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特定非営利活動法人 ねおす

「地域」と「世界の中の北海道」2つの視点からの社会貢献

所在地…〒064-0952 北海道札幌市中央区宮の森二条14丁目1-14
TEL…011-615-3923 FAX…011-615-3914
E-Mail…npo@neos.gr.jp

北海道札幌市

1 団体の概要

代表者名…高木晴光
設立年月…1992年1月 認証日…1999年3月31日
有給スタッフ数…常勤/21名、非常勤/7名
事業規模(09年度決算収入)…154,717,001円
(内訳:事業収入103,254,952円、会費483,000円、補助金50,871,195円、その他107,854円)

活動の目的・趣旨

 子どもから大人まで幅広い層を対象に、自然体験活動、環境教育、野外教育等のプログラムの企画、運営など環境学習に関する事業を行い、人と自然、そして人と人との豊かな出会いをつくり、持続可能な地域づくりと地球社会の推進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 一企業の野外活動部門としてスタートを切ったが、その後、任意団体「北海道自然体験学校NEOS」を設立。Nature Experience Outdoor Schoolの頭文字を取ってNEOS(ねおす)と命名。様々な活動を経て、現在の「ねおす」が誕生してきた。内部の事業部門も多方面にわたるが、「ねおす」の内部から派生して外部化した部門が2つある。エコツーリズムの旗を掲げる「北海道エコツアーシステム」と「北海道山岳活動サポート」であり、これらが有機的に「ねおす」を構成している。

主な活動内容

1.人材育成事業
  • 「田舎で働き隊!」(農林水産省)
     都会生活者を対象に田舎での仕事体験を通して生活の基盤を農山漁村に求める取り組み。
  • 「黒松内ぶなの森自然学校」(黒松内町、ぶなの森自然学校運営協議会)
     田舎の自然学校指導者養成講習を実施。
  • 「川湯エコミュージアムセンター運営支援事業」(弟子屈町、環境省)
     阿寒国立公園の自然情報を提供する施設でのプログラム提供及び運営。
  • 「そうや自然学校プロジェクト」(中頓別町)
     北緯45度線に位置する人口2,000人の町での、交流創出を目的に活動。
  • 「子ども農山漁村交流プロジェクト対策事業」(農林水産省)
     小学校の学年規模で、農山漁村での3泊4日程度の長期宿泊体験活動の推進。
2.子どもの自然体験事業
  • 「黒松内ぶなの森自然学校・子ども長期自然体験村」(ぶなの森自然学校運営協議会)
     自然の中で思いっきり遊び、ともに生活する20泊の長期宿泊プロジェクト。
  • 「弟子屈サイト・子どもパークレンジャー事業」(環境省)
     自然保護官の仕事体験を通して自然の大切さや生き物への思いやりを体感する。
  • 「大沼サイト・大沼ジュニアレンジャー事業」(JR北海道)
     地域の自然環境の保全に、地元の子どもたちが関わり学ぶことのできる機会を提供。
3.交流事業
  • 支笏湖地域における環境体験プログラム検討業務(環境省)
     支笏湖周辺の美しい自然を広く体験利用できる各種プログラムの策定を行う。
  • 大雪山自然学校・旭岳保全プロジェクト(東川町、東川町大雪山国立公園保護協会)
     旭岳・天人峡地区における利用者への適切な利用を促すプロジェクト。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 そうや自然学校プロジェクト

 北緯45度線に位置する中頓別町は、面積の8割を森林が占める山々に囲まれた牧歌的風景が広がる人口2,000人の小さな町である。その素朴な自然の中では、酪農業が産業として営まれている。「ねおす」の様々な活動の出発点であり集約点は、学びの場であり、育つ場づくりである。子どもから大人まで幅広い層を対象に自然体験型環境プログラムを提供する自然学校やネイチャーセンターを北海道全域に展開する。ネットワーク型・協働型の地域に根ざした活動が特徴である。
 そうした場をつくり出すものとして、ねおす流エコロジー8原則がある。
 1.相互協働、2.持続可能、3.生態的(循環型)影響、4.エネルギー解放、5.調和、6.変化受容、7.多様性、8.進化、の8つで、これらの8原則が設立当初から今日までの「ねおす」を貫いている。

地域内外の交流創出を目指して

 敏音知(ビンネシリ)地区の閉校した小学校を利活用し、生涯学習の推進、環境教育、体験型観光や森林療法などの様々な活動を通して、地域住民そして地域外へとこれらの取り組みをつなげ発展させていく仕組みとして「そうや自然学校プロジェクト」を設立した。地域内外の「交流創出」を目的に事業を展開している。

●生活職人養成講座

 農山村で子どもたちの自然体験活動を進める指導者に対し、年間を通した連続講座を開催。その地域の自然・産業・文化など地域の素材を知り、プログラムを持続的に展開するノウハウの獲得、地域の魅力や田舎の存在価値を子どもから大人まで伝えることのできる人材養成を目的としている。
 自然観察や野外活動の手法または自然や昔の暮らしの中で使われていたものなどを素材に、モノつくりなどをテーマに全6回でプログラムを実施する。
<プログラムの内容>
1.自然の見方、伝え方(自然観察、図鑑づくり)
2.森遊びを楽しむ手法(野外活動スキル)
3.森の素材山ブドウ皮を編む~奥会津伝統工芸より~(かご編み)
4.農家の手仕事~羊毛クラフト~(フェルトクラフト)
5.木育~木と暮らしの関わり方~(ベンチづくり)
6.冬の森を楽しませる手法(ツアープログラムつくり)
 この講座で学んだことを、子どもキャンプなどの実践の中で生かすことができるようにしている。モノつくりのプログラムで技術を習得した参加者の中には、独自の制作活動を行う者も出ており、今後の自然学校の利用者、協力者として次の活動につながるきっかけとなっている。

森の中で実践研修
森の中で実践研修 

事業名称 田舎で働き隊!

農村活性化は日本社会の希望の火

 農山漁村の活性化のためには、人材が重要な役割を果たす。
しかし、農村地域は安定した就職先がないため、青年層を中心に都会への人口流出が止められず、活性化の人材が田舎に構造的に不足する状況である。一方、都会では自然環境の豊かな田舎での生活を求める層も多い。これらの田舎と都会の人々による協働によって、都会から新たな田舎の活性化を担う人材を育成することが重要である。そこで、農林水産省農村活性化人材育成派遣支援モデル事業を活用し、「田舎で働き隊!」事業を開始した。
 都会からの人材を育成するためには、都会からの様々な要望に応え、都会の人々を田舎へ迎え入れる地域の窓口的役割を果たす交流コーディネーターが必要となる。ねおすでは、都会と田舎の交流コーディネーターを育成し、都会の人材が地域に定着することを目標にしている。

頭を寄せ合い、知恵を絞る研修風景
頭を寄せ合い、知恵を絞る研修風景 

どんな人が田舎で受け入れられやすいか

 田舎で何世代にもわたりその地域に根づいた暮らし方をしてきている地域住民は、突然地域に入ろうとする者に簡単には胸襟を開かないものである。どんな人間が受け入れられやすいのかというと、「ちょっと頼りにならなそうな人」これが一番である。都会から田舎で働いてみたいと、ひ弱げな若者や女性が来ると「何とかしてやろう」と周りが動き出す。
 逆に何でもできるような態度の人が来ると、「お手並み拝見!」となってしまう。もちろん、弱々しいだけではダメで、真面目に仕事に取り組む姿勢が重要なのは言うまでもない。神輿をかつぐ人ではなく、その地域の人が神輿に乗せてやりたくなるような人が向いていると思われる。

事業名称 黒松内ぶなの森自然学校・子ども長期自然体験村

 黒松内ぶなの森自然学校は、ぶなの森を背景に閉校となった小学校を利用し、1999年に開校した。北限のぶなの森の里としてのまちづくりを、黒町内町と協働して環境庁(当時)の「ふるさと自然塾構想」として実現した。自然体験、山村留学事務局、学校団体受け入れ、夏休みの子ども長期自然体験活動など多様な活動を行っている。

自然の中で思い切り遊ぶ

 多くの人と出会い、ふれあいながら「自然の中で思い切り遊ぶ」「共に生活する」ことを大切にして活動を展開している。自然体験活動、生活体験を通して人を思いやること、自然の美しさや不思議さ、危険への察知や対処を知ること、協力すること、自分の思いを伝えること、創造的に発展的に遊ぶ工夫、未知に対する勇気を養うことを目的にしている。
 2009年度は20泊21日の3週間キャンプとなった。子ども29名(男子17名、女子12名)の参加者に対し、33名(男性15名、女性18名、部分参加を含む)のスタッフと外国籍ボランティア(マレーシア1名、韓国1名、台湾3名)が対応した。
 1週目は、全体行動で、子どもとスタッフの信頼関係づくり。
 2週目は、少人数で異なった場所に出かけ体験のレベルを高める。
 3週目は、「ぶなの森共和国」と題し、子どもたちが地域通貨「オッホ札」を介しながら、生活に必要な物を手に入れるという生活体験を行う。
 この長期自然体験村の魅力は、本格的な自然体験と同時に、バラエティーあふれるスタッフとの人的交流の中で育まれる人間力にあるのかもしれない。理事長の高木氏は、2001年に札幌から黒松内に移住し生活しているが、「移り住んで田舎に対する見方が変わった。一次産業が国の基本と言われながら社会の矛盾が田舎にしわ寄せされている」と語る。

自然の中で笑顔の子どもとスタッフ
自然の中で笑顔の子どもとスタッフ 

3 事業の成果と課題

 過疎化と高齢化が進む農山漁村は、環境資源の維持や食料の生産基地として日本社会になくてはならないにもかかわらず凄まじい勢いで崩壊しつつある。そんな中で、「田舎で働き隊!」で送り出した人材は、「かの地」に定着すべくがんばって成果をあげている。一方、北海道は広すぎて地域に一人ずつ送り出された人たちの情報交換や励ましあうための交流が容易ではない。
 また、ねおすが目標とする交流コーディネーターの養成では、いろいろな性格・タイプや能力の隊員が集まる中で、総合的な力量を保つための体系的なステップアッププログラムの策定が課題となっている。

4 今後の展望

これからはドリフターズだ

 田舎に来る人のありようを考え直す時期に来ているのではないか。これまでの移住、定住などの目線では、若い人や不動産を買ってくれるようなお金持ちの退職者などが想定されていた。しかし、価値観の流動化や多くの企業で終身雇用が事実上終わり、否応なく転職の時代を迎えている中、「ドリフターズ(昔の言い方では流れ者)に注目したい」と宮本専務理事は語る。
 例えば、看護士ならどこで暮らそうと何とか仕事が見つかる。これらの資格を持つ人たちが一つの層を構成し、さらにクラフトや陶芸などの制作者の層、定年退職した経験豊富な様々な職域のベテランなど、これらの人々が田舎での暮らしを数年の単位で支える時代ではないかと思う。
 例えば、道北の美深町では芸術系の人が集まっているし、漁師を一度はやってみたいと思っている男性も結構いる。魅力ある町や自然環境や文化などが提示されるなら、いち早くこの人々を呼び込むことで、地域活性化や人口減に歯止めがかかる可能性がある。どのような地域づくりも容易ではない中で、地域活性化の成功事例になってゆくのではないか。

(ヒアリング応対者:理事長高木晴光氏、専務理事宮本秀樹氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --