーツ山の森林と気候変動」「ボルネオの雨林と気候変動」「アンコール王朝の起源」「モンゴルの大草原の野生生物」ほか

<オセアニア・太平洋諸国>
 「キンバリーの淡水ガメ」「クイーンズランドのウミガメ」「マンタの海」

<北アメリカ>
 「北極圏周辺の気候変動」「森のイモムシ」「リオグランデ大地溝帯」「マンモスの墓場」 「カリフォルニアのヤン学植物」「ロッキー山脈の鳴禽類」ほか

<中央アメリカ>
 「バハマのマングローブとサンゴ礁」「ベリーズのサメ」「中央アメリカの火山」「コスタリカのコーヒー農園」ほか

<南アメリカ>
 「アマゾン川の川船」「エクアドルの森林と野生生物」「イースター島の文化遺産」「ブラジルの野生生物とその回廊」ほか

<ヨーロッパ>
 「ギリシャのバンドウイルカ」「イギリスのローマ遺跡発掘」「ローマ古代都市の発掘」「ボルドーのワインと野生生物」ほか

<アフリカ>
 「南アフリカのペンギン」「カラハリ砂漠のミーアキャット」「マダカスカルの肉食動物」「ナミビアでのチータ保護」「セーシェル諸島のサンゴとマングローブ」ほか

 その他、多数の調査研究プロジェクトがある。

カラハリ砂漠のミーアキャット調査(C) hr_Madagascan Lemurs
カラハリ砂漠のミーアキャット調査(C) hr_Madagascan Lemurs 

事業名称 企業との協働プロジェクト

1.花王・教員フェローシップ

 このプロジェクトでは、効果的な環境教育を実現し、子どもたちが環境への意識を高く持つことができるように、環境教育の実践者である学校の先生に、海外の野外調査への参加機会を花王株式会社の協力で提供している。
応募資格:小学校、中学校の教員(担当学年、科目は問わない)10名
支援内容:
1.海外野外調査プロジェクトの研究分担金(参加費約25万円) (調査期間中の食費・宿泊代・移動費を含む)
2.参加にかかる費用の補助10万円(渡航費、装備品購入費、査証代など使途自由)
3.環境教育実践のフォロー

2.日本郵船ネイチャーフェローシップ

 日本郵船株式会社と協働で大学生を世界の海洋環境調査に派遣するプロジェクトである。
応募資格:参加時に日本国内の大学及び大学院、短期大学に在学中の学生、3名程度。
派遣プロジェクト(各プロジェクト1名):海洋生態系をテーマとした調査
支援内容:
1.アースウォッチ入会金5,000円、学生年会費3,000円
2.海外野外調査プロジェクトの研究分担金(研究者への支援金や期間中の宿泊代食事代含む約30万円)
3.支度金5万円(使途自由)

3 事業の成果と課題

研究者の人柄が大事

 現地では研究者がリーダーで、ボランティアは研究者の指導のもとで働くことになる。支援する研究者は、公募し申請を受け付けるほか、学会で発掘したり、すでに支援している研究者の紹介などで見つける。野外調査で科学的なデータを集め学術的な成果を出している研究者で、なおかつ自分の研究を一般の人に広く知ってもらいたい、伝えたいという心を持つ研究者が選定条件である。研究者は、アメリカの本部(ボストン)にサイエンスリポートを提出し、リポートはアースウォッチの報告集として出版される。
 研究者の得るものとしては、人手が足りない面を補ってもらえること、資金の支援が得られることのほかに、自分の研究が他の人に伝わるよろこびや、違う視点からの気づき、参加者からの専門知識を得られることなどが挙げられる。これまで参加者と研究者との意識の齟齬はあまりない。
 プロジェクトの立ち上げまでの危機管理、宿泊施設、安全管理については、保険や、病院に連れて行く環境が整っているか、危険地域の案内、研究者の意識など、厳しいリスクマネジメントを図っている。
 日本での活動を開始した頃は、研究者の手伝いというと難しいことと考えられたり、英語が必要であること、参加費のほかに現地往復の交通費が必要であることなど、ハードルが高いと思われがちであったが、徐々に理解を得られるようになり、これまで2,000人以上の日本人の参加者があった。口コミも大きく、リピーターも多い。

企業との連携――紹介が大きい支えに

 企業との協働は、知り合いからの紹介が重要なカギとなっている。
 シニアの会員が勤務していた会社を紹介したり、協働企業が関連企業を紹介したりなど、仲間からの紹介が力強い。そのほか、理解を広める工夫としてビデオも作成し、エコプロダクツなどの環境イベントに出展したり、環境に関連のある企業に電話し訪問するなどの活動にも力を入れている。

行政との連携

 事業などで環境省や文部科学省、経済産業省などから後援を得られたことは、他の組織からの信用につながっている。教育機関や企業、研究機関などとの連携がしやすくなるため、引き続き積極的に働きかけをしていきたいと考えている。

事務所で、笑顔の小林氏と伊藤氏(左から)
事務所で、笑顔の小林氏と伊藤氏(左から) 

4 今後の展望

 生物多様性などに関連して提案できるメニューは、企業にとってもプラスになると思うので、お互いのメリットがより見えるようにしていく必要があると考える。
 また、会員や協働事業を増やすなど、プロジェクトの数を増やしていきたい。そのためにも、スタッフを増やし、事務局体制を強化していきたいと思う。

(ヒアリング応対者:理事小林俊介氏、ディレクター伊藤雪穂氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --